平成31年2月 第一回定例会 区長所信表明
ページ番号:309-061-488
更新日:2019年2月1日
- はじめに
- 平成31年度当初予算案編成の基本的考え方
- 子どもたちの笑顔輝くまち
- 高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち
- 安心を支える福祉と医療のまち
- 安全・快適、みどりあふれるまち
- いきいきと心豊かに暮らせるまち
- 区民とともに区政を進める
- おわりに
はじめに
前川区長所信表明の様子
平成最後の年、第一回練馬区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
間もなく、平成という時代が終わろうとしています。歴史的な転換期を迎えて振り返ると、平成元年当時、61万人だった練馬区の人口は73万人に、一般会計当初予算額は1500億円から2700億円へと大きく増加しました。鉄道網の充実により、都心部へのアクセス・利便性が飛躍的に向上し、西武新宿線の連続立体交差化によるまちづくりも具体化しようとしています。約4割だった都市計画道路の整備率は5割を超え、外環道と外環の2の整備にも着手しました。
土地利用の高度化により、まちが豊かで美しくなる一方、年少人口比率が減少、高齢化率は8.9%から21.8%へと上昇、少子高齢化が急速に進行しています。
相次ぐ税制改正による歳入の減少、東京2020オリンピック・パラリンピック後の経済に対する危惧、世界経済の変調、労働力人口の減少など、区政を取り巻く情勢には極めて厳しいものがあります。
こうしたなか、行政需要は多様化・複雑化し、膨大なものとなっています。福祉・医療サービスの充実、老朽化した公共施設の維持更新、未だ遅れている都市インフラの整備、これを突破することは容易ではありません。
グランドデザイン構想の実現に向けて、時代を先取りした新しい政策を立案・実行し、区自ら身を切る行政改革を断行し、区民参加を「参加から協働へ」と更に前に進めなければならない。それが私の使命です。
時代の岐路にあって、練馬区を発展させていくには、経済活動、行政サービスに加えて、文化が重要になると考えています。都市それぞれが、文化の個性を磨き競争することが、住民の生活を豊かにし、活力を産み出す時代に入っています。
これまで、みどりの風練馬薪能、美術館の個性的な企画展、真夏の音楽会など、質の高い芸術を身近なものにするとともに、区民の皆様の芸術文化活動の振興にも力を注いできました。
みどりの風吹くなかで、優れた芸術活動を楽しめるまちをつくりたい。練馬ならではの都市文化を花開かせたい。そう考えています。
平成31年度当初予算案編成の基本的考え方
次に、平成31年度当初予算案と第2次みどりの風吹くまちビジョンについてです。
来年度当初予算案は、「グランドデザイン構想の実現に向け、第2次みどりの風吹くまちビジョンに基づき、区民とともにさらに前に進む予算」と位置づけ、第2次ビジョンのリーディングプロジェクト及び主要な取組等の着実な実施を最優先に編成しました。一般会計予算額は、2713億円であります。昨年度比約76億円の増であり、うち約70億円は、教育、子育て関連施策を充実するものです。歳入面では、税制改正等の影響を的確に見通し、国・都支出金等の財源確保に努めるとともに、後年度負担に配慮しつつ起債の積極的活用を図るなど、財政運営の持続可能性の確保にも努めました。
昨年12月に素案を公表した第2次ビジョンの基本計画と戦略計画については、パブリックコメントを実施したほか、オープンハウスの開催などにより、区民の皆様のご意見を丁寧に伺ってまいりました。今後、区議会で議論を頂き、年度内に策定します。3か年の具体的な取組みと事業費を示すアクションプラン年度別計画は、今月中に素案を公表し、6月を目途に成案化します。
子どもたちの笑顔輝くまち
次に、子どもたちの笑顔輝くまちについてです。
保育サービスの更なる拡充
区は、増加を続ける保育ニーズに対応するため、練馬こども園を創設するとともに、待機児童ゼロ作戦を展開し、全国トップレベルの保育所定員増を実現してきました。この5年間で5000人以上拡大し、既に供給が需要を1000人以上、上回っています。しかしながら、地域における需要と供給のミスマッチなどにより、待機児童が発生しています。本年4月に向け、定員拡大710人の計画に対して928人を確保し、待機児童ゼロを達成します。
また、10月から実施される幼児教育・保育の無償化により、保育需要の増加が見込まれています。区の調査結果では、対象となる3歳児から5歳児のうち、4・5歳児の供給は既に確保されているものの、3歳児の供給は不足する見込みです。これに対応するため、平成32年度に向け、新たに認可保育所を16か所整備し、630人の定員増を実施します。
これによって3歳児の受入れ枠を拡大し、子どもの年齢進行に合わせて、4・5歳児の定員を拡大していきます。更に、保育事業者に対し、余剰スペースを活用して3歳児1年保育を行うなど、年齢別定員を柔軟に変更するよう働きかけを行ってまいります。
また、保護者の多様なニーズに応えるため、練馬こども園には、3歳未満の保育や、預かり時間を短縮した新たな仕組みを設けます。
子育てサポート体制の充実
核家族化や地域コミュニティの希薄化等を背景に、子育てで孤立する保護者が増えており、妊娠期から子育て期までの切れ目ないサポートの重要性が高まっています。
民間カフェと協働し、子どもが学び・遊ぶ機会や、保護者が交流したりリラックス出来る環境を提供する「(仮称)練馬こどもcafe」を創設します。
子どもの発達・健康状態等を関係部署が情報共有し、どの保健相談所でも健診や相談を受けられるようにするため、妊婦健診や乳幼児健診の情報を電子化する「(仮称)母子健康電子システム」の構築に着手し、平成33年度中の運用開始を目指します。
児童相談行政は、住民に身近な区の責務ですが、これに対し児童相談所行政は、個々の区の領域を超えた広域行政の性格を持ちます。地域の身近な児童相談行政と広域的な児童相談所行政を、どう組み合わせるかが課題になります。私は、現在の体制は改善が必要な時期に来ていると考えています。今後設置される都・区の検討の場には、練馬区も参加し、積極的に対応していきます。
当面の取組みとして、都児童相談センターへの区職員派遣を拡大し、管理職を通年派遣します。10月の都児童相談センターからの事案送致・指導措置委託開始に向けて、子ども家庭支援センターの心理や福祉の専門職員を増員するとともに、弁護士や児童相談所OB等のスーパーバイザーを配置し、支援体制を強化します。
放課後の居場所づくり
全ての小学生を対象に、放課後や長期休業中の居場所づくりを進めます。「学童クラブ」と「ひろば事業」を一体的に行う「ねりっこクラブ」を拡大し、学童クラブの待機児童が多い小学校へ優先的に設置します。待機児童の多い地域や、大規模マンションの建設等により児童の急増が見込まれる地域では、民間学童保育の誘致を積極的に進めます。
教育環境の充実
夢や目標を持ち困難を乗り越える力を備えた子どもたちの育成に向けて、「練馬区教育・子育て大綱」に基づいた取組みを着実に進めます。
子どもたちが互いに学びあえる授業を目指して、全小中学校に、大型ディスプレイ、教員用タブレットパソコン、実物投影機を配備します。
小中学校体育館の空調設備は、当初計画を前倒しして、概ね7年間で全校に設置します。児童・生徒の熱中症対策に加えて、避難所としても良好な環境となるよう、体育館全体に冷暖房が行きわたる設備を導入します。
不登校の児童・生徒のための適応指導教室と居場所支援事業を、新たに関町・石神井地域でも実施します。
高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち
次に、高齢者が住みなれた地域で暮らせるまちについてです。
地域包括ケアシステムの確立
団塊の世代の全てが後期高齢者となる平成37年までに、地域包括ケアシステムを確立しなければなりません。
来年度、特別養護老人ホーム2施設を開設し、定員は2213人となります。平成37年に向けて更に5施設を整備する予定です。
介護人材の確保・育成・定着支援の充実に取り組みます。出張型研修、研修講師養成のほか、外国人介護職員に日本語や日本の生活習慣の研修を実施します。介護職員の負担を軽減し、離職防止や定着率向上につなげるため、ICT機器等の導入費用を助成します。
民間賃貸住宅への円滑な入居に向けて、福祉事務所に相談窓口を設置し、不動産団体と連携して、物件情報を提供します。また、「居住支援協議会」を設置して、不動産、福祉関係団体と継続的な協議を進めます。
コンビニ等と協働した介護予防と見守り
区独自の認知症対応研修プログラム「ニンプロ」を活用して、コンビニの従業員に研修を実施し、地域の見守り体制強化に取り組みます。また、コンビニのイートインスペースや薬局の待合室を活用した、新たなスタイルの街かどケアカフェを開始します。コンビニの移動販売日時に合わせ、団地内の集会室を活用して、体操や講座、相談会等を行う「出張型街かどケアカフェ」を拡充していきます。
元気高齢者の社会参加の推進
高齢者の約8割は元気な高齢者です。働くこと、地域活動に参加すること、個人の趣味を深めることなど、そのニーズは多様です。
高齢者が永年培ってきた技能や知識・経験を活かして働けるよう、「シニア職場体験事業」を開始します。受入れ企業の開拓やハローワークとの連携により、多様な働き方の実現につなげていきます。
「はつらつシニア活躍応援塾」を開始します。趣味や特技を効果的に教える手法を学ぶセミナーを開催し、子ども向け体験教室や、はつらつセンターなどで実施する事業の講師など、地域で活躍できる場を設けます。
安心を支える福祉と医療のまち
次に、安心を支える福祉と医療のまちについてです。
障害者福祉の充実
障害者の住まいの確保、家族の介護負担軽減や相談支援、就労支援など、ライフステージに応じたサービスの提供を充実します。
北町2丁目の都有地を活用して、10室程度の重度障害者グループホームを整備します。相談支援とショートステイを備えた地域生活支援拠点に位置付け、平成32年度開設を目指します。
障害者の高齢化等に対応するため、平成32年度を目途に、障害者地域活動支援センター「谷原フレンド」の機能を、生活介護事業へ転換する準備を行います。
障害者の方々による農作物の収穫や加工・販売作業を拡充するとともに、福祉連携農園の具体化を検討します。
なお、障害者雇用についてですが、本日、法定雇用率を達成いたしました。今後とも、障害者の雇用に努めてまいります。
セーフティネットの拡充
「ひとり親家庭自立応援プロジェクト」では、離婚手続き、養育費の確保などについて、専門的なアドバイスを充実するため、弁護士による相談を始めます。小さな子どもを抱えて来所することが難しい家庭を対象に、出張相談を実施します。
生活保護受給世帯への自立支援強化のため続けてきたケースワーカー等の増員を完了し、これにより適正な人員を確保します。生活困窮世帯を対象に実施している「中3勉強会」を充実し、従来の勉強会に加えて、学習支援員を配置した自学自習用の学習室を設けます。
医療環境の充実
順天堂練馬病院は、増築工事中の外来棟が12月に完成します。1号館は改修工事に着手し、平成32年度末に完成する予定です。練馬光が丘病院と高野台新病院は、実施設計に着手します。
首都直下地震等に備え、災害拠点病院である順天堂練馬病院と練馬光が丘病院は、ICUの増設等救急医療、高度急性期医療を充実し、災害時医療体制を強化します。
また、練馬区医療施策検討委員会からの提言を踏まえ、区内の病院配置状況を考慮しながら、今後の医療需要等を見据えた医療機能を有する新たな病院の誘致を目指します。
安全・快適、みどりあふれるまち
次に、安全・快適、みどりあふれるまちについてです。
都市インフラの整備とまちづくりの推進
練馬区が今後、更に発展を続けていくためには、都市計画道路や鉄道の整備とまちづくりを積極的に進めることが不可欠です。
先月26日、外環道、大泉ジャンクション側から、シールドマシンが発進しました。また、既に外環の2では、新青梅街道から千川通り間などの事業に着手しています。放射36号線を始めとした都市計画道路の整備にも着手しており、整備推進に向け都と連携して取り組みます。区では都市計画道路8区間、生活幹線道路6区間の整備を進めます。
放射35号線及び36号線の進捗に併せて、平和台駅や氷川台駅など駅周辺や沿道周辺地区のまちづくりに取り組みます。補助135号線と補助232号線の交差部に位置する、大泉第二中学校の今後について、年度内に提言が取りまとめられる予定です。この提言を受け、取組方針案を策定します。
石神井公園駅周辺では、南口西地区の市街地再開発事業と併せて、補助232号線の早期整備に取り組みます。来年度、市街地再開発事業の都市計画素案を作成し、関係権利者や地域の皆様のご意見を伺っていきます。
大江戸線の延伸については、延伸推進基金を7億円積み増し、目標額である50億円とします。延伸地域のまちづくりを推進し、大泉学園町の新駅予定地周辺では、駅前広場の整備やサービス施設の立地誘導などについて、地域の皆様とともに検討を進めます。駅・トンネル構造、車庫の整備など、具体的な課題について、引き続き都と緊密に実務的な協議を進め、早期着工を目指します。
西武新宿線の連続立体交差化については、地域の皆様や議会と一体となり、東京都に対して早期事業化を要請するとともに、沿線のまちづくりを進めてきました。昨年12月25日には、上石神井駅付近の外環の2と交通広場が事業認可を受けました。今月には連続立体交差化と武蔵関駅の交通広場等の都市計画素案の説明会を開催します。いよいよ、鉄道の立体化が、実現に向けて具体的に動き出します。
みどりに恵まれた環境づくり
みどりに満足している区民の割合80パーセントを目指し、みどりのネットワーク形成と、区民とともにみどりを守り育てる仕組みづくりに取り組みます。
みどりのネットワークの拠点づくりを進めます。「武蔵野の面影」をテーマに稲荷山公園、「水辺空間の創出」をテーマに大泉井頭公園を拡張・整備します。
近隣小学校の子どもたちなどからの提案をもとに、設計を行った「(仮称)上石神井三丁目公園」について、新設工事を行い、来年4月に開園します。
昨年12月にお示しした「(仮称)練馬区みどりの総合計画(素案)」に基づき、みどりのムーブメントの輪を広げていきます。
「テーマ別みどりの区民会議」を設置し、個人の庭の手入れや落葉清掃など、みどりを地域で守り育てる取組みを推進します。森林環境譲与税を活用して、憩いの森で自然観察会や森の育成体験会を開催し、区民による自主管理や利活用につなげていきます。また、住民の皆様と日本大学芸術学部との協働により進めてきた、「豊玉中いっちょうめ公園」を、来年4月に区民による自主管理公園として開園します。
「練馬区みどりを育む基金」を、区民の皆様がみどりへの関心や愛着を一層深められるようリニューアルします。来年度から、四季の香ローズガーデンの拡張等への寄付募集を開始します。
災害に強い安全なまちづくり
昨年は自然災害が相次ぎ、首都直下地震や集中豪雨に対する懸念や不安が増大しています。地域特有の災害リスクを住民と情報共有し、「攻めの防災」を進めます。
地震発生時の建物の倒壊や延焼の危険性を解消する密集住宅市街地整備促進事業については、新たに1地区での着手に向けて準備を進めます。これに次いで危険性が懸念される3地区程度を、区独自の「防災まちづくり推進地区」に指定し、狭隘道路の拡幅、ブロック塀の撤去、老朽木造住宅の建替え促進などに集中的に取り組みます。
特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化が進捗したことから、一般緊急輸送道路沿道建築物や分譲マンションについて、耐震診断、改修設計、改修工事の助成を拡充し、早期耐震化を重点的に促進します。
水害リスクの高い地域をモデルとして、「地域別防災マップ」を住民の皆様と協働で作成し、発災時に区民1人ひとりが、即時に行動をとれるよう訓練に取り組みます。
環境まちづくりの推進
資源・ごみの分別方法や回収場所・日程などを確認できるアプリを独自に開発します。英語・ハングル・中国語版を同時リリースし、正しいごみの出し方を周知徹底します。
不燃ごみには、資源になる金属類が多く含まれています。資源循環センターを拡張・整備して、収集した不燃ごみを仕分けし、資源化とごみの減量を推進します。
電気自動車や燃料電池自動車を、災害時に医療救護所の電源として活用するため、事業者との協定を締結するなど、取組みを進めています。引き続き、区民や事業者の皆様へ協力を呼びかけるとともに、外部給電機器を活用した訓練に取り組みます。
いきいきと心豊かに暮らせるまち
次に、いきいきと心豊かに暮らせるまちについてです。
練馬ならではの都市文化を楽しめるまち
来年度末に「美術館再整備基本構想」を策定します。新しく就任した秋元
春の「こぶしハーフマラソン」から冬の「ユニバーサルコンサート」まで、四季を感じ、誰もが楽しめる年中行事を発展、定着させていきます。「こどもアートアドベンチャー」など、区民自らが活動する機会を充実します。
「映像文化のまち構想」を策定し、映画やアニメなどの映像文化をテーマとした、ソフト、ハードが一体となった夢のあるまちづくりを進めます。
世界都市農業サミットの開催
練馬の都市農業の魅力と可能性を世界に発信するため、11月29日から12月1日にかけ、「世界都市農業サミット」を開催します。ニューヨーク、ロンドン、ジャカルタ、ソウル、トロントの5都市から、農業者や研究者、行政担当者を招聘し、分科会、シンポジウムを通じて、都市農業の魅力を共有し、相互に学び、更なる発展を目指します。ワールドフェスティバル、ワールドマルシェ、練馬大根引っこ抜き競技大会、ジャズコンサートなど多彩なイベントを開催します。
また、サミットに向けて、広範な区民の皆様とともに、多様なプロジェクトを展開します。
都市農地保全と都市農業振興
昨年9月に、「都市農地の貸借の円滑化に関する法律」が施行され、区長就任以来取り組んできた、都市農地の制度改革が概ね実現されました。これを機に、東京あおば農業協同組合と共同で、農地所有者に対する意向調査を実施しました。多くの方々が農地の維持と特定生産緑地への指定を望んでおり、貸借制度に興味を示している方々がいることも明らかになりました。この結果を踏まえ、特定生産緑地の指定に関する説明会を開催し、指定を積極的に進めていきます。東京あおば農業協同組合の協力を得て、貸借制度を活用した農地保全策を検討します。
昨年4月の「都市計画法」改正により創設された、新たな用途地域である「田園住居地域」の指定に向けた検討を実施します。地区計画などの都市計画制度を活用した新たな農地保全制度を研究し、国・都と調整していきます。
また、農家レストランや直売所、農産物加工施設等が生産緑地内に設置可能になりました。経営改善を目的にこれらの施設整備に取り組む農業者への支援を充実します。
企業支援と商店街の魅力づくり
産業振興の主役は、理想を掲げて努力する事業者や商店主自身であり、互いに切磋琢磨し連携することにより、魅力的な商品・サービスが生まれます。
高校生や大学生を対象とした創業セミナーやビジネスプラン・コンテストにより、起業を目指す新たな人材育成に取り組みます。また、大学等の知的財産を企業が活用、事業化する産学連携活動を推進するセミナーなどを開催します。
練馬区商店街連合会、ねりま観光センター、区の三者が連携し、商店街の魅力スポットを巡る体験ツアーや外国人から見たおすすめ店の紹介など、商店街や個店の魅力を積極的に発信していきます。
スポーツを楽しめる環境整備
4月にオープンする練馬総合運動場公園では、3月31日に開園式を行い、記念イベントとして、オリンピックメダリストの朝原
車椅子でも利用しやすい床に改修して、4月にリニューアルオープンする大泉学園町体育館では、3月30日に、パラリンピアンを招いた車椅子バスケットボールの体験会を実施します。
「100万人のハンドスタンプアート・プロジェクト」を、23区で初めて、昨年秋から展開しています。病気や障害がある子どもたちと、それを応援する人々のハンドスタンプを集め、東京2020パラリンピックでの展示を目指す取組みです。今後、広く参加を呼びかけてまいります。
区民とともに区政を進める
次に、区民とともに区政を進めるについてです。
窓口から区役所を変える
区役所全体の改革を目に見える形で進めるため、まず区役所の顔ともいうべき窓口を変えていきます。
いくつかの自治体では、1か所で全ての手続きが完了するワンストップ窓口を設置していますが、かえって待ち時間が長くなるなど課題が生じています。来庁前から手続き完了まで、それぞれの段階に工夫をこらし、「待たない」「まごつかない」「何度も書かない」窓口を実現します。来庁しなくても手続きができる電子申請の拡充、窓口の混雑状況が分かる仕組みの導入、窓口対応力の向上、複数の申請書の一括作成、事務処理ミスの防止など、具体的な課題に着実に取り組み、窓口から区役所を変えます。
区民協働の推進
防災や一人暮らし高齢者の見守りなど、様々な地域活動を行っている町会・自治会組織の基盤強化を促進します。
23区で初めて町会・自治会が作成した、「これからの町会・自治会運営のヒント集」などを活用する、加入促進や活動の担い手確保を応援します。
来年度から、新たな地域おこしプロジェクト事業をスタートします。これまでの成果を踏まえ、支援メニューを充実します。活動レベルに応じた助成の増額、専門家による事業運営へのアドバイスを実施し、プロジェクトの実施団体を増やします。
「パワーアップカレッジねりま」は、10年間で約300人の区民が学び、卒業生は様々な地域活動に取り組んでいます。今後は、福祉・防災・農・みどり・エコスタイルの5分野に拡大するとともに、町会・自治会をはじめ、人材を求める団体とのマッチングに取り組みます。
おわりに
冒頭申し上げたように、練馬区は今、まさに時代の岐路に立っています。この先、いかなる困難が待ち受けていようとも、逃げることなく練馬区の発展に全力を尽くしたい。グランドデザイン構想には、そんな思いを込めました。その実現に向け、新たな一歩となるのが、第2次みどりの風吹くまちビジョンであり、これに基づく来年度予算です。着実に実行に移し、豊かで美しいまち「ねりま」の未来を切り拓いていく決意であります。
なお、本定例会には、「平成31年度一般会計歳入歳出予算案」など32件の議案を提出しております。よろしくご審議のほど、お願いいたします。
以上をもちまして、私の所信表明を終わります。
お問い合わせ
区長室 秘書課 秘書担当係
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電話:03-3993-1111(代表)
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