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平成30年度当初予算案記者発表

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  4. 平成30年度当初予算案記者発表

ページ番号:735-395-449

更新日:2018年1月26日

<p>動画の概要 前川練馬区長記者会見 平成30年当初予算案記者発表 </p>

日時

平成30年1月26日(金曜) 午後1時~午後2時

記者会見資料

区長発言

 皆様、こんにちは。お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 私の方で、最初に概括的にご説明を申し上げて、その後、ご質問をまとめてお受けしたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。お手元に資料がお配りしてあると思います。基本的にこれを使いながら説明させていただきます。
 それでは、まず、2ページをあけてください。2ページ、3ページです。早いもので、区長になってもうすぐ4年経ちます。この間、「みどりの風吹くまち」を目指して頑張ってきたつもりでして、この成果を2ページ、3ページにまとめてお示ししています。ビジョン(政策)があって、その下に、26年度、27年度、28年度、29年度、これまでの実績を示してあります。そして、区政改革の流れを示してありまして、これらを踏まえて、昨年12月にグランドデザイン構想も策定をして発表しました。お手元にいっていると思います。ご覧いただければと思います。これを、いわば総括しながら、新しい予算をつくったわけでして、次に向けた飛躍にしたい、その土台にしたいと考えています。
 予算編成の基本的考え方は次の4ページから5ページをご覧いただきます。一般会計予算額が2,636億円です。これは、対前年度比122億円の増でして、そのうち、95億円は子育て、教育、福祉を充実するものです。細部は、また必要があればご説明します。そういう意味で、これまでも福祉、医療を中心に頑張ってきたつもりですが、その傾向は続けています。
 4ページの中ほどにありますが、練馬区は、これまでもそうですが、これからも、なお人口の増加が続くことが見込まれています。日本全体から言いますと極めて稀な自治体なんですけれども、ただ、そこにありますように難題にも直面している。福祉、医療など社会保障経費の増加、区特有の課題である都市インフラの遅れへの対応、老朽化した公共施設の更新、こういったものに対応していかなくてはいけない。したがって、当然ながら財政基盤を固めながらやっていかなくてはいけない。

 続いて、6ページ、7ページをご覧いただきます。こういう、これまでの流れを踏まえて、今申し上げた現状を前提にしながら、平成30年度の主な事業を、これはビジョンの体系に沿って並べています。全体で五つの柱で政策を整理してありますので、これを、これからこの順番に説明したいと思います。先ほど申し上げた予算の細部について、予算のあらましを後でお渡しします。今、私が喋ったことは14ページを見ていただくと、122億円増の内訳が載っておりますので参考にしていただければと思います。それでは、先ほどの資料に戻っていただきます。
 五つの体系で説明いたします。8ページ、9ページをご覧いただきます。このページ全体の見方をご説明します。8ページの左側に基本姿勢、区の問題意識とあります。これは、ビジョンを中心にして区の問題意識を示したものでありまして、例えば、「子供の成長と子育ての総合的な支援」であれば、区の基本姿勢は、子育ての形を選択できる社会の実現を目指すということです。それを目指して、これまで何をやってきたか、どういう予算を組んでどう執行してきたか。それがここにまとめてあります。例えば、ここの欄であれば、練馬こども園をつくったとか、保育所待機児童ゼロ作戦を展開しているとか、そういったことです。それを踏まえながら、今回の予算で何をしようとしているか。それが次の9ページに書いてあります。一番右には、これはグランドデザインで、前回の記者会見でご説明しました。こういう努力をしていくその先で、どういう社会を目指しているか。それを一つのイメージとして、子供の場合であれば10年後ということで、こういう形のことをやっていこう。妊娠期から子育て期まで、切れ目ないサポートをしながら子育ての形を選択できる社会の実現を目指そう。そういうストーリーにしてあります。それでは内容に入ります。

 10ページ、11ページをご覧いただきたいと思います。10ページ、11ページには、最初の課題、待機児童解消後も保育サービスをさらに充実をするということです。10ページをご覧いただきますと、これまでの保育所の定員数の増が書いてあります。去年の4月で、待機児童が48人残ったんですが、これを来年度は確実にゼロにしたい。今年の4月に向けて、既に838人分の定員を確保しています。さらに、来年度は、保育所の整備等により650人分の定員拡大を行います。そのために、「3歳児1年保育」を、具体的に送迎ステーションをつくって、バス送迎をやりながら区立保育園で受け入れる。そういうものを開始します。それから、3つの区立幼稚園での預かり保育も開始します。次に行きます。

 育児の孤立化・児童虐待を防止するために、「ずっと」、「もっと」、「ほっと」を推進します。昨年職員が工夫してネーミングしたタイトルです。
妊娠期から切れ目のない支援をずっと続けます(ずっと)。13ページを見てください。平成28年度から、妊婦の全員面接を実施しています。助産師からケアを受けられる産後ケア事業を、西部地域に加えて、新たに東部地域でも開始します。次に、きめ細かな支援のための相談体制を強化します(もっと)。ご存知のとおり、私は23区の区長の中で、基本的に確信犯ですが、児童相談所を区に持ってくるということには根本的に反対です。なぜかというと、基本的に、児童相談行政は専門レベルでは広域行政だからです。ここには書いてありませんが、大体、今は、全体で都内、都外も含めて、養護施設に入る子供の数は、3,000人弱です。それを23区で分担しても何の意味もないので、全体を、都が専門的に処遇した方がよいということです。ただ、現状でいいということではありませんので、13ページ、2(1)にありますように、都の児童相談センターとの連携を強化していくということです。当然ながら、区の子ども家庭支援センターの専門職も増員して、両者が連携できるようにしてまいります。右に行きまして、(仮称)「のびのびひろば」を開始します。子ども家庭支援センター5カ所で、こども発達支援センターと連携しながら、子供の発達に不安がある保護者と家庭が安心して相談できる事業を始めようと思っています。

 次に参ります。14ページ、15ページです。支援が必要な子供たちのために不登校対策、障害児支援を充実します。ひとり親家庭自立応援プロジェクトを今年度から開始しています。これについて、さらに効果を検証しながら充実をしてまいります。詳細は30ページに再掲しています。それから、不登校対策を充実するために、スクールソーシャルワーカーを8名から16名に倍増し、新たなチームをつくって対応を図ります。それから、障害児支援の充実として、医療的ケアが必要な重症心身障害児などに対応した児童発達支援事業所を、現行の心身障害者福祉センター内に開設する予定です。そしてまた、15ページの3(2)にありますように、医療的ケアが必要な子供が安心して小学校や学童クラブで過ごせるように、看護師資格を持つ非常勤職員を配置して対応しています。保育園でも本格的に開始します。

 次に参ります。16ページから17ページです。子供たちの充実した学校生活のために、区立小中学校の教育環境を整備です。17ページをご覧いただきます。子供の学力向上への取り組みを充実します。特に、中学校3年生の英検の検定料を全額補助することといたします。一人1回ですが、新たに始めます。そしてまた、教育環境の整備として、17ページ、2(1)と(2)。小中学校体育館への空調設備を、もう既に1カ所整備したんですが、これから10年かけて全校に整備する予定です。今年度は9校で設計等を行う予定です。次に、小中学校トイレの洋式化。これは既に全校で1系統目は終わっています。これをさらに2系統目の改修に着手します。
 次に参ります。全部細かく説明したら、それだけで何時間もかかりますので、恐縮ですが、後は質問でまとめてお答えしたいと思います。

 次に、大きな2番目の項目、安心して生活できる福祉・医療の充実です。基本姿勢は、18ページ、地域包括ケアシステムの確立以下の対応を目指しています。これまでの取り組みは書いてあるとおりです。平成30年度は、地域包括ケアシステムの確立と障害者の支援、それから、福祉事務所の体制強化、この3本の柱でまとめています。
 20ページ、21ページをご覧いただきたいと思います。まず、21ページ、1、高齢者相談センター、これまでは本所・支所体制だったのを見直して、25カ所全部を、地域包括支援センターに再編します。当然ながら医療と介護の相談窓口も、これまでは本所4カ所であったのを、括弧にありますように25カ所に増やします。図が書いてありますが、現行の体制から、地域包括ケアを徹底して実現できる体制にしました。そして、右に参りまして、2、高齢者世帯等への訪問支援事業を新たに開始します。全ての地域包括支援センターで、専門資格を持った訪問支援員を新たに各2名、全体で50名配置して訪問支援を行うことといたします。あわせて、3にありますように、高齢者在宅生活あんしん事業を開始します。これまでは、どちらかというとばらばらであった緊急通報とかその他のものを一本化して、一体的に提供するようなシステムを始めることとします。
 次に、22ページから23ページをご覧いただきたいと思います。特別養護老人ホームなどの施設整備が中心の課題です。特別養護老人ホーム、これは現在でも練馬区は都内で最多の施設数です。これをさらに増やします。30年度、2カ所に着手します。そして、その2カ所で終わるのではなくて、この後も、団塊の世代が全て後期高齢者となる37年度までに、さらに、全体で800人分の特別養護老人ホームを整備する予定です。それから、24時間の訪問看護サービス事業所を新たに5カ所増やします。これによって、事業所数は都内一の13カ所となる予定です。それから、看護小規模多機能型居宅介護施設、これも新たに開設します。区内2カ所目となる施設を開設する予定です。

 次に参ります。24ページ、25ページです。街かどケアカフェです。25ページ、1、街かどケアカフェを30カ所にまで増やします。現在は9カ所ですが、3カ年で30カ所に増設する予定です。いろんなタイプがありますので、その図をご覧いただきたいと思います。それから、はつらつシニアクラブ。これも、例えば関越高架下などにもつくっているのですけど、大好評をいただいています。さらに10カ所から16カ所に増やす予定です。そしてまた、シルバー人材センターを活用させていただいて、会員の皆様による介護施設事業、業務補助事業を開始する予定です。
 次に参ります。26ページから27ページです。練馬区の弱点である病院の問題、病床の問題です。大きく三つの事業に着手します。まず、練馬光が丘病院を移転整備します。ご存知のとおり、光四中の跡地に移転整備する予定です。全体で100床程度を増床する予定です。2番目に、順天堂練馬病院の増床。かねて予定しておりました。これを90床程度増床します。その整備に着手します。それから、高野台運動場用地。ここに新しく200床程度の病院を誘致する予定です。現在、募集中でして、具体的に手が挙がってきていますので、これから選定に入って病院を整備していきたいと、そう考えています。
 次に、28ページから29ページです。障害者の皆さんが地域で暮らし続けるための支援をさらに充実してまいります。29ページ、高野台運動場用地に、先ほどは病院の話をしましたが、こちらは福祉園を整備する予定です。そして、2番目、重度障害者グループホーム。これをさらに増設していきます。北町二丁目の都有地を活用して増設する予定です。さらに3番目、心身障害者福祉手当の対象を、精神障害者へも拡大します。精神障害者保健福祉手帳1級の所持者を対象にして、月額1万円を支給する予定です。29ページ、5番目です。ホームドアがなくて駅から転落する視覚障害者の方が問題になっています。1日の乗降客数が一番多い練馬駅において、ホームドアの設置を、もちろん民間事業者、鉄道事業者がやりますが、整備を支援する予定です。8,000万円を支出する予定です。

 次に、30ページ、31ページをご覧いただきたいと思います。福祉事務所の体制をさらに強化していきます。31ページをご覧いただきます。生活保護自立支援の充実というタイトルになっています。グラフをご覧いただくと、生活保護の受給世帯数全体の伸びは大きく鈍化してきていますけれども、高齢者世帯は増えています。このため、平成33年には生活保護費が344億円に達する見込みです。これに対応していかなくてはいけないということです。そこで、福祉事務所体制の強化です。これは、私が区長になるまでは、練馬区は国の基準に届いていなかったわけです。これを必ず国の基準どおり設置します。3カ年で34人増やす予定でして、今年度は13人増やしました。来年度は11人増やして、24人にする予定です。それから、ひとり親家庭自立応援プロジェクトの推進です。今年度から開始して力を入れてやってきました。最も貧困の率が高いといいますか、母子家庭を中心に大変苦しい方々です。この自立を応援しなくてはいけないということで、今年度から開始しました。実績については、書いてあるとおりです。その効果を検証して、効果の高かった事業をさらに充実していきたい。そう考えています。

 次に参ります。32ページから33ページです。3番目の大きな項目は、いわゆる都市インフラの整備です。都市インフラの整備は、32ページの左を見ていただくとご存知のとおり、練馬区は、とにかく都市計画道路の整備率が著しく低い。約5割しかなくて、しかも、西部地域に至っては4割もないような状態ですので、これを引き上げなければ、みどりの保全もできないし、まちの発展もないわけです。必ず都市インフラを整備して、そして、みどりに包まれた良好な環境の中で暮らしを楽しめるまちをつくっていきたい。そう考えています。これまでも、さまざまやってまいりました。32ページを見ていただきます。第四次事業化計画で、都内最長の18.5キロの優先整備路線を選定することができました。目標年次は平成37年度です。これを必ず実現して、現在50%の整備率を、31年度には、60%にまで引き上げ、平成37年度には80%にまで引き上げたい。そう考えています。
 それで、34ページから35ページをご覧いただけますでしょうか。地下鉄大江戸線です。大江戸線につきましては、もうご案内のとおり、国の交通政策審議会の答申と、都の広域交通ネットワーク計画で、延伸すること自体は国も都も認めているわけです。問題は、具体的な着工でして、国、都が整備すると決めた大江戸線も含めた6路線で、まだ全くどれも着工されていないんです。大江戸線だけではなくて、例えば8号線もそうですけれども、着工されていない。しかも、この6路線の中で一番事業確度が高いのは、私は大江戸線だと考えています。事業主体が都の交通局とはっきりしている。それから、まちづくりについては、先行して我々はどんどん進めております。基金につきましては、35ページを見ていただくと、既に、これまで36億円を積み立てています。これをさらに30年度は43億円に、そして50億円に翌年度はしていく予定です。新駅予定地周辺のまちづくりについても着実に進めています。これだけ条件が整っているところはないのです。これは必ず早期に実現したい。あと問題は、政治的な決断だけであろうと思っています。それをどうやってやっていくかが、これから私の課題です。

 次に、36ページ、西武新宿線の立体化です。先日、1月21日の日曜日に、促進大会を区民の皆様にお集まりいただいて開催しました。これを必ず実現したい。立体化がどんなに大きな効果をもたらすか。ご存知のとおり、西武池袋線の立体化の効果を見れば一目瞭然です。これを必ず実現する。早期に着工してもらうように頑張っていきたい。そう考えています。
 次に、38ページ、39ページをご覧いただけますでしょうか。道路です。先ほど来、お話を申し上げてきました。39ページに、小さくて見にくいですが、ここに具体的な道路名も表示してあります。都市計画道路と生活幹線道路と無電柱化モデル道路事業の路線の整備を示しています。先ほど申し上げたとおり、都市計画道路については50%、60%、80%と確実に引き上げていきたい。そう考えています。
 次に40ページ、41ページをご覧ください。木造住宅密集地域です。これは幸いなことに、ご存知のとおり、練馬区は武蔵野台地の上にあります。地盤も安定していて、そして、法に該当するような木造密集住宅地域ではないのであります。いわば、それに準じる地域が、そこにありますように3カ所あります。41ページをご覧いただきます。江古田北部と北町につきましては、30年度で事業を終了する予定です。貫井、富士見台につきましては、引き続き着実に進めていきます。そして、その3カ所に加えて、あと一つ、地域を新たに選定して、災害危険度を下げていきたい。そういうふうに考えています。それから、41ページをご覧いただきまして、特定緊急輸送道路です。これは着実に進んでいまして、41ページの2の(1)にありますように、30年度末までで、耐震設計は101件のうち97件終了する予定であり、解体・耐震工事または解体工事は101件のうち69件について終了する予定としています。

 次に参ります。42ページ、43ページ、今度は災害時のエネルギー確保です。一言で言えば、全ての医療救護所、10カ所ありますが、そこの電源に電気自動車を活用するということです。具体的な対応は43ページに書いてあります。(1)安全・安心パトロールカー7台ですが、それを全て電気自動車に入れ替えて、そのほかに、既に2台を保有し、燃料電池自動車も2台持っておりますので、11台をあわせて災害時の電源として活用します。そして、全ての医療救護所で使えるように、外部給電器、電気自動車から接続する給電器を配備するということにしています。バッテリーは、3日分はあると考えています。

 次に、44ページを見ていただくと、これは4番目の項目、練馬の魅力を楽しめるまちづくりです。基本姿勢にありますように、練馬区は、基本的には住宅都市です。住宅都市の中で、必要な商店街とか企業があって、そして、それが点在しながら練馬の都市農業があり、豊かなみどりがある。そしてまた、練馬ならではの都市文化を楽しめるまち。それをかならず実現していきたいと思っています。
 46ページ、47ページをご覧ください。練馬区は、もちろん、品川であったりとか、あるいは多摩であったりとか、あるいは浅草あるいは墨田区のように、いわゆる中小企業がそんなにたくさんあるわけではありません。頑張っているところはありますので、その方たちを対象に、47ページ、新しい事業として「ねりま商談交流会」を開催する予定にしています。そして、特に商店街につきましては、ねりま観光センターをつくっていますけれども、そこに頑張ってもらいながら、商店街について、商店街の魅力発信の支援事業をやっていきます。観光センターの所長をやってくれている、民間から採用した方が大変頑張っていますので、それを引き続き支援していきたいと考えています。それから、まちゼミです。これも若手を中心に頑張る企業が出てきていますので、補助金を50万から100万円に倍増します。
 次に48ページから49ページです。都市農業です。私は、区長になって都市農業に開眼したわけでして、これまで、国土交通省とか、あるいは農林水産省に直接行って、いろんな意味で都市農業の振興について働きかけを行ってきたつもりです。都市農業というのは、一般的に言えば、市街化区域にあれば全部都市農業になります。ただ、本当の意味で生きた農業が市街化区域で営まれている場所というのは、日本では練馬しかないのではないかと思っています。大変失礼な言い方ながら、地方の都市で農業があるのは、これは当たり前であって、多摩にあるのも当たり前です。世界を見ても、練馬区のように既成の市街地で、しかも、これだけの大都市の中に生きた農業がある都市というのはありません。大体、ヨーロッパもアメリカも、いわば市民農園みたいな形で支援しているのがほとんどです。そこで、この練馬区の都市農業の魅力を保持しながら、また世界に発信して、さらに発展させていきたいというのが世界都市農業サミットです。

 49ページをご覧いただきます。再来年度、平成31年の11月29日から12月1日に本番の世界都市農業サミットを開催する予定です。今、招聘が決まっているのが、ニューヨーク、ロンドン、ソウル、ジャカルタでして、ほかも、まだ1都市ぐらい増やそうと思って相談を進めています。これの本番を平成31年度に開催します。それを控えて、今年の11月24、25日にプレイベントを開催したいと、そう考えています。そして、あわせて、49ページ、ねりマルシェです。これはプレイベントとか、本番のサミットでもあわせて開催します。ねりマルシェは、さまざまな形で今、活発に展開されていますので、さらに活性化していきたい。そう考えています。

 50ページ、51ページをご覧ください。みどりです。みどりは練馬区の大きな魅力です。51ページをご覧いただきます。区全体の緑被地は約1,160ヘクタールあるわけです。練馬区全体が約4,800ヘクタールですから、緑被率は24%です。民有地のみどりが75%、4分の3です。その中で、86ヘクタール、約1割が失われているのです。当然ながら、みどりを維持し、守るためには区民の協力が不可欠であると私は思っています。最近よくわかってきたんですが、大変意外なことに、みどりを切れという人たちもいるんです。樹木についても、もっと剪定しろと。私個人から見れば考えられないような方も、非難しているわけではないです。意外なことに、そういう方もおいでになる。そういう方たちにも理解をしていただきながら、みどりを守って、また増やしていかなければならないと思っています。そのために、51ページにありますように、例えば、(1)にある公園や憩いの森の区民管理を拡充していく。それから、個人の庭を地域で守り育てる仕組みづくりをします。昨年はコンテストをやりまして、いろんな庭を選定させていただきました。すばらしい庭をつくっていらっしゃる方がたくさんいます。こういう方々の努力を支援していきたい。それから、51ページの(5)にありますが、みどりの保全・創出に向けた新たな仕組みを検討します。ここには書いていませんけれども、みどりというのは区民とともにつくらなければ到底維持もできないし保全もできないし発展もさせられません。これを、新たなみどりを守り創出するムーブメントを起こしていきたいと、そう考えています。寄附なども含めてやっていきたい。どうやってやったらいいか。そのための仕組みを検討していきたいと、そう考えています。「みどりの区民会議」を始めて、その中でもいろんな提案をいただいています。「みどりの区民会議」でも相談しながら、新しい仕組みを必ずつくっていきたいと考えています。そして、51ページ、特色ある公園の整備です。四季の香ローズガーデンであるとか、既に整備していますが、さらに拡充していきます。練馬総合運動場公園を整備して、皆が楽しめる公園にします。ここにあるような施設をつくっていきたいと考えています。

 次に52ページ、53ページ、今度は文化です。練馬区は、大都市東京の都心近くにあって、いろんな文化イベントにも接することができます。残念ながら練馬ならではの文化イベントというのは、これまで余りなかったのです。それを何とかしたい。「みどりの風・練馬薪能」は既に始めています。53ページ、残念ながら昨年は雨になって屋内でやったのですが、今年もまた続けていきたい。日本の一流の演者による薪能を続けていきたいと思っています。そして、昨年、区独立70周年事業として、記念式典でやったコンサートは大好評を博しまして、大谷康子さんにご尽力いただきながら、一流の音楽家によるコンサートを、練馬文化センターで定期的に開催していきたい。そしてまた、花火フェスタも大好評でしたので、今年は、区が直接というよりは「としまえん」と協力しながら花火フェスタをやっていく予定にしています。それから、53ページ、美術館です。学芸員の皆さんが頑張って、なかなかいい企画をして、天皇・皇后両陛下もお見えになり、大変注目を浴びていますが、残念ながら舞台が小さい。美術館と隣接する、サンライフ練馬も含めた大規模なリニューアルを行うつもりです。大拡充したいと思っています。平成31年度を目途に整備基本構想をつくっていく予定です。54ページ、55ページをご覧ください。スポーツです。55ページにありますように、練馬総合運動場公園、こちらが本掲ですけれども、区内初めての公認陸上競技場として整備する予定です。そして誰もが楽しめるスポーツイベント。練馬こぶしハーフマラソンはもちろん続けますし、ユニバーサルスポーツフェスティバルは、もう2年やりましたが、大変好評ですので、障害者の方も、そうでなくても一緒に楽しめるスポーツの場として発展させていきたいと考えています。

 そして、政策の最後です。56ページから57ページです。「映像文化のまち」。これは、私も区長になって、いろんな方から言われていますし、自分でも考えています。アニメが練馬区の一番の特徴であると、そういうふうに考えている方もたくさんいらっしゃいます。何とかしたいと思って努力してきました。アニメといっても、練馬区の場合に、いわゆるアニメ事業者というのは企画力があって創作力があってという事業者の方がどれほどいらっしゃるか、心もとない。もちろん、東映だとか大きな企業はあります。実態は、残念ながら、そこまでは大きくない事業者、そういう方ももちろん大事ですけれども、その事業者に依存する形では、なかなかアニメのまちはできません。57ページの構想の内容(1)をご覧いただきます。当然ながら、東映にも協力をいただきながら、大泉学園駅から東映の東京撮影所に至るエリアを中心にして、大泉に縁のある資料、映像作品を鑑賞できる、あるいはキャラクターモニュメントを制作する、映画祭を開催する。こういった映像文化のまち構想をつくって、それを実施していきたい。そういうふうに考えています。平成30年度に構想の策定に着手し、31年度には完成して実施に動かしていきたい、そう考えています。

 次、最後ですが、新たな区政の創造です。58ページから59ページです。グランドデザイン構想を見ていただきたいんですけれども、新たな自治とは何かということです。お配りしたグランドデザイン冊子の29ページから28ページに書いてあります。どうも偏見を我々が無意識のうちに持っているのは、私が区長になってよくわかりました。旧住民と新住民がいて、旧住民は、例えば町会であったりとか、商店街を中心にあって、そういう人たちが力を持っている。実態はなかなか現状維持に傾いて、そして、それに対してNPOとかボランティアというのがいわば新住民で、彼らがいわば進歩的であるという、そういう思い込みが我々にはあるのではないかと思っています。私がこれまで4年近く区長をやってきて実感しているのは、実態は大分違うと感じています。実際には、町会といっても、あるいは商店街でも、非常に頑張っている方々もいるし、例えば市民と称しても、ただのプロの集団であられる方もいるわけでして、そういう、これまでの従来型の、地縁型の住民自治と、それから新しいタイプのNPO、ボランティアを中心とした自治と、これを連携する形のものをやっていきたいというのが私の大きな問題意識です。それで、例えば「みどりの区民会議」をつくったりとか、街かどケアカフェを運営したりとか、いろいろやっているわけです。それをさらに発展させていきたいというのが、この項の狙いです。予算資料に戻っていただいて、58ページから59ページに書いてあるのは、そういう意味のことです。60ページから61ページは、これからやることでして、地域おこしプロジェクト、これは今年度に三つの事業をやりました。先日、「味(ビ)ストロ練馬」というのをやりました。大好評で、参加した方は、今までの練馬区とは思えない、都心区みたいだというほど大盛況を博しました。こういう事業をさらに三つやっていきたいと考えております。そして、先ほど申し上げた協働、いわゆる地縁型の組織と、NPO、ボランティアのような活動団体が協働した取り組みを具体化していきたいと考えています。
 62ページ以下は、具体的な予算の内容を数字で示してありますので、ご覧いただきたいと思います。これから質問をお受けいたします。よろしくお願いします。

質疑応答

【記者】建設通信新聞の高木と申します。56ページ、映像文化のまち構想について。ハード、ソフト両面にわたるまちづくり構想ということですが、読み進めると、商業施設の誘致などありますが、区長としては、ソフト面を重視して既存の施設を使って進めていきたいとお考えなのか、ハード面も誘致、整備しながら、ハコモノをつくりながら進めていきたいというお考えなのか、教えてください。
 
【区長】ハード、ソフト両方必要だと思います。今でもアニメ、漫画のキャラクターのモニュメントをつくっていますけれども。例えば、よく松本零士さんが話されるんですけれども、「いろんな外国から自分を訪ねてくると。そして練馬のアニメを知りたい、松本さんのアニメを知りたいと言っても、それを紹介する場所が全くないんだ、と言うんですね。場所もないし、資料もないし。そういったものをまとめて収集して展示する場所があったら、それはそれでいいなと思っています。それから、ゲゲゲの鬼太郎の作者の境港市でしたか。町中にモニュメントがあるじゃないですか。あそこまでやるかどうかは別として、映像のまちについては、多少なりともそういう工夫もするとか、両方兼ね備えた取り組みをしていきたい。民間事業者を呼んできてやらせたら出来るというわけにはいかないと思います。民間の力も借りながら、区がかなりリーダーシップをとってリードしていく必要があるのかなと思っています。
 

【記者】読売新聞の大原です。21ページの「高齢者在宅生活あんしん事業」についてですけれども、2点ほどなんですが。どの部分が23区初めてなのかということと、区長として23区初の事業に取り組まれる意気込みを教えていただけますか。
 
【区長】どの部分がというのは、こういう形で総合的一体的に提供するのが、23区初ということです。これまでも、緊急通報などはあったわけです、それぞれ。バラバラではあるんだけれども、一体的に提供する、そういう事業者を確保できそうだと、それが23区初だと思っています。当然ながら、こういう形のあんしん事業があれば、全然違うわけですから、これだけひとり暮らしの高齢者の方が増えてきていますので、皆さんの安心につながるように力を入れてやっていきたいと思います。
 
【記者】13ページの「のびのびひろば」なんですけれども。どういう事業なのかというところを詳しく教えていただけたらというのと、同じく事業に取り組まれることに対しての区長の意気込みを教えていただけますか。
 
【区長】細部については、全部知っているわけではないので課長に説明させます。私は長い間、福祉をやってきて、特に児童福祉をやってきています。そもそもスタートは、都の心障センターで、障害者事業からスタートしました。いかに、子どもの発達に不安のあるお父さん、お母さんが心配か、当時からそれこそ、40年前ぐらいです。言葉が遅いんだということを、親としては当然ながら、自分の子供が、問題があるということを認めたくないんです。その心情はわかるじゃないですか。かといって相談先がないとか、医療機関みたいなところには抵抗があるでしょうし。そういう方々が気楽に相談したり話し合いができる場をつくりたい、それが私の願いですから、ちゃんとやっていきたいと思います。
 
【財政課長】従来やっていた「子育てのひろば」は親子のためにやってきたわけですけれども。今回行うのは、特に子どもの発達に不安のある親子の専用のひろばを改めてつくるということで、不安の解消に努めるということです。月1回、一日5時間程度で始めさせていただく予定です。
 

【記者】NHKの平山と申します。ふるさと納税の影響などにより減収が見込まれると書かれていますけれども、今年度、どれだけの減収の見込みをされているのかということと、今後の対応というか、対策というか、区長としてどういったことを対策として考えていきたいか伺いたいのですが。
 
【財政課長】ふるさと納税による区の影響額ですが、29年度につきましては、12億円の減額の影響が出ると見込んでおり、さらに30年度は増えまして16億円の減収になると数字を見込んでいます。
 

【区長】私は長い間、東京都で行政をやってきたので、こんなふるさと納税を国が進めるなんて、べらぼうな話がなんでまかり通っているのか。そもそも行政をやってきた人間であればみんなわかりますけれども、税は当然ながらサービスの対価ですから、例えば23区におけるサービスの対価を、わざわざ奪ってほかに回すというのは全く理解できないのですけれども。ただこれはいわば正論であって、心情的に言えば、地方から見れば、逆の見方があるだろうというのは十分にわかります。つまり23区というのは、言い過ぎるとまずいんですけれども、ある意味、やりたいことをやっているわけですよね。それだけ財源があるわけであって。これは否定できないと思います。地方から見れば極めて恵まれた都市であると。ただやっている人はそう思っていないわけですよね。極端なことを言うと、国民健康保険であったり、介護保険であったり、利用者負担を、一般財源を投入して減らすようなことをやるわけじゃないですか。それをいいとか悪いとか言っているわけじゃなくて、自治体を批判していると書かれると困るんですけれども。そういったことをできる財源があるわけです、地方から見れば。それを決して否定してはいけないと思います。だから、それだけ、実のある行政をやらなければいけない、ばらまきはやってはいけない、というのは私の信条であります。では、具体的に何をやったらいいのか。そこが課題であって、51ページでもお話し申し上げましたが、練馬であったら、みどりの保全・創出に向けた、練馬区の一番のポイントは、みどりであり、また農業でありますから、こういったものの維持と発展に皆さん方の力を活用できるようなことはできないだろうか。ふるさと納税に変わる仕組みではありませんけれども、同じような発想で、ふるさとねりまをもっと良くするための仕組みができないのかなというのが問題意識の根本であり、そのための努力をしていきたいと思います。
 

【記者】西東京のひばりタイムスの北嶋と申します。先日、西武新宿線の立体化促進大会が開かれて。区単独では、今わかっていても言うのは難しいかもしれませんが、実際の工事はいつ頃始まって、いつ頃の見通しなんでしょうか。
 
【区長】それは私が教えてもらいたい。我々は精いっぱい頑張りますけれども。早期に着工してもらえるように。基本的に都事業ですから、根本は。それは都とそれから鉄道事業者が頑張るように督励したいと、要望したいと思います。
 
【記者】これまでの例では、だいたい着工してどれくらいの期間で完成しているんですか。
 
【広聴広報課長】後ほど、担当課長からお答えさせていただきます。
 
【記者】地元の練馬新聞の斎藤です。2点お伺いいたします。一つは34ページにある大江戸線問題です。大会を開いて認可された路線だ、早く着工してくれと声をあげているわけですけれども。我々の取材の中で、一番大きいネックになっているのは、補助230号線の沿線まちづくりが遅れているのではという指摘が東京都から聞かれます。なかなか練馬区から独自の230号線の沿線まちづくりの計画が出てきていない。これが出ない限り、経済性の問題で、東京都は着工へのハンコをおさないわけでございますけれども、このあたりの計画はいつ頃出てくるのでしょうか、一つ。来月確定申告が始まりますけれども、地元の行政サービスに役立っているマイナンバー制度が昨年からスタートしたわけです。現在カードホルダーを見ますと13万人ぐらいだという、区民部長さんの抱負もありました。72万都市の人口の練馬で、カードホルダーが13万というのは、区長から見ると少ないのか多いのか、頑張っているのか、あるいはこれを打開していくにはどうしたらいいのか、総務省に何か上げていくというようなことはあるのかどうか、この2点です。
 

【区長】大江戸線については、斎藤さんはちょっと根本的にご理解していただきたいのは、私が区長になって画期的に進んだんですよ。これまでまったく問題にされていなかった、東京都では。自分でやってたから保証しますけれども、東京都では問題意識すらなかったわけです。それを国の交通政策審議会の答申においても、東京都の広域交通ネットワーク計画においても、やることが決まっているわけであります。それをまず評価していただきたい。それにケチを付けられては困るのでありまして、230号線がネックでも何でもありません。要はこれから政治的決断だ何度も申し上げた、その通りだと思っています。その可能性は、今決まっている6路線の中でも大江戸線が一番熟度が高いわけですから、その実現に向けて、正確に努力をしていきたい。そこはぜひ地元の新聞として、正確な認識を持っていただきたい。それが一つ。マイナンバーは当然これから頑張っていかなくてはいけないわけで。聞いている限り23区で一番多いんじゃないでしょうか。それだけ、頑張っているんだと。また区民の皆さんの意識が高いと思っていますので、区長として大変喜んでいます。これからも努力していきます。
 

【記者】日経新聞の亀です。今、質問があった大江戸線なんですが、区長、政治的な決断というふうにおっしゃって、おそらくこれは区だけでは難しくて、東京都ということになると思うんですが。今ちょうど2時から裏で、東京都の予算の発表をやっているんですけれども、そこでどうやら、都はこの6路線で、財政支援の新しいスキームももしかしたら出るのかなという話もあるんですけれども。今後、ずっと東京都との実務的協議もありましたけれども、実務的協議も必要なんですが、知事とか政治レベルの働きかけというもののご予定はあるんでしょうか。
 
【区長】今、亀さんがおっしゃったとおりであって、私が区長になったレベルの時点で言うと、まず実務的協議をちゃんとやらなければいけなかった。それをやって、国も都も、大江戸線の着工については方針を決めたわけです。大進歩だと思っています。今お話があったのはまさにその通りであって、これから、政治的な選択、決断の時期に入っているわけです。それを、どうやって政治的な力関係を確保していくか。マクロで言えば、小池都政自体の力もあります。自民党との関係、国との関係、もう一つオリンピックもありますよね、いろんな自治体との関係。東京都全体で考えれば、一番政治的に効果の高いものをやろうとするでしょうから、事務的、技術的に熟度が高いのは間違いなく大江戸線が一番ですが、政治がこれに絡めば、例えばオリンピックをやるうえで、どの路線がやる形をとったほうが有利か。どっちみち間に合わないんですよ。間に合わないけれども、そういう力が働いていくと思います。本来であれば、国会議員とか、都議会議員に頑張ってもらわないといけない。なかなかそれはできませんので、私は自分の力を最大限使いながら、知事も含めて、都議会も含めて、国も含めて頑張っていきたいと思います。それ以上は言いにくいですね、今は。

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