平成27年1月31日 練馬の未来を語る会(第11回)
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更新日:2015年3月11日
区民の皆さまから、(仮称)区政運営の新しいビジョン素案や区政に対してご意見をいただきました。
区内4会場において、(仮称)区政運営の新しいビジョン素案の説明を行いました。計368名の方が参加され、ビジョン素案や区政について意見交換を行いました。会では、ビジョンに関連し、子育て、福祉・医療、環境、まちづくり、産業振興、行政改革など多岐にわたるご意見をいただきました。回答は、区長のほか、出席している区職員からも行いました。
1 開催日時
平成27年1月31日(土)午前10時~午後12時30分
2 場所
関区民センター 多目的ホール(関町北1丁目7番2号)
3 当日出席者
(1)参加人数・・・・・・・・94名
(2)区側出席者・・・・・・・9名
区長、副区長(琴尾)、副区長(山内)、教育長、技監、企画部長、企画課長
経営改革担当課長、広聴広報課長(司会)
区長挨拶
皆さん、おはようございます。本日は、お休みのところ、こんなにたくさんの方にお集まりいただきまして、感謝を申し上げます。ありがとうございます。
私が区長になってから9か月を過ぎました。早いものであります。 この間、何をしてきたか。皆さんにお約束してきた「改革ねりま」を実現する、そのために全力投球して仕事をしてまいりました。
まずは、区政の改革。 区政の改革を進めるために、積極的に情報も発信をし、何事も隠さない、また、マスコミにも積極的に発表して、そしてまた、こういう住民の皆さんと語る会も積極的にやっていく。
数えてみましたら、オフィシャルに呼びかけた会だけでも11回になりますけれども、そのほかのいろいろな小さな会合と合わせると、もう数十回になります。
私は、自分の言葉で語ろうと、書かれたメモではなくて、自分の言葉で皆さんと意見交換をしようと、議会でもそうですが、一貫してやってまいりました。今日もまたその延長で、ぜひお願いしたいと思っております。
私は、練馬区に住んで31年になります。練馬区は、まことに美しくて豊かなまちでありますけれども、まだいろいろと問題もある。このまちをさらに発展させて、より美しく、より豊かで、より魅力あるまちにして、未来の子孫に引き継ぐ。それは区長としての私の責務であると心から信じております。
そのためには、当面いろんな問題がありますけれども、決してひるむことなく、また動揺することなく、自分の信念に従って全力でまちづくりをやっていきたい。
ぜひ、今日は建設的で前向きなご意見をいただければと思っております。
これまで、この会も4回目になりますけれども、3回やってきた印象を率直に申し上げると、大部分の方は本当に一生懸命、建設的に議論していただきますが、必ずしも全員がそうではなかったのは残念に思っております。
今日はそうならないように、私どもも率直に話しますけれども、建設的で前向きで積極的なご意見をいただいて、意見交換ができればと思っております。
短い時間ですが、当方も率直にやりますので、よろしくお願いします。
主なご意見・ご要望と回答
- 参加者
子どもが保育園に行けないお母さんたちが、グループになって子どもを公園に連れてきて遊ばせているのです。待機児童はなくすのだと、そして、ちゃんとした教育を、未来のある教育をやっていくのだと、こういうことだけれども、現実はそうではないと思います。ぜひ考えてもらいたいということです。
- 参加者
区長さんのお話を聞いて、本当に勇気が出ました。すばらしい、本当に感服いたしました。すばらしいことをこれからやろうという信念を持って、少数意見でも区民のお話を聞いてくれるという、それに私は感動いたしました。今は、大学生の殺人事件とか、いろいろな問題がございます。イスラム国のそういう問題もございます。やっぱりこれは教育が原点だと思います。基本はやっぱり教育だと思う。私は、区長さんはそれができると思うのです。それはぜひともやってもらいたい。
- 区長
私は長い間、行政をやってまいりました。また、民間企業でも7年間働いてまいりました。一番嫌いなのは形だけの行政、形だけの計画であります。やる気もないのに、やったふりだけをする、アリバイづくりをする。そういうことは絶対に許してはいけないと思っております。
私は、できることを約束し、できないことはできないとはっきり申してまいりました。そういう意味で言えば、今度のビジョンは、私の実務経験を踏まえて、職員と議論しながらできることをお約束しております。
行政の努力はもちろんですが、都民の皆様、住民の皆様にご努力いただいて、例えば保育所一つとっても、高齢者の施設一つとっても、着実に進歩していると思います。それをさらに、練馬区についても現実化していきたい。これは、私がお約束した「改革ねりま」そのものであります。ぜひご理解とお力添えをお願いしたいと思います。
それから、もう1点、関連して少し言いにくいのですが、これまでの練馬区が良かったとは思っておりません。別に悪いことは何もしていない。一生懸命みんな仕事をしている。しかし、隠さなくてもいいところをわざわざ隠したり、もっと前向きに仕事をやるべきところをやってこなかった面があるのは事実であると思っています。区長になって決意をしたのは、全ての情報は公開し、こうやっていろいろな形で区民の皆様と議論を重ねて、そして仕事をしていこうと、そう思っておりますので、ぜひこの点もご理解いただきたいと思います。
励ましをいただいて大変心強く思っています。頑張りますので、引き続きご支援をお願いしたいと思います。
教育については、このビジョンにも取り上げておりますけれども、お話がありましたように、全国で胸を張れる、練馬区にしかできない教育行政をやっていきたいと思っていますので、ぜひお力添えをお願いします。
- 参加者
西武池袋線の高架が石神井と大泉間で切れてしまう。その先に地下工事をやって、大泉学園駅の西側を、穴を掘って埋める。それで、石神井とその間がどうしても遅れる。結局、大泉学園駅を高架にできないわけです。そういう計画的なものがなくて、そこで二重に金がかかる。大泉学園駅を壊して保谷まで本当はやらなくてはだめです。もっと計画性を持ってやってもらいたいということなのです。西武新宿線もこれからやるのでしょうけれども、区長を中心に、皆さん幹部方がしっかりとこの計画を立てて、おかしいなというようなことがないようにやっていただきたい。
- 区長
おっしゃるように、無駄をなくして効率的に計画的に進めることは、私の信条であります。そういう目で、現在、区政もチェックをしておりますし、来年度は必ず行政改革のプランをつくろうと思っております。いろいろな事情があってすぐはできませんけれども、来年度は必ずやる。それをぜひご理解いただきたいと思います。
- 技監
当時、大泉学園駅のアンダーパスをつくったときですけれども、あそこは駅直近のクランクの踏切で、ピーク時に1時間のうち50分ぐらい遮断されていたと記憶しています。この解決が、区政の大きい課題でした。それをどういうふうに解決するかということで、再開発事業を一つの手法として、あわせてアンダーパスをつくったのです。そのとき都市計画はどこまできていたかというと、石神井公園駅から少し西に行った外環の手前でとまっていました。ということは、そこから先の都市計画はなかったのです。ですから、将来の高架化にも影響しないようにということで、アンダーパスで都市計画決定したという事実があるのです。
今この時代になって、大泉学園駅の手前で今回はおりていますけれども、その先にもまだ踏切があります。そういったものの解消というのは非常に重要だと思っています。東京都は平成20年に、都内の踏切の中で遮断時間の多い、あるいは、交通量が多い踏切を、検討対象として計画をつくりました。その中の一つが西武新宿線の問題と、もう一つは、残されている大泉学園駅から西側の踏切の問題です。いずれも検討区間に入っています。
練馬区としては、ここ5年ビジョンの中では、まずは池袋線ではなくて新宿線の方から着手しようということで、まちづくりを中心とした取組は、まずは新宿線の残された区間をやり、引き続き、検討区間となっている大泉学園駅から西の方についても都に要望してまいりたいと、こういうような順番で考えております。いずれにしても、計画的に無駄のないお金の使い方をするということはご指摘のとおりでございますので、私どもも、今後も十分意を用いてまいりたいと思います。
- 参加者
2014年7月1日に閣議決定されました集団的自衛権の撤回を練馬区として政府の関係機関に求める。2点目は、小中学校の自衛隊職場体験の中止を要望する。理由です。
練馬区内には、二つの自衛隊駐屯地を抱え、1万人以上の国の宝である自衛官と、その家族の皆さんがお住まいになっております。昨年の7月1日以来、不安な毎日を自衛官が過ごしております。私のところにも多くの自衛官が相談に参っております。練馬区内では200名を超す自衛官が遺書を書き、棺桶まで所持してイラクに派遣されています。派遣前には家族説明会が駐屯地内で行われ、多くの自衛官の妻や母が泣きながら駐屯地を後にしました。このような光景が集団的自衛権の行使によって、近い将来、日常的になる可能性も予想されております。
非核都市宣言の原点に立って、非核都市宣言はこの館にもありますけれども、軍縮に向けて努力することを宣言すると誓ったはずです。
私は、防衛省に、中学生などの自衛隊職場体験の記録を情報公開させていただきました。
2012年度~2013年の2年間です。442ページにもわたりました。自衛隊の情報公開文書でございます。11か所の自衛隊駐屯地、基地などで、314日間、1,725人が参加しております。特に練馬区は大変多いです。ほとんどが練馬駐屯地です。その中で1年間の中学生の参加者は52人から171人と3.3倍に急増し、小中学校では71日間、48校、231人が体験入隊しております。この体験入隊の情報公開された文書を見ますと、リクルートが書いてありました。そんなことがあってはならないのだと思います。
ぜひ、覚悟を強いられる自衛官だということを心に刻んで、前川練馬区長の、練馬駐屯地、朝霞駐屯地を抱える、非核都市宣言を原点にした平和憲法の精神に伴って、練馬区の将来を見据えた軍縮の推進に積極的な役割を果たすべく、平和施策の方向性を明らかにしてください。
- 副区長(琴尾)
確かに、この集団的自衛権については、さまざまな議論がなされているということでございます。練馬区としましては、お話にあった平和ですけれども、これは今回のこのビジョンの素案の中でも、施策の体系の中で「平和と人権の尊重」というのを掲げております。今回まとめたこのビジョンを実現する上での基盤として、社会が、世界が平和であるということが大前提だということでございます。
これまでも区としては、先ほどお話ございました非核都市宣言をし、区長が平和市長会議等に加盟して、自治体と連携した、平和への取り組みというのをやってきております。これは引き続きやっていくということです。見解に異なる部分はございますが、平和を尊重して区政を推進していく、この姿勢は堅持していくものでございます。
- 教育長
職場体験は、そもそも子どもたちが教室で学ぶのではなくて、実際、自分の親たちがいろいろな社会で働いている、その現場を体験して、自分自身がそれを経験することによって、さまざまな達成感ですとか、あるいは仕事の意義を学ぶということでやっているわけであります。その中に、さまざまな商店、事務所、事業所がありますけれども、私は、自衛隊が職場体験の行き先としてあることについては、何ら問題はないと思っています。もちろん自衛隊は、普通の商店とも事務所とも違いますから、そこでどのような職場体験を行っているか、この中身が大事だと思っております。
この自衛隊の職場体験については、調べさせていただきました。先ほど体験入隊というようなお言葉がありましたけれども、実際は、災害救援ですとか、そういうことを座学として学んだり、一緒になって体操したり、また、自衛隊のさまざまな装備を見学するという中身でありました。私としては、特に子どもたちが自衛隊に職場体験をすることについては、問題はないと考えています。
- 参加者
光が丘から保谷の方に地下鉄大江戸線が延伸されるという問題は、大分昔から、ずっと話は聞いている。なかなか実現しにくいいろいろな問題があるのだと思う。その障害になっているのは何か、どういう問題なのかということをまず一番にお尋ねしたいのと、これからどうされるのかをお聞きしたい。
- 区長
大江戸線の件でありますけれども、これは、私もずっと使っておりましたし、光が丘に住んでいますから十分わかっておりますし、区長に立候補するときに、これは公約に挙げるか、自分でも考えて、また、検討もしてみて可能性があると、それで公約に挙げたのです。
何が障害になったかといいますと、こういう問題は実務的に進めなければできないのです。特にこの場合は都です、あるいは国、実務担当者がその気にならなければできるわけはないのであります。これまで、区はいろいろな形で要請してきましたけれども、それが都の実務担当者レベルに届いていたかというと、全く届いていないのであります。それは事実ですから申し上げます。私は、東京都におりました。現在の担当の局長以下、よく知っておりますので、彼らの感覚もよくわかります。何が問題か。一番の問題は、当然ながらコストであります。それはそうですよね、赤字が続いたのでは、すぐ経営できなくなって破綻してしまいますから、長い間、コストが維持できるものでなくてはいけない。
そのためには、一つは、我々区としても沿線のまちづくりを進めて、例えば、いろいろな都市サービスであるとか、あるいは事業に従事する方を増やして、納税者を増やすとか、そういった形で、まちの発展を実現しながら税収も増やして、都にも貢献する形が必要だし、直接、場合によっては、都の財政からもご理解をいただいて、応分の負担をする必要もあると思っています。平成27年度予算案でも、これから議会でご審議をいただきますが、大江戸線についての積立基金を増やすことにしております。今後も、都との話し合いの状況を見ながら増やしていきたいと考えています。
これからどうするのかですが、今お話ししたような状況ですから、私どもは、東京都の実務レベルと区の実務レベルとで話し合いの場をつくろうと思って努力してまいりました。都の副知事とも話をしましたが、その実務検討の場が発足しましたので、これから具体的に、形だけの議論ではなくて、願望ではなくて、確実に進むと私どもは考えております。
- 参加者
区長さんにお願いしたいのですけれども、うちのところには遊園が二つあるのです。そこにスピーカーをつけて、毎日、地震がどこへ来たとか放送していただきたいのですけれども。スピーカーが全然ついていないので、これから地震があると困ると思うのです。それで、地震があって、スピーカーで今日はどこそこに地震がおきていますと放送をしてもらいたいのです。
- 区長
これは、当然、できることだと思いますから、後で説明させますけれども、必ず実現するようにいたします。
- 技監
防災の放送塔です。区内では聞こえにくいところがありまして、現在、その調査をし終わったところです。これから、災害に強いまちの地域の方々への情報提供ということで、近くの遊園にできるかどうかは別として、放送塔から声が聞こえるようにします。流す情報については、さまざまなご意見を伺いながらやっていきますけれども、練馬区全域で緊急の防災の場合の音がきちんと聞こえるようにというのは、このビジョンの中で実現してまいります。
- 参加者
都市計画道路の千川通り補助229号線というのが、今は青梅街道まで整備が進められてきておると思います。それから先のところです。そこには、江戸時代に整備された千川上水という貴重なものが残っておるわけです。その千川上水を挟んで、都市計画道路が計画されております。武蔵野市と練馬区のちょうど境目のところですから、これは非常に大変難しい事業かと思いますけれども、「魅力あるまちづくり」というふうにうたわれております。そういう中で、この千川上水の整備について、どのようにするのかというようなことが私は非常に大事ではないかというふうに思っておりますので、その点をお聞かせいただければと思っています。
- 区長
時期の問題だと思いますけれども、担当の技監の方から説明をさせます。必ずできるようにしていきたいと思います。
- 技監
今つくっているところが、青梅街道まで、これが計画幅員が20メートルなのです。そこから先は、計画幅員40メートルなのです。千川通りの上流、五日市の方に行くと、千川を挟んで、道路がつくられて整備されているところがありますよね。そういうイメージで都市計画としては幅がつくられているのだろうと、私どもは理解しています。千川上水は歴史的なもので、開渠になっておりますし、東京都が、水の再生ということで今も水を流していますので、なかなか、ああいう自然的な環境が残せるという場所は少ないのです。時期的には、いつごろというのはまだ言えませんけれども、道路幅員の計画区域まで、潤沢な都市計画となっておりますので、整備に当たっては、引き続き、再生していくという方向で実現していけると考えております。
- 参加者
ビジョンの中で、エネルギービジョンを再生可能エネルギーというような方向で、「地域分散型」と区長さんもおっしゃっていますが、こういう方向に向けるような取り組みをぜひやっていただきたい。練馬区は再生可能エネルギーを主体に持っていく、教育からもそうだ、生涯教育もそうだ、練馬区から発信するエネルギー教育ということを、ぜひ、やっていただきたいというふうに思っております。例えば、スマートハウスというのは、見える化というところからきているのです。各家庭の見える化に補助金を出す。これを「見える化」というようなことで、子どもたちに省エネの大事さということを伝えるような取組をやっていただきたい、こういうふうに思っています。
資料のつくり方に注文したいのですけれども、例えば、昨年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」、あるいは東京都の資料はみんな西暦なのです。西暦なのに、ここに来ると、全部、「平成」になってしまうのです。括弧で西暦をつけるとか、西暦で平成をやるとか、資料のつくり方に、国との整合、都との整合をつけてほしい。
- 区長
実は、私は東京ガスに7年間おりましたので、エネルギービジョンについては東日本大震災のはるか以前から、これは絶対に必要だと思って努力してまいりました。
今回、書いたのは、思いつきで書いたのではなくて、そのときの体験を踏まえているわけです。今は電力会社が独占的に地域を分割して、大きな発電所をつくって、例えば新潟から発電効率30数%で電気を送って、大都市を明るくする、これは基本的には大変な無駄であると思っています。そこで、地域分散型と言ったのはなぜかというと、一つは、技術革新があります。小型の、例えばガスを使用したガスエンジンとか、ガスのいろいろな形の機器で簡単に発電ができるようになった。地域の中で、大規模な電力会社の独占を許してきたのは、コストが一番大変なので、そのためには独占を許さないとできなかったのですけれども、技術革新が進んで、必ずしも電力会社の独占によらなくても電力が供給できるようになってきたことが一つ。それから、情報管理技術が飛躍的に進歩した。スマートエネルギーシステムをつくって、それを運営することが現実にできるようになってきております。そこで、私は、東京ガスに行きましてから、そういった現実を目の当たりにして、東京都にも働きかけ、国にも話をして、地域分散型エネルギー社会をやるために頑張ってくれという話をしてきたのですが、なかなか聞いてもらえなかったのです。
ところが、大震災があったら、今度は打って変わって、これが正義になった。とにかく、全体がそうなった以上は、私どもは、今申し上げたように思いつきでやっているわけではありませんので、再生可能エネルギーも含めて、スマートハウスも含めて、練馬でなければできない地域分散型のエネルギー社会のビジョンをつくって全国に発信していきたいと、そう思っております。
西暦の問題は、いろいろなご意見もおありでしょうけれども、今までの練馬区のルールでは、「平成何年」と書いて、その後に西暦を入れるというルールでやってきているようであります。これについては、またご意見があったらお聴かせいただければと思います。
- 参加者
認証保育所は、今度の4月から実施されます国の「子ども・子育て支援新制度」に全く位置づいておりません。充実してきた認証保育所制度ですが、国が位置づけていないということで、早々とはしごを外された感じがして、私ども、保育所の保護者、そして、働く者は大変な不安の中におります。また、練馬区が、希望する認証保育所は認可保育所に移行できるという補助政策を打ち出してくださいました。ただ、その期限が、もうこの3月31日までに手を挙げなければだめだということになっています。この認証保育所制度がどのぐらい続いていくのかということによって、事業所や保護者の判断というのも大きく左右されます。区ですとか、そういうところで、この制度について詳しく聞きますと、まだ都がわからないからとか、国の施策に位置づくかどうかまだわからないからといって、「まだわからない」ということを行政の担当者さえおっしゃる中で、この3月31日までに手を挙げなければ移行できないということは拙速ではないかと思いますので、期限を、ぜひもう少し延ばす方向で考えていただきたい。
現在、認証保育所で子どもを預けている親は、大変高い保育料を納めているのが現状です。認可保育園の何倍にもなります。そこで、練馬区は、この親御さんたちに、直接、保育料の補助をしていただいておりますが、それにしても格差がなかなか埋まらないということで、保護者への直接の保育料補助をさらに充実させていただきたい。保護者だけではなく、事業所そのものに対しても、施設運営に対する直接の補助をお願いしたいと思います。
「練馬こども園」についてです。先日、事業者宛に説明会が開かれまして、私も参加させていただきました。そのときに、この制度は、2歳で認証保育所を出たときに、3歳の壁がある。認証、認可には入れないということで、行き先がなくなってしまう子どもたちの救済策というか、そういうところで私立認可幼稚園で延長保育をやるところにうまくドッキングさせることで双方のメリットを生かす新しい制度だと聞いておりますが、その際に、具体的にそこで行き場がなくなる子どもの実数はどれぐらいなのかという会場からの質問に対して、たしか数名、10名以下だったと記憶しております。この点について、どれぐらいの実効性を、今、考えていらっしゃるかについても質問させていただきます。
- 区長
認証保育所をそもそも発案してつくったのは、都にいたときの私でありますが、これの基本的な発想は、行政が一方的に利用者の需要を推し量って、一方的にサービス内容を決めていく、それは基本的におかしいとずっと思っていました。
私が、都に入ったのは昔の民生局でありますが、障害者福祉センターというところに入って、何か、行政が上から障害者の皆さんにサービスのコースをつくって、それを選ぶのが当たり前みたいな感じがあって、これはおかしいなと。基本的に、住民の方がいろいろなサービスを選べるようにすべきです。そして、同時に、そのサービスは、まだ日本では公の方が民間よりもいいような通念がまかり通っていますけれども、民間の方こそが、自分のいわば存在をかけて、創意工夫をして頑張っていらっしゃるわけで、そのサービスへの情熱を生かさないというのは極めて不当なことであるとずっと考えてきました。そういったことを総合して、認証保育所をつくったのであります。これについては、国がどうであれ、都がどうであれ、私も練馬区長になったからには、必ず堅持していきたい。必要な補助もしていきたい、そう思っております。
それから、職員が、対応がわからないと答えた。これはとんでもない話だと思います。練馬区はそれがよくないのです。職員に、私は口を酸っぱくして、国がどうであれ、都がどうであれ、自分たちがこうするのだという姿勢をまず持てと、その上で、できないからこうすると言えばいいのですけれども、いまだに、まだそういう職員がいるというのは、私は怒りを覚えております。そういった区役所でないように、これからやっていこうというのが私の念願であります。すぐにはできなくて大変残念ではありますけれども、ぜひ、ご理解をいただければと思います。
保育料の問題もありましたが、私は、これについては、認証保育所だけではなくて、認可保育所も含めて、それから全体にほかの保育施設も含めて、保育所の待機児をどうしていったらいいのか、これは考えるべきであろうと思っております。サービスというのは、安ければいいというものではありません。ただだったらいいというものでもありません。社会資源の配分を適切にする体系をつくらなくてはいけない。来年度以降に取り組みますが、行政改革の大きな課題であると思っております。
それから、「練馬こども園」につきましても、いわゆる3歳の壁というものは、なくしていくべきでありますので、認証との連携については、対象の方が何名でも必ずやっていきたいと、そう考えております。
- 参加者
入口で配られたビジョンのところに、2冊あって、「構想編・戦略計画編」とあるのですけれども、違和感があるのは「戦略計画」という言葉なのです。戦略というのは、もともとは軍事用語で、敵と戦うための裏の作戦みたいなことなのです。それを行政で使うということは非常に問題があると私は思います。言葉一つとっても姿勢が伺われると思いますので、「敵を打ち負かす方法」というのが戦略の意味だと調べたのですけれども、これは、ぜひ、変えていただきたいなと思います。
- 区長
ちょっと私はびっくりしたのですが、そういうふうにお考えの方もいるのかなと。というのは、ここ何十年も、国も都も「戦略」という言葉を使ってきております。
「Strategy」という意味で、「戦術」に対して「戦略」と、そういう意味で使っていて、何も軍事用語で使っているのではありません。「戦術」というのは具体的に、ここの目の前にある個別のことをどうしようかという話でありますけれども、「戦略」というのは、大きな構想のもとに、この社会をどうしていこうか、この行政をどうしていこうかという発想であります。ですから、これは、軍事用語に限らず、欧米も含めて、今、日本でも普通に使っていると思っておりますので、これについては、ちょっと賛成いたしかねるのであります。申しわけありません。ご了解いただきたいと思います。
- 参加者
戦略計画編の「としまえん」が都市公園になってしまうということで、具体化がいつなのかということで、平成32年度までに事業化とあるのですけれども、これが本当にそうかどうかというのを知りたいのです。というのは、地元でも、うわさレベルというか、新聞報道でも進んでいないというふうにしているので、具体的な計画を教えていただけたらと思います。
- 技監
東京都内には、道路も公園も、都市計画はしたけれども、一体いつになったらやるのだという、そういうことがいっぱいあるのです。それで、都市計画公園の中で、平成32年までに優先的に整備に着手する箇所を東京都と区で決めました。その中に「としまえん」が入っているのです。だから、今すぐということではないのですけれども、優先的に「としまえん」は都市公園として整備していきます。特に防災、あるいは水とみどりのネットワークの公園として整備していこうというような方針が出されております。区としては、それに加えて、さらにこのにぎわいの空間というようなことも含めて考えていきます。これからの都の動きに合わせて、区民、あるいは議会の意見も聴きながら、意見を述べていきたいというのがビジョンの考え方です。
- 参加者
駅には、通勤する方だけではなく、周りの商業施設に大勢買い物に来たりすると思うのですけれども、大泉学園駅は自転車の駐輪スペースが少ないなと感じています。特に、アンダーパスができた後、ライフの前に大きな駐輪場があったのがなくなって、では、どこにとめればいいのか、なかなか見つかりませんでした。買い物に行ったときにちょっととめておける駐輪場というのを、まちづくりをするときに、ぜひ、考えていただきたいなと思います。西武新宿線が何とかなった後は、ぜひ、保谷駅まで高架の鉄道を通して、南北のまちの行き来がしやすいようにお願いしたいと思います。
都市計画道路の、特に補助135号線というのは、大泉第二中学校は私の母校なのですけれども、そこの校庭を突っ切る道路がありますよね。計画がとてもずさんだなと思ったのは、学校を建てる前に、まだ、あの辺は新興住宅地で、その後で東京都の都営の住宅だとかが建っていたので、土地交換がなぜできなかったのだろうと私などは思うのですけれども。ぜひ、今の状況に応じた改善策なりを考えて、都市計画道路60%という目標に余りとらわれないでやっていただけたらなというふうに思っています。
- 区長
道路はこのビジョンでも書いておきました。練馬区の一番の問題は、特に西部で都市計画道路の整備が遅れていることであります。道路ができなかったらどうなるか。震災が起きて、火事が起きても消防車が入れない。あるいは、緊急対応車も入れない。あるいは、日々の生活でもいろいろと問題あるわけです。ビジョンに書きましたように、道路について、整備の発想を変えようというのは、これは、私は本気であります。道路をつくることで、むしろ環境をよくし、みどりを増やし、自転車道を増やし、歩道を増やす、そういう社会をつくっていきたいと思っております。一挙にはできませんが、その方向に向けてやっていく。状況に応じて改善をしていくというのは、これも当然であると思っております。
ただ、これまで区がやってきたことを全面的に私は認めているわけではありません。どこがどうとはここでは言えませんけれども、区が取り組んできた道路整備も間違っていたことはあります。私の方から明示して、直すべきところは直す。それはまたご相談しながら、させていただきたい。決して、これまでやってきたことをそのまま、それが正義であるとして踏襲するつもりはありませんので、そこはぜひご理解いただきたいと思います。
- 参加者
「みどりあふれるまちづくり」という、このイメージがとてもいいなと思っています。先ほど出た千川上水を初め、石神井川とか、白子川とか、みどりと水辺をつなぐようなネットワークをつくっていただけると、自転車のポタリングも楽しい、そして、まち歩きも気持ちよくできるのではないかなと思っています。さらに、今、通学とか、通勤で自転車を使っている方の自転車レーン、こういうのも少し考えていただけたらと思います。自転車通勤とかはエコになると思うのですけれども、そういう生活スタイル、あるいはそういうことも考えて、これからの時代、自転車レーンの改善もしていただきたいと思っています。よろしくお願いします。
- 区長
みどりと水をつなぐルートをやるべきだというお話がありました。これは全くそうだと思っております。このビジョンの中で、いろいろな形で、ポタリングであったり、散策ルートであったり、つくっていこうというのは、練馬区だからこそできる大きな魅力であります。これは、お話があったように、できれば通勤にも使えるようにしていきたいし、そういう形で整備していこうと。理想としては、区の外からも皆さんが散歩に来るとか、そういったまちにしていければなと思っています。今日言って明日できませんけれども、そういう仕掛けを埋め込んでおいて、たとえ何十年かかってもやっていく、そういう決意をしております。
- 参加者
今現在、広報で発表されているのは71万なにがしかの人口ですが、今後5年間を、どういう人口推移を見てこういったものをお考えなのか。その人口推移と合わせて、財政というものが当然あるのですが、この18項目に挙げているものをどのように進めていくのか。そういった具体的なものは、また資料として配布されるでしょうけれども、ぜひ、お願いしたい。東京は人口が減らないという形で言われていますけれども、どういうふうになっていくかというのが気になって、その点をお伺いしたいと思います。
- 区長
これはおっしゃるとおりでありまして、これからの練馬区の人口がどうなっていくか、それから、このビジョンをやるための財政力があるか、これは基本中の基本であります。私は、東京都の総合実施計画とか、長期計画をつくってまいりました。都では、経済モデルをつくって、これからの人口の推移と経済の推移とGDPの推移、それから、それに伴う財政力の、財政負担の推移を見て、それで計画が実行可能かどうかを判断して、計画を各年度にはめ込んでやってきました。練馬区でも私は同じようにしたいと思っておりますが、ただ、残念ながら、経済モデル自体は区という単位ではできないのです。統計上、不可能なのです。ただ、そうは言っても、放っておくわけにはいきませんから、白書編をつくっておりますので、白書編の中で、人口の推計や、財政の分析もやっております。そこは、ぜひ、ご理解をいただきたいと思っております。
- 副区長(山内)
ビジョンは、昨年12月に素案として発表いたしました。今、議会、あるいは区民の意見をいろいろと聴いているわけですけれども、この議論を踏まえた上で、3月末までにはビジョンを確定したいと思っています。同時に、このビジョンを実現する具体的な事業、それから財政的なフレームを平成27年度、平成28年度、平成29年度、3か年の実施計画という形でアクションプランを今、作成しております。それを2月初めぐらい、もうすぐですけれども、素案で発表したいと思っております。3月中にご意見をまたお聴きして、そのご意見と、統一地方選後の議会でのご意見もいただいて、6月中にアクションプランを確定したいと思っております。そういうスケジュールを今考えております。
- 参加者
今日、こうやって皆さん、いろいろと具体的な事例を挙げておられるのはわかるのですけれども、何か、こういったオープン広場というか、毎月はとても無理な話ですけれども、ところどころで、こういった広場、自由に発言できる場面をぜひとも設定してもらいたいと思います。
- 区長
それは私の念願でもありまして、区長に就任以来、冒頭にお話ししたとおり、何十回もこういう会を、こんなにオープンで呼びかけていなくても、いろいろな形でやってまいりました。今後とも、これは続けていきたいし、できれば、制度化できればいいのですが、ただ、前提があります。ぜひ、今日の集会のように、建設的で積極的なご意見をいただきたい。あえて申しますけれども、ただ一方的な住民参加、つまり自分たちがあることに反対だから、それを聴くのが行政だと言われたら、それはちょっと困るのでありまして、私どもは全体の利益を踏まえて仕事をしておりますので、私どもの考えをご説明して、また、ご異論があったら出していただいて議論する、そして、お互いに納得をすると。私に、問題があることがあったら理解させていただきたい。いくら聞いても理解できないことは、これは無理でありますので、ご理解いただきたいと思います。
- 参加者
国の方は、児童福祉法第24条1項に、市町村自治体は、保育が必要な場合には子どもを保育しなければいけないという規定があります。保育の実施義務というのが自治体に課せられています。「練馬こども園」をつくっていくということと、国の法律で定められている自治体の実施義務、この関係はどのように考えているのでしょうか。計画2に認可保育園を充実させていくという記載をした方が整合性があるのではないかというふうに思うのですが。
計画3にある「ねりっこクラブ」についてです。これまでの説明だと、当面、学童クラブは残しますよということで説明がありました。ぜひ、この「当面」という言葉を取って、「学童クラブは残します」ということをきちんとこの計画の中に記載していただきたいと思います。
- 区長
児童福祉法第24条のお話でありました。私は、都に入って、最初に従事したのが心身障害者行政、その後、児童福祉行政を数年間やりました。児童福祉行政については、特に保育所については、整備も担当し、また、法解釈も担当してやってまいりました。
第24条1項のそういう解釈を聞いたのは初めてであります。第24条で言っているのは、そういう意味ではありません。当時は、保育に欠けるという要件がありましたから、保育に欠ける児童にちゃんと対応しようといっているだけでありまして、全部を認可保育所に入れるという、そういう解釈は全く成り立ちません。それは、断言しておきます。
「ねりっこクラブが当面」と、どこに書いてあるのですか。学童クラブをなくす気は全くありません。ねりっこクラブの中で、学童クラブを残して運営していきます。誤解はしていただかないようにお願いしたいと思います。
- 参加者
白子川の源流のところは、区立大泉井頭公園、ここの整備計画は、東京都の計画が出ております。地主さんの問題とか、もろもろあって、まだまだ先かもしれませんけれども、ここの整備をするに当たって、いわゆる住民参加という形は、いろいろな濃度があると思いますけれども、行政の方々、専門家の方、それから住民、できればこの三位一体で検討委員会というものをしっかりつくっていただいて、それで長い時間をかけて案をつくっていくという形ができたらすばらしいなというふうに思っております。
- 技監
白子川の緩傾斜護岸については、東京都の事業に当たり、検討委員会を設けてきた経過がございました。今後とも、都市公園については、地域の方々に管理していただかなければいけないような場面が非常に多く出てまいります。したがって、これからも工夫しながら、地域の方々の声をどのような形で取り入れられるかということについては意を用いてまいりたいと思います。
- 参加者
図書館のことについてお話をさせていただきたいと思います。練馬区は、みどりあふれるまちであると同時に、文化あふれるまちにしたいと思っております。やはり文化的環境がそろっておりますと、人様の羨望というか、ここに住んでみたいなという気持ちになられると思うのでございます。実は、この今回のビジョンの中に、図書館の「と」も載っていないのです。構想編に12館ある図書館が載るべきだと思うのですが、欠落しているのです。この点についてご質問したい。
- 区長
自分も図書館を利用しておりますし、図書館を軽視する気など全くありません。ただ、ご理解いただきたいのは、ビジョンは全てについて細かく書いているわけではないのです。確かにおっしゃるとおり、図書館が抜けているのは事実でありますから、必ず入れるようにします。
- 参加者
みどりあふれるまちの道路とおっしゃいますけれども、この道路問題についても全然対話してくださらなかったのですよ。それをご存じでしょうか。それから、この道路行政がどうしてこういうふうに、だらだらと、大体、都市計画は1966年です。皆さんは外環本道が地下に行ったということで喜んでいた。練馬区は、みんなが道路について書いた外環の2についてのパブリックコメントを2年間放ったらかしていたのですよ。それで、去年慌ててやって、それも、しかも賛成とか反対は関係ないと言いながら、反対の方は「その他」に入れてしまって。賛成だけで。ぜひ、ちゃんと歴史を見ていってください。
- 区長
私は前の集会でも申し上げました。東京都が一番失敗をしたことは何か。関東大震災のときと終戦のときであります。つくるべき道路をつくらなかった。そのために、環状7号線にしても、環状8号線にしても、整備するのに大変な労力と時間を要したのであります。まちづくりというのは、将来の世代に引き継ぐために、たとえ、当面、多少の困難があっても、ぜひ皆さんにご理解をいただいて、必ずやっていかなくてはいけない。外環の2がそういった道路の一つであると私は確信しております。今後とも、全力を尽くして、都と一緒に頑張って整備してまいります。
- 参加者
今、特別養護老人ホームに入りたくて入れないという待機者が、昨年で2,600名いるということなのですね。これについてビジョンはふれていないのです。前にも介護・医療事業の説明会があったときには、要介護の1、2を対象にしない、3以上を対象にするということを述べましたね。まさに1、2の方、また、要支援の方、そういう方を切り捨てにしていく。そういう方を対象にしないで、通院と訪問のシステムをつくるということで、それで解消してしまうというふうなことはちょっと違うのではないかと思います。
民営化、高齢者相談センター、そのもとに介護システムをつくっていくと。民間の事業者に委託するということは、区でそれは管理していく点での責任はあるでしょうけれども、実際の中身において、やはりその事業者のレベルがどうなるのか。今は、そうではなくても、社会的にも介護施設で働く労働者が少なくなっている。そういうところに、区から責任を持って頼むということはとんでもないことではないかと思うのです。やはり区が責任を持って、これから高齢化社会が来るというのであれば、国がやるからと、区がそれに見習ってやるのではなくて、国がやることに対して「おかしいぞ」というぐらいの気迫を持っていなければおかしいではないですか。それをやらないで、言われた方向で進めていくなどということはとんでもないことだと私は思います。
- 区長
特別養護老人ホームの待機者の問題でありますが、これは当然、あることは百も承知であります。そのために、特別養護老人ホームも増設をするし、施設もつくってまいります。それをビジョンに載せていないのは、いわば経常化された計画であるからです。これからアクションプランをつくりますから、その中には入れますし、当然、予算をつけていきます。全部の問題をこのビジョンに入れているわけではありません。例えば、認可保育所の増設についてもこの中に入れていませんけれども、アクションプランでは必ず入れます。当然のことであります。
それから、2点目。民営化がけしからんということ。また、国の言いなりで、けしからん。これは全くおかしいですね。私は、国や都の言いなりになってはいかんと言っているのです。職員にも言っているし、自分にも言い聞かせている。区独自の判断をするのであります。それから、民間事業者があたかも敵であるかのような発言をされている。これは極めて奇妙な話であります。私は、区の職員も頑張っているけれども、民間の事業者も頑張っていらっしゃる、それを支援するのは行政の大切な責任であると思っています。
- 副区長(山内)
特別養護老人ホームに今現在、要介護1、2で入っておられる方、その方たちが出ていくということではありません。今度、新規に入られる方については、特別養護老人ホームについては、原則は要介護3以上ですが、特に要介護1、2であっても特別養護老人ホームに入った方がよろしいという方については、これからも入れるわけでございます。それから、練馬区については、特別養護老人ホームの整備率、整備の状況というのは、23区で基本的には1番です。今後についても、特別養護老人ホームは、向こう3か年、第6期の高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画を今つくっているのですが、その中でも整備は続けてまいります。
区民の方自身のご希望でも、在宅で最後まで暮らしたいという方が非常に多いのです。今回、このビジョンの中でも、地域で高齢者を支えるという地域包括ケアシステムを確立していこうということで、住み慣れた地域で最後まで暮らせる、あるいは生活できるということのために、どういう支援を行ったらいいか、その支援の中身を、例えば、街かどケアカフェとか、在宅生活支援サービスの充実とか、そういったものを考えています。向こう3か年のアクションプランとして事業計画を今つくっておりますので、ぜひ、それを見ていただきたいと思います。
- 参加者
この地域には、もうすぐ70周年を迎える伝統校があるのですけれども、10年以上前にPTAと生徒が主体になって、子どもたちが主体的に、自分たちの服装も含め、学校運営を決めていくということで行っている学校なのです。それが、新しい校長先生が去年の4月から入られてから、今までずっと地域で守っていた校風が少し変わろうとしているということがありまして、実際にちょっとがたがたしているということがあります。教育というものは一番大事なことです。子どもたちが自主性を持って活動する学校の校風というものを守っていきたいと思っておりますので、区長にも気にかけていただきたいと思います。教員の育成というものもとても大切ですけれども、やはり管理者というもの、練馬にふさわしい方を東京都の中で確保するという意気込みをこれからもしていただきたいと思います。
- 参加者
この学校は34校中、唯一の自由服ということでありましたけれども、そこの基本には自由と自治という校風があります。練馬区では唯一ということで、私たちの学校にいらっしゃる先生方には見なれない自由服ということで、どういうふうな校風なのだろうということを、教員として生徒と向き合いながら、学校の校風、伝統を重んじて指導に当たってくださっています。そのような伝統ある校風が、平成26年の4月から新しい校長先生に変わられて、その伝統を重んじてきた教育がちょっと別な方向に崩れていっています。練馬区で子育てができてよかったと思っている私の気持ちをまたつなげていただけるように、この学校にも関心を持っていただきたいと思います。4月からの問題におきましては、教育長も大変耳を傾けてくださり、一生懸命考えてくださっておりますので、区長にも教育長にお力をいただきたいと思います。
- 区長
お話の趣旨はよくわかりました。私も、個人的には自由が好きでありますので、何も異論もないのですが、ただ、これは申しわけないけれども、個別の問題であります。私は聞いておりませんし、先ほどお話があったように、教育長がよくやっていますから、教育長と相談して、ちゃんと対処していきたいと思っております。
- 参加者
学童クラブは、言うまでもなく保育事業です。保育事業とひろば事業を統合するというご説明でしたけれども、統合されるということで、非常に保護者として不安を覚えております。そもそもこの話自体を保護者の間で知っている人がほとんどおりません。今後どのように説明していただけるのか。どのように保護者の合意を図るおつもりなのか、計画がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
具体的にどのような統合をされるおつもりなのか、いたずらに民間委託化を進めたり、あるいは指導者の条件を緩和したりされるのではないかということで、父母会の間でもこれは議論の対象になっております。保護者としては非常に不安を覚えております。具体的な計画、あるいは方向性があるのか、今現在、決まっていることがあればお聞かせください。
- 教育長
今、学童クラブが置かれている状況は、とにかくこれからは6年生まで見ていかなくてはいけないということ、あるいは、保育園で待機児が増えている。つまり、保育需要が増えている。それがそのまま上がってくるわけですから、学童クラブも需要がますます増えてくる、そういうような状況です。一方で、ひろば事業を学校応援団の皆さん方に協力いただいてやっている。これも、子どもたちの大事な放課後の居場所づくりの仕事です。こういう子どもたちを放課後どうやって過ごしてもらうかということ、これは今までの枠組みではもう立ち行かないというふうに考えています。
したがって、新しいビジョンの中で、新しい方式として、学童クラブと今までのひろば事業を一体的に運営していく。そのような新しい枠組みをつくっていくのだということで、今回お示しさせていただいております。先ほど区長からもお話がありましたけれども、学童クラブとひろば事業を融合してしまう、そういうことではなく、それぞれの機能は生かしていくということ、これは、はっきりと申し上げさせていただきたいと思います。
ひろば事業は、学校によっては、応援団の皆さん方の人材の確保等の問題で、必ずしも、毎日、月曜日から金曜日まで子どもたちを預かっている、そういうわけではありません。したがって、そういうことを何とか解消して、毎日、しかも夏休みもきちんと子どもたちをひろば事業で預かれるようにする必要があります。そのときに、例えば学童クラブの事業を行っている事業者が一緒になって子どもを、学童クラブもひろば事業も一緒になってやっていくことができるのであれば、そういう新しい枠組みをつくっていきたいと考えます。しかも、学校の中でそれをやりたい。これは新しい発想だと思いますけれども、今回の「ねりっこクラブ」の考え方の柱というのは、まさにそこにあるわけです。
予定では平成28年度に3校ぐらいから、「ねりっこクラブ」をやっていきたいと思っています。その際には、当然、保護者の皆さん方に説明させていただきますし、ご意見もいただきたいと思っております。
- 参加者
バス停に、高齢者の方が座れるような椅子をつくっていただきたいなと思います。練馬高野台駅ができまして、高齢者の方がバスをつらそうに待っているのを見かねてか、ぼろっちい長椅子を誰かが置かれたのです。それが大分古くなってしまって、本当にみっともない形になった。これはみっともないよということで、2年ぐらいたちましたかね、それがなくなりました。椅子が置けるような場所には、バス停に椅子を置いていただいた方がよろしいのではなかろうかというふうに思います。その土地がバス会社の土地であっても、区から簡易の屋根と椅子を置いていただきたいなと思っております。高齢者用の椅子だということがはっきりわかるような形の、体裁のいい椅子を二、三個でもつくった方がいいと思います。
- 技監
バス停の件ですけども、ご利用なさっている方々はそのようにお思いになると思います。なぜこういうことになっているかというと、バス停は、道路にバス会社が占用してつくっているものなのです。今後は、利用者に立ったもののつくり方というのは、行政側も考えていかなくてはいけないのだろうと思っております。バス停に物理的に歩道があるか、歩道があったとしても空間があるか、さまざまな条件があると思います。行政が手を出し得るかということもありますので、これからも検討していきたいと思います。
- 参加者
「止めよう外環の2」の会員ですが、区長のお話の中で、強力に「つくるぞ」というような感じを私は受けたのですが、石神井台の町民の約90%は反対です。無駄遣いだということで、地下に入った外環道のなぜ上につくるのかという意見がもう90%以上です。無駄遣い、今回の費用は幾らかかると思いますか。南北の道路が必要ならば、もうちょっと既成の道路を拡張すればいいではないですか。密集している住宅地にわざわざブルドーザーで入り込むのですか。
我々は、5、6回、区長にお会いしたいということで申し入れているのですけれども、区長の今の積極的なお話だとすぐ会ってくれるのかなと思っていましたら、今回は機会がありませんのでということのお返事がずっと続いています。なぜ、お会いできないのですか。そのお答えをお願いします。
- 区長
外環の2は私の所管ではありません。東京都がつくりますが、それについては、さっきお話をしたように、申しわけないけれども、区民全体のため、あるいはもっと広域的な利益のためにも頑張ってやっていきたい、そう願っています。それは、沿道の皆さんにもぜひご理解いただきたい。既存道路の拡幅では、対応できないからこそ外環の2をつくるのであって、何も無理してつくるわけではありません。
それから、区民の皆さんとお会いするのは私の信条でありますが、最初から結論が決まっていて、もうこうやって事業も固まってきて、ご理解もいただいてきて、これ以上何をお話しするのか私はよくわからないのが率直な気持ちであります。ただ、先ほどお話をしました、私が納得できる合理的なことをおっしゃっていただけるのであれば、幾らでも喜んでお会いいたします。ただ漫然と会ってくれと言われても困るのです。
区長挨拶
本日は、長時間ありがとうございました。広く呼びかけて行う、こういう「未来を語る会」は、今まで4回行いました。今日が一番建設的で、前向きな議論ができたかなと思っております。
私はこういう粗野な人間ですので、思ったことをすぐ申し上げて、場合によっては失礼もあったかもしれませんけれども、これが私の性格でありますので、これからも自分の意見、信念は率直に申し上げて、皆さんと議論しながら、この練馬を発展させていきたいと、そう思っております。
来週からは議会が始まりますが、議会でも同じように建設的で前向きな議論をお願いしたいと思っております。今日は本当にありがとうございました。今後とも、よろしくお願いいたします。
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区長室 広聴広報課 広聴担当係
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