【令和6年1月4日】仕事始め挨拶
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更新日:2024年1月4日
練馬区長 前川燿男
令和6年年頭に当たり、御来庁の区民の皆さん、職員の皆さんに御挨拶申し上げます。
はじめに、元日に発生した能登半島地震により犠牲となられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。現在も懸命な救助活動が続いています。一人でも多くの命が助かってほしいと衷心から願っています。
私は自宅に居ましたが、新年を迎えた途端の地震発生に強い衝撃を受けました。首都直下地震は、何時発生してもおかしくないと言われて久しくなります。マグニチュード7規模の地震は、他人事ではないのです。また、いざ現実に地震が起きると、第一線の現場で救命救援活動を担うのは、我々行政の最前線で働いている者です。日頃から有事への備えを怠ってはならない。公務を担う者の責任の重さが改めて身に迫りました。
同じく公務員の責任という意味で、年明け早々から区民の皆さんにお詫びしなければならない事があります。昨年発生した、職員の期末・勤勉手当に係る源泉所得税の国への納付遅延についてです。納期限の誤認により、区は国から約3,700万円の加算税等を課されました。行政として決してあってはならない事務処理ミスでした。
この損失を誰が負担すべきか。区が区民の皆さんの税金で支出することはあり得ません。地方自治法の定めにより支出権者である担当課長が賠償責任を負いました。公務員は国民の税金で行政を執行しています。一銭たりとも無駄にしてはならない。公務員は身分が保障されている反面、一人一人が負う責任は極めて重いのです。
公務に従事して以来心に刻んでいる箴言があります。江戸期の二本松藩主丹羽高寛の言です。「爾俸爾禄 民膏民脂 下民易虐 上天難欺」 汝の給与は民の血税である。民を虐げることは容易いが、天の目は欺けないぞ。とでも訳すのでしょうか。
また鹿児島出身の私には薩摩義士の伝承も身近なものです。薩摩藩は宝暦三年から幕府に木曽三川の治水工事を命じられました。家老の平田靭負らは、見事に完成させた後、工期の遅れと巨費を費やした責任を取って切腹しました。
彼等には遠く及びませんが、私も課長に昇格した時覚悟を決めました。部下の挙動を全て掌握する事は出来ないけれど、責任は全て自分が負うしかないと。
公務員は全体の奉仕者であり、区の職員も皆誇りを持って仕事をしています。日本が欧米以外で唯一近代化に成功したのは、公務員が清潔で汚職をしなかった事も大きいのです。
これは永い日本の歴史に根差しています。私達区の職員の中にも、外国人の賄賂を拒絶し「日本人だ」と胸を張った明治新政府の若い税関職員の誇りは、今も息づいています。改めて身に沁みた出来事でした。
区長に就任して10年になります。働き甲斐のある歳月だった、そう思っています。
私は39年前、みどり豊かな環境と大都市東京の魅力を享受出来る立地に惹かれて、終の棲家と自ら選んで練馬区に住み始めました。都心に通勤しながら子どもを育て、老親を介護し、豊かなみどりのなかでジョギングを楽しむ日々を送ってきました。様々な行政サービスを享受し、感謝しながら、区政には何か飽き足らなさも感じていました。まさに区民の一典型でした。
縁あって区長にして頂いたからには、その感覚を基本に区政を変えたい。心から願いました。これが私の「改革ねりま」です。毎日のように区内各地を回り、区民の皆さんと意見を交わし、参加と協働を根幹に据えた区政運営を進めてきました。政策面でも、数々の練馬区モデルを立ち上げ、全国自治体を先導する多数の政策を実行してきました。区民の皆さん、職員の皆さんと力を合わせた努力が実を結び、練馬区の福祉医療サービスと都市インフラは飛躍的に充実しました。災害対策についても、「攻めの防災」に力を尽くしています。
今、練馬区は全国でも稀な人口の増加傾向にあり、新たな発展期を迎えています。引き続き、区民の皆さん、職員の皆さんと力を合わせ、御出席の田中議長、酒井副議長をはじめ区議会の皆さんのお力添えを頂きながら、政策でも住民自治でも、全国を先導する大都市自治体を実現したい。固く決意しています。皆さんの御理解、御支援を心からお願い申し上げます。
最後に、この年末年始、清掃事務所をはじめ行政の現場で頑張った職員の皆さんが沢山います。仕事を休めなかった区民の皆さんも大勢いらっしゃいます。こうした社会全体の為の御苦労に、心から敬意を表し感謝を申し上げ、私の年頭の挨拶といたします。どうか今年もよろしくお願いします。
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