令和6年 第一回定例会 区長所信表明
ページ番号:375-944-037
更新日:2024年2月8日
- はじめに
- 令和6年度当初予算案及び令和5年度補正予算案
- 子どもたちの笑顔輝くまち
- 高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち
- 安心を支える福祉と医療のまち
- 安全・快適、みどりあふれるまち
- いきいきと心豊かに暮らせるまち
- 区民とともに区政を進める
- おわりに
はじめに
所信表明の様子
令和6年第一回練馬区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
元日に発生した能登半島地震により犠牲となられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。現在も厳しい寒さのなか、避難生活を余儀なくされている方々が大勢いらっしゃいます。一日も早い復旧・復興を心から願っています。区は、国及び都の要請を受けて、金沢市の大規模避難所への保健師等の派遣、七尾市に損壊家屋の公費解体の調整に従事する職員の派遣などを行いました。また、近く輪島市に罹災証明書発行等の業務にあたる職員を派遣します。引き続き、被災地の支援に取り組んでまいります。
あの時私は自宅に居ましたが、新年を迎えた途端の大地震発生を伝える緊迫したテレビ報道に接し、強い衝撃を受けました。首都直下地震は、何時発生してもおかしくないと言われて久しくなります。マグニチュード7を超える地震は、他人事ではありません。「首都直下地震等による東京の被害想定」では、マグニチュード7.3、区内の建物の全壊・半壊棟数は約12,500棟、焼失家屋は約11,000棟と想定されているのです。
区はこれまで、ハードとソフトの両面から「攻めの防災」を進めてきましたが、予算案での想定を超えて、更に強化、加速させなければならないと考えています。桜台東部地区や貫井・富士見台地区などは、老朽木造住宅が密集し道路が狭隘です。この現状を放置しておくことはできません。震災時に建物倒壊や延焼火災を防ぐため、危険な建物を建て替え、防災道路を通さなければなりません。今回の震災に接して、密集事業がなかなか進まない現状に焦りを覚えています。反対している方々がいることは承知していますが、住民の皆様と力を合わせて、具体的に目に見える形で、早急に進めていかなければならない、固く決意しています。
密集住宅市街地整備促進事業と防災まちづくり推進地区の取組を加速します。道路は、発災時の延焼火災の防止、避難、救援活動、物資輸送のために必要不可欠です。桜台東部地区では防災道路3路線の整備、貫井・富士見台地区では四商通りと主要生活道路1号線等の用地取得を進めます。一般緊急輸送道路沿線での耐震化助成を拡充するとともに、地域輸送道路沿道建築物の耐震化を促進するため、検討を開始します。
事業実施地区内では、新防火規制区域の指定や地区計画の策定を進めるとともに、建築物の倒壊対策を強化するため、耐震化助成を拡充します。加えて区全域で、いわゆる2000年新耐震基準を満たさない住宅の耐震化を促進するため、助成制度を創設します。
初期消火体制を強化します。消火用スタンドパイプを地区内の区立施設やコンビニなどに優先的に設置し、実戦的な訓練を重ねていきます。地区内の木造住宅をはじめ、避難行動要支援者の住まいを対象に、感震ブレーカーの無償貸与、取付け支援を行います。
避難所機能を更に強化するため、携帯トイレ、アレルギー対応食、口腔ケア用品等の衛生用品など生活必需品の備蓄を充実します。新たに備蓄倉庫を2か所整備するとともに、トラック協会との訓練を重ね、配送体制の実効性を高めます。
地震が起きたとき、区民の生命と財産を守るのは基礎的自治体の最も基本的な責務です。職員一人ひとりが、公務の原点を強く胸に刻みつけ、震災に強いまちづくりを推し進め、発災時には取るべき行動を即時に実行して、区民の皆様と力を合わせて危機に立ち向かわねばなりません。私は区長として、攻めの防災の先頭に立ち、万難を排して取り組む決意です。区議会の皆様、区民の皆様のご協力を切にお願いいたします。
令和6年度当初予算案及び令和5年度補正予算案
次に、令和6年度当初予算案及び令和5年度補正予算案についてです。
令和6年度当初予算は、「第3次みどりの風吹くまちビジョンに掲げる施策を着実に推進し、練馬区の更なる発展に取り組む予算」と位置付けました。一般会計予算額は3,231億円、昨年度比244億円の増となっています。そのうち175億円は、教育、子育て、高齢者、障害者福祉、攻めの防災の推進などの施策を充実するものです。学校改築、病院、道路、公園の整備など、区民生活を支える社会資本を形成する事業には、基金と起債を可能な限り活用し、持続可能な財政運営の堅持に努めています。
歳入面では、「ふるさと納税制度」による特別区民税の減収が、来年度は51億円に達する見込みとなりました。特別区民税収の8パーセントに相当し、しかも年々その額が増加しています。ふるさと納税制度は、受益と負担という税制本来の趣旨を逸脱し、地方自治の根幹を破壊するものです。特別区長会の先頭に立って、東京都と力を合わせ、制度の廃止を含めた抜本的な見直しを、国に求めていきます。
また、今年度5度目となる補正予算では、昨年11月末に成立した国の補正予算を受け、低所得世帯等への給付金や、緊急経営支援特別貸付の継続、キャッシュレス決済ポイント還元事業の実施などに要する経費を計上しています。
子どもたちの笑顔輝くまち
次に、子どもたちの笑顔輝くまちについてです。
子育てのかたちを選択できる社会の実現
区長就任以来、区独自の幼保一元化施設である「練馬こども園」の創設、「待機児童ゼロ作戦」の展開などにより、9年間で全国トップクラスとなる8,500人以上の保育定員増を実現し、3年連続で保育所待機児童ゼロを達成しました。
新たに開設準備経費補助、職員への家賃補助を実施し、練馬こども園を更に拡大します。
子どもの一時的な預け先を拡げ、未就学児の保護者を対象に、自宅で子どもを預かるベビーシッターの利用料助成制度を導入します。障害児保育サービスを充実するため、区立保育園に障害のある乳児が入園しやすくします。私立保育所等への巡回指導、地域型保育施設に対する区独自の人件費補助等により、引き続き障害児受入を進めます。
児童相談体制「練馬区モデル」の強化
私は予てから、子どもを虐待から守るためには、区による地域に根差したきめ細かい寄り添い支援と、都の広域的・専門的支援が緊密に連携して対応することが必要だと申し上げてきました。
都は、(仮称)東京都練馬児童相談所を区子ども家庭支援センターと同一施設内に設置します。設置後は、都区合同の検討会議や虐待通告に基づく家庭訪問などが随時可能となり、一時保護や児童養護施設入所などの法的対応も迅速に行われるようになります。都区の緊密な連携を更に深め、児童相談体制「練馬区モデル」を進化させます。
子どもの養育方法や関わり方について支援が必要な親子が一緒に入所できる、親子入所型ショートステイを新たに実施するとともに、子どもショートステイの実施場所を増やします。
放課後の居場所づくり
地域・事業者・区の協働により、全ての小学生が安全かつ充実した放課後を過ごすことができる環境づくりを進めます。
学童クラブとひろば事業を一体的に行う「ねりっこクラブ」は早期全校実施を目指して、新たに7校で開設、59校とし、学童クラブの待機児童を対象とする区独自の待機児童対策「ねりっこプラス」を引き続き実施します。
保護者の利便性を高めるため学童クラブのICT化を進めます。電子連絡帳を導入し、スマートフォン等で欠席・早退などの連絡ができるようにします。秋に開始する7年度入会の申請が、オンラインでできるようになります。
支援が必要な子どもたちへの取組
不登校児童生徒及びヤングケアラーへの支援を充実します。
依然として区内の不登校児童生徒数は増加傾向にあります。児童生徒一人ひとりの社会的自立に向け、個別の状況に応じた支援を実施します。区西部地域のニーズに対応するため、令和3年から暫定的に適応指導教室事業を実施していましたが、4月に、学校教育支援センター石神井台を開設し、面談室や居場所スペースなどを整備します。
なお、本定例会に「練馬区立学校教育支援センター条例」の改正案を提出しています。
子ども家庭支援センターに、4地域ごとに1名のヤングケアラーコーディネーターを配置し、福祉・教育・子育て等の関係者との情報共有や支援の調整を行います。子どもが担っているケアの負担を軽減するため、区ヘルパー派遣事業を拡充し、一人ひとりに応じた支援を強化します。
教育環境の充実
学校給食費の無償化については、自治体の判断に委ねるのではなく国が明確な方針を示すよう、これまで特別区長会等を通じて要望してきました。
都は、国に先行して公立小中学校の学校給食費の無償化に取り組む方針を示しました。区は、都の補助制度を活用して学校給食費の全面無償化を実施し、あわせて、私立幼稚園副食費補助事業の対象者を第1子以降の園児に拡大します。
安全で快適な教育環境の整備を進めます。新たに立野小学校、上石神井小学校・上石神井中学校の改築設計に、開進第一小学校、開進第二小学校の長寿命化改修設計に着手します。体育館への空調機設置工事は、18校で実施し、98校中93校が整備済みとなります。
高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち
次に、高齢者が住みなれた地域で暮らせるまちについてです。団塊ジュニア世代が高齢者となる令和22年を見据え、地域包括ケアシステムを推進していきます。
高齢者地域包括ケアシステムの推進
支援が必要な高齢者を地域で活動している団体等へつなぐ生活支援コーディネーターを、地域包括支援センター全所に配置して27人体制に拡充します。
練馬区医師会と連携して実施している、もの忘れ検診の対象を70歳以上の全ての希望者に拡大し、早期発見・早期対応の取組を進めます。
介護医療院等の整備
練馬光が丘病院跡施設を活用した医療・介護の複合施設の整備を進め、来年4月の開設を目指します。
区内初の介護医療院では、来年1月から入所者募集を行います。医療ニーズが高く特別養護老人ホームに受入れ困難な方が円滑に入所できるよう、運営法人と協議を進めていきます。
介護福祉士養成施設では、入学者を確保し、卒業後に区内で就職して頂くため、都の修学資金貸付制度の活用、区独自の運営法人への宿舎借り上げ補助を行うほか、区内介護サービス事業所との面接会を行います。入学者の募集にあたり、外国人留学生や高校生向けのPR冊子を作成します。
介護施設の整備を着実に進めてきた結果、特別養護老人ホームは都内最多の施設数となり、入所待機の状況は大きく改善されています。今後は、大泉特別養護老人ホームに併設されていた大泉ケアハウスの廃止により、特別養護老人ホームの50床増床を図ります。都市型軽費老人ホームも都内最多の施設数ですが、今後もニーズが高まると見込まれるため、引き続き整備を進めます。
高齢者の健康づくり・介護予防
交流・相談・介護予防の拠点となる街かどケアカフェは、地域活動団体などとの協働により地域サロン型を3か所増設し、全体で41か所とします。
練馬区薬剤師会と連携して実施している訪問服薬健康相談事業の対象を、国民健康保険加入者から75歳以上の後期高齢者に拡大します。
安心を支える福祉と医療のまち
次に、安心を支える福祉と医療のまちについてです。
障害者が地域で暮らし続けられる基盤の整備
どんなに障害が重くても、住み慣れた地域のなかで暮らし続けることができるよう、障害者のライフステージに応じたサービスを充実します。
新たに取得した三原台2丁目用地を活用し、医療的ケアが必要な方や重度障害者を対象とする多機能型の施設を誘致します。重症心身障害者の日中活動の場やショートステイなどの機能を付加し、11年度中の開設を目指します。現在、来年度予定している事業者選定に向け準備を進めています。
昨年10月、こども発達支援センターに医療的ケア児等に対する総合相談窓口を開設しました。4月から、民間事業所で活動するコーディネーターを活用し、身近な地域における相談支援体制を充実します。
来年度から、障害者の法定雇用率が引き上げられます。重度の肢体不自由の方や視覚障害の方が就労できるよう、通勤や勤務時間中にもヘルパーを派遣する支援事業を4月から開始します。
ひとり親家庭自立応援プロジェクトの充実
昨年度実施したひとり親家庭に関するニーズ調査に基づき、自立に向けた支援策を更に充実します。転宅費用の助成、離婚前後の親を対象とした支援講座を実施するほか、ホームヘルプサービス、養育費確保の裁判外紛争解決手続き費用の助成を拡充します。
健康づくりの応援
がん治療には、早期発見が有効です。練馬区医師会や医療機関の協力のもと、健康診査の際に肺がん検診を同時に受診できる医療機関を拡充します。
多くのがん患者が、仕事や子育てなど通常の生活を送りながら治療を続けています。順天堂練馬病院がん相談支援センターをはじめ関係機関と連携し、がんに関する相談窓口の周知啓発を図るとともに、要望の多いウィッグ等の購入費用の助成を開始します。
新型コロナウイルス感染症の予防接種法による特例臨時接種は、3月末に終了します。来年度からは、インフルエンザと同じ定期接種として、秋冬の時期に1回、65歳以上の高齢者と一定の基礎疾患を有する60歳から64歳までの方を対象に実施する予定です。
安全・快適、みどりあふれるまち
次に、安全・快適、みどりあふれるまちについてです。
都市インフラの整備とまちづくりの推進等
都市インフラの整備とまちづくりは、計画的に進めていく必要があります。
都市計画道路は、第4次事業化計画に基づき、着実に整備を進めます。計画期間は7年度までとなっており、社会情勢の変化や道路機能のニーズを考慮し、8年度以降に向けた検討に着手します。
大江戸線の延伸は、昨年3月から、都の庁内検討プロジェクトチームで検討を進めています。区は、事業着手を確実なものとするため、大江戸線延伸推進基金は来年度まず30億円、その後も計画的に積み増していきます。新駅予定地周辺のまちづくりを進め、新たな拠点整備に取り組みます。
西武新宿線の連続立体交差事業、鉄道と交差する都市計画道路補助230号線及び武蔵関駅交通広場は、近く都市計画事業認可を取得し、事業に着手します。引き続き、都、鉄道事業者、沿線区市と連携し、整備を進めます。
地域特性に合った誰もが移動しやすい交通体系を構築するため、8年度を目途に新たな地域公共交通計画を策定します。まずデマンド交通の実証実験を行い、計画の実効性を高めます。
石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業は、先月、権利変換計画の認可を取得しました。地区内に居住・営業している方々の移転ののち、既存の建物の除却を行い、来年度に再開発ビルの新築工事に着手します。区は引き続き、円滑な事業実施に向け、再開発組合の取組を支援します。
バリアフリーの促進
誰もが安心して快適に移動できる環境の整備に向けて、鉄道駅の更なるバリアフリー化に取り組みます。
光が丘駅南側出入口では、昨年エスカレーター及びスロープが完成しました。現在、東京都がエレベーターの整備を進めており、来年度供用開始の予定です。
鉄道駅のホームドアは、来年度、西武鉄道により石神井公園駅、練馬高野台駅で整備されます。区は、補助金を増額し、整備を促進します。引き続き、未着手駅の早期整備を働きかけていきます。
管理不全状態の空き家対策
平成27年度調査で約1,500棟あった区内の空き家は、空き家対策事業を通じて、昨年末までに463棟となりました。特に老朽度が高いと判定された30棟は、除却等により全て解消しています。
昨年12月に施行された、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の一部改正を受け、「管理不全空家等」への指導・勧告を来年度から開始するため、本定例会に条例改正案を提出しています。
練馬のみどりを未来へつなぐ
練馬のみどりを未来へつなぐため、引き続きみどりの拠点の整備や、区民との協働による保全、創出に取り組みます。
長期プロジェクトである稲荷山公園については、「武蔵野の面影」の再生に向けて段階的な整備のロードマップを作成します。造園や動植物など各分野の学識経験者で構成する専門家委員会の意見を聴きながら検討を進めます。大泉井頭公園では「水辺空間の創出」をテーマに、基本計画策定に向けた基礎調査を実施します。
平成つつじ公園は、練馬駅前に立地する区の顔となる公園です。開園から30年を迎え、全面改修に向けて設計に着手します。あわせて、トイレのリニューアルを行います。まちのイメージアップを目指す「公園等トイレ改修等基本計画」のリーディングプロジェクトとして、子どもたちからデザインやアイデアを募集しており、来年度設計コンペを実施します。
こどもの森の拡張に向け整備基本計画を改定します。ツリーハウスの体験会などを通じて、子どもをはじめ区民の皆様の意見を伺いながら進めていきます。
民有のみどりの保全、創出に取り組みます。保護樹木等の所有者の負担軽減や適切な剪定を促進するため、剪定費補助の上限額を大幅に引き上げ、頻度を3年に1回から2年に1回とします。区民の目に映るみどりを増やすため、開発事業者などにヒアリング調査を実施し、緑化基準の見直しに着手します。公共施設の基準は、民間施設に先行して来年度に改定します。
脱炭素社会の実現に向けた環境施策
区は、2050年のゼロカーボンシティ実現に向けて、2030年度までに区内のCO2排出量を2013年度比で46パーセント削減する目標を定めています。
友好都市の上田市において、区が行う森林整備で吸収されるCO2を、区内の削減量とみなす、カーボンオフセット事業の検討に着手します。家庭部門に由来するCO2の削減を更に加速するため、既存住宅等の省エネ化・再エネ導入を支援するカーボンニュートラル化設備設置等補助金を拡充します。事業者と連携して、家庭から排出された使用済みペットボトルを新たなペットボトルにリサイクルする取組を進めます。
いきいきと心豊かに暮らせるまち
次に、いきいきと心豊かに暮らせるまちについてです。
産業・商店街振興
区内経済の発展に向け、意欲的に新商品・新サービスの開発を進めている事業者に対し、事業計画の策定から実行まで伴走して支援し、必要な費用を補助します。個々の商店街活動の枠を超え、商店会同士や個店同士が連携して行う、イベント等への補助制度を創設します。
都市農業振興と都市農地保全
都市生活に豊かさと潤いをもたらす都市農業は、練馬区の誇りです。
「高松みらいのはたけ」では、誰もが農に親しめる身近な施設を目指し、ひまわりや菜の花など季節を感じられる花の作付けや、畑で採れた野菜を使用した食育体験などを実施します。
区内農業者それぞれの農業経営に応じて、提案型の支援を実施します。JA東京あおばの全戸訪問や農業委員会の農地調査と連携し、全ての農業者の営農状況をヒアリングしながら、支援メニューを作成・提案していきます。
世界都市農業サミットに続く、全国都市農業フェスティバルの成功をバネとして、次回のフェスティバルを7年度に開催します。来年度は、フェスティバルの被招聘都市等とともに、プレイベントを開催します。フェスティバル参加都市との意見交換を継続して連携を深め、引き続き、練馬区が全国の先頭に立って、都市農業への理解促進と更なる発展を目指していきます。
美術館・貫井図書館の全面リニューアル
美術館と貫井図書館は、平田晃久氏による基本設計が完了し、今年度中に実施設計に着手します。収蔵作品を常設でご覧頂ける展示室や「ブック・アート・キッズスペース」、多目的室を新設するなど、延床面積を全体で1.8倍に拡大する計画です。大型エレベーターなどを備え、ストレッチャー型の車椅子で気軽に鑑賞できる、年齢や障害に関わらず、誰もが楽しめる施設としていきます。美術館と一体となった中村橋駅周辺の街並み整備に向けて、平田晃久氏監修のもと「美術のまち構想」を策定します。
電子図書館の実現
電子書籍貸出しサービスを導入し、電子図書館を実現します。全児童生徒に配付しているタブレットパソコンを使った読書活動の推進、文字拡大や読み上げ機能などによる障害者や高齢者の読書活動支援を行うほか、地域資料のデジタルアーカイブ化に取り組みます。利用カードを電子化し、来館しなくても利用登録や図書貸出しができるようにします。
区民とともに区政を進める
区長就任以来、あらゆる分野で、区民の皆様とともに協働の取組を進めてきました。冒頭申し上げましたとおり「攻めの防災」を加速するにも、区民の皆様との協働が不可欠です。
町会・自治会は区政最大のパートナーです。役員の負担軽減、担い手不足の解消、新規加入の促進を目指して、デジタル活用を拡げていきます。個別にヒアリングを行い、個々の状況に合わせてきめ細かく支援していきます。
地域おこしプロジェクトをリニューアルし、ねりま協働ラボを開始します。区との協働で地域課題の解決を目指す未来創造チャレンジ、町会・自治会や地域活動団体同士が協働して取り組むコラボチャレンジを募集します。来年度中に対象事業を決定し、7年度にスタートします。
おわりに
区長に就任して10年になります。参加と協働を根幹に据えた区政運営を進め、政策面では、数々の練馬区モデルにより、全国自治体を先導してきました。その努力が実を結び、練馬区の福祉医療サービスは飛躍的に充実し、都市インフラの整備は大きく前に進みました。
これまでの取組を着実に継続・発展させながら、その上に立って、みどり、文化、スポーツ、都市インフラなど、区民生活をより豊かにする施策に更に力を入れ、グランドデザイン構想で示す練馬区の目指すべき将来像を実現する。そのための「第3次みどりの風吹くまちビジョン」であり、これに基づく来年度予算です。着実に実行し、子どもから高齢者まで、誰もが安心して心豊かに暮らせるまちを創りたい、固く決意しています。区議会の皆様、区民の皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。
なお、本定例会には、これまで述べたものを含め30件の議案を提出しております。宜しくご審議のほど、お願いいたします。
以上をもちまして、私の所信表明を終わります。
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