令和元年 第三回定例会(世界都市農業サミットの開催にむけて)
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更新日:2019年9月11日
9月11日(水曜)、令和元年第三回練馬区議会定例会にあたり、前川燿男(まえかわあきお)練馬区長が記者会見を行いました。
開催を11月に控えた、日本初の都市農業に関する国際会議「世界都市農業サミット」にむけて、海外から参加する5都市の都市農業の状況や被招聘者の顔触れを紹介しながら、国際会議開催への意気込みを語りました。
日時
令和元年9月11日(水曜) 午後2時30分から午後2時57分
記者会見資料
令和元年第三回練馬区議会定例会記者会見資料(PDF:1,239KB)
区長発言
恒例の議会ごとの定例記者会見を始めさせて頂きます。今回の第三回定例会、色々な課題がありましたが、一番大きな問題は何といっても世界都市農業サミットを11月末から始めます、それに尽きますので、資料としてお配りさせて頂いています。私からざっと説明いたします。
1ページを見て頂きますと、11月29日から12月1日にかけて実施いたします。文化センター等が主会場で、招聘都市はニューヨーク、ロンドン、ジャカルタ、ソウル、トロントの5都市です。後援者は、皆様方にご協力をお願いして、記載のとおり、区内は勿論ですが、国、東京都、また色々な大使館等にもご支援を頂くことになっています。
開催の目的、これはもう何度も申し上げてきました。練馬区の誇りである都市農業を世界にPRするとともに、これがまた世界の都市生活に大きな影響をもつのだということを発信していきたい、そう思っています。
2ページを見て頂きます。これまでも色々お話ししてきましたが、東京のような大都市で、しかも既成の市街地の中に練馬区のような形で住宅地と農地が混在して存在しているのは、世界でも、まず先進国ではここだけであろうと思っています。これは、ある意味では乱雑に開発が進んだ結果ではありますが、後なる者が先になるという結果になっているのかな、と思っています。
3ページからは分科会についてです。三つの分科会を設けます。農産物の生産・流通・消費、都市農業の多面的機能、農地の保全・創造。それぞれ記載の方々に座長としてお願いして、議論を深めていきたいと思っています。 そして、それを次の4ページですが、全体のシンポジウムで議論を重ねて、最後にサミット宣言をまとめる、という形に持っていきたいと思っています。全体の座長は、武蔵大学名誉教授の後藤先生にお願いしております。
6ページ以降は各都市の紹介です。
最初のニューヨークのお二人、ビル・ロサッソさんとネヴィン・コーエンさん。昨年のプレイベントでも来て頂きました。ニューヨークはコミュニティ農園とベンチャー企業が行う農園といった形でやっているようです。これは勿論、この場でじっくり聞かせて頂きたいと思っています。
ロンドンも、マーク・アインズバリーさんとアンドレ・フルヨンさん、昨年おいでになりました。ロンドンは市民農園でしょうか、2,700か所まであるそうです。
それから、ジャカルタ、ソウル、トロントは、今回、初めてお出で頂きます。
ジャカルタは急激に都市化が進むなかで緑地を維持したい、そういう目的でやっていらっしゃる。話を聞かせて頂くのを楽しみにしています。
ソウルは、今、日本と韓国の間でいろいろ問題があるようですけれども、市からは出席するという返事を頂いております。是非、来て頂きたいと思っています。
それからトロントも初めてです。トロントは移民が多い都市、社会であり、そういったことで移民の孤立化を防ぎ、社会的包摂を進める、そういう意味でのインクルージョンでしょうけれども、そういう意味での媒体として都市農業を活用していると聞いています。
10ページはイベントです。今申し上げた国際会議、シンポジウムを行うと同時に、様々な記念イベントも実施してまいります。
10ページに掲げてありますが、記念コンサートから始まり、大根引っこ抜き競技大会、ねりマルシェ、ねりまワールドフェスティバル。次ページ以降、簡単に概要を説明してあります。
今回のサミットは、当然ながら都市農業の今後のあり方を考えることが目的ですけれども、同時に、農業まつりという面も持たせたいと思っていますので、世界に開かれたお祭りにしていきたい、そう念願しています。
私からは以上です。ご質問がありましたらお答えいたします。
質疑応答
【記者】
日本経済新聞の亀です。
所信表明の冒頭、幼児教育・保育無償化への対応、ということでまとめられています。今日たまたま内閣改造ということもあり、早速、10月1日から消費税の引き上げに伴う無償化、というのも大きな政策課題の一つとしてあるわけです。各自治体が実際の現場になりますので、新政権に無償化の点で何か望むことがありましたら、コメントをお願いできればと思います。
【区長】
無償化といいますか、今度の内閣、19閣僚のうち17名は交代しましたが、そのうち13人が初入閣。大変ドラスティックにメンバーが変わったわけですけれども、その使命というものは変わらないだろうと思っています。
特に、私が一番現場で仕事をしていて感じるのは、区民の皆さん都民の皆さんというか、住民が一番不安に思っていることは、今後もこれだけ高齢化が進んで少子化が進む中で、自分たちの生活がどうなるだろうか、そしてまた子どもたちの生活がどうなるだろうか、そういうことが一番の関心だろうと思っています。
そういう意味でと、今度は全世代型社会保障ですか、社会保障を実現するということで、西村さんと加藤さんを起用して取り組んでいくようです。是非、区民の、国民の不安を解消するような、力強さというものをお願いしたいと思っています。
これから人口が縮小していくなかで、年金がどうなるのか、子どもたちの教育がどうなのか。無償化というものはそのための第一弾でありましょうけれども、同時にまた、これは、反面では、家庭というものは一体何だろうか、子育てとは一体何だろうかという問題でもあろうと思いますので、そういったことについても、政府として、内閣として、きちんとした理念を示して頂きたいと、そう思っています。
もう一つは、当然ながら私は自治の現場で仕事をしておりますので、いろいろな課題があります。練馬区の場合であれば当然、まだインフラ整備が遅れているとか、様々な、他の都市にないような課題も抱えていますので、そうしたことにも、是非目配りをして配慮して頂きたい。東京の中の交通過疎地域でもありますから、その辺もお願いしたいと思っています。一般論になりますが。
【記者】
読売新聞の仲條です、関連で伺います。
今回の内閣改造で、地元選出の菅原一秀議員が経済産業大臣として初入閣されました。国と地元地域をつなぐ役割を国会議員は果たされていると思いますが、菅原新大臣に望む要望など、何か一言コメントを頂けましたら。
【区長】
練馬区から大臣が出るというのは久しぶりなのですよね。昔は中村梅吉さんという大変有名な文部大臣がいて、それ以来ずっと出ていなかった。小池さんが防衛相になられて、その後小川敏夫さん。それ以来ですので、久しぶりの、しかも主要閣僚での入閣ですから、区民の皆さんの期待は大きいと思います。
当然ながら、日本のため東京のために頑張って頂くのですが、先ほど申し上げたことも含めて、練馬区の課題の解決のため、先頭に立って頑張って頂きたい。それに尽きます。是非頑張って頂きたい。
【記者】
経済産業省所管の分野で、特に区として重点的に要望されているものは何かありますか。
【区長】
勿論一般的な意味では、例えば中小企業振興であったりとか、様々にあるわけですけれども。特に練馬区だから経済産業省、ということは(ありません)。例えば、サミットにしても、主は農林水産省、それと国土交通省になります。そういう意味では、ちょっと残念ながら。
それより、新大臣にはアメリカとの関係や中国との関係、それが一番大きな問題ではないでしょうか。国際的な日本の経済環境をどうしていくのか、しっかり頑張って頂きたいと思います。
【記者】
東京新聞の松尾です。世界都市農業サミットに関係してお聞きします。
資料に開催の目的とありますが、現在の練馬区の農業について、どういう課題があるとか、あるいは現状についてどういった認識をお持ちなのかお聞かせ頂ければ。
【区長】
広範な一般論で、ちょっと戸惑いもありますが。練馬区の農業、申し上げるまでもありませんが、23区の中で圧倒的に農地が多い訳です。次の世田谷も多いのですが、それでも練馬区の半分ぐらいかな。練馬区は200haぐらい残っています。この大都市東京の中で、これだけまとまった農地が、しかも先ほどお話をしました市街地と混在して残っているのは、日本で唯一、ここだけだろうと思います。
地元の区長として申し上げると、都市農業といっても、大抵は市街化区域にある農地を一般的には指しますけれども、本当の意味での都市農業というものが、一番典型的に存在しているのは練馬区だろうと思っています。これが、そもそもは開発の遅れの関係で偶々残ったのですけれども、それが今となっては、都市生活を豊かにする大きな歴史的な意味をもっている、と私は思っていますので、これを世界に発信する、そしてまた練馬区としても大きく発展させていきたい。
問題点、これは言うまでもありません。当然ながら、生産緑地が大半であるけれども、今度また生産緑地の切り替え時期も迎えますが、相続によって確実に減少してきたわけです。これまで、残念ながら。これを練馬区としては何とか維持をしていきたい。そのために一番困るのは、様々な制度的な制約があったことです。それについては、私が区長になってから、色々と皆さんと一緒に頑張ってきて、農業者の皆さんと一緒に頑張ってきて、かなり法改正が進んできた。昨年の、生産緑地の賃貸借を可能にする制度ができたことによって、概ね制度改正ができたのかと思っています。これからは、現場の実践として頑張る時だと思っています。
区としても頑張りますけれども、一番の問題は何かというと、財政です。例えば、生産緑地の相続が起きた際、買い取りの申し出があった時に、すぐに買い取れるような財政力が、私は一番欲しいと思っています。それについても、国から是非配慮して頂きたい。
それを進めるためにも、練馬区の農業の魅力を世界に発信していきたい。改めて日本国内にも発信したい。それが世界都市農業サミットを開催する目的です。
【記者】
練馬新聞の齊藤です。
来年はいよいよオリンピックが控えています。この秋からスポーツイヤーに入るわけです、練馬区にとってはある意味ではサミットイヤーですが、色々大きく見てみますと、オリンピックでも、来年再来年、あるいは次世代にレガシーを残そう、レガシーの創設に大変一生懸命になっているような姿があります。練馬の世界農業サミットのレガシーとは何なのかということをお聞きしたい。
一過性のイベントとしては2年間で1億3,000万円の予算措置をする、高い投資をするわけです。来年に向けて、あるいは再来年にも通用する世界都市農業というものは、あるべきだと思います。それをレガシーという言い方をすると、例えば、区内の大学である、ゼミの武蔵大学に都市農業サミットの講座をつくってもらうとか何かゼミの形で残すとか、レガシーを残してほしいのです。是非来年に残すサミット、次世代に残す都市農業サミットとは何なのかということを、構想などがありましたらお答え頂ければ。
【区長】
ユニークな質問ですが、ずっと私がやってきたことを見てきたはずです、この何年間も。国土交通省に行き、農林水産省に行き、練馬の農業者とともに制度改革を実現してきました。それが最大のレガシーです。それを基にして練馬区の農業を発展させることが私の役割です。大きな制度改革ができたから、これを活用して当然ながら農地も残し、そして農地を中心としたみどりを残す。そういう方向に持っていくための世界都市農業サミットをやるわけであって、1年間で、一瞬でできたわけではありません。これをやるためには何年間もずっと積み重ねてきて、そして、その成果をこれから残していきます。そこをきちんと見て頂きたい。
【記者】
たびたびすみません。読売新聞の仲條です。
児童相談所の関係です。改めてになりますが、昨日、新宿区長の会見があり、当初予定していた2021年度の児童相談所開設が、人材確保の困難等で延びることになった、少なくとも3年ほど延びることになったとのことでした。今後、もしかするとそのような23区の自治体が出てくるのかという思いもあり、改めて練馬区の、あくまで区独自の児童相談所は必要ではないというお考えを教えて頂ければ。
【区長】
新宿区さんの話は予期したわけでも、そうかなと思いましたが。そもそも児童相談所についてはこれまでも何度もお話をしてきました。児童相談は、これは区民に身近な自治体である区が中心となって頑張るべき問題です。それこそ乳児の子育てから始まって、色々な意味で一番区民に身近な自治体ですから、現に、それを様々な努力をしているわけです。
ただ、その中で児童相談所というものは、大変広域的・専門的な機能を担うものだということ、これも繰り返し申し上げてきました。
今、東京都と23区で協議をしています。その協議はどういう方向に行っているかというと、一番問題になっていることは、例えば養護施設への入所調整の広域的な調整、もう一つは、一時保護の広域的な調整。例えばそういったことですよね。それから当然、専門職員の確保です。これはいずれも区単独ではできないのです、やろうと思っても。例えば養護施設に入れるにしても、養護施設は、都立の施設の殆どと全体の半分は都外にあるのです。それを、児童相談所で入所調整をしなくてはいけない。
しかも、養護施設と児童相談所の関係というものは、何十年も、1世紀近く積み重ねてきた歴史があって成り立っているのであって、今、区が児童相談所を作ったから、パッとどこかの養護施設へ電話して入れる、そんなことは出来ないのです。必ず広域総合調整が必要になる、それが必要だということは各特別区も、現に認めてきているわけです。
一時保護はもっとそうなわけです。地元に置いていたら危ないケースがたくさんありますから、それを置くわけにいかないから他区に逃がさなくてはいけない。そういったケースは、やっぱり広域調整をするしかないのです。
それから、他紙でも書いて頂きましたが、専門職員の確保、これは大変です。東京都は知事部局だけで5万人の職員がいますけれども、その中から探してもなかなか適材がいない。区というのは、練馬区でも全部、それこそ教員と保育士の皆さんを入れても四千数百人しかいません。その中から適材を確保するのは至難の業です。しかも最初に児童相談所を作る際には、意気に感じて頑張る人がいるかもしれない。しかし、それをずっと継続して職員の補給を続けていくことは、まず出来ないと思います。そうなると、それも特別区全体でやるとなったら一体何のために作るのか。膨大な経費もかかりますから、児相を作るには、設置にも運営にも。
何度も申し上げておりますが、それよりは、区が持っている子ども家庭支援センターを更に機能を充実して強化していく。それが一番現実的であるし、効果があると思っています。それも、単に区だけでやるには限界がありますから、私の方は児童相談センターと相談をしながら、事実上、その支所を練馬区に持っていくような形で、総合的にやっていけばいいかな。それを児童相談所と言うかどうかは、それは勝手ですけれども。
所謂、これまで他の特別区の皆さんが設置すると言ってきた、皆さんがやってきた児童相談所をそのまま区で実現するということは、私は事実上出来ない、それは、もし新宿さんがそうおっしゃっていたとすれば、それがだんだん顕在化してきているのかと思っています。
【記者】
加えて今月上旬、厚生労働省が、児童相談所で専門的な役割を果たす児童福祉司の国家資格化を目指した検討を進めているという内容が報道されました。特に専門職員の確保という意味では、さらに国家資格化ということになってしまうと、人材の確保が、まして区で独自にやろうとすれば困難になることが予想されますが、その辺りの見解は。
【区長】
若い時は現場で仕事をしていましたから、児童福祉司に一番重要な資質は何かといえば、専門知識もそうですけれども、子どもへの愛情ですよね。これがやはり、単に仕事としてやるだけでは困るのです。つまり、一人の子どもの面倒を見たら、その子が場合によっては成人するまでずっと面倒を見なくてはいけないわけです。児童福祉司としての任期はせいぜい2年か3年ですから、一つの児童相談所では。場合によっては、それを超えて続けなくてはいけない。それもまた行動力が必要です。愛情と行動力。それにプラス専門知識。だから私は、一番大きいのは人格だと思っています。
これを国家資格化することは、しないよりはいいのかもしれないけれども、そんな決定的な意味があるのかどうかは、正直言ってちょっと判りません。否定はしませんが判らないです。ただ、出来ればそういう方向に行ってもらいたいと思っています。
そうなると、本当に適任者が少ないのです。私はこれまで何十年も付き合ってきたなかでも、この人は理想の児童福祉司だと思った方は、ほんの何人かいましたけれども、それほど難しい問題です、児童相談所の問題というのは。 だから、言い方は大変難しいのですが、今は虐待が問題になっているではないですか。それは問題ですけれども、それほど子どもの処遇というのは難しいということを23区でもやっぱり骨身にしみて感じつつあるのではないかと思っています。
【司会】
これにて第三回定例会の記者会見を終了させて頂きます。本日はありがとうございました。
【区長】
どうもありがとうございました。よろしくお願いします。
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