専門職のコラム「薬局は街の保健室～気軽に立ち寄り健康相談！」

街中に多くある薬局ですが、処方箋を受け取った時にしか利用しない方がほとんどではないでしょうか？“薬局＝調剤するところ”という印象が強いからかもしれません。

ここ数年、薬局の薬剤師は、様々な工夫をしながら、新型コロナウイルスと戦ってきました。感染拡大防止の観点から、受診を電話診療等に切り替える方も多く、処方箋は医療機関から薬局へFAXされ、薬剤師がご自宅へお薬を届けるなどの対応もしてきました。ワクチン接種では、取り扱いの難しい薬液の希釈や充填作業のため接種会場に出動、ワクチン接種後の副反応についての相談対応もしています。感染者の急増に対しては、抗原定性検査キットの提供や、陽性となって自宅療養をされる方にも、地域の医療機関と連携して、治療薬をご自宅にお届けし、薬の説明・服薬期間中の体調観察、医師へ体調経過等の情報提供を実施しています。新型コロナウイルス感染症に対しては、今後も手洗いや、状況に応じたマスクの着用などの感染予防が重要です。練馬区では予防対策にも、感染後の治療支援にも、多職種が連携して成果を上げていますが、やはり普段から健康で生き生きと過ごせているかどうかがカギになると感じています。

そもそも薬剤師とは、処方箋を受け取ってから関わるのではなく、なんとなく不調である、気になる症状があるが受診するべきかどうか、今後症状を悪化させないためにどうすればよいかなど、治療が必要となる前に、また健康を維持するために、気軽に立ち寄ることができる“街の保健室”でありたいと考えています。健康診断の結果についてもう少し詳しい説明が聞きたい、気になる症状に対して、市販薬で経過を見てよいか、体の機能の衰えに関して不安がある、現在服用している薬に関する疑問など、些細でも厄介なもやもやを解消するために、身近にお気に入りの薬局を持ち、気軽に相談できる体制を整えていただくのはいかがでしょうか？　区内で定期的に開催している、薬剤師会のお薬・健康相談会などのご利用もお勧めいたします。