動物性自然毒にご注意
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ページ番号:489-972-984
更新日:2018年12月11日
魚や貝などの動物の中には体内に有毒な成分(自然毒)を持つものがあります。有毒な成分は、成育途中の特定の時期にのみ毒を産生する場合や、食物連鎖によって餌から毒が蓄積される場合もあります。これら自然毒を含む魚や貝による食中毒は、細菌性食中毒と比べると件数、患者数はそれほど多くありませんが、フグ毒のように致命率の高いものがあるので注意が必要です。
フグ毒
原因食品
- フグ目フグ科のフグは猛毒のフグ毒テトロドトキシンをもちます。毒力の強さはフグの種類や部位によって異なります。一般に肝臓、卵巣、皮の毒力が強いです。通常の加熱では壊れません。その強さは青酸カリの1,000倍以上ともいわれる猛毒です。
- 日本では、食用できるフグの種類、漁獲場所および部位が決められています。フグの判別は素人では難しい上、食用可能な部位はフグの種類によって異なりますので、素人判断や素人によるふぐの取扱い、調理は危険です。
症状
- 食後20分から3時間程度の短時間でしびれや麻痺症状が現れます。
- 麻痺症状は口唇から四肢、全身に広がり、重症の場合には呼吸困難で死亡することがあります。
毒の成分
- テトロドトキシン
シガテラ毒
原因食品
- シガテラ毒をつくるのは、渦鞭毛藻(うずべんもうそう)というプランクトンで、これが食物連鎖によって魚に毒が蓄積されます。これらの毒が大量に蓄積された魚を、人が食べると食中毒をおこします。シガテラ食中毒の多くが、熱帯や亜熱帯海域に生息する魚によるものです。
- 日本では、シガテラ食中毒をおこすオニカマスについては販売が禁止されています。また、バラハタ、アカマダラハタ、バラフエダイ、ヒメフエダイ、オジロバラハタ、マダラハタ、カスミアジ、イッテンフエダイ、ドクウツボ、ギンガメアジ、ムネアカクチビ、サザナミハギ、キツネフエフキ、イトヒキフエダイについては、東京都の卸売市場では販売の自粛が指導されています。
- しかし、これらの魚が産地から直送されたり、釣った方が譲渡する可能性もあります。また、これ以外の魚でもシガテラ食中毒をおこすものもあり、400種以上の魚が毒化する可能性があるとの報告もあります。
- このため、種類のわからない魚、見慣れない魚、食経験のない魚は、食べないようにすることが、シガテラ食中毒を防ぐためには重要です。
症状
- 主症状は神経症状であるドライアイスセンセーション(温度感覚の異常)、掻痒、四肢の痛みで、筋肉痛、関節痛、頭痛、めまい、脱力、排尿障害などもあります。また、消化器系症状(下痢、おう吐、腹痛、悪心等)や循環器系症状(不整脈、血圧低下、徐脈等)も呈することがあります。
- 発症時間は比較的早く、食後1~8時間程度で、ときに2日以上のこともあります。
- 神経症状は、軽症では1週間程度で治まりますが、重症な場合では数ヶ月から1年以上継続することがあります。死亡例は極めて稀です。
毒の成分
- シガトキシンおよび類縁化合物
麻痺性貝毒
原因食品
- 麻痺性貝毒をもつプランクトンが発生する水域で、これらを餌にする貝類等が原因となります。
- 日本ではアサリ、アカザラガイ、カキ、ホタテガイ、ムラサキイガイなど二枚貝類の他、マボヤとウモレオウギガニでも食中毒が発生しています。貝類では、毒素は主に中腸腺に濃縮されます。
- 日本では麻痺性貝毒による食中毒防止のため、定期的に有毒プランクトンの出現を監視し重要貝類の毒性値を測定し、規制値を超えたものは出荷規制されています。
症状
- 食後30分程度で軽度の麻痺がはじまり、麻痺は次第に全身に広がって、重症の場合には呼吸麻痺により死亡することがあります。
- 中毒症状はふぐ毒中毒によく似ています。
毒の成分
- 麻痺性貝毒にはサキシトキシン、ネオサキシトキシンおよびゴニオトキシン群など多数の同族体があります。
- 毒成分によって毒性が著しく異なります。
下痢性貝毒
原因食品
- 下痢性貝毒もつプランクトンにより、これらを餌にする貝類等が毒化されます。
- 日本ではムラサキイガイ、ホタテガイ、 アカザラガイ、アサリ、イガイ、イタヤガイ、コタマガイ、チョウセンハマグリ、 マガキなどの毒化例があります。毒素は主に中腸腺に濃縮されます。
- 日本では下痢性貝毒による食中毒防止のため、定期的に有毒プランクトンの出現を監視し重要貝類の毒性値を測定し、規制値を超えたものは出荷規制されています。
症状
- おもな症状は消化器系の障害で、下痢、吐気、おう吐、腹痛が顕著です。
- 症状は食後30分から4時間以内の短時間で起きます。回復は早く通常は3日以内に回復します。後遺症はなく、死亡例もありません。
毒の成分
- オカダ酸とその同族体のジノフィシストキシン群
巻貝唾液腺毒(テトラミン)
原因食品
- エゾバイ科エゾボラ属に属するムカシエゾボラ、ヒメエゾボラ、エゾボラモドキ、ヒメエゾボラモドキなどの他、エゾバイ科エゾバイ属のスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラおよびテングニシ科のテングニシなどです。有毒部位はこれらの貝の「唾液腺(だえきせん)」です。
- これらの貝を食べる際は、「唾液腺」を完全に除去することが必要です。
- 「唾液腺」の除去の方法は以下のリンクをご覧ください。
症状
- 激しい頭痛、めまい、船酔い感、酩酊感、足のふらつき、眼底の痛み、眼のちらつき、嘔吐感などです。
- 食後30分から1時間で発症し、数時間で回復します。死亡することはありません。
毒の成分
- テトラミン
動物性自然毒についての詳細につきましては以下のリンクをご覧ください
お問い合わせ
健康部 生活衛生課 食品衛生担当係
組織詳細へ
電話:03-5984-4675(直通)
ファクス:03-5984-1211
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