【平成29年8月21日】5階の窓から（ねりま区報8月21日号掲載）

　障害者福祉は、私が行政に取り組む原点です。美濃部都政で福祉に従事したくて都に入り、日本初の障害者福祉センターに配属されて、窓口業務からスタートしました。後に障害者施設2箇所の係長も務めました。
　その頃は、街中で障害者の方を目にするのが、未だ珍しい時代でした。若く未熟な青春の日々、ただ懸命に無我夢中で仕事をしました。先日、当時通所していた聴覚障害児のお母さんが、昔の登録カードや写真を持って訪ねて来られました。立派に成人し活躍されている様子も伺い、万感胸に迫るものがありました。障害者が、地域から隔離された「特別な存在」であってはならない。永く福祉行政に従事して、自然にそう考えるようになり、今も信じています。
　人類の歴史は、「人間が人間になって行く」プロセスだと思います。障害者の方が、住まいのドアを開ければ、直ぐそこに住み慣れた地域がある。障害の特性に応じた就労があり、暮らしの支援がある。誰もが、こうした当たり前の生き方が出来る社会を、この練馬で築きたい、心から願っています。
　この程、アイメイト協会と協力して、区役所の庁舎を盲導犬の訓練の場として開放しました。地域の方々とともに障害者福祉の充実を目指したい、23区の先頭を切って走る区になりたい。力を尽くそうと思っています。