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【令和4年3月1日】5階の窓から(ねりま区報3月1日号掲載)

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  5. 【令和4年3月1日】5階の窓から(ねりま区報3月1日号掲載)

ページ番号:925-781-167

更新日:2022年3月1日

 子どもを心の底から可愛い、愛おしいと思ったのは、妹に娘が産まれた時でした。事情があり早く実の父親と別れた事もあって、自分が父親になった気持ちで可愛がってきました。その姪も三児の母、先月、50歳の誕生日に花を贈りました。
 自分の息子が産まれると、この子と出会う為に自分は生きてきたんだと本気で思いました。その息子に娘が産まれて、これはまた何とも言えない可愛さを実感しています。
 ささやかな経験ではありますが、私は確信しています。子どもには無条件で絶対の愛情が必要です。子どもが健やかに育つ為には、身近な人に自分が愛され必要とされているという実感が、不可欠なのです。
 都に入って最初の6年半、児童福祉行政に従事しました。児童相談所の一時保護所、多数の児童養護施設を訪ね歩き、泊まり込んで子ども達と遊びました。若かった私に群がり身体に纏わり付く子ども達が、肉親の愛情に飢えている事を肌で感じました。彼らの為に出来る事は全てやろうと決心し、ファミリーグループホームの創設、養護施設への家庭的なケアの導入、日本初の里親制度の創設と、努力を重ねて来ました。
 児童相談所の運営にも現場で従事しました。その私の実感ですが、特別区は、人口は多くても、社会実態から、広域専門行政は担えないのです。ハードの行政で、水道・下水道・公共交通が担えないのと同じです。
 区立児相の設置を区の自治権拡充の手段とする方達がいます。何故、区立が都立よりベターなのか、説明が無いままです。児童福祉に生きてきた私には、理解し難い事です。
 今回、都立練馬児童相談所の設置が決定されました。区の身近なケアと都の広域専門的なケアとの連携こそ必要であるという方針に、都が明確に舵を切ったものです。引き続き練馬の子どもの為に全力を尽くそうと決意しています。

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