専門医のコラム 「新型コロナウイルス感染後に症状が残ったら」
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ページ番号:924-636-121
更新日:2022年1月28日
練馬光が丘病院 総合救急診療科総合診療部門科長
新型コロナウイルス感染後に症状が残ったら
1 遷延する原因不明の罹患後症状(Long COVID)
2022年1月現在、私たちは新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミック(地球規模の流行)のまっただ中にいます。日本ではデルタ株による第5波についで、オミクロン株による第6波に晒されていて、日本人の約50人に1人がCOVID-19に感染したことがある状況です。このような中で、COVID-19に罹患・治療後も症状が遷延する後遺症、なかでも原因不明のLong COVID(post COVID-19 condition)が問題となっています。
2 新型コロナウィルス感染症の症状とその頻度は?
COVID-19の代表的症状は全身症状(倦怠感、関節痛、筋肉痛)、呼吸器症状(咳、痰、呼吸困難)、精神・神経症状(不眠、頭痛、意識障害、集中力低下)、消化器症状(腹痛、下痢)、循環器症状(動悸)、味覚/嗅覚障害に分けられます。これらの頻度は、デルタ株とオミクロン株で異なり、オミクロン株ではデルタ株に比べて、のどの痛み、咳といった呼吸器症状が多いのに対して、味覚・嗅覚の異常は少ないという図1のような結果が出ています。
3 どのくらいの頻度で症状が残るのか?
COVID-19の罹患後症状がどのくらい遷延するかという5波までのデータを図2に提示します。倦怠感、睡眠障害、集中力の低下、労作時呼吸困難、脱毛、味覚・嗅覚障害といった症状は10%程度の割合で罹患後6ヶ月まで残存することが分かっています。特に、生活に支障が残る強い症状としては、労作やストレス後の数時間~数日後に急激な強い倦怠感(だるさ)が出てしまう労作後倦怠感(post-exertional malaise, PEM)や、頭の中に霧がかかったように記憶力や集中力の低下が遷延するブレインフォグ(Brain Fog)が問題になっています。
オミクロン株では、ブレインフォグが感染後6-9ヶ月まで遷延し、デルタ株より多いかもしれないという報告がオックスフォード大学から出てきており、こちらも株によって影響が異なりそうです。
4 どういう時に受診するといいか?
これらの症状の多くは一般的には自然に軽快します。しかしながら、長く続く症状の中には、コロナウィルスに関連しない別の病気によるものもみられます。したがって、症状が治癒後3-6ヶ月以上経っても改善しない、もしく感染改善後早期でも生活に支障があるような症状の場合は、区内6か所の保健相談所で無料の相談窓口を設置してくださっていますので、受診について相談してみてください。
参考
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント(暫定版)」
お問い合わせ
健康部 健康推進課 健康づくり係
組織詳細へ
電話:03-5984-4624(直通)
ファクス:03-5984-1211
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