令和4年度当初予算案記者発表
ページ番号:516-622-751
更新日:2024年9月19日
日時
令和4年1月25日(火曜) 午後1時00分~午後1時52分
記者会見資料
区長発言
それでは始めます。お忙しいなかお集まり頂き、ありがとうございます。よろしくお願いします。お手元の資料、特に記者発表資料に基づいてお話をさせて頂きます。
はじめに概括的なことをお話します。
資料1ページ、これが、私が8年間取り組んできたことの要約であろうと思っております。
26年4月に区長に就任してから、「改革ねりま」をお約束していた訳ですが、「みどりの風吹くまちビジョン」を策定し、様々な計画を作り、区独自の取組を進めてまいりました。特にこの2年間は、新型コロナウイルス感染症の対策に追われて頑張ったつもりです。ワクチン接種体制「練馬区モデル」は、全国自治体の標準となっております。
実は、「練馬区モデル」はワクチンだけではありません。資料に記載したように、様々な事業について、私はあらゆる分野で「練馬区モデル」を構築して実現してきたつもりであります。
練馬区に住んで38年になります。この間、色々な現場での体験を踏まえながら、大都市東京における理想の自治行政の実現を目指してまいりましたけれども、これからも、なお頑張っていきたい、そう思っています。
2、3ページに、これまで取り組んできたことの概括的な一覧が載っております。僅か8年でありますけれども、されど8年かなと。自分で言うのも何ですが、実に色々なことをやってきたものだなと思っております。
次いで4、5ページが今回の予算編成の概要です。4ページ上部にありますように、今回の予算編成は、『区民とともにコロナ禍を乗り越え、練馬の未来を拓くため、「練馬区モデル」を進化させる予算』と位置付けております。一般会計予算が2,912億4,480万で、昨年度に比べて約87億円の増となっております。
区財政を取り巻く状況と諸課題についてはご覧頂ければよいのですが、ただ、私は長い間、行政をやってきて大変異様に思っていることとして、国の債務残高がGDP比250%を超えている。こういったことへの危機感が、国も、それから国民の間でも、なかなか国会にも感じられない、不思議なことだなと思っております。あのアメリカ、人口がなお増え、経済成長を続けているアメリカでさえも、150%になったら大問題にしています。一体、日本はどうなるのだろうか。私たちの子どもたち、それから子孫に、どんどんツケを回して平然としているというのは、これは異常だろうと。区の予算ではありませんが、一言申し添えておきたいと思います。
これから、以上の概括を踏まえて、5点にわたってお話させて頂きます。
まず6、7ページ、区の「これまでの新型コロナウイルス感染症への対応」です。少々口幅ったい言い方ですけれども、全国自治体を先導しながら、独自に様々な取組を実施してまいりました。
保健所体制、これは今125人体制でやっております。通常は55人ですから、2倍以上の体制でやっていますけれども、そうした中で、PCR検査体制を構築するなど、様々にやってまいりました。中でもワクチン接種の「練馬区モデル」、これは、いわばコロンブスの卵でありまして、やってしまえばどうってことはないのですけど、実は、これを始めるにあたっては、なかなか厚生労働省が了解しなかった。一番の問題は、冷凍したワクチンを小分けすることが難しいという話が伝わってきました。そしてまた、それを運送する体制を構築しなければいけなかった。それについては、厚労省とも、それから、首相官邸とも綿密に打ち合わせをしながら、何とか難関を突破して構築することができた。今では、高齢者の接種率は、記載のように23区最高、約95%に達しております。全区民でも約86%の方が2回目接種を行っております。
それから医療提供体制についても、色々な意味で充実しております。後ほどふれます。更に6ページの右には、「困窮する区民・事業者への支援」。それから、「社会インフラの維持」。特に保育園については、昨年度はパンデミックが蔓延する中で、原則休園するようなところも多かったのですが、私は、保育所というのは、この社会を支える最も重要なソフトのインフラの一つですので、原則開園を堅持してまいりました。保育士さん等に頑張って頂きましたが、それに見合うだけのことを何とかしたいと思い、僅かですけれども、臨時特別給付金の支給を行いました。
7ページには「令和4年度の新型コロナウイルス感染症対策」の概要を記してあります。
次に8ページをご覧頂きたい。新型コロナウイルスのワクチン接種は、今申し上げたように、「練馬区モデル」を作ってやってきましたが、これを更に、今年に入って加速しております。かかりつけ医を中心とするやり方に変わりはありませんが、現在では、月に22万回接種可能な体制を構築しています。8ページの下段を見ていただきますと、医療従事者や高齢者施設の入所者等については、6か月経過後に前倒しをして、昨年の12月から接種を始めています。そして高齢者については、1月6日から23区最速で接種を開始いたしました。その接種間隔を更に今回前倒し、一般高齢者および64歳以下の一般の区民の方についても3回目接種を更に前倒しをしています。高齢者については6か月経過後に、64歳の方については7か月経過後という形で、国の方針を前倒ししております。そして5~11歳の子どもについても、3月から開始する準備をしています。
9ページです。昨年9月に、いち早く医療提供体制の充実を図っています。3つの柱を作りました。
1つが、ページ右にありますように「かかりつけ医等による健康観察」です。早期に介入をして健康状態を掌握し、対応します。
2点目が、「在宅における医療支援体制の整備」です。これは医師だけではなくて、訪問看護師、薬剤師等の皆さんによる連携体制で対応しております。12月からは、酸素濃縮器の貸与事業も開始いたしました。
3つ目の柱が、いわゆる「酸素ステーション」です。昨年9月に、酸素・医療提供ステーションを設置しました。設置当初は、設置したものの殆んど利用がなく、0あるいは1名ということが続きましたが、現在は満床の状態が続いています。この酸素・医療提供ステーションも活用しながら、在宅療養についての皆さんの命と健康を支えていきたい、そう考えております。以上がコロナについての概括的なお話です。
これから4点、具体的な施策についてお話をします。
まず1点目。16ページをお開きください。項目1、(仮称)都立練馬児童相談所の設置準備です。これは、これまで都と区が共同でやってきた「練馬区虐待対応拠点」、これを児童相談センターの出張所ではなくて、児童相談所そのものを作るという形で格上げをしてもらいました。これは、私がこれまで主張してきた、児童相談所というのは広域専門行政であるということ、区は広域専門行政を直接やることは無理であるという、行政能力から考えて、個々人の能力ではなくて、組織としての位置付けから考えて無理である。区は身近なきめ細かなケアをやりながら、都は、これに対して広域専門的な行政をやるという、そういう組み合わせがベストである、とずっと申し上げてきました。その方向に、都は明らかに舵を切ったのだと思っております。
要するに、広域専門行政というのは、何度も申し上げてきましたが、これはハードで言えば水道・下水道、あるいは地下鉄等の公共交通など、これは明快に分かる訳です。区単位でできる訳がない、それはソフトも同じです。この児童相談所もそうですし、それから後ほど出てきますが、医療も同様で、区の範囲内だけで完結した行政、これはできません。それを前提にして、ベストの体制を作っていくのが一番必要だろうと思っています。
区の児相を作ると称して、これまで区長会は頑張ってきた訳ですが、作ったことは作ったけれども、本当に機能しているのかどうか、私は多大な疑問を持っています。長い目で見ていけば、今回、都は、私の主張してきた方向へ舵を切ったことによって、落ち着くところに落ち着いていくだろうと考えております。
そしてこれは、根本的には、23区という、東京という大都市の中での自治体の、いわば性格、位置付けとも関連してくる問題であります。我々が住んでいる23区というのは、一見、完全自治体に見えますが、実はそうではありません。区民、あるいは子どももそうですが、その区の中で完結した生活はできないのです。それは仕方がないのです、良し悪しの問題ではなくて。例えば、地方の県庁所在地であるとか、そうした大きな都市であれば、その市の中で仕事は全部完結できます。23区の場合はそうはいきません。区の領域を超えて、子どもも大人も、通学し、通勤し、あるいは遊びに行くという、そうした生活をしている訳でありますので、根本的には、23区は完全な自治体としての機能はできないのであります。それは良し悪しの問題ではありません。だからこそ、私は、逆に言えば、23区だからこそできる住民自治について積極的に取り組む必要があるだろうと、そう考えている訳であります。
これが児相の問題です。
次に36ページをご覧頂きます。今少し触れましたが、医療の問題です。36ページに記載したように、人口10万人当たりの一般療養病床数が23区平均の3分の1しかない、というのが練馬区の現状です。これを何とかしなくてはいけないというのが、私がまず区長になって思った最大の問題意識です。
これを、順番で言うと、右のページの項目3、病床の確保でありますけれども、様々な努力をしてきたつもりでありまして、それによって、37ページにありますように、一般療養病床数について、平成26年と比較して、約10年後には約1,000床を増やすことができる、そういう見通しを持つことができました。その上で、これから何をやっていくかと申しますと、36ページの項目2、感染症の拡大や災害時に備えた医療体制の整備を進めなければなりません。特に三次救急医療は、環状八号線沿いの練馬区・杉並区・世田谷区には、そういった病院がありませんので、これを作っていくことがパンデミック対応としても不可欠です。これについては東京都とも話をしながら、また、具体的に順天堂練馬病院が手を挙げておりますので、私共と一緒に協議しながら、何とか令和4年度中に指定できる方向へ持っていきたいと、その協議を進めているところであります。
そしてもう一点、37ページの一番上になりますが、項目1、感染症発生時の運営体制の強化です。これは区としても、練馬区感染症ネットワーク会議を関係機関によって作って努力をしていくのですが、根本的には、これも児童相談所と同じでありまして、区ができる範囲には限界があります。東京都でなければ、具体的には、例えば医師の確保であるとか、あるいは広域的な入院の調整であるとか、そうしたことは不可能ですので、東京都が、ある意味ではパンデミック時には、もっと強権的に指揮命令できる体制を作るべきだろうと。その上で、区は身近な医療の確保に努力をしていくことが一番望ましいことであろうと考えております。
それが3点目です。
それからもう一点、46ページを見て頂きたい、大江戸線です。大江戸線は練馬区の、いわば長い長い悲願であった訳でありますが、これがなかなか進まなかった。それを私が区長になって、具体的に変えたことが2点あります。
1つは大江戸線延伸の位置付けを、国の交通政策審議会の答申と、それから都の「未来の東京」戦略の中に明確に位置付けをして、それで、今すぐでなくても、大江戸線を延伸すること自体は国も都も正面から認めた、ということが第1点でありました。
もう一点は、私が区長になってから導入区間となる道路の用地取得率に精を出しまして、用地取得率は8割を超えております。それから延伸基金も作りまして、既に50億円を積み立てています。
こういう中で、今度の予算で、東京都がどこまで踏み込んでくるかというのがポイントです。まだ都の予算発表前ですから何とも言えませんけれども、私としては、交通局が事業主体としてやるのだという明確な意思表示をしてもらいたいと考えています。そういう気持ちで交通局との折衝をしてきましたし、都の予算発表を注視していきたい、そう考えております。それによって大きく前に進むだろうと期待をしております。それが大江戸線です。
最後にもう一点、お話をしたいと思います。
2、3ページに戻っていただきたいのですが、2ページの、大きな囲みの中の下の段に、「練馬の未来を語る会」というのがあります。これまで88回と書いてありますが、これは本来であれば、パンデミックがなければ、もっともっとできた訳ですけれども、この2年間殆んど開催できなかったものですから、こういった形で留まっておりますが。私は、先ほど申し上げましたように、区長になって一番発見したのは、住民自治の重大性、重要さでありました。
先ほどからずっとお話をしているように、区が、いわば背伸びをして、都に代わる広域専門行政をやることは、自治の進展ではない。区は、区でしかできない住民自治に力を入れていくことこそが理想の形であろう、と私は思っています。国や都では、言葉は別として、現実の住民自治は不可能でありまして、基礎的自治体である区でなければできないというのが私の実感です。
私は一区民として38年間暮らしてまいりました。現実に、区の行政の中で生活をしながら、例えば、保育所の問題であったり、みどりの問題であったり、あるいは高齢者のデイサービスであったりと、色々な意味で、区の行政の恩恵を受けながら、同時にまた問題があると思ったこともたくさんありました。そういう意味で、区でなければできない行政を住民と協働でやっていくこと、それこそが、区の一番の存在理由であり、使命であろうと考えております。
これまでも努力をしてきましたけれども、これからも頑張っていきたい。パンデミックが、今はまだ大混乱しておりますけれども、これは収まり次第、また語る会も再開し、それから、色々な意味での住民との協働活動を頑張っていきたい、そう思っている次第であります。
以上、私の方から簡単に、概括と政策としての5点についてお話を申し上げました。
質疑応答
【記者】
都政新報の吉井と申します。よろしくお願いいたします。
大江戸線沿線に関することで、1つお聞きしたいことがございまして、ここには書いてないことなんですけれども、大泉学園町の先、新座市の方も大江戸線の誘致を進めていると思うんですけども、例えば、もし仮に新座市まで延伸することになった時に、大泉学園町から新座市までの区間についての用地と、あと、新座市との連携とはどのようにされるというのが、もし具体的に決まっていればお答えいただけないなということと、あと、大江戸線が大泉学園町まで延伸することによって期待される効果というのを具体的にお話しいただければと思います。
よろしくお願いします。
【区長】
前段の話については、私たちが責任を持っているのは大泉学園駅までの延伸であって、それは東京都もそうだし、区もそうであって、それ以上延ばすことは、それは区部の西部と東部を結ぶ南北方向の交通というのは、公共交通のずっと課題なんですよね、広域的な。
それについて重大であることは私も分かっておりますけれども、ただ、それほど練馬区が責任を持つとか、東京都が責任を持つことはできませんので、あくまで、それは埼玉県が発言されて、そして、地元の自治体と中心となって頑張っていただく。
それらについて、私どもは助力できることがあったら何でもしようと思っております。基本はそうだろうと思っております。
それから、効果とおっしゃっているのは、当然のことでありますけれども、まず1つは、東京全域から見ても、この部分というのは公共交通空白地域になっておりますが、数少ない公共交通空白地域なんですよね。あと、江戸川とか、もう1か所あったかな。
そういう意味で、公共交通空白地域をなくすことは東京全体の交通環境を著しく改善させますから、それは、都心への通勤・通学、それから通う交通が極めて便利になるわけですから、そういう意味では、東京の発展に大きく貢献するだろうと。それが1つ。
当然ですけれども、練馬区については、これは更に大泉学園を中心とした方向に大きく発展していく契機になるだろうと思って期待しております。
【記者】
建設通信新聞の畠中と申します。
令和4年度当初予算編成に当たっては、改定アクションプランに掲げた施策の実施を最優先として、昨年の当初予算では緊急対策が必要になって中止・延期した事業も改めて精査した上で予算化したという文言があるんですけども、こちらは、主にどのような事業が挙げられますでしょうか。
【区長】
一番典型的なのはイベントです。色々なことを全部中止してきましたから、それを始めとして、練馬薪能であるとか、そういったものはちゃんと復活をしていきたいというのは大きなポイントだと思います。
あと、継続事業については、これは期間中も粛々とやってきたつもりですけれども、特に大きなのはあったかな。
【司会】
建設絡みがあると思うので、財政課長の方から少し補足させていただきます。
【財政課長】
財政課長の宮原でございます。例えば、学校の改築などが挙げられます。
昨年は緊急対策として、毎年、老朽化した学校の建て直しを進めておったんですけれども、それも一旦ストップしたところがあります。令和4年度の予算では、老朽化の対応が必要だということで、今回復活させたところです。
その他にも、例えば美術館のリニューアルなども、設計を一時止めたところはあるんですけども、こちらも、区民の皆様の期待もあり、ぜひやっていきたいということで、今回復活しておるところでございます。
【記者】
ありがとうございます。時事通信の田所と申します。
ワクチンの接種状況について、伺います。
今回、「練馬区モデル」が3回目接種においても非常に機能していて、23区でも一番最初に始められたということですけれども、この間、国の方針も接種間隔が、8か月から、7か月、6か月と、非常に急速に状況が変わっていったわけですが、そうした状況の中でも、今のところ区内の高齢者の接種は順調に進んでいるという認識でよろしいのか。
また、今後、5歳~11歳の子どもさんの接種も始まりますけれども、不安に思っている親御さんの方も少なくないと思うんですが、そうした方々へ、広報や周知で工夫されるお考えなどがございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
【区長】
8ページを見ていただきますと、今、私たち練馬区の接種能力というのは、最大で月22万900回です。そのうち、御覧いただくと、クリニックの個別接種が14万4,000ですので、3分の2はクリニックなんですよね。それが一番大きな特色だろうと思っております。
もちろん、先生方も大変ですから、ここしばらく休んでもらったんですけれども、また再開していただこうかなと思っていますが、そういった、いわば地域のかかりつけ医の皆さんが健在で頑張っていただく限り、練馬区の接種体制は揺らぐことはないと思っております。
だから、先ほども申し上げましたけれども、高齢者について言うと、2回目までの接種を終えた方は95%でありますから、圧倒的に23区の中でも率が高いのであって、一般の方についても同じような形で進んでいると思っております。
それから子どもについては、これは、3月から5歳~11歳についても初回接種について、国の方針が示されて、そして、区として、それに従って3月からやっていきたいと思っています。
ただ、当然ながら、子どもへの接種については、日本だけではなくて世界的にも色々な意見があったり、色々な不安を持たれる方もあるわけでありますが、そこに十分配慮しながら、不安を払拭しながら、その努力をしながらやっていきたいと思っています。
【記者】
読売新聞の高田です。お願いします。
冒頭の説明で、保健所の体制の強化というところで、通常55人のところを百二十何人というふうなお話があったと思うんですけれども、どういった方が増えていて、今後また増やせる見通しがあるのかというところと、自治体によってはBCPを策定して人員を充てられるようにされていると思うんですけれども、練馬区として、そういった予定はありますでしょうか。
【区長】
これは当然のことながら、庁内で、まず色々な専門職を中心として、事務屋もそうですけれども、手を挙げてもらって応援するというのをまずやります。
それだけでは足りませんから、当然のことながら、例えば、外部の人材派遣会社から人を入れたりとか、色々な手を尽くしてやっております。
今は、ほぼ限界に近づきつつあると思っておりますので、これはいつまでも続いたら、我々の保健所体制自体が崩壊しかねないので、何とか早く収束させなければと思っております。それが実感であります。
これまでも、うちの職員は頑張ってくれまして、私は、区報にも書きましたけれども、公務員たる誇りを持って頑張ってくれていると思っていますが、誇りだけで仕事ができるわけではありませんので、彼らが余裕を持ってできるような体制に早く戻りたいと思っています。
【記者】
日刊建設工業新聞の林と申します。
まちづくり関係で、石神井公園駅南口西地区の再開発で、2億円というところで、今年度の事業着手に向けた取り組み支援と資料に書かれているんですけれども、こちらの進捗状況について、区長としての御見解をお願いしたいんですけれども、よろしいでしょうか。
【区長】
45ページにある南口の件ですよね。
そこにもありますように都市計画決定をしておりまして、これは当然のことながら、再開発事業であって、組合が設立されて、そして進めていくわけであります。
積極的に進めたいという方が多いからこそ、我々も一緒に頑張っているんでありまして、私は、長い目で見て、練馬区の発展のためには欠かせない事業だと思っております。
ですから、そこにあるように、区民の皆さんに、また、特に地域の方々に、これまで御説明し、御了解していただくように進めてきたつもりですけれども、なお、積極的な説明と、了解を得ながら頑張っていきたいと思っております。
練馬区をこれから支えていく大きな事業の1つだと考えています。
【記者】
都政新報の岸です。どうもありがとうございました。
児相について伺います。
今回、サテライトオフィス、児童虐待対応拠点から都児相が設置されるということで、機能が拡充するというのは分かりました。
それで、先ほど区長が、区児相は色々とつくっているけれども、本当に機能しているか、私は疑問に思いますとおっしゃっていたんですが、具体的にどの辺りをそうお感じになるのかということと、あと、今、児相全般で経験の浅い職員が増えていて、対応が難しいというのが問題になっていると思うんですけれども、それは都児相についても同じことが言えるのではないかと思うんですが、その辺りはいかがでしょうか。
【区長】
私は、偉そうなことを言いますけれども、東京都に入って、当時の美濃部都政で仕事をしようと思って希望して入ったんですけれども、最初に配属されたのが、希望どおり、今で言えば福祉局です。当時は民生局と言いましたけれども、そこに配属されて、最初は1年ちょっと心障行政をやった後は、児童部というところへ行きまして、そこで7年間ぐらい仕事をしたんです。
中心としてやったのは保育行政であり、それから児童相談所行政であり、それから、家庭崩壊児童を入れる養護施設であり、そしてまた里親であり。里親制度を日本で初めて作ったわけですが、そういったことをやってきて、現場の感覚、現場の実感は、大変僭越ながら23区の区長の中で一番分かっているつもりであります。
そういう意味で言うと、今お話が2点ありました、後の方の人の問題は、東京都の中でも、児童福祉に人材を確保するのは当時から大変でありました。今に始まったことではありません。
ただ、なぜ東京都はそれができるかというと、圧倒的に母体が違うんです。一部局と、それから公営企業を合わせるだけで、今は5万人いますから、その中から適任者を選ぶのと、残念ながら、区の場合は圧倒的に数が少ないわけです。
ですから、例えば練馬区であっても、四千何百人いても、そのうち現業の方がかなり多いですから、半分ぐらいしか事務屋を中心とした仕事はないわけです。
その中からは選ぶのでは全然違うんです。確率も、熱意がある方を選ぶのも。それは、まず分かっていただきたい。
だから、私が聞いている話では、地方の中核都市で児相をつくっても、最初はいいですよ、意気込みのある人が手を挙げてきて。しかし、一生やらせるわけにはいかないわけです。必ずローテーションをやらなくちゃいけない。
そうなってくると、限られた人材の規模の中では、なかなか難しいというのが実感だと思います。
私は、若い時やっただけじゃなくて、局長になってもやりました。局長になっても、庁内から広く人材を募集しようと思って、公募制を取り入れたりしてやりました。それでも、東京都でさえもなかなか難しい。そこの実感を区長さんたちは分かっているのかなというのが、まず1つでありました。
また、区児相の機能について、それは私個人の見解ですから、お叱りがあったらあれですけれども、私は、先ほど申し上げたように、養護施設の問題、児相の問題、一時保護の問題、若い時に自分の体でやりまして、例えば、児童養護施設というのは、御存知のとおり、23区内にはほとんどないんですよね。多摩と埼玉・千葉・神奈川の3県にみんなあるわけです。
そこの施設に子どもを入れるということだけでも容易なことじゃないわけです。
子どもというのは、保育所と違いますから、それこそ、朝起きてから寝るまで、そこで生活をするわけですから、そういう子どもたちをずっとケアしなくちゃいけない。1回施設に入れて済むというわけではないです、児童福祉というのは。ずっと、ある意味では、場合によっては、極端に言えば一生面倒を見るわけです。それを、特に遠隔地の施設に入れて、それが可能なのか。
しかも、入れる時の調整が大変なんです。施設によって人の配置も違うし、得意不得意もありますから、そういった中で、こういう子どもはこういったところがいいんだということを、我々は経験からずっと蓄積していて、選んで相談しながら入れていくわけです。それを、区のレベルで全部やるというのは大変なことです。
しかも、もし、仮に23区につくったとして、それぞれが組織権を持ったとして、それを、例えば神奈川のある施設に子どもを預ける。その調整というのは、どうやってやるわけですか。想像しただけで、私は気が遠くなっちゃう。
そういった現場の困難というか難しさというのを、区長さんたちに本当に分かっていただきたい。
私が、現場で仕事をしていた人間として一番腹が立つのは、23区の自治権を拡充するために、その手段としてこういう手法を使い、子どもたちを使うという方々がいると許せないと思っています。本当に。
子どもたちの福祉の確保が最大の課題であって、そのためにはどういう体制がいいかというのをまず考えるべきなのに、自分たちの自治権の拡充のための手段として児相を使い、子どもを使う。本当に許せないと思っております。
私は1回、特別区の人事厚生組合の部長を叱ったことがあるんですけども、子どもたちを措置する施設に入れるにはどうすればいいんだと聞いたら、里親を増やしますと。
私は、三十何年間、里親制度に努力してきたんですよ、若い時から。それでも増えなかった。
石原さんが知事になってから、知事にお願いしてテレビドラマを作ってもらったり、知事自身にも里親を訪問してもらったりして、やってきました。それでも増えないです、日本では。
それを気楽に、「今度、区は施設の代わりに里親を増やすからいいんだ」と、平然と、そういうことを言う、机上の空論をやっている連中には腹が立って、今でも怒っていますけれども、私は。そういったのが私の実感であります。
だから、区長さんたちには、現場の実態、現場の実感を踏まえて仕事をしていただきたい。強く思います。
【司会】
思いの強い分野でございまして、盛り上がってしまいました。よろしくお願いいたします。
【記者】
朝日新聞、御船です。よろしく願いします。
コロナ対策の件で、9ページの部分でお伺いしたかったんですけれども、先ほど御説明いただいた自宅療養者への支援、3つの柱の3つ目のところで、去年の秋から、医療提供ステーション、酸素ステーションが練馬にもできているかと思うんですけれども、こちらは今、12所満床ですということで、先ほどおっしゃっていただいたと思うんですが、こちらは、たしか、できた当初は、徐々に増床も視野に入れておられるというようなことを伺っていたと思うんですけれども、それは今後、予定はありますでしょうか。
【区長】
それは、もちろん可能だったらしたいんですけれども、現実には、先ほどお話をしたとおり、ずっと、いわば開店休業状態が続いていて、急速に、またこういった状態になったわけですよね。
今は、それに対応するのが、正直言って、精一杯です。余裕があったら、もちろん必要があったら増やしたいですけど、まだ、そこは視野に入っていないということです。問題意識として、ないことはないですけれども、これからですね。
【司会】
受け入れ実績などは担当課長が来ていますので、細かな数字は、もしよろしければ、後ほど確認していただければと。
【記者】
合わせて、同じ内容でもう一点だけ。
この酸素ステーションの事業というのは、練馬区と都とで一緒に設置していらっしゃるものだと認識しているんですけれども、これは、今の第6波の急拡大によって、練馬のステーションも増床してほしいとか、そういう都からの呼びかけのようなものは、あったりされるんでしょうか。
【区長】
私は聞いていませんけど。話があったということは、都の事業として位置付けているんです、これ自体は。ただ、実際にやっているのは我々なんですけど。
【記者】
たびたびすみません。時事通信の田所です。
先ほどのお話の中で、コロナ禍での社会インフラの維持ということで、保育所などの原則開園を堅持されているというお話がありましたけれども、今まさに、オミクロンの影響で休園している保育施設が過去最多になっているというような発表もあったところですが、練馬区内で、保育所の原則開園堅持というのは、具体的には、どういうふうにそれを運用なさっているのか、もし具体があれば教えていただきたいんですけれども。
【区長】
御質問の意味がよく分からないんですが、要は、昨年を考えていただくと、昨年は、急速にまた感染が拡大した時には、保育所の休園する自治体とか休園する園が相次いだわけです。
そういう中で、私ども練馬区は、勤労者の生活を支える社会インフラだから、現場の職員は大変だけれども頑張ってもらって、原則開園でしょうということで、現場で頑張ってくれて、何とか持ったわけです。
そういう中でも、当時は無茶苦茶に言われまして、「職員を犠牲にして平気な区長だ」とか、そういう話を言われたりしたこともあったんですけれども、私は、社会インフラを維持する責任と誇りにかけて、原則開園でやっていく。
ただし、当然ながら、現場の職員は大変ですから、その人たちに対するケアは十分にしなくちゃいけない。
昨年は、そのために手当を出したり、給付金も出したりしましたけれども、今年は、それをどこまでやるかは別として、十分配慮していきたいと思っております。
記者】
たびたびすみません。都政新報の吉井です。
22ページのヤングケアラーへの支援の充実というところでお聞きしたいんですけれども、実際にヤングケアラーになってしまっている子どもたちの発見方法で、それこそ学校に来られない子どもに対して、どういう感じで発見するのかというところと、あと、具体的な支援方法について、どのようなものがあるのかというのをお聞きしたいんですけれども。よろしくお願いいたします。
【区長】
これは、そもそも問題をちゃんと掌握することがまず大事だと思っています。
我々が知っているのは、国がやった調査と、それから、現場での個別のケースの話は聞いていますけれども、全体として練馬区の状況がどうなのかということは、まだはっきり分かっていないんです。
だから、まずは実態調査をやるのが最初だろうと思って、それを来年度は着実にやっていきたい。その上で必要なことがあったら当然やっていきたいと思っています。
ただ、私も、正直言ってよく分からないんですよね。どこまで深刻なのか。
つまり、我々が子どもの時は、皆さんは若いけれども、子どもは放課後になったら赤ちゃんを背中におぶって遊んでいるというのは当たり前でしたから。それがいいという意味じゃないですよ。もちろん。今となっては、そんなことはあっちゃいけないんだけれども。
それにしても、そういった実態と比べて、今はどの程度問題が深刻なのか、それをまずちゃんと把握したいなと。
看過できないことがあれば、これは当然のことながら、きちんと行政として対応していきたいと、そう思っています。
【記者】
ありがとうございます。
【司会】
今の話でございますが、実態調査をしながら、今そこにあります教育・福祉・子育てを連携させながらやってくということですけれども、まずは実態をというところです。
よろしければ、こちらも所管の者をお呼びしますので、もし御希望があればおっしゃっていただければと思います。
【記者】
日刊建設新聞社の林と申します。
大江戸線延伸についてお聞きしたいんですが、先ほど区長から御説明がありましたように、区長は就任以来、ずっとこの事業というのは精力的に取り組んでこられまして、かなりのところまで成果として先ほどお話されたんですが、まだ、先ほどもお話がありましたように、都の予算案が出てない中で難しいかと思うんですけど、この事業化に向けて一番大きなポイントといいますか、課題は、区長はどのようにお考えになっているのかということと、あと、昨年12月に知事ともこの件についてお話されたんですが、区長としての手応えといいますか、その辺りはどのようにお考えになっているのか。
以上2点、お願いします。
【区長】
一番のポイントは、要は、事業主体が交通局ということは、これは、ほかにないわけですから、はっきりしているわけです。交通局をやる気にさせることなんです。
交通局がやる気になるための最大の要因はないかというと、何といっても事業体として、企業としての東京都交通局の経営なんですよね。
これは、困ったことに、特にコロナで、少し持ち直しつつありますけれども、悪化してきたんで、その状態は、我々としても尊重しなくちゃいけないと思っていますね。経営が、将来、駄目なのにということはあり得ないわけですから。
ただ、私は、声を大にして言いたいけれども、東京という都市は、まだまだ潜在成長力もあるし、これまで長距離交通機関をやって駄目だった例はないんですよね。大江戸線も同じだろうと思っています。
大江戸線の大泉学園から北の方にかけて、先ほど、更なる延伸の話もありましたけれども、そういったことも視野に入れれば、必ず将来、経営は黒字化すると確信していますので、多少の冒険もしてもらいたいというのが、私の願いであります。
そういう方向でも、年度予算がつくことを、まだ蓋を開けてみないと分かりませんけれども、期待しております。それが1つ。
知事の立場で言うと、なかなか難しいところもあるだろうと思っています。これは私の想像ですけれども。
私が東京都の責任者だったとしたら、何を考えるか。
まず、当然ながら、都心から臨海部にかけて、オリンピックは終わりましたけれども、これから東京の国際都市としての発展を考えたら、そこの交通アクセスを完璧にしていくことは、まず、何よりも優先だろうと思います。
それがあってからこその、その後の大江戸線であり、多摩のモノレールだろうと思っています。
ただ、そういう範囲内で、今度の交通局の予算について、ある程度、知事の、いわば意思も入って予算をつけてくれれば、これに越したことはないので、心から期待しております。
【記者】
毎日新聞の南茂です。よろしくお願いします。
55ページの、農の風景公園の開設のところでお伺いしたいんですけども、この公園の趣旨というか目的を教えていただきたくて。
農業体験農園を練馬区さんはやっていらっしゃると思うんですけど、農業者自身が管理するというもの練馬方式として広めてこられたと聞いていますが、これとはまた趣旨が違う、どういうものなのか教えていただけますか。
【区長】
高松地区で、実際に農の風景育成地区をしてやっているわけですよね。
そこでは、当然のことながら、公園として民間の人も使いながら、区民も参加して、農業をやっているわけです。
私は、これを農の風景公園というふうに、これをつくろうというふうに思いましたのは、練馬区に農業を残すためには、もちろん、個々の農業者に頑張ってもらって生産緑地の維持をしながら色々なことをやってもらう。現に、そうやっていただいているわけですけれども、その象徴となるような大きな農の風景というのを残す必要があるだろうなと思っておりました。
それを、今度新たにもう一つ増やしたいというのが、ここで言っている趣旨であります。そのためには、多少の公費も入れてやっていくことはいいのかなと思っているわけです。
つまり、区内にたくさん農地があって、ある程度の規模のものから、それから、小さなものまで、たくさんあるわけですけれども、それを、本当に規模が大で色々なことをやっている場所というのは、そうはないんです。ほんの数か所ですかね。
民間にも頑張ってもらって、それを維持してもらわなくちゃいけない。何とかファームと、色々とありますけれども、それと同時に、併せて、公も関与する形で、農の風景公園のようなものをつくっていって、両方が相まって農業を発展させていきたい。
その努力の一環として御理解いただければと思います。
【司会】
いわゆる区画貸しとか、今までとは違う形なので、もしよろしければ、こちらも所管課長とお話しする機会を作らせていただきます。
もしよろしければ、個別にお願いしたいと思います。
【区長】
どうもありがとうございました。
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