千川上水の記録フィルム （せんかわじょうすいのきろくふぃるむ）

　千川上水を流れに沿い、取水口から六義園（りくぎえん）までが、カラーリバーサルフィルムを使用して60コマで構成されている記録フィルムです。
　タイトル画面に「千川上水　製作練馬区教育委員会　1952」とあることから、昭和27年に練馬区教育委員会が製作したものであることが分かります。当時、練馬区内においても場所により暗渠化工事が進められている中、時期を失することなく工事の初期段階において撮影され、またカラーフィルムを使用しているなど、暗渠となる前により良い記録を後世に残そうという意図が明らかです。
　このフィルムには、千川上水とともに周辺の風景が写され、広がる畑、交通量のほとんどない道、木造平屋の建物が軒を並べる商店街、橋や千川上水からの分水口、また、千川上水と関わる水車や各種の工場など、今では見ることができない千川上水とその流域の情景が記録されています。
　なお、使用されたフィルムは、外型反転、感度ASA10、ライカ判（ばん）、20枚どり、昭和24年（1949年）10月に発売されたものです。千川上水の記録は、このフィルムの発売から約3年後であり、まだまだ高価なカラーフィルムを使用したことで、記録内容とともに一層貴重な資料となっています。

　平成16年度区登録

　（石神井町5丁目12番16号）
　※収蔵品ですが、希望により公開します。