【令和5年1月9日】成人の日のつどい
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ページ番号:556-111-742
更新日:2023年1月9日
練馬区長 前川 燿男
練馬区長の前川燿男です。本日、この素晴らしい青空の下、成人式を迎えられた皆さん、真におめでとうございます。74万区民を代表して、心からお祝いを申し上げます。また、新年早々お忙しいなか、御出席を頂いた来賓の皆さんに、心から感謝を申し上げます。
令和も5年となりましたが、振り返ってみると、日本の戦後史は大変な激動の時代でした。私は終戦直後の生まれですが、子どもの頃は実に貧しかった。隙間風が吹き抜けるあばら家に住み、燃料は薪と炭、暖房は火鉢、電化製品は電灯とラジオだけでした。それが、昭和30年代から40年代の高度経済成長期に飛躍的に豊かになり、GDPは毎年のように、イギリスを抜き、フランスを抜き、ドイツを追い越しと、あっと言う間に世界第二位まで駆け上がりました。
それが今や全く逆となりました。日本は史上初めて少子高齢化、人口減少時代に突入し、国民一人当たりの名目GDPは27位にまで低落しました。対照的に、中国、インド、東南アジア、アフリカが目覚ましい経済成長を遂げ、日本の地位は大きく低下しました。江戸時代に近い生活から一挙に世界最先端の豊かな社会に到達し、今度は一転して急速な衰退期に入ったのです。全く誰も予想できなかった歴史の激動でした。
そうしたなかで今回、コロナ禍とロシアによるウクライナ侵略の直撃を受けました。皆さんが大人になった現代は、こういう時代なのです。日本が初めて体験する困難な時代です。
この時代を、若い皆さんがどう生きるべきか。区長としては皆さんに、日本を支えて頑張れと言うべきなのでしょうが、これはそれこそ皆さん一人ひとりが、これから大人として自分で考えるべき問題です。それより私は、昔も今も人間は変わらない、時代を超えて同じ人生の姿があるとお話ししたい。
私は皆さんと同じ年頃には、行くべき道に迷っていました。よく満天の星を見上げては、石器時代の青年は、あるいは弥生時代・戦国時代の青年は、この星空を見上げて何を考えていたんだろうと空想していました。今では思います。恐らく時代は違っても、青春の喜びと悩みは同じだっただろうと思います。どんな時代であれ、若者が自立した大人になるには時間がかかります。道に迷って、苦しんで、挫折して、失敗を繰り返して、その中から初めて人生は拓けます。私もそうでした。いつの時代でも、真剣に人生をかけて迷い、苦しむこと。それが青春の特権だと思います。
私は、若い皆さんに声を大にして言いたい。人生というのは好いものです。永く生きてきて、苦労は多かったけれど、人生は生きるに値します。
結局、私は公務員の道を選びました。そして練馬区に住んで40年近くになります。都心に隣接しながら、みどり豊かな魅力に惹かれて、自ら選んで住み始めた土地です。思いがけず区長にして頂いたからには、第二の故郷となったこの練馬の地に、確かな希望を根付かせたい。そういう思いで努力を重ねて来ました。僭越ながら、数々の練馬区モデルを立ち上げ、全国自治体を先導する多数の施策を実行してきました。それが漸く実を結んで、今、希望の芽が育ち始めています。
春には練馬区の名誉区民である牧野富太郎博士が主人公のNHK朝ドラがスタートします。年半ばにはハリー・ポッターのスタジオツアー東京がオープンします。そして秋には全国都市農業フェスティバルを区の主催で開催します。政策的にも大きく前に進みます。永年の懸案であった救命救急センターが今年度中に設置され、(仮称)東京都練馬児童相談所が来年開設されます。更には、大江戸線の延伸、西武新宿線の高架化、区立美術館の大改修など、行政の大道が我々の前に拓けています。
この新しい希望の芽を、若い皆さんと一緒に大きく育てて行きたい。この練馬を、東京23区を代表するみどりと文化の都市としたい。そのために、皆さんに是非、力を貸して頂きたい。皆さんと力を合わせて、全力を尽くそう。心から願っています。
最後に、大人への道を歩み始めた皆さんお一人おひとりの人生に幸多かれと祈念して、お祝いの挨拶といたします。本日は真におめでとうございます。
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