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令和5年 第四回定例会 区長所信表明

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ページ番号:669-103-824

更新日:2023年11月30日

はじめに

 令和5年第四回練馬区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
 はじめに、職員の期末・勤勉手当に係る源泉所得税の納付遅延について申し上げます。納期限の誤認により多額の加算税等を課されたことは、行政としてあってはならない不適切な事務処理であり、区民の皆様に深くお詫び申し上げます。
 既に全額を関係管理職に賠償請求し、近く関係職員に対して人事上の処分を厳正に行います。区職員全体を指揮監督する者として、その責任を重く受け止め、私と副区長の給料を30パーセント、3か月間削減することとし、本定例会に条例案を提出しています。
 職員一人ひとりが、区民の皆様の税を基盤に職務を執行しているという公務の原点に立ち返って、一日も早く信頼を回復できるよう全力を尽くしてまいります。

令和5年度11月補正予算案

 次に、令和5年度11月補正予算案についてです。
 源泉所得税の納付遅延に伴う延滞金及び不納付加算税の納付や、児童生徒への性暴力等の防止に要する経費、国が新たに実施する住民税非課税世帯等への1世帯あたり7万円の給付金に要する経費などを計上し、今年度4度目の補正予算を編成しました。補正予算額は59億2,354万円となっています。

第3次みどりの風吹くまちビジョン等の策定

 次に、第3次みどりの風吹くまちビジョン等の策定についてです。

第3次みどりの風吹くまちビジョンの策定

 平成30年にグランドデザイン構想を策定し、練馬区の目指すべき将来像をお示ししました。
 「暮らし」の分野では、福祉・医療等が飛躍的に充実しています。「区民参加と協働」は確実に進み、「都市」の分野の取組も大きく前進しています。区政を更に前に進め、グランドデザイン構想を実現するため、「第3次みどりの風吹くまちビジョン」の素案を取りまとめました。これまでの取組を着実に継続・発展させながら、その上に立って、みどり、文化、スポーツ、都市インフラなど、区民生活をより豊かにする施策に更に力を入れていきます。
 計画期間は令和6年度から10年度までとし、基本計画とアクションプランで構成しています。基本計画では「改革ねりま」のこれまでの取組と、今後の区の基本姿勢及び施策の柱を、アクションプランでは、23の戦略計画と人口・財政の状況などをお示しします。

公共施設等総合管理計画実施計画の改定等

 「練馬区公共施設等総合管理計画」で定めた方針に基づき、安全性の向上や、財政の持続可能性などの観点から優先順位を精査し、「実施計画」を改定します。令和6年度から10年度に取り組む改修・改築や委託・民営化の内容を整理します。併せて、学校施設管理実施計画の中間見直しを行い、後半5か年の年度別計画をお示しします。

子ども、教育施策

 次に、子ども、教育施策についてです。

「第2次区立小・中学校および区立幼稚園の適正配置基本方針」の策定

 学校教育を充実し、児童生徒に良好な教育環境を提供するため、「第2次区立小・中学校および区立幼稚園の適正配置基本方針」の素案を作成しました。過小・過大規模の学校、改築に課題のある学校から適正配置の候補校を抽出し、来年度以降対象校を決定します。
 区立幼稚園については、来年度、外部の有識者を加えた委員会を設置して、今後の園児数の動向を踏まえた適正規模、ニーズが拡大する障害児保育などの検討に着手します。

児童生徒への性暴力等防止特別対策委員会の設置

 過日、練馬区立中学校の校長が逮捕されるという許し難い不祥事が起きました。区長として、区民の皆様に深くお詫び申し上げます。
 教育委員会では、練馬区立学校の教育職員等による児童生徒への性暴力等を防止するため、学識経験者や弁護士、心理士等による「児童生徒への性暴力等防止特別対策委員会」を設置します。未然防止、早期発見、初期対応等の具体策を検討し、来年夏までに提言を頂く予定です。また、区独自の第三者相談窓口を近く設置し、相談しやすい環境を整えます。

保育所入園申請のオンライン化

 全国初となったLINEを使う「保育園探し」や「保育指数シミュレーション」などに続いて、10月からオンラインによる「入園申請」を開始し、保活支援の全てにICTを活用する練馬区モデルが完成しました。現時点でのオンライン申請の利用率は、郵送や窓口提出を上回り、最多の31パーセントに上っています。

福祉施策

 次に、福祉施策についてです。

第9期高齢者保健福祉計画等の策定

 第9期高齢者保健福祉計画では、団塊ジュニア世代が高齢者になる令和22年を見据え、今後3年間で取り組むべき施策を明らかにします。生活支援コーディネーターをこれまでの2人体制から、地域包括支援センター全所に配置して27人体制に拡充します。介護保険事業計画では、今後3年間の介護保険サービスの利用量等の見込みをお示しします。

障害者計画の中間見直し等

 令和3年度から8年度を計画期間とする障害者計画は、今年度が中間年度に当たるため、一部改定を行います。医療的ケアが必要な方の住まいや日中活動の場の整備、重度障害者の就労支援などを新たに盛り込みます。障害福祉計画、障害児福祉計画では、国の基本指針に沿って、令和8年度までのサービス供給見込み量をお示しします。

三原台2丁目用地を活用した生活介護事業所等の誘致

 新たに取得した三原台2丁目用地を活用し、医療的ケアが必要な方や重度障害者を対象とする日中活動の場、家族の負担軽減など多機能型の施設を誘致します。来年度、施設を整備・運営する事業者を選定し、23区の障害者福祉を先導する施設となるよう力を尽くしていきます。

健康施策

 次に、健康施策についてです。

感染症予防計画の策定

 新型コロナ対応を踏まえて感染症法が改正され、これまで都道府県に策定が義務付けられていた感染症予防計画を区でも策定することとなりました。新型インフルエンザ等感染症対策ネットワーク会議でご意見を頂き、検討を進めます。

新型コロナウイルスワクチン接種

 9月20日から、生後6か月以上の希望する方にXBB対応ワクチンの接種を実施しています。集団接種は年内に終了しますが、地域の診療所による個別接種は年度末まで続けます。

防災、環境施策

 次に、防災、環境施策についてです。

地域防災計画の修正等

 昨年東京都は、10年振りに「首都直下地震等による東京の被害想定」を更新しました。区内の建物全壊棟数は減少する一方で、焼失棟数は約1万1,000棟に増加すると想定されています。本年5月に修正された「東京都地域防災計画」を踏まえ、「練馬区地域防災計画」を修正します。建築物の耐震化・不燃化、狭隘道路の拡幅、出火防止対策、初期消火力の強化、中高層マンション防災対策など、「攻めの防災」を更に進め、12年度までに、人的・物的被害を概ね半減することを目指します。
 今月6日、国・東京都・練馬区が共同で、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を、都内で初めて緊急一時避難施設を使って、練馬駅周辺で実施しました。今回の訓練を契機に、Jアラートが発令された際に、区民一人ひとりが状況に応じて必要な行動をとれるよう、国や都と協力して取り組んでいきます。

避難行動要支援者の避難支援の強化

 避難行動要支援者名簿の全面的な更新に向け、来年1月から登録者全員に対する現況調査を開始します。あわせて、「どこへ」「だれと」避難するかを予め定める個別避難計画の作成を、「避難行動要支援者のみの世帯」から優先的に進めます。

練馬区みどりの総合計画の中間見直し

 平成31年に策定した「みどりの総合計画」の中間見直しを行います。後半の5年間では、長期プロジェクトである稲荷山公園や大泉井頭公園の整備に向けた検討、民有のみどりの約半数を占める住宅地等の沿道緑化の推進、区民の皆様のみどりへの関わりを深め育てる「(仮称)ねりまみどりフェスタ」の開催など、これまでの取組を更に充実させます。
 「みどりのネットワークの形成」、「みどりを育むムーブメントの輪を広げる」を柱に、みどりに満足している区民の割合80パーセントを目指します。
 なお、これまで述べた各計画は、近く素案を公表し、区議会並びに区民の皆様のご意見を頂いたうえで、年度内に成案化する予定です。

都市農業施策

全国都市農業フェスティバル

 全国都市農業フェスティバルは、雲一つない青空に黄色く色付いたイチョウが映えるなか開催され、3万6,000人もの方に来場頂きました。
 招聘4都市との意見交換会や著名人を招いたトークライブでは、消費者と顔が見える関係づくりの重要性や効果的な情報発信などについて、予定時間を超過するほど活発な意見が相次ぎました。招聘都市の農業者から「農業者、JA、行政が揃って議論する場は意義があり、今回を契機に意見交換・交流を継続したい」とコメントを頂き、主催者として意を強くしたところです。来場者の皆様にも、農業者の営農に対する熱意と真摯な姿勢を身近に感じて頂いたものと思います。
 フェスティバルを通じて、我が国における都市農業の意義を再確認し、都市生活に新たな豊かさをもたらす都市農業の魅力と可能性を、全国に発信することができたものと考えています。世界都市農業サミットに続く今回の成功を大きなバネとして、今後も各都市の皆様と一体となって都市農業への理解促進と更なる発展を目指していきます。
 招聘4都市をはじめ参加頂いた24自治体、開催に尽力頂いた実行委員会の皆様、農業者をはじめJA東京あおばの皆様に感謝申し上げます。

おわりに

 今年、順天堂練馬病院が三次救急医療機関に指定され、来年の開設に向けて、(仮称)東京都練馬児童相談所の準備も進んでいます。更に、大江戸線の延伸、西武新宿線の高架化など、区が推し進めてきた政策が着実に前進しました。
 牧野記念庭園の「書斎再現プロジェクト」には多くの寄付を頂き、NHK朝ドラ「らんまん」の開始と時期を合わせて公開することができました。入場者は10月末現在で14万人を超え、平年1年間の5倍以上になっています。6月にオープンしたハリー・ポッター スタジオツアー東京は、練馬区の世界デビューとなりました。想定した以上の賑わいで、年明けのチケット販売も好調だと聞いています。地元商店会などが展開した機運醸成の取組がメディアに大きく取り上げられ、地域に賑わいをもたらしています。
 全国都市農業フェスティバルは大きな成果を上げ、機運醸成事業「ねりまランタンナイト」では、子どもたちがイラストを描いたものなど1,000基のランタンが夜空を彩る姿に大きな歓声が上がりました。今月3日に初開催した「ねりまの森の音楽祭」では、車椅子利用者をはじめ乳幼児から高齢者まで約7,000人の参加を頂きました。思い思いに芝の上で寝転んだり手拍子を打ったりしながら、大谷康子さんと吹奏楽の競演、子どもたちの演奏やダンスを楽しんでいる姿が印象的でした。
 この1年間、区民の皆様には、「ねりま推し」をスローガンに、練馬区を大いに盛り上げて頂きました。区政の根幹である「参加から協働へ」が、確実に一歩進んだものと考えています。
 今、日本は、少子化の進行、赤字国債に頼った財政運営、経済の低迷、国際的な地位の低下など、かつてない国家的危機に直面しています。しかし、国からは全く危機感が伝わってきません。例えば先進国の少子化は、いわば人類の歴史の進展の結果であり、これを前提とした今後の社会のあり方、政策のあり方の検討を進めるべき時を迎えているのではないかと考えています。
 債務残高がGDPの2倍を超える状況のなか、狙われているのが東京、とりわけ特別区の財源です。日本がこれまで何とか持ちこたえてこられたのは、特別区を中心とする東京圏の人材の力によるものです。国庫負担金や補助金、地方交付税交付金も、その多くが東京での税収により支えられています。東京が果たしている企業活動の集積を支える努力や役割を国は評価することなく、税源の偏在是正を理由に財源を奪い続けています。東京の力を弱めることは日本の衰退を意味していることを、国は全く認識していません。私は今、特別区長会の副会長の職にあります。区長会全体の認識を高め、特別区と東京都が協力して国と向き合い、立ち向かっていきたいと考えています。
 区を取り巻く環境は極めて不透明ですが、こうした状況に左右されることなく、着実に区政を運営することが私の責務です。練馬区は今、全国でも稀な人口の増加傾向にあり、まだまだ発展を続けます。区長に就任して10年。コロナのワクチン接種をはじめ、全国自治体を先導する多数の政策、「練馬区モデル」を実現してきました。これからもあらゆる分野で工夫を重ね、新たな「練馬区モデル」を展開し、区民の皆様にお約束した「改革ねりま第Ⅲ章」を必ず成し遂げる。そう決意しています。区議会の皆様、区民の皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。
 なお、本定例会には、これまで述べたものを含め35件の議案を提出しております。宜しくご審議のほど、お願いいたします。
 以上をもちまして、私の所信表明を終わります。

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電話:03-3993-1111(代表)
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