平成27年 第二回定例会
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更新日:2015年6月22日
動画の概要 前川区長記者会見 平成27年第二回定例会
日時
平成27年6月22日(月曜) 午後3時~午後3時45分
区長発言
それでは、こんにちは。記者会見を始めさせていただきます。定例の会見ですが、今日は3件お話をしたいと思います。
一つが、先日の第二回定例会の所信表明。それから2点目が都の地域医療構想に対する区の要請について。それから3点目が、都市計画道路の整備。それぞれ資料が3つ配ってありますので、それをご覧になりながら、お話をさせていただければと思います。
まず所信表明でありますが、お手元にホームページの写しがいっていると思いますが、ちょっとそれを見ながらですね、私の方で簡単に話をさせていただきます。
最初に私が今回の所信表明で述べましたのは、区長をやって1年間ですね、大都市における自治というものに対する認識が格段に深まった、これが実感であります。東京都にいるときはどちらかというと、行政の合理性、東京全体、23区全体での運営・整備の合理性といったところに目が行きがちでありましたが、基礎的自治体である区に来て住民の皆様と直接接しながら色々お話をする。そういう中で、住民自治の重要性が極めて大きいんだということを実感いたしました。そしてまた、改めて、現在の特別区制度はいろんな問題があるということを、実感しております。私が今、強い問題意識を持っておりますのは、広範な区民の皆様と話をしたい。なかなかその手法がうまくいかない。昨年は住民基本台帳から無作為抽出した方々を集めたりしたんですが、それでもなかなか十分ではない。広範な都市の住民の皆様と、率直な意見交換をする機会をどうやってつくったらいいか、今色々と工夫をしているところであります。これからまた努力をしていきたいと思っております。
それから2点目に入ります。区政改革の推進でありますが、こういった視点で考えた場合に、私は現在の練馬区の区政については、ちょっと住民としては、大変違和感がありました。なぜかというと、なんとなく、その31年暮らしていて住民に真正面から向き合っていないんじゃないかという感じを持っておりました。実際に区長になってみて、それはかなり誤解だったことも分かりましたが、同時に私は区政というのは、ここに書きましたように、区民全体の利益を実現することが使命であるけれども、同時に、政策が志向する区民お一人おひとりの心情への共感を欠いてはなりません。そう心から思っております。私はいただいた投書は、基本的に概要を含めて全部目を通しております。それを見ていると、はてなと思うことが時々あります。そういうときは担当者も呼んで、また対応をやり直させたりするのでありますが、今回の区政改革は、いわゆるコストとか人員の削減だけではなくて、職員の意識を住民本位に変革をすると、それを第一に据えたいと思っております。今月の末には、区民の代表、学識経験者、企業経営者などで構成する区政改革推進会議を発足させて、本年12月を目途に素案をまとめ、今年度中に計画を策定していきたいと思っております。その際に強調したいのは、行政サービスのコストについても、必ずその過程で公表したい。例えば、保育所しかり、道路整備しかり、一体いくらお金がかかるのか、それを誰が負担しているのか、それを正確に区民の皆様にお伝えしたいと思っております。
次に、区政の主要課題に入ります。
まず、保育、子育てでありますが、保育については、私がそこにも書きましたように、家庭での育児を含めて、様々なサービスを選択できるようにすることが基本という考えは変わりませんが、まずは現在直面している保育所待機児童を解消したい。当然のことですが、そう思っております。この1年間で都内最大級としてあるのは、ちょっとまだ調査が十分でないからですが、多分都内最大だと思いますが、1,300名を超える定員増を実現しました。にもかかわらず、1歳児を中心に予想を超える伸びがあって、375名の待機児童が出てきました。この中で一番待機児が多いのは0歳児から2歳児、特に、1歳児でありますから、ここに重点を置いた保育施設の拡大を行う。そしてまた、3歳以降については、できるだけ「練馬こども園」の中で対応していきたいと思っております。それからまた、小学生を対象とした放課後等の居場所づくりにつきましても、練馬型の「ねりっこクラブ」を平成28年度からの実施をすると。それに向けて、開設校を決定して準備をしたいと思っております。
次に、高齢者施策でありますが、これはいくつかありますが、4月に、高齢者が自立した生活を継続できるように、元気高齢者から要支援者まで、「介護予防・日常生活支援総合事業」を23区で最初にスタートさせました。これまでの要支援者だけでなくて、要支援認定を受けた人だけではなくて、健康長寿チェックシートで事業対象と判定された人に対して、訪問型サービス・通所型サービスを行っていくことを考えております。特別養護老人ホームは、現在でも、23区で一番多い27施設を数えますが、しかし、長期的には、当然さらに拡充する必要があります。しかし、これが極めて困難なのは、土地を特定し、また、運営事業者も決めなければいけない。私どもが勝手につくってできるというわけにはいかないのであります。そこで私どもは、土地活用セミナーを開催したり、補助制度を充実していくなど、いろんな形の努力をしておりますが、これをさらに頑張っていこうと思っております。それからまた当然ながら、地域包括ケアシステムの確立はこれから重要ですので、大泉学園町に新たに新病院を開設する医療法人との間で、協定を締結して、地域包括ケアの一翼を担っていただくこととしました。
次に、障害者施策でありますが、重症心身障害児(者)の家族の皆様を支援するために、看護師が自宅に出向く「在宅レスパイト事業」を来月から開始いたします。医療的なケアとそれから療育上の世話をするレスパイトであります。私が東京都に入って初めての仕事が心身障害者行政であります。障害者の方、特に重症心身障害者の方を抱える家族の方々は、いかに大変かということは十分に分かっております。それからまた障害者の就労機会の開拓と仕事の共同受注につなげるため、今年度から、いわゆるレインボーワークでありますが、区の協会でしたかね、そこから就労支援員が個別に区内事業者を訪問する事業を開始いたします。これによって、就労の促進に努めていきたいと思っております。それからまた、4か所の障害者地域生活支援センターに相談支援員を1名ずつ増員しました。これによって民間の計画支援事業者、これに対する指導や助言を充実していきたいと思っております。総じて言って、障害者や家族の皆様による自主的で活発な活動、区による積極的な支援は、練馬の誇るべき伝統であり、今後とも施策の充実に努めてまいります。
次に、地域医療の充実につきましては、先ほどお話ししましたとおり、別途用意してある資料もありますので、基本的にそれでご説明しますが、光が丘病院につきましては、地域の皆様や学識経験者等による懇談会を設けて、検討を進め、今年度中に基本構想を策定したいと考えております。それからまた、新たに病院支援制度を創設いたします。そしてそれによって、同一医療圏からの病院誘致の促進と区内既存病院の増・改築などへの支援に努めてまいります。
さらに、都市インフラの整備であります。これは一番重要な課題の一つでもありますが、「都市計画マスタープラン」の改定を現在進めております。3月に策定したビジョンの策定に合わせまして、まちづくりの大きな方向性を、これまでとは違って、一般の区民の方がぱっと見てもわかる、わかりやすい内容、また、表示の仕方にするように、内容を見直しました。区民の皆様からいただいたご意見や議会での議論を踏まえて、11月を目途に改定をしてまいります。この中に、大きなまちづくりの方向性を示していきたいと考えております。
次に大江戸線の延伸でありますが、これはご存じのとおり、本年3月に東京都が、広域交通ネットワーク計画の中間まとめを発表しました。その中で、大江戸線の延伸は、整備効果が高い路線と位置付けられたのであります。これは極めて重要な意味合いであります。私は区長に就任以来、これまでの区の努力は多としますが、しかし同時に、都と区の実務レベルで具体的な協議を進めることが、一番肝心と考えておりました。その成果が出てきたと考えておりますが、一方で、沿線まちづくりの具体化とか、あるいは既存の補助制度以上の資金を確保することが課題とされていますので、私も含めて都との実務的な協議をさらに進めて、延伸実現をめざしたいと思います。
それから、都市計画道路の整備方針であります。これは後程、また別項目でお話を申し上げますが、都と特別区は、28年度以降の「東京における都市計画道路の整備方針」の策定に向けて、これまでも連携して取り組んでおりますが、先月末に「中間のまとめ」を公表しました。今年度末には、新たな整備方針を策定する予定であります。都市計画道路は、極めて重要な都市インフラでありますが、後程お話を申し上げるように、練馬区は極めて整備が遅れている。住民の皆様の協力を得ながら、整備を推進していこうと、そう考えております。
次に、無電柱化の推進についてであります。無電柱化は、防災、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市環境の創出など多様な意義を持っております。皆様方も欧米に観光に行かれたら、大都市でこれだけ電線が、電柱が林立している都市はまずはないのであります。真にこれは、日本が後発的な近代化をせざるを得なかったという宿命のもとではありましたけれども、真に残念なことだと思っています。まず、区道の無電柱化を進めるための基本的な方針を今年度中に策定いたします。その上で、都市計画道路や生活幹線道路の整備にあわせて、無電柱化を進めてまいります。これまで整備が難しかった歩道幅員の狭い道路、2.5m以下の道路についてもモデル事業に取り組んでいきたいと考えております。
安全なまちづくりであります。私が一番区長として、頭を去らないのは防災であります。今、震災が来たらどうなるのか、いつも考えておりますが、まず、災害時の情報発信を強化するために、臨時災害FM放送の実施に向けて必要な準備を進めます。また、東京ガスが設置している、私は東京ガスにおりましたが、東京ガスの地震情報ネットワークは大したものであります。そのネットワークから震度情報の提供を受けて、対策に活用していきます。さらには、被災者に必要な備蓄物資を拡充するために、備蓄倉庫2か所を新たに整備いたします。
水害対策としても、雨水貯留浸透施設の増設、さらには、水位観測カメラ、水位情報の区民向けメール配信などを拡充してまいります。
次に、空き家対策でありますが、空き家が、防災、衛生、景観などに悪影響を及ぼしていることは、論を待たないのでありますが、先月法律が施行されました。これを受けまして、区としては、空き家対策を総合的に進めるべく、今年度、調査を行います。調査結果をもとに実効性のある対策を来年度つくり、そして条例案をつくりたいと考えております。
この調子でしゃべっていると時間がないので、急ぎます。
デング熱対策については、早い時点から取り組みましたが、今年度も、区報やポスターにより、予防・普及の協力の呼びかけとともに、区内事業者と協定を結んで迅速に蚊の駆除ができる体制を整えました。
小型無人機、ドローンについては、区立公園・緑地などで使用を禁止いたしました。
都市農地につきましては、今年の4月16日、都市農業振興基本法が成立しました。区がこれまで主張してきた、都市農業・農地の多面的な役割が認知されました。私は練馬区の最大の魅力はやはり農地、農業があることであろうと考えております。これを守っていくことは、練馬区政の使命であります。私ども区は従来から、市街化区域内農地制度の規制緩和を提唱し、昨年は、国家戦略特別区域の活用を提言いたしました。すでに都は、内閣府に対し都市農業特区の提案を行っております。基本法の成立を受けて、さらに、関係法令が制定されるよう、強く働きかけてまいります。
最後は、練馬こぶしハーフマラソンについてです。来年も3月27日、さくらとこぶしが満開の時期に開催したいと。それを練馬区のマラソンの特色としたい。これがまず所信表明についてであります。
次に、医療の問題を見ていきたいと思います。資料をご覧いただきますと、1ページ。練馬区は世田谷区に次いでの人口規模でありますが、人口10万人当たりの一般・療養病床数、つまり合計は281床、23区の平均が791床ですからほぼ3分の1、最下位であります。次のページを見ていただきますと、練馬区民が入院する状況、区外病院が7割であります。同一医療圏だけであっても5割であります。明らかに患者の流出入と、現在の二次保健医療圏の設定とは、かい離が生じています。そして、現在の二次保健医療圏は本来の目的を果たしていないのではないか、その矛盾やしわ寄せが練馬区に集中的に表れていると考えております。
そしてまた、3にありますように、これからは医療と介護の連携が日常的に必要となるのでありますが、療養病床が人口10万人当たり86床、23区平均の182床の半分に満たないわけであります。これをなんとかしなくちゃいけない。しかも、これから我々が一番重要な課題の一つと考えている地域包括ケアシステムを確立するためには、日常生活圏でネットワークを、病院のネットワークを構築できなければ成立するわけがないのであります。地域包括ケアシステムの範囲は中学校区が一般的に望ましいとされているのでありますが、これを在宅療養を担う病床が、少なくとも自治体ごとに必要な数を整備する必要があると考えています。
それからまた4に書きましたが、いざ災害といった時には、基礎的自治体である区が区民の生命・健康を守る責務を負うわけではありますが、しかしながら、残念ながら、この病院の状況ではなかなか対応ができない。自治体規模に応じた急性期病床の地域的な適正配置が必要であり、また、都が公表した直下型地震等の被害想定では、都心部で被害が大きいわけでありますが、都心部からの負傷患者を受け入れるためにも、練馬区のようなところでも急性期病床の整備が欠かせないと考えております。そこで今申し上げましたことは以下の3点でありますが、記以下に書いてありますが、1、2、3という形でお読みいただければわかりますけれども、都に対して要請をしていく、こう考えております。極めて重要な課題と考えております。
それから最後、もう一点、都市計画道路の整備であります。都市計画道路の整備率は、これも資料でお配りしてありますように、これも改めて皆様に確認をするような次第ですが、表をご覧いただきますと、23区平均の都市計画道路の整備率は63.8%、約64%であります。練馬区は49.9%と5割を切っておりますが、その中でも特に西部、笹目通りから西の地区について3割も切っているのであります。このことによって何が起きているか。日常生活上の不便、それはもちろん言うまでもありませんが、それに加えて、いざ震災・災害が発生しても消防車や救急車も入って来れない地域が大変多く、そしてまた、交通事故の危険が大きいと、子供たちの通学・通園が不安であるという親御さんもたくさんいらっしゃるわけであります。そこでこれをなんとかしなくちゃいけない。私どもの最大の課題の一つであります。2の道路整備に対する考え方を見ていただきますと、当たり前でありますが、道路は経済であったり、書いてありませんが、経済活動であったり、環境・防災・景観など都市生活に不可欠な機能を担うだけではなくて、都市景観やみどりを楽しむ舞台でもあります。私どもは、3月のビジョンの中で、道路整備に対する発想を転換しようと、不幸なことに真に残念なことですが、これまで道路というのは、いわば悪役の役割を、敵役の役割を演じさせられてきた。車優先の環境破壊と生活軽視の元凶とみなされてきた。しかし本来道路は、環境・防災・景観など都市生活に不可欠な機能を担っている、今お話ししたようなことであります。道路整備は利害関係が複雑な事業であります。区民の皆様の間で様々な意見があることは十分承知しておりますが、将来の我々の子孫のために、必ず整備していきたい。それは私に課せられた大きな責務の一つであると確信しております。
整備方針でありますが、その資料の1ページ目、下の方にありますように、5年後の目標として、整備率を23区の平均である概ね6割に持っていきたい。平成28年度から37年度までの10か年とする新たな事業化計画では、完成後の整備率が概ね8割になることを目指しております。具体的に5か年の主な取り組みの場所を見ていただきますと、次のページ、2ページにありますように、図示をしてありますが、特に当面大きな課題であるところが赤で示しておりますけれども、ご覧になるとおりであります。そしてまたこれは実は、区民の声でもあります。3ページの5の「道路整備に関わる区民要望の状況」を見ていただきたいのですが、資料でもお付けしております。区民が要望する区民意識意向調査の結果を見ますと、第1位が「交通安全対策」、第2位が「高齢者」、第3位が「子育て」、第4位が「医療」、そして第5位がまた「道路」であり、「公共交通の整備」であります。そして、3ページにありますように、具体的に切実な声が寄せられています。真ん中辺りを見ていただくと、「練馬区は道幅の狭い道路が多く、子どもたちも毎日危険と隣り合わせの状態である。きちんとした安全対策を施してほしい」。そしてまた、今お話をした区民意識意向調査の結果を、その下にありますが、特に大泉であるとか石神井を見ますと、次のページに書いてありますが、交通安全と道路・公共交通の整備が上位に来ているわけであります。この実態を踏まえて、必ず区民のため、また、将来の区民のために道路整備を実現したい。それには、区だけではなくて国と都も協力をしながら頑張っていく、そう考えております。
私からはとりあえず説明は以上です。
質疑応答
【記者】都政新報の米原と申します。二つ質問をさせてください。一つが資料2に挙げていらっしゃいます、都の地域医療構想に対する区の要請ということで、これから具体的に要請活動をされるという捉え方でよろしいのでしょうかという点です。何日に区から都に対して要望に行くとか、具体的な日程がもし固まっているようでしたら教えてください。
二点目が、所信表明の中で区長が現在の特別区制度について、様々な課題を改めて感じたんだということをお話しされています。一年、区長として仕事を執られまして、具体的に特別区制度のどのようなところに課題を感じられたのかということを教えていただきたいと思います。
【区長】最初の地域医療の関係ですが、これはこれまでもご存じのとおり、練馬区はいろんな機会に都に対して要望してきましたが、これを改めて今回ですね、なぜかというと、先ほどお話ししましたように、都は地域医療構想を策定しようとしている。これは極めて重要な意味がありますから、その中で我々の考え方が反映されるように、改めてフォーマルにかつ強く要請していく。できれば来月にでもと思っております。そういうことです。それが一つ。
それから、特別区制度についてはですね、私も実際に現場に出てみて、ことさらに感じたのですが、一つはやっぱり真に中途半端である。つまり、完全自治体ではない。しかし、日常に困るかというと困らないんですね。つまり都区財調があってですね、ある意味で地方交付税以上にはるかに手厚く面倒を見てもらっている。
そういう中で何が起きてるかというと、私どもが具体的にいろんな事業をしたいと思っても、あるいは区役所の管理で職員の人事一つとっても、ある程度やろうと思ってもできないわけです。これは真に自治体としておかしいなと思っていますので、権限、財源の強化は絶対に必要だと思っています。しかし、現在の23区体制でいいのかとなると、さてどうかなと私は思うんですね。今回の大阪都構想にしても、これは私は異論がありますけども、それにしても、あの中でも五つだったかな、統合するんでしたよね、地域をね。そのもとにやろうとしている。ある程度、そういう全体のですね、そもそものあり方をまた議論すべき時じゃないのかなという気がしておりますが、その2点を強く感じています。そういう形でやらないと、たぶんうまくいかないだろうと思います。
【記者】毎日新聞社、近藤です。所信で述べられた特養ホームの整備についてですけれども、おっしゃるように用地の特定と運営事業者の確保というのは、どこでも非常に重い課題になっておりまして、豊島区さんですとか杉並区さんですとか、他の連携自治体であったり、さまざまな交流自治体と連携して課題を解決していこうと、それは特養の問題に限りませんけれども。そのような動きも出ておりますけれど。杉並や豊島と比べれば、まだまだ用地という点では、練馬区の場合には余裕があるのかないのかその辺りはよくわかりませんけれども、今後整備については、やっぱりあくまで地域でということで練馬区内を中心に考えられるのか、その他の選択肢も視野に入れるのか、その辺りいかがでしょうか。
【区長】私は区長になったときからその問題意識はずっとありまして、私は福祉行政が長いものですから、例えば子どもの養護施設はみんな県外につくっていますよね。それが結果が良かったかというと、こう言っては何ですが、ある意味で交通不便で、それで良かったかというと私は必ずしもそう思っていないのでありまして。理想を言えばやっぱり、たとえどんな施設であっても、まち中にちゃんとつくるべきであるとそれはそう思っております。
みんなが例えば、グループホームについても特養はちょっと難しいかも知れませんけども、ちょっとドアを開ければまちに出て行って、普通に人と話ができる。そうした生活でなければやっぱり、人間的ではないなと私はずっと考えております。ただ、これまで練馬区が割と特養を整備できたのは端的に言えば、やっぱり農地が多かったからです。住宅転用であったりして。では、それを単純に続けていいのかというとですね、これもまたジレンマですよね。
私はやっぱり農業も重要だし、みどりは下げられないと思っております。一回なくしたら戻ってこない。これは絶対保全しなくちゃいけない。そうするとその中で、さて練馬区として都外だったらどうかなと。実はですね、頭の中では考えているのですが、だからそこはいろいろ矛盾がありますが、フォーマルにお話をするとすれば、都外の可能性も除外しないで、具体的に今はどこと申し上げれらませんが、今のところその程度しか申し上げられないが、そう考えております。
【記者】日本経済新聞の亀です。二点質問です。特別区制度の関連なのですが、現在の23区体制でいいのかとその議論をということを区長はおっしゃっていますが、具体的には、区の再編論みたいなものを指されているのですが、どれくらいの規模の自治体が東京都のこの北西部を考えた時に、一番自治がしやすいと考えていますか。
【区長】私は割と明快な意見を持っておりますけれども、例えばご存じのとおりで、割と政治的な問題で、すごい変なんですけど、大阪都構想にしてもわざわざ区長会の会長さんがいらっしゃって、賛成だとか、ちょっと私は首を傾げたのですが。あんまり明快に申し上げるのはちょっと公の場では難しいかなと。正直言うと私は本当はいろいろ言いたいんですけど。今考えてますのは、今度、区政改革懇談会をつくります。会議をつくります。その中で慶応大学の土居さんであるとか、いろんな方を呼んできて議論をしますから、目先の利害だけではなくて、どういう23区体制がいいのか。あるいはその前提として現在どういう問題があるのかを、ちょっと洗い出してみたいと。私自身が30数年東京都に勤務して、いろんな矛盾を抱えておりますから、少なくとも横並びの変な予算化競争が起きるような形は望ましくないと考えています。そんな見解です。
【記者】もう一点すいません。大江戸線の件をお伺いしたいと思います。7月にも、都の方のこの広域ネットワークの最終まとめっていうのが出ると聞いていますので、それに向けて実務調整がどの程度進んでいるのかということですね。
あと基金もあの36億でしたか、積み増したと思うのですが、そういう基金のさらなる積み増しはお考えになるのか。その二点です。
【区長】実務的な協議はですね、今年になって始めて、かなり実があったなと思っておりまして、いろんな形で水面下ですけど、合意ができたなと思っております。7月に発表する案についても、感触は聞いておりますけど、ちょっとこれは申し訳ないのですが、述べるのは控えさせていただいて。微妙な時期ですので。申し訳ない。そこは察していただきたいと思います。
それから基金については、私はこれは区としてももっと努力すべきだろうと思っています。当然でありますが、沿線のまちづくりも進めながら、むちゃくちゃな金を出すことはできないのですけれども、実際の事業主体になる交通局と相談しながら、実際、黒字転換をいつの年度を目標にして想定するのか。そのためにいくら必要になるのか、それはシビアに議論しながら、私どもとしては一番少ない負担でいきたいと思います。
【記者】
その点で、この間、中央区が銀座から有明の方に地下鉄を通すという構想を、これは当然中央区だけではできないことなのですが、ある意味たたき台としてですね。具体的なB/Cなどにも含めて試案されているのですけど。区として、延伸に関して、大江戸線に関して、そういった事業費も含めて、シミュレーションみたいなものは何か公表されたりしませんでしょうか。
【区長】今の段階では公表できません。ただ、もちろんやってますよ。当然これがなければ話にならないので。都とも話し合いができませんから。当然、経費の内訳から、構成、どの程度で単年度黒字になるのか、そこら辺も計算しておりますが、それは、都と話し合いがついたらその上で考えます。当然実務の問題ですから。それはやらなければ話にならないわけです。
【記者】練馬新聞の斉藤です。先週ですか、議会が開催されておりまして、新しい副区長に区の技監が承認されました。区の技監という庁舎内、余人をもって替えがたい人材だと聞いております。そういう意味では、区長のおそらく、まちづくりの先頭に立っていく方だと思って、われわれ区民も期待しているところでございますけれども、それに関連して、質問したいわけですけども、先月26日に空き家特別措置法がスタートしました。しかし、練馬区はまだ、条例はできておりません。やや遅れていると。ある意味、ニーズがなかったのかということが言えるかと思いますけれども、4月には、農地推進基本法もできましたし、ある意味、条件がそろってきている環境にあります。農地保全の会長でもあります前川区長でございますし、ある意味では、練馬独特の練馬スタイルを僕らは期待しているんですけど、なにか構想はございますか。ちょっと、ご披露してもらいたいと思っております。どうでしょうか。
【区長】空き家の問題はですね、私も区長になって、すぐに、どうしようか考えた問題で、当然、空き家の実態を把握して、そして、活用していきたいと思っています。もちろん練馬区の場合は、他の区ほど切実ではないですけれども、絶対にこれをやろうと。ただ、残念なことに正確な実態を把握していない。今年度はまず、それをやると。今、調査にかかろうとしています。きちんと把握したうえで、そして、対策をちゃんととって、条例化もしていきたいと考えています。今は、あまり具体的に言うことがないもんですから、それが率直なところです。問題意識は強烈にあります。
【記者】関連してですね。自転車協議会、自治体協議会の会長でもあるわけですよね、区長は。ある意味、都市計画道路では、遅れておりますから、20%代という、大変石泉地区はひどい状況なんですけど、あえてこれを逆手にとった、発想はできないんでしょうか。つまり、これからの都市道路は車が主役じゃないんだと。自転車なんだと。バイシクルが主役なんだという発想であればですね、先頭に立ってるわけでしょ、練馬区は。そういう意味ではもっと、自転車協議会の会長である前川区長はですね、オリジナルな新しい都市道路の活用を出された方が、私はこれから、29%の現状ですとね、あと10年以上かかるのが、目に見えてますし、区長はあと何期区長やるか知りませんけどもね。1期で勝負しようとしている前川区長ですから、当然できません。ですが、あえて私は、自転車ロードといいますか、新しい会長区しての方針を出された方がもっと、全国初のニュースになるんじゃないかと期待しているんですが、どうでしょうか、その点。
【区長】私は別に目立つことを目標にしているわけではありませんので。ご存知でしょうけど、私はポピュリストではありませんから、目先の人気取りをやる気はありません。申し訳ない。それが一つと。もう一つは、自転車が走る道路っていうのは、自転車専用道路は別として、それだけでは成立しないんですよね。やっぱり、当然のことながら、歩道をつくったり、車道をつくらなくちゃならない。ですから、その中で、できるだけ、今、おっしゃったように自転車が、練馬区は平坦な土地だし、自転車が有効な交通手段になり得ますからね。できるだけそうやっていきたいとそれは本当にそう考えています。発想を変えて自動車を通さないで、自転車っていうのは、実際、石神井とか、大泉とか無理ですよ。どうやって救急車を通すんですか。どうやって消防車を通すんですか。日常生活はどうやるのか。そこはやっぱり両立して、やっていくのが行政だと思いますよ。
【記者】東京新聞の石原です。今日の会見のこれまでのお話とちょっと違ってしまうんですが、教育委員会が4月の映画の上映会の後援を拒否したという問題の件で、その拒否の理由が、過去に選挙で特定の候補者を応援したからだということだと聞いていますが、そうすると今後、例えば、どこかの団体が前川区長を1回選挙で応援したら、その団体は一切、区から後援が受けられないことになってしまう。区民の政治活動がすごく制限されてしまうんじゃないか危惧をいだいている方も多いと思うんですが、その点、どうお考えでしょうか。
【区長】申し訳ないけど、ご質問の趣旨が全く理解できません。つまり、われわれは教育委員会も含めて練馬区は、例えば、会場を提供したり、使用するのに、拒否したことは一度もないんですね、どんな団体でも。いいですか、例えば、あなたがおっしゃっている趣旨に従って、例えば、憲法9条を守る会に後援したとする。問題は後援ですよね。それは、同時にそれを反対する会にも後援するということを意味するんですね。政治的に争点になっている問題について、たとえどんな問題であっても、会場の提供は一切、拒まない。それは当たり前であります。私は広報も拒む気はありません。この前もそういった趣旨の広報も再掲載しました。ただ、後援はこれは別であります。後援するということは、行政として、その趣旨に賛成しているわけでありますから、当然内容によって違ってくるのは当たり前じゃないですか、市民感覚として。何をおっしゃりたいんですか。
【記者】そうすると、賛成するしないの基準というのは、どこに明確に書かれている。
【区長】それは、現在政治的に対立する意見があって、党派が分かれているかどうかじゃないですか。明快じゃないですか。それは。
【記者】党派が分かれている。
【区長】賛成する皆さんと反対する皆さんがはっきり分かれているじゃないですか。そういった問題について、わざわざ行政が火中の栗を拾って、一方の党派だけ、会派だけ、あるいは団体だけを、言葉はちょっとあれですけど、応援するのは変じゃないですか。それは。
【記者】じゃあ、その中身に関わらず、その団体はダメということですが。
【区長】そんなことは言っていませんよ。中身と団体と時の状況とすべて、相関的に考える。当たり前じゃない、いろはのいだよ、そんなこと。
【記者】そうすると、今回は映画自体は問題ないということを聞いています。映画は凄く素晴らしい作品で…
【区長】何の映画かそう言われてみれば、よくわからない。何の映画。
【記者】「うしろの正面だあれ」という文科省選定の映画であって、特に9条の会が何かをアピールするための…。
【区長】それは、9条の会が申請したんですか。
【記者】9条の会と実行委員会が共催という形でやっていて。
【区長】素晴らしいかどうか、私は担当者、教育長に聞いてみなくちゃわからないけど、やっぱり、それはあれでしょ、政治的にその立場が分かれる問題だったんでしょ。内容的に。だから、当然じゃないですか。
【記者】そういうことなんです。内容についても分かれるから。
【区長】そんなこと私に今、ここで答えを出すのは無理だよ。神様じゃないんだから、何から何まで全部知ってるわけではない。ただ、はっきり申しあげておくけれども、こういった問題は、私は、表現の自由、政治活動の自由、絶対に疎外してはならないと思ってますよ、行政は。それは例えば、この会場を使いたいという申請があったりね、ここでやりたい、あるいはこういう広報を出してくれというのがあったら、全面的に応じる。この前もちょっとそういう問題がありました、区報で。1回担当者が勘違いして、掲載を拒否したものがあった。だめだと言って、私が再掲載させたんですが、当たり前であります。ただし、それは行政として、後援するかどうかは全く別の問題です。当たり前じゃないですか。政治的にいろんな対立がある中で、総合的な状況を判断して、一方に加担することはできないという判断をしたわけでしょ。何の問題もないことですよ。何を問題にされてるんですか、一体。全部支援しろって言うの、全部、後援しろって言うの。ひょっとして、あなた憲法の擁護義務と遵守義務と混同しているんじゃないの。公務員が憲法の遵守義務を守るのは当たり前ですよ。ただ、それは憲法解説を読んでもらえれば、分かるよ。学生時代散々やりましたが、例えば、極端に言えば安倍さんだってそうですね。改正を主張する。これは自由なんです。当たり前じゃないですか。それと同じですよ。会場の提供は全部認めるけど、後援するかしないかは政治的に判断する。当然のことですよ。
【記者】わかりました。
【記者】産経新聞の石野です。先ほどの特養整備に関連してお聞きしたいんですけど、創生会議が将来高齢者に地方に移住を促すような提言を行ったことについて、区長の率直な感想をお聞きしたいのと、先ほど都外の可能性も整備については除外しないという考えがあるとおっしゃったんですけれども、具体的にどういったところというのを、考えている場所があればお聞きしたいんですけども。
【区長】創生会議の方は、私はちょっと変な印象を持ちましたね、奇妙な印象を。つまり、なぜ都にみんなが集中しているのか。だって一方では、高齢者になったら都会の方がいいって言っているじゃないですか。実際にみんなが。病院一つとっても、いい悪いの問題じゃないですよ、実際の問題、実態の問題としてね。それを、地域の地方の活性化と絡めて、地方へ移住を勧める。人間というのはそういう風にならないんじゃないか。よっぽどメリットがあったら別だけど、高齢者の方々お一人おひとりが判断する問題ですけど、私は自分の友人とか含めて考えて、たぶん東京に残ることをみんな選択するだろうなと。それはやっぱりそれだけ東京は魅力があるからであろうと。あるいは生活上欠かせないいろんな施設が揃っているからじゃないかと。言うまでもないことですけど、そう思いますね。それを変えるのは、そういう移住の勧めなんかではなくて、抜本的な地域振興策をやるしかないんですよ。当たり前じゃないですか。それができるかできないかという問題はありますけど、そこのところをやらないで、ただ地方へ行けというのは、さてどうかなと思いますね。
それから、特養の整備場所はですね、私個人ではちょっと頭で浮かばないこともないんですけど、ちょっとまずいですね。申し訳ないけど勘弁してください。
【記者】練馬新聞の斉藤です。区長の肝入りでできたビジョン3部作が大変素晴らしいんですけども、3月ですかね、コマーシャルができましたね、区の。これはあまりにも抽象的で、私見ましてですね、みどりの風吹くまちビジョン、この抽象的なタイトルに影響されたのかどうか知りませんけど。あのコマーシャルには、夢もないですし、ときめきもない。そういう意味でちょっと期待外れだったんですね。ですから、それが区庁舎の中枢から出たビジョンの制作者の下請けで、ああいう形で作られるというのが不満でございまして、やっぱりあれはビジョン読んでいない人が作っているのではないかと。もう一度、ビジョン3部作を読みましてですね、何が書かれているのかと。みどりは単なる美しいものではないんだと。それを支える人間がいてあるんだということを、なんでもう一度、広報室が、ああいうビジョン3部作の読み方というんですかね、理解の仕方をもう一回、区庁舎内でやった方がいいのではないかということを感じました。従いまして、あれは博報堂さんに4,000万円でつくらせたらしいですけどね、また、今期の予算6,000万円出してつくっていると、大変無駄遣いだと私は見てました。もし本当につくっていきたいんだったら、練馬区にある300社のアニメーション会社に制作コンペをすればいいんですよ。3,000万円でいいんだったら、1等賞2等賞3等賞つくってですね、あれをつくった方が、どれだけ完璧なコマーシャルができるか。私はその方がアニメ振興の意味でも、あのコマーシャルはもう制作を中止した方がいいと思って、実は今日は臨んでたんですけども、ちょうどいい機会がありましたので言いますけど、区長、あのコマーシャル見て感動しましたか。
【区長】あのコマーシャルは、私どもの職員と、それから今お話のあった会社の人達が知恵を絞って、私は大変斬新でいいなと思いました。申し訳ないけど、斉藤さんとちょっと意見が違いますね。この中のご出席の新聞社の方にも大きく取り上げてもらったりしてですね、私は大変喜んでおりますが。その辺は斉藤さん、正直言ってね、いろんな感じ方、見方があると思うんです。我々の世代から若い人までね、いろんな感じ方がありますから。その辺、私は最初から決めつけないで、いろんなものを志向していきたいとそう思っています。ですから、今おっしゃったこともね、一つのご提言として。あまり決めつきすぎないでください。
【記者】いやいや、ですけど区長も前からまちの魅力って言ってるんじゃないですか。オンとオフが必ずセットされてあるんだと、昼もあったら夜もあってセットされてはじめてまちっていうのはできているんだと、女性がいたら必ず男性がいてそれで一つのインナートリップが起きるんだということを「まちづくり」の原点としてあれだけビジョンでつくっていながらですよ、あそこにはみどりしかないわけですよ。表面的ないわば皮相的なね、私に言わせれば。あれを支えている生態系であるとかね、汗であるとか、努力であるとか何もない。人間の汗と努力とが何もない人がつくっている感じがしましたね。ああいう形の会社につくらせるんだったら、ぜひ練馬区のアニメーションの会社にコンペで制作させた方がいいものができると思いますけど、どうでしょうか。
【区長】斉藤さんの意見はいつも大変大事に聞かせていただいておりますが、今回ちょっと意見が違いますね。アニメであったらいいってもんじゃないし、その辺は若い人たちの意見を思案して僕が一番、感性としてみんなに合うものをつくっている。あれがベストだと思っているわけじゃないですよ、今のところは。これからもいろいろ工夫をしていきたいと思っています。ご意見として承らせていただきます。
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