第57号 寄生虫による食中毒
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更新日:2016年7月1日
魚介類には寄生虫がいることがあります。食べても健康に影響がないものもありますが、中には腹痛や下痢などの症状をおこすものもあります。食中毒の原因となる寄生虫を理解し、食中毒を防ぎましょう。
アニサキス
アニサキスは魚介類や海にすむ哺乳類(イルカ、クジラなど)の体内にいる寄生虫です。アニサキスが寄生した魚介類を生で食べても、通常はふん便とともに排泄されます。まれに胃や腸壁に侵入して、激しい腹痛、吐き気、おう吐等の食中毒症状を引き起こします。
アニサキスの生活環
特徴など
- 色:半透明白色
- 大きさ:長さ2~3cm
- 寄生魚介類:サバ、サケ、ニシン、イワシ、イカ、サンマ、タラなど
- 寄生部位:主に内臓表面だが、筋肉にもいる
- 特徴:渦巻き状になっていることが多く、半透明粘膜の袋に入っているものもある。
予防
- とりのぞく
内臓を早めに取り除き、冷蔵庫で保存する。
よく見て(特に内臓に近い部分)、とりのぞいて調理する。
- やっつける
加熱する(中心部まで60℃で1分以上)
冷凍する(中心部まで-20℃で24時間以上)
※通常の料理で使用する程度の酢やワサビ、しょうゆでは死にません。
※内臓は生で食べないようにしましょう
クドア・セプテンプンクタータ
この寄生虫がたくさん寄生したヒラメを生で食べると、食後数時間で一過性の下痢・おう吐などの食中毒症状が出ます。ほとんどの場合、症状は軽く、速やかに回復します。
特徴など
- 大きさ:約0.01 mm
- 寄生場所:ヒラメの筋肉中
予防
この食中毒は、ヒラメを冷凍または加熱することで防ぐことができます。
- 冷凍する(-20℃で4時間以上)
- 加熱する(75℃で5分以上)
※ヒラメは生食が好まれますが、冷凍すると品質が低下することから、現在、冷凍以外の食中毒予防方法について研究が進められています。生産地(養殖場)では、出荷前のモニタリング検査や飼育環境の清浄化等の取り組みが行われています。
その他気を付けたい寄生虫
寄生虫名 | 寄生している魚介類 | 特徴 | 人への影響 | 予防方法 |
---|---|---|---|---|
日本海裂頭条虫 | サケ マス (特にサクラマス) |
幼虫:白色 体長2~3cm 成虫:淡ベージュ色 体長5~10m |
人に寄生して成虫になると、下痢、腹部膨満感などの消化器症状を起こす。 | サケ、マス類の生食は避ける。 -20℃で24時間以上の冷凍。 |
横川吸虫 | アユ ウグイ シラウオ など淡水魚 |
肉眼では見えない幼虫の形で寄生している。 成虫は洋ナシ型 体長1~2mm |
小腸粘膜に寄生する。多数の寄生により、腹痛、下痢を起こすことがあるが、少数寄生は自覚症状がほとんどない。 | アユなど川魚の生食は避ける。 調理の際、まな板などからの二次汚染に注意する。 |
旋尾線虫 | ホタルイカ スケトウダラ ハタハタ スルメイカ |
幼虫は体長5~10 mm 、体幅0.074~0.11mm 細いため肉眼では認めにくい。 |
腸閉塞もしくは 皮膚爬行症(人の日かを幼虫が異動する際に起こる洗浄日診)をおこす。 |
生食は避ける。-30℃で4日間以上の冷凍。 (近年は冷凍済みのものが市場等に流通している) |
※特に川魚を調理する時は、目に見えない寄生虫が手や調理器具に付着することがあるので、調理後は手や調理器具をよく洗浄しましょう。器具はさらに熱湯で消毒しましょう。
ねりま食品衛生だより第57号 寄生虫による食中毒(PDF:229KB)
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