特別号 腸管出血性大腸菌による食中毒に要注意
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更新日:2023年9月28日
大腸菌は、家畜やヒトの腸内にも存在します。ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、病原大腸菌と呼ばれ、ヒトに下痢等の消化器症状や合併症を起こすことがあります。病原大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。腸管出血性大腸菌は、代表的なものとして「腸管出血性大腸菌O157」、そのほかに「O26」や「O111」等が知られています。
腸管出血性大腸菌の特徴
腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素を出し、溶血性尿毒症症候群(HUS)等の合併症を引き起こすことがあります。この毒素が身体の中で様々な障害を起こすことによって、全身性の重篤な症状を出すものと考えられています。ベロ毒素には、1型(VT1)と、それと異なる構造を持つ2型(VT2)があります。腸管出血性大腸菌には、これらの毒素のうち1つまたは複数を出すものがあります。
感染時の症状
水様便、激しい腹痛、血便になります。
乳幼児や高齢者が感染した場合は重症化しやすいと言われています。
潜伏期間(感染してから症状が現れるまでの期間)は1日から14日間(平均4日から8日間)です。
感染の特徴
牛等の動物の腸管内に存在し、ふん便を介して食品、飲料水を汚染します。数百個程度の少ない菌数で発症します。生肉を触った手や感染者の便を介して感染することもあります。腸管出血性大腸菌による食中毒として、焼肉店や食肉販売業者等が提供した食肉を、生や加熱不足で食べて感染する事例があります。
過去の原因食品
- 日本では、牛肉(特に牛ひき肉)、牛ユッケ、牛レバ刺し、牛タタキ、加熱不十分なハンバーグ、焼肉、ローストビーフ、井戸水、サラダ、浅漬け等
- 欧米では、ハンバーガー、ローストビーフ、生乳、アップルジュース、ヨーグルト、チーズ、発酵ソーセージ、レタス、メロン等
食中毒予防のポイント
肉は中心部までしっかり加熱!
肉の生食は避け、十分加熱して食べましょう。特にハンバーグやメンチカツ等のひき肉料理は、注意が必要です。なお、牛レバーおよび豚肉(レバー等内臓を含む。)の生食は禁止されています。
正しい手洗い!
調理や食事の前、生肉を扱った後、トイレの後にはしっかり石けんで手を洗いましょう。
正しい手洗い方法について
器具等は消毒!使い分けも大切!
生肉を扱った包丁、まな板、ボウル等はよく洗い、熱湯や塩素系漂白剤等で消毒してから使いましょう。特に生野菜やサラダ等を調理する時は調理器具を区別しましょう。
ねりま食品衛生だより第80号 すぐできる!家庭での食中毒予防
肉を保管する際は他への汚染に注意
調理済の食品を冷蔵保管する際は、生肉のドリップ等で汚染されないよう、ラップや蓋付きの容器を使用しましょう。
焼肉屋や居酒屋等でも気を付けてください!
- 焼く前の生の肉は、肉専用のトングや菜箸等で取りましょう!
- お肉は中心部までよく加熱したものを食べましょう。
目安は、中心部の温度が75℃で1分間以上加熱(腸管出血性大腸菌は75℃で1分間以上の加熱で死滅します。)
- 食べる時は、食べる専用の箸で食べましょう!
生肉には、腸管出血性大腸菌以外にも、カンピロバクター、サルモネラ(外部サイト)等の食中毒菌がついている可能性があります。
感染してしまったら
- 腹痛や下痢が続いたら、すぐに医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。
- 医師の診断に基づいて治療を受けることが大切です。腸管出血性大腸菌による感染症の治療には、使わない方が良いとされる薬もあります。例えば、腸管の運動を抑える働きの下痢止め薬や痛み止め薬の中には、ベロ毒素が体外に排出されにくくするものがあります。自分の判断で市販薬等を服用せずに医師の指示に従いましょう。
- 症状がある場合、家族へ感染させないため、お風呂では浴槽につからず、シャワーを使いましょう。
家族が感染したら
- 排便後、食事の前、下痢をしている子どもの世話をした後等は、しっかり手洗いを!
- よく手で触る場所やトイレ等は、アルコール等を使って消毒します。
- タオルの共用をしてはいけません。
- 下痢便の付着した衣服については、他の家族の衣服と別に洗濯するようにしましょう。
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健康部 生活衛生課 食品衛生担当係
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