【平成30年6月11日】5階の窓から（ねりま区報6月11日号掲載）

　5月9日から11 日まで、練馬区の友好都市である、中国北京市の海淀区を訪問しました。海淀区からの訪問が続いた事への、区長としての答礼でした。
　中国を公式訪問するのは、25 年前北京市に招待されて、北は万里の長城、西は敦煌、南は上海・蘇州と、広く旅して以来です。今回は北京市内だけでしたが、中国の変貌には目を見張りました。既に高速道路も新幹線も総延長は世界一、市内は高層ビルで埋め尽くされ、海淀区には最先端の情報技術産業が集積しています。自転車の川は自動車へと一変、共産党のスローガン掲示は激減しました。
　今や中国は、米国と覇権を争う超大国となったのです。市場経済と強大な社会主義権力の組み合わせは、集中投資で、軍事・科学技術・都市インフラの近代化を一挙に成し遂げました。
　20 世紀は終わったのだと実感しました。自信を持った、先進技術大国中国の登場は、近代日本が初めて直面する事態です。孫文を支援する宮崎滔天達が夢見たアジアの解放がやっと実現するのか、大唐帝国の再現に終わるのか。或いはまた、中国が、経済軍事大国に止まらない、新たな姿を示すのか。様々な感慨を誘われた、今回の訪問でした。
　海淀区当局とは、市民レベルでの交流を深める事で合意しました。永い目で見ると、草の根レベルの交流こそが、日中友好の未来を拓く。そう信じています。区民の皆様とともに進みたいと思います。