令和6年 第四回定例会 区長所信表明
ページ番号:982-153-647
更新日:2024年11月29日
はじめに
所信表明の様子
令和6年第四回練馬区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
奥能登豪雨により、犠牲となられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。被災地が元日の能登半島地震と重なり、今なお、多くの方が避難生活を余儀なくされています。一日も早い復旧・復興を心から願っています。
先月28日、パリ2024パラリンピック競技大会で金メダルを獲得した、練馬区民の木村敬一選手と宮食行次選手を区役所にお迎えし、区民栄誉賞を授与しました。木村選手からは、「サポートを頂いている区民の皆様に、金メダルという結果でお返しできて嬉しい」、宮食選手からは、「普段の生活を支えてくれている皆さんのおかげです」との言葉を頂きました。74万区民を代表して、心からお祝いを申し上げます。
補正予算案
次に、令和6年度11月補正予算案についてです。
物価上昇の影響を緩和するため都が実施する、教育・子育て施設や介護・障害者児サービス事業所に対する光熱費等補助に、区独自の対応を加えます。その他所要の経費を取りまとめて、今年度3度目の補正予算を編成しました。補正予算額は2億1,894万円となっています。
また、国が新たに実施する住民税非課税世帯への給付金などに要する経費について、補正予算案の編成作業を進めています。近くご提案する予定です。
子育て・教育施策
次に、子育て・教育施策についてです。
第三期子ども・子育て支援事業計画の策定
今後5年間の保育や学童クラブの需給計画などを定める、第3期子ども・子育て支援事業計画を策定します。
保育所については、これまで全国トップクラスとなる9,200人以上の定員増を実現し、4年連続で待機児童ゼロを達成しました。今後は、0歳児の保育需要が減少し、1・2歳児の保育需要が増加すると見込まれます。地域事情や年齢、区民ニーズ等を考慮して、今後の保育需要とこれに対応する取組を示します。
学童クラブは、校内化を進めるとともに、「学童クラブ」と「ひろば事業」を一体的に行う「ねりっこクラブ」を、全区立小学校で実施して定員を拡大します。「ひろば事業」では、午後4時半までとしている冬の実施時間を見直し、年間を通じて午後5時までとするとともに、1年生の利用開始時期を4月に前倒しします。
国が令和8年度から本格実施するとしている「こども誰でも通園事業」については、より利用しやすい制度を検討し、来年7月から試行実施します。
また、東京都練馬児童相談所の設置を契機として、児童養護施設や里親家庭等の手を離れた若者の支援に取り組みます。区内で自立して生活できるよう、民間団体とも連携して支援策の検討を進めます。
区立高野台保育園の民営化
区立高野台保育園を来年4月に民営化します。これに伴い障害児の受入枠の拡充、医療的ケア児の受入開始など、保育サービスが充実されます。引き続き、委託園の民営化に取り組みます。
本定例会に、「練馬区立保育所設置条例の一部を改正する条例案」及び行政財産に関する議案を提出しています。
区立学校適正配置第2次実施計画の策定
昨年度策定した基本方針に基づき、児童生徒に良好な教育環境を提供するため、区立学校適正配置第2次実施計画を策定します。過小・過大規模の学校、改築に課題のある学校から候補校を抽出し、適正配置後の学校規模などの視点から、統合・再編等の対象校を選定します。
大泉第二中学校の教育環境保全と大泉学園駅南側地区まちづくりの取組方針の策定
大泉第二中学校の教育環境保全等を巡っては、令和元年に有識者委員会から提言を頂きました。その後も有識者の意見を伺いながら検討を重ね、このたび「大泉第二中学校の教育環境保全と大泉学園駅南側地区まちづくりの取組方針」を策定することとしました。
教育環境保全と都市計画道路の整備を両立させるとともに、大泉学園駅南側地区の課題解決に資するまちづくりを着実に推進していきます。
今後、区議会並びに学校関係者、地域の皆様からご意見を頂いたうえで、年度内の成案化を目指します。
特別支援教育実施方針の策定
新たに特別支援教育実施方針を策定します。区立小中学校における障害児一人ひとりの多様なニーズに、きめ細かく対応するため、就学前からの早期教育相談を実施するほか、特別支援学級の増設などに取り組みます。
福祉・健康施策
次に、福祉・健康施策についてです。
医療的ケアが必要な重度障害者への支援
三原台二丁目用地を活用して、医療的ケアにも対応した重度障害者の地域生活支援拠点を整備します。先月16日から事業者の公募を開始し、1月に決定、11年度に開設する予定です。
通いの場の提供、医療型ショートステイ、地域で医療的ケアを支える人材の育成などを実施します。
重度障害者が、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、23区の障害者福祉を先導する施設の実現を目指します。
次期地域福祉計画~みんなでつくる誰もが安心して暮らせるまちプラン~の策定
次期地域福祉計画~みんなでつくる誰もが安心して暮らせるまちプラン~を策定します。
ニーズが多様化・複雑化するなか、分野をまたいだ複合的な課題、制度の谷間にあって対応ができない課題などに、地域団体等と協働して解決に取り組んでいきます。
健康づくりサポートプランの改定
ライフステージに応じて、誰もが自ら健康づくりに取り組むまちの実現を目指し、健康づくりサポートプランを改定します。
アプリやSNSを活用した区民の自主的な健康づくりの促進、オンラインによる夜間の母子保健相談の開始、総合的ながん対策の推進などに取り組みます。
第6次男女共同参画計画~一人ひとりが自由に輝くまちプラン~の策定
第6次男女共同参画計画~一人ひとりが自由に輝くまちプラン~を策定します。性別、人種、年齢、職業や働き方、価値観など、人と人との違いを認め合い、自らの希望に沿った生き方を選択できる社会を目指します。
困難な問題を抱える女性が、それぞれの意思が尊重されながら最適な支援を受けられるよう、女性自立支援施設や民間団体等との協働により、居場所事業、LINE相談事業などを実施します。
まちづくり、環境施策
次に、まちづくり、環境施策についてです。
西武新宿線の連続立体交差事業と沿線まちづくり
来月、西武新宿線の連続立体交差事業及び側道事業、武蔵関駅交通広場の用地補償説明会を開催し、用地取得に取り組みます。引き続き、都、鉄道事業者、沿線区市と連携して整備を進めます。
連続立体交差事業にあわせて、上石神井駅、武蔵関駅、上井草駅周辺のまちづくりを進めています。上石神井駅北西地区では、本年9月に再開発準備組合が設立されました。区は準備組合の活動を支援していきます。
デマンドタクシーの実証実験
令和8年度を目途に、地域公共交通計画を策定します。これに先立ち、南大泉・東大泉の地域で、新たな交通手段であるデマンドタクシーの実証実験を行います。地域の皆様の意見を伺いながら、交通管理者等と協議を重ね、先月、運行計画を作成しました。年内に国から運行許可を取得する予定で、1月6日から3月末まで運行して実効性を検証します。
災害廃棄物処理計画の策定
災害廃棄物処理計画を策定します。
都の想定では「多摩東部直下地震」が発生した場合、区内では、最大約107万トンの災害廃棄物が生じると推計されています。これは、区の年間ごみ量の約9年分に相当します。同時に、避難所や家庭の生活ごみにも対応する必要があります。これらの廃棄物処理について、平常時の取組と発災時の対応を取りまとめ、災害に備えます。
なお、これまでに述べた各計画は、来月素案を公表し、区議会並びに区民の皆様のご意見を頂いたうえで、年度内に成案化する予定です。
全国都市農業フェスティバル2025
今月16日・17日に、「全国都市農業フェスティバル2025プレイベント」をJA東京あおば農業祭と同時開催し、区内外から6万3,000人の方に御来場頂きました。都市農業の魅力と可能性を、参加9都市とともに、広く発信することができたものと考えています。
「都市農業サロン」の参加都市は、新たに4自治体が加わり、32となりました。先月の第2回サロンでは、「経営の安定化」をテーマに、持続可能な産業として更に発展させる方策などを巡り、活発な意見交換が行われました。次回は、「担い手の確保」をテーマとする予定です。
引き続き、各都市の協力を得て、「全国都市農業フェスティバル2025」に向け機運を醸成していきます。
おわりに
令和6年は、元日の能登半島地震、被災地を襲った奥能登豪雨、史上初の南海トラフ地震臨時情報が発表された日向灘地震など、災害が相次ぎました。また、9月下旬にも35.2℃を記録するなど、災害級の猛暑が続き、熱中症による都内の救急搬送者数は、初めて8,000人を超えました。
更に、円安の進行もあって食料品やエネルギーをはじめとして物価上昇が続き、区民生活や事業活動に大きな影響を与えています。
一方、明るい話題は先ず、パリオリンピック・パラリンピックでの日本選手の大活躍です。更にメジャーリーグでは、大谷翔平選手が史上初の「50-50」を達成してMVPに輝き、ワールドシリーズ制覇にも貢献しました。私だけではなく、多くの皆様が胸を熱くしていたと思います。
先月、「日本原水爆被害者団体協議会」のノーベル平和賞受賞が決定しました。ウクライナ侵略を続けるロシアによる核の威嚇、中東情勢の更なる悪化など、国際情勢が緊迫の度を加えるなか、核兵器のない世界の実現を目指す永年の取組が評価されたものです。現在の危機的な状況に対する警鐘として、大きな意味を持つものと思います。
先月の衆議院議員解散総選挙の結果、第2次石破内閣が発足しました。少数与党による政権は30年ぶりのことです。
アメリカの大統領選挙では、民主党が敗れ、共和党のトランプ前大統領が選出されました。20世紀以降の世界秩序と民主主義をリードしてきたアメリカの理想が変わるのか、固唾を呑んで見守っているのは私だけではないと思います。
先を見通すことが難しい時代にあっても、私は住民に最も身近な基礎的自治体の長として、常に世界や日本の動きを見据えながら、たとえ数歩であっても時代を先取りして対応するよう努めてきました。
今後もあらゆる分野で工夫を重ね、区民の皆様にお約束した「改革ねりま第Ⅲ章」を必ず成し遂げる、決意を新たにしています。区議会の皆様、区民の皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。
なお、本定例会には、これまで述べたものを含め44件の議案を提出しております。宜しくご審議のほど、お願いいたします。
以上をもちまして、私の所信表明を終わります。
お問い合わせ
区長室 秘書課 秘書担当係
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電話:03-3993-1111(代表)
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