令和4年 第二回定例会 区長所信表明
ページ番号:785-782-480
更新日:2022年6月8日
- はじめに
- 補正予算案
- 新型コロナウイルス感染症対策
- 子どもたちの笑顔輝くまち
- 高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち
- 安心を支える福祉と医療のまち
- 安全・快適、みどりあふれるまち
- いきいきと心豊かに暮らせるまち
- 区民とともに区政を進める
- おわりに
はじめに
前川区長所信表明の様子
令和4年第二回練馬区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
本年2月24日、ロシアは国際社会の警告を無視し、ウクライナへの侵略を開始しました。これは、ウクライナの主権及び領土を侵害するものであり、国際社会の平和と安全を著しく損なう許しがたい暴挙です。区議会は抗議決議を採択し、私は抗議の意を表明いたしました。
過日、救援金を在日ウクライナ大使館にお届けし、区民の皆様からの救援金を9月末まで受け付けています。4月11日には、避難者に関する特別相談窓口を開設し、通訳ボランティア等によりウクライナ語での相談を受けています。
今後とも、国や東京都などの関係機関と連携し、お一人おひとりの事情に即した支援を行ってまいります。
私は、4月に実施された練馬区長選挙において、区民の皆様から信任を頂き、引き続き区長の重責を担わせて頂くことになりました。本日再びこの場において、74万区民を代表される練馬区議会の皆様方に、所信を述べることができますことを真に光栄に存じます。あわせて、練馬区議会議員補欠選挙において、当選された新議員お二人に、お祝いを申し上げます。
今回の選挙は、8年間の私の区政の総決算であり、区民の皆様に審判を頂く選挙でした。行く先々で、多くの皆様から手を振って頂き、「頑張れ」と声をかけて頂きました。更に、「区長が練馬区を変えた」「区長になって練馬区が確実に良くなった」という声を沢山頂きました。私の区政に寄せる区民の皆様の期待が、後押ししてくれたものと確信しています。お約束した「改革ねりま第3章」を必ず成し遂げるため、全力を尽くしてまいります。
補正予算案
次に、令和4年度6月補正予算案についてです。
区はコロナ禍にあって、これまで、補正予算の編成により緊急に取り組むべき対策を、時機を逸することなく実施してきました。
今回、新型コロナワクチンの4回目接種や、国の「コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策」に要する経費などを中心に、今年度最初の補正予算を編成しました。予算額は31億4,236万円となっています。
今回の補正予算案に計上した事業を含め、新型コロナウイルス感染症に対する区の取組みについて申し上げます。
新型コロナウイルス感染症対策
直近の感染状況
区内の感染者は昨日までに7万4,236人にのぼり、117人の方がお亡くなりになっています。改めて、深く哀悼の意を表し、現在も療養されている皆様の一日も早い回復を祈念申し上げます。
世界全体では、オミクロン株による感染が減少しているなかで、行動制限を緩和する動きが拡大する一方、ウイルスの変異が相次いでおり、感染収束の見通しは示されていません。
国内では、2月上旬には、全国で一日の新規感染者数が10万人を超えましたが、その後減少に転じ、国は35都道府県に適用していた「まん延防止等重点措置」を3月21日に解除し、先月、マスクの着用について、屋外では他者との距離が確保出来る場合は不必要とするなどの考え方を示しました。
都内では、1週間平均の新規感染者数が、2月8日の約1万8,000人から今月1日の約2,500人程度へと減少し、医療提供体制は、通常の医療との両立が可能な状況となっています。都は、独自に設定していたリバウンド警戒期間を先月22日で終了し、基本的な感染防止対策の徹底を継続することとしました。
区民の皆様には、ご自身だけでなく、ご家族や周囲の方を守るためにも、人と会話をする時や混雑する場所でのマスク着用、手洗いや消毒、こまめな換気、密閉・密集・密接の回避などの徹底をお願いいたします。
感染拡大の防止と医療提供体制の充実
新型コロナワクチンの5歳から11歳までの小児接種は、3月から開始し、先月末までに約6,000人の小児が1回目の接種を終えています。引き続き練馬区医師会、小児科医と連携して安全・安心な接種を進めていきます。
3回目接種は現在、60歳以上の87パーセントの方が終えています。その一方で20代以下の接種率は37パーセントで、若い世代は接種率が低く、感染者数も多い傾向にあります。区報やホームページ、SNS等で情報を周知し、集団接種会場で夜間の枠を拡大し、予約がなくても接種可能とするなど、若い世代に向けた取組みを進めています。
5月25日から、4回目接種を開始しました。対象は、3回目を終了した方のうち、5か月以上を経過した60歳以上の方、18歳以上で基礎疾患がある方、その他罹患した場合の重症化リスクが高いと医師が認める方です。本日までに約1万2,000人の方に接種券を送付しました。4回目接種でも、診療所の協力を得て行う個別接種と、区立施設等で行う集団接種による「練馬区モデル」で実施しています。自力で会場に行けない方には福祉タクシーでの送迎や自宅での訪問接種を引き続き実施します。
かかりつけ医等の健康観察、在宅療養支援、酸素・医療提供ステーションという「三つの柱」を更に充実するため、本年4月から新たに、単身高齢者など健康状態を保健所に伝達することが困難な方に対して、訪問看護師による健康観察を開始しました。療養終了後は、地域包括支援センター等によるサービスにつなげていきます。
区内感染者数が月2万人を超えた2月には、かかりつけ医等の健康観察を8,460人に対して行いました。酸素・医療提供ステーションでは、中和抗体薬の投与を中心に昨日までに561人の方を受け入れています。引き続き、安心して自宅で療養出来るよう、取り組んでいきます。
区民・事業者の支援
次に、区民・事業者の支援についてです。
1月に開始した、国の住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金については、これまでに約7万3,000件支給しました。
この度、新たに国が取りまとめた、「コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策」による住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金については、今月下旬から、今年度新たに住民税非課税となった世帯に給付案内と確認書を送付します。確認書の返送後、順次、一世帯10万円の支給を進めます。また、子育て世帯に対する児童一人当たり5万円の生活支援特別給付金については、4月分の児童扶養手当受給世帯、児童手当を受給している住民税非課税世帯等へ近く支給を開始します。
生活相談コールセンターでは、これまでに約2万6,400件の相談に応じています。住居確保給付金は約7,700件、生活困窮者自立支援金は約2,500件支給していますが、申請期間の延長や再支給を行います。
区が独自に取り組んできた、事業者に対する特別貸付及び借換え特別貸付は、今年9月まで受付期間を延長しています。先月末までに、特別貸付は4,869件・432億円、借換え特別貸付は284件・40億円の融資をそれぞれ実行しています。引き続き、事業継続の下支えとなる資金繰りを支援していきます。
社会インフラの維持
都内では、コロナ禍で保育所を休園する区市が多数ありました。練馬区では、保育所等を区民生活に欠かせない社会インフラと位置付け、一貫して原則開園とし、事業継続の一助となるよう、区独自の特別奨励金等による支援を重ねてきました。
国の処遇改善の対象となっていない、看護師等の専門職、区が加配している保育士等も処遇改善されるよう、区独自の支援を行います。
今年に入ってからはオミクロン株が猛威を振るい、他の区市では、図書館や美術館を休止したり、清掃業務を一時中止するなどの事例も見られました。練馬区でも、区職員やその家族の感染が相次ぎましたが、区民サービスの低下を招かないことを第一に、組織間の協力により、これまで事業を中断することなく乗り切っています。
子どもたちの笑顔輝くまち
次に、子どもたちの笑顔輝くまちについてです。
保育サービスの拡充
区長就任以来、幼保一元化施設である「練馬こども園」の創設、「待機児童ゼロ作戦」の展開などにより、全国トップクラスとなる8,000人以上の保育定員増を実現し、2年連続で保育所待機児童ゼロを達成しました。
これを継続するため、来年4月に向け、私立認可保育所9園を新設し、定員を410人増加させるとともに、練馬こども園1園を認定し、保育定員の拡大に取り組みます。
子育てサポートの充実
区の働きかけにより、都は令和2年7月に、初の児童虐待対応拠点を練馬区に設置しました。その後、昨年12月に台東区、本年4月に渋谷区に設置し、児童相談体制「練馬区モデル」は着実に広がっています。
更に、都の4年度予算で、都立練馬児童相談所の設置が決定しました。この度の方針決定は、私が永年主張してきた都区連携による児童相談体制の強化に向けて、都が明確に舵を切ったものです。6年度の開設に向けて、都との連携が更にレベルアップするよう、工夫を重ねてまいります。
教育環境の充実
児童・生徒の熱中症対策に加えて、避難所としても良好な環境となるよう、区立小中学校体育館への空調機設置を進めています。
既に41校に設置し、7年度完了に向けて、今年度は16校で工事を実施し、15校で設計を行います。
ヤングケアラーの支援
ヤングケアラーには、学習機会の保障、気軽に相談出来る環境づくり、家事援助など、一人ひとりの子どもの家庭状況に応じて、福祉・医療・教育・子育てなど関係機関が連携して支援に取り組む必要があります。
区では、子どもの不登校、家族の障害や病、養育上の不安などについて、各機関が相談を受けるなかで、ヤングケアラーを発見し、家庭状況に応じた支援に努めています。しかし、ヤングケアラーは顕在化しにくいことから、今年度は、区立小中学校の教職員や児童・生徒、民生・児童委員などを対象に実態調査を実施し、速やかに支援していきます。また、早期発見と適切な支援につなげるため、学校をはじめとする関係機関の職員に対し、ヤングケアラーへの理解を深める研修を実施します。
高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち
次に、高齢者が住みなれた地域で暮らせるまちについてです。
令和7年に、団塊世代の全ての方が75歳以上の後期高齢者となります。介護が必要になっても、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的・継続的に提供される、地域包括ケアシステムを確立することが不可欠です。
介護予防と施設整備の充実
医師会との連携により、昨年10月から「もの忘れ検診」を開始しました。より多くの方に受診して頂くため、今年度は実施期間を5月から来年2月までとします。街かどケアカフェを、地域住民のサロン活動との協働や敬老館の機能転換により増設していきます。また、地域包括支援センターを来年度2か所増設するため、準備を進めます。更に、既に都内最多の施設数となっている特別養護老人ホーム、都市型軽費老人ホーム、看護小規模多機能型居宅介護施設を増設していきます。
はつらつとした生活への支援
高齢者みんな健康プロジェクトでは、高齢者保健指導専門員と地域包括支援センターが連携して訪問事業を実施しており、戦略的な事業の例として、厚生労働省から全国自治体に紹介されました。今年度から、郵送により健診未受診者への受診勧奨を行い、必要なサービスや支援につなげます。
高齢者のスマホ教室と相談会を、これまでのはつらつセンターに加え、今月から全ての敬老館で実施します。
安心を支える福祉と医療のまち
次に、安心を支える福祉と医療のまちについてです。
障害者施策
障害者一人ひとりの自立した地域生活を支えるためには、障害の特性に応じた多様な意思疎通手段を充実するとともに、区民・事業者等の理解を促進し、共生社会を実現しなければなりません。
本定例会に、「練馬区障害者の意思疎通の促進と手話言語の普及に関する条例」案を提出しています。基本理念、区の責務や区民・事業者の役割を明らかにするとともに、多様な意思疎通手段の選択の機会の確保など、区が実施する施策を定めるものです。
医療環境の整備
区内の医療環境の整備は区の最重要課題であり、これまでも積極的に取り組んできました。平成26年に約1,800床だった病床が、現在計画している病院整備が全て完了する令和7年度には2,800床を超え、約1,000床の増床となります。
感染症の拡大や災害の発生に備えるうえでも、三次救急医療機関が区内で指定されることが必要です。昨年10月、都知事との意見交換の場において、順天堂練馬病院を指定するよう、直接、協力要請を行い、本年3月、区議会は都知事に対し意見書を提出しました。今年度、東京都が三次救急医療機関を2か所指定することとしているのは、こうした取組みが実を結んだものです。
現在、順天堂練馬病院と連携し、施設・設備、人員体制や今後のスケジュールなどについて都と協議を進めており、早期指定を目指します。
また、順天堂練馬病院は、練馬区で初めて、本年4月に東京都から地域周産期母子医療センターの認定を受けました。周産期に係る医療行為を24時間体制で行います。
生活困窮者対策
区長就任以来、生活困窮者対策に力を入れて取り組んできました。福祉事務所の組織・人員体制の抜本的強化による自立支援の促進、コロナ禍における生活相談コールセンターの開設、児童扶養手当受給世帯への臨時特別給付金、就職支援給付金の支給など、他自治体に先駆けた施策を実施しています。
とりわけ、平成29年度には生活に困窮している世帯が多いひとり親家庭を対象に自立応援プロジェクトを開始し、コロナ禍におけるホームヘルプサービスの無料化、高等職業訓練促進給付金の対象資格の拡充などを行ってきました。本年4月から、コロナ禍による影響など現在の状況について調査を開始し、自立に向けた支援策を更に充実します。
安全・快適、みどりあふれるまち
次に、安全・快適、みどりあふれるまちについてです。
都市インフラ整備とまちづくり
未来に向かって更に練馬を発展させるためには、遅れている都市インフラの整備が不可欠です。また、首都直下地震や、局地的な集中豪雨などに備えた災害に強いまちづくりを進めていく必要があります。
西武新宿線の連続立体交差化及び駅前広場等整備事業は、都や西武鉄道、関係区市と連携し、近く権利者への説明会を行い、測量に着手します。上石神井駅周辺のまちづくりでは、地区計画の策定に向けて、素案説明会を開催するなど地域の意向を聴きながら、都市計画手続きを進めます。
石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業については、先月、準備組合が事業計画案を策定し、組合設立の認可申請書を東京都に提出しました。認可を受け次第、設立される再開発組合が、権利変換計画の策定を進めていきます。区は引き続き、事業を支援していきます。また、補助232号線の再開発事業区域から富士街道までの区間についても、併せて事業を進めていきます。
大江戸線延伸について、都交通局は、将来の旅客需要分析、車両編成数や留置施設などの調査・検討を行います。区は、早期事業化に向けて都との協議を進めるとともに、新駅予定地周辺で、地域の皆様と、延伸を見据えたまちづくりの検討を更に進めていきます。
都市の防災機能を強化し、安全で快適な歩行空間を確保するため、平成29年度に「練馬区無電柱化推進計画」を策定しました。現在、歩道の狭い既存道路におけるモデル事業2路線に加え、都市計画道路7路線、生活幹線道路4路線で取り組んでいます。今後、路線の更なる拡大を目指していきます。
練馬のみどりを未来へつなぐ
みどりは、練馬区の大きな魅力であり、快適な都市生活を支えている大切な都市基盤です。昨年度実施した「みどりの実態調査」の結果、公園など公共のみどりは増えていますが、民有のみどりは引き続き減少し、区全体では減っていることが分かりました。これまで以上に、公共のみどりを中心に、みどりのネットワークの形成を進めることが必要となっています。同時に行った区民アンケートでも、公園や緑地の更なる整備を求める意見が6割を超えています。
稲荷山公園と大泉井頭公園は、白子川を軸とするみどりのネットワークの拠点となる都市計画公園です。この度、「稲荷山公園基本計画(整備イメージ)」を策定しました。引き続き、実施計画の策定に着手します。大泉井頭公園は、来年度の基本計画策定を目指し、関係機関との調整を進めます。両公園とも、規模が大きく、整備には長い期間を要します。事業の節目ごとに権利者の方々の意見を伺いながら進めてまいります。
練馬城址公園は、石神井川を軸とするみどりのネットワークの拠点となる都市計画公園です。ハリーポッター・スタジオツアー東京のオープン時には、現在よりもみどりが豊かな空間となります。引き続き、区の求める「緑と水」、「広域防災拠点」、「にぎわい」の機能を備えた公園の実現に向け、整備主体である東京都や関係者と調整を進めます。
本年は、日本の植物分類学の父と呼ばれ、練馬区名誉区民でもある牧野富太郎博士の生誕160年にあたり、NHK連続テレビ小説の来春放送も決定しています。区では、高知県立牧野植物園との連携事業を展開しており、先月、博士ゆかりのヒメアジサイの記念植樹を行いました。来月からは、県立植物園が所蔵する、博士が描いた植物図や収集した蔵書による特別展を開催します。
脱炭素社会の実現に向けた総合的な環境施策の展開
区は本年2月、2050年の二酸化炭素実質排出ゼロを目指す、ゼロカーボンシティを表明し、実現に向けて計画を策定することとしました。ロシアによるウクライナへの侵略により、世界的にエネルギー需給の見通しが不透明となっているなかですが、区民の皆様や事業者と協働して地球温暖化対策を進めます。
いきいきと心豊かに暮らせるまち
次に、いきいきと心豊かに暮らせるまちについてです。
産業振興、商店街振興
コロナ禍により、事業活動におけるデジタル化が進んでいます。
4月から、練馬ビジネスサポートセンターで、デジタル化に関する専門相談や融資を開始しました。事業者の販路拡大を支援する商談交流会を充実し、来月にはオンライン形式を導入して開催します。
「スマート商店街プロジェクト」の準備を進め、キャッシュレス決済の導入やSNS等を活用した魅力発信を推進します。先月、練馬区商店街連合会の30パーセントプレミアム付商品券の募集を行い、約2.5倍の申込みがありました。来月6日から商品券が利用できます。
都市農業施策
練馬区の魅力である都市農業を振興し、多面的な機能を持つ都市農地を保全しなければなりません。
世界都市農業サミットに続く、来年11月の「(仮称)全国都市農業フェスティバル」では、都市農業の魅力をアピールするとともに、畑にすき込むことが出来る農業用シートの使用促進、生産緑地貸借制度の活用事例などを発信します。今年度は、参加都市の招聘などの準備に取り組みます。
野菜の収穫体験を実施している農園を、果樹あるファームのようにブランド化します。来年度の開始に向け準備を進めます。
農業者と障害者施設のマッチングを進めるため、練馬区障害者就労支援センターの仲介により障害者施設が農作業や加工・販売作業を受注する仕組みを構築しました。その結果、令和元年度に7か所だった障害者施設数が、3年度には12か所に増加しました。引き続き、農福連携を進めていきます。
都市文化とスポーツを楽しめるまち
都心に行かずとも、みどりの中で優れた文化芸術を楽しめるまち、身近な場所で誰もがスポーツを楽しめるまちを実現します。
美術館は、「まちと一体となった美術館」「本物のアートに出会える美術館」「併設の図書館と融合する美術館」をコンセプトに、練馬独自の新しい美術館を創造するため、サンライフ練馬の敷地とあわせて全面改築します。来月、設計候補者選定委員会を設置し、基本設計に着手します。また、中村橋駅周辺のまちづくりを進めるため、地域の方々を中心に構成する検討組織の設置に向け、準備を進めています。
「これからの図書館構想」を策定します。地域社会の知の基盤となる情報拠点を目指し、今月、素案をお示しします。区議会並びに区民の皆様からご意見を頂き、11月に成案化する予定です。
ハリーポッター・スタジオツアー東京の来年オープンに向けて、魔法をテーマにしたイベントや事業を実施し、機運醸成に取り組みます。また、練馬アニメーションサイトと特設ホームページ「映像∞文化のまち ねりま」を本年10月に統合し、区ゆかりの映画俳優による対談動画「ねりま映画サロン」などのコンテンツを更に充実します。「映像∞文化のまち構想」に基づき、映画・アニメなどの情報を幅広く発信するなど、ソフト・ハードが一体となった夢のあるまちづくりを進めます。
石神井松の風文化公園の拡張整備に向けて、都市計画事業認可の手続きを進め、フットサル・テニス兼用コートやスケートボードが出来る広場の整備に取り組みます。
障害の有無にかかわらず身近な場所でスポーツを楽しめるよう、今年度は、ユニバーサルスポーツフェスティバルを各地域で分散して開催し、ボッチャ体験会やパラスポーツ教室などを実施します。
区民とともに区政を進める
次に、町会・自治会等への支援と窓口改革についてです。
町会・自治会等への支援
区政最大のパートナーである町会・自治会の活動を支援するため、加入促進や広報活動にSNS等を活用出来るよう、先進的な取組みをまとめた実践事例集の作成や講習会の実施、アドバイザーの派遣を行います。また、通信回線使用料の補助を開始します。
「練馬つながるフェスタ」の地域開催や、クラウドファンディングの活用に向けたノウハウの提供などにより、地域活動団体の事業基盤を強化していきます。
窓口改革
新型コロナの感染拡大防止と区民の更なる利便性向上のため、キャッシュレス決済を拡大します。
今月から、国民健康保険料に加え、住民税、保育料、介護保険料などの口座振替手続きをスマートフォンやパソコンで出来るようにしました。9月から、区民事務所など11か所の窓口で、住民票や印鑑証明書など各種証明書の手数料の支払いに、クレジットカードや電子マネー等を使えるようにします。
また今月27日、本庁舎2階におくやみコーナーを開設します。戸籍謄本の請求や各種保険証の返却などの手続きをワンストップで受け付けます。何枚もの書類に住所や氏名を書かないで済むよう、各種申請書を一括して作成し提供します。併せて、年金や相続に関する関係機関をご案内します。
おわりに
我が国では、少子高齢化・人口減少により経済活力が失われ、国際競争力が低下するなかで、赤字国債の発行を重ねた結果、債務残高が1,200兆円を超える危機的な状況となっています。
コロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵略によって、世界全体の生産・供給体制が大きな影響を受けるとともに、日本の海外への資源依存という弱点が浮き彫りになり、円安の進行もあって、更なる物価の上昇が懸念されています。
私は、今回の侵略が、日本経済が大きな転換点に向かう引き金になるのではないかと感じています。日本がこの先どうなるのか、不安を覚えているのは私だけではないと思います。
私は、生涯をかけて行政に従事してきました。行政は、目先の受け狙いや、小手先の誤魔化しであってはならない、根本的、長期的な視点に立って、行政を常に変えていかなければならない、これは私の信念であり確信です。
区長に就任して8年、区民の皆様にお約束した「改革ねりま」を推進し、全国自治体を先導する理想の自治体行政を実現しようと、様々な分野で数多くの「練馬区モデル」を構築し、全身全霊で取り組んできました。コロナ禍においても、奇を衒うことなく将来につながる施策を重点的・機動的に実施してきたつもりです。これまでの政策を継続、発展させることが、練馬区の未来を拓くことにつながると信じています。
ただ残念なのは、コロナ禍にあって、区民の皆様とひざ詰めで話し合う機会がなくなってしまったことです。今後は、コロナの動向を注視しながら、「未来を語る会」を再開し、区民との協働で区政を更に前に進めたいと考えています。
子どもから高齢者まで、誰もが心豊かに暮らせるまちを創りたい、我がまち練馬をもっと前に進めたい、そのために、区民の皆様にお約束した「改革ねりま第3章」を必ず成し遂げる。固く心に決めています。こうした取組みを具体化するため、新たなプランの作成に向けて、準備に着手します。引き続き、区民の皆様、区議会の皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。
なお、本定例会には24件の議案を提出しております。宜しくご審議のほど、お願いいたします。
以上をもちまして、私の所信表明を終わります。
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