【令和6年1月8日】成人の日のつどい
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ページ番号:902-907-966
更新日:2024年1月8日
練馬区長 前川 燿男
練馬区長の前川燿男です。本日、成人の日を迎えられた皆さん、真におめでとうございます。74万区民を代表して、心からお祝いを申し上げます。また、新年早々でお忙しいなか、御出席を頂きました来賓の皆さんに、衷心から御礼を申し上げます。
はじめに、元日に発生した能登半島地震により犠牲となられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。現在も厳しい寒さのなか、避難生活を余儀なくされている方々が大勢いらっしゃいます。一日も早い復旧・復興を心から願っています。
さて令和も6年となりましたが、振り返ってみると、日本の戦後史は大変な激動の時代でした。私は終戦直後の生まれですが、子どもの頃は実に貧しかった。隙間風が吹き抜けるあばら屋に住み、燃料は薪と炭、暖房は火鉢、電化製品は電灯とラジオだけでした。それが、昭和30年代から40年代の高度経済成長期に飛躍的に豊かになり、GDPは毎年のように、イギリスを抜き、フランスを抜き、ドイツを追い越しと、アッと言う間に世界第二位まで駆け上がりました。
それが今や全く逆となりました。日本は史上初めて少子高齢化、人口減少時代に突入し、国民一人当たりの名目GDPは32位、主要7か国で最下位にまで低落しました。対照的に、中国、インド、東南アジア、アフリカが目覚ましい経済成長を遂げ、日本の地位は大きく低下しました。江戸時代に近い生活から一挙に世界最先端の豊かな社会に到達し、今度は一転して急速な衰退期に入ったのです。全く誰も予想出来なかった歴史の激動でした。
皆さんが大人になった現代は、こういう時代なのです。日本が初めて体験する困難な時代です。
この時代を、若い皆さんがどう生きるべきか。区長としては皆さんに、日本を支えて頑張れと言うべきなのでしょうが、これはそれこそ皆さん一人一人が、これから大人として自分で考えるべき問題です。それより私は、昔も今も人間は変わらない、時代を超えて同じ人生の姿があるとお話ししたい。
私は皆さんと同じ年頃は、行くべき道に迷っていました。よく満天の星を見上げては、石器時代の青年は、或いは弥生時代・戦国時代の青年は、この星空を見上げて何を考えていたんだろうと空想していました。今では思います。恐らく時代は違っても、青春の喜びと悩みは同じだっただろうと思います。どんな時代であれ、若者が自立した大人になるには時間がかかります。道に迷って、苦しんで、挫折して、失敗を繰り返して、その中から初めて人生は拓けます。私もそうでした。何時の時代でも、真剣に人生を懸けて迷い、苦しむこと。それが青春の特権だと思います。
私は、若い皆さんに声を大にして言いたい。青春の特権を行使して迷って苦しんで、真剣に生きて欲しい。そうすれば、一時は辛くとも必ず道は拓けます。
結局私は、迷った末に公務員の道を選び一生涯を生きてきました。改めて数えてみると14ヵ所の職場を転々として仕事をしました。何処へ行っても現状改革を目指して全力で仕事をしてきました。これは、縁あって区長に就任してからも同じです。「改革ねりま」を旗印に、住民自治でも政策でも、全国自治体を先導する大都市自治の実現を目指し努力してきました。
私は自慢をしているのではありません。若い皆さんに言いたい。先程、青春の特権とお話ししたが、実は人生は、若い時だけではなく歳を取っても、挫折し再起するその繰り返しなのです。ゲーテの言う通り人間は努力している限り迷うものであり、また努力無き人生は人生とは言えません。しかし、だからこそ苦しみを乗り越えて様々な喜びと幸福に恵まれ、人生は生きるに値するのです。永く生きてきて、私は断言します。苦労は多かったけれど、人生とは好いものです。
皆さんは今まさに、大人への道を歩み始めました。若い皆さんお一人お一人の人生に幸多かれと心から祈念して、私のお祝いの言葉とします。本日は真におめでとうございます。
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