令和3年度環境作文コンクール作品集 中学生部門
ページ番号:599-144-467
更新日:2021年12月20日
<最優秀賞>未来に緑を残すために
(2年生)
私は最近よくやる趣味がある。友達と光が丘公園でのんびり過ごすことだ。夏になると涼やかな風が吹き、木々の間から光が差し込むのが心地よい。原っぱの上にレジャーシートを広げ寝転がると広く大きな青空を見渡せる。普段自然に全く興味関心のない私ですらついつい癒やされてしまう。
練馬区は他の区と比べ自然が多くある。区内には約670箇所の公園が点在し、緑被率も23区で一番だ。つまり私達は普段から自然の多い場所で生活しており、自然に触れる機会も多いのだ。では、自然、つまり緑が多いとどんないいことがあるのだろうか。私は調べてみた。
一つ目は熱を逃がすことができる点だ。みなさんは「緑のカーテン」を知っているだろうか。建物の壁などにネットを張り、ゴーヤなどのつる性植物を育て、カーテンの役割とすることで日光を遮断し、夏の強い日差しを和らげることができるものだ。これにより冷房の使用が軽減されて、節電につながる。節電ができると電力使用量や排熱が減り、地球温暖化防止につながるのだ。
緑のカーテンは日差しを和らげるだけではない。緑のカーテンにはコンクリートの多い景観の改善や生物多様性の向上も期待することができる。さらに、緑のカーテンを育てることで家族や自分が緑に関わる機会が増える。つまり、地球温暖化防止の観点だけではなく、生物を守ること、家族や町を活性化することにも繋がるのだ。
二つ目は私達人への直接的な影響だ。人には目に良い色と悪い色がある。例えば人は赤色や紫色などを見ると眠りが浅くなると科学的に言われている。これは赤色や紫色が刺激色であることが原因である。私も以前、赤色の画用紙で工作をしていた際、目がチカチカした経験がある。その一方で、緑色や黄色などの色は他の色と比べて目への負担が少ないことが分かっている。これは緑色の波長が人の目で最も弱い光として感じるからだ。学校の黒板に緑色が使われているのも生徒の目への負担を軽くするためなのである。また落ち着きのある色であるため、インテリアにも多く使われている。このように、緑は地球温暖化防止の環境への影響も、緑色がもたらす人体への直接的な影響も良いポイントがとてもたくさんあるのだ。私達が気付かないだけで、実は緑は私達に深く関わっているのである。
しかし、近年東京の緑はどんどん減っている。それによってこの100年間で東京の気温は約2℃上昇している。主な理由は大開発による市街地の増加である。たくさんのビルが建設されている裏で、農地や森林などは減少し続けており、過去には25年間で山手線の内側の面積分の緑が一気に失われこともある。近年都心にも公園を増やしたり、植林ボランティアの活動も行われているが、それでもまだ、緑は減っている。高層ビルや、マンションが建てば、その分人々の生活は豊かになるだろう。しかし、それは長く続かない一時的なものだと私は考える。このまま緑が減れば、いつか必ずしわ寄せがくるだろう。
では、中学生の私に何が出来るだろうか。考えてみたが、今の私にできることはきっと限られている。私は魔法で木を出せないし、ビルの建設を止められる力もない。しかし、こうして作文を書いたり、ポスターを書いたり、緑のカーテンを作ることはできる。中学生でも地域の緑を守るボランティア活動に参加することはできる。決して大きな力ではないけれど誰でもいつでも始めることができる。未来に緑を残すために、私も小さなことから始めたい。周りの人に緑の美しさ、大切さを知ってほしい。私は私の努力が未来の美しい緑を残すことに繋がっていることを信じている。
<優秀賞>「風の道」
(1年生)
「田舎に住みたいなぁ。」そう言うたびに「学校まで遠くて毎日遅刻よ。」と母に言われる。私は自然が大好きで、いつか山や小川のある田舎に住みたいと思っている。そう言いつつも、実は住んでいる練馬区もかなり気に入っている。なぜなら、東京23区で一番緑が多い街だからだ。
私の住む大泉学園付近には、畑や公園が多くあり、自転車で少し足を伸ばせば、鳥や虫、魚も多く住む公園がある。私の家の周りにも大きな木があり、朝は小鳥のさえずりが聞こえる。家に居ながらいろんな野鳥も見ることができ、まさに「軽井沢よりバードウォッチングができる家」なのだ。しかし、毎年不思議でならない事がある。それは、都内で最も暑い場所として、夏になると必ずニュースになることだ。緑が豊かならば、排出される温室効果ガスは樹木に吸収されて温暖化が防げるのではないだろうか?もしかしたら、私の田舎への憧れはこの暑さにも原因があったのかもしれないと思った。そこで、この夏はずっと抱えていた練馬の暑さの理由を調べてみた。
原因の一つは、東京湾から離れた練馬区は冷たい海風が入りにくいことに加え、午後になると都心の風下となり、ヒートアイランド化した都心を通った熱風が流れこむようになっているからだった。海に近い江戸川区に比べ、練馬区の平均最高気温は5度も高いという資料もあった。この理由を知って、私はモヤモヤした気持ちになった。家やビルを建てる時には隣近所への陽当たりなどを配慮した規定があるが、遠く離れた町への影響は考えられていない結果だと感じたからだ。練馬区は緑豊かな町なのに、他の町で熱された風のせいで暑いなんて、なんて悲しい、この街を守りたいと思った。風は市町村の境目を超えて流れていく。風の道を広範囲に調べて、これから風が駆け抜ける街への影響も考えて欲しい。自然を知ることは、私たちの暮らしを守ることとなんと強く結びついているのだろう。風の声が聴けたら質問してみたい。「どこを通っていたの?」「どこが暑かったの?」と。答えが聴けたら、地図に風の道を書いてみたい。
温暖化と言えば、家庭からのCO2 46パーセントが電気からと半数近くを占めている。そこで、私の家では特に冷房の使用を出来るだけ控え、使用する時は設定温度を28度と高めに設定したり、テレビをつけっぱなしにしない、打ち水をしたりするなどの取り組みをしている。更に、今のマイブームは「冷え冷えきり吹き」だ。家の中でも外でも水を入れたきり吹きを持ち歩き、小まめに首や腕に吹きかけるだけだ。これが本当によく冷えるのだ。これからも、もっと工夫できることはあるだろうし、温暖化について更に学んでゆきたいが、まずは天気予報を見る時に風の向きに注意してみようと思う。
窓を開け、「この風はどこから来たのだろう。」そう思って空を見上げたら、この街がもっと好きになった。さあ、今日もきり吹きを持って出かけよう。
<佳作>人間と自然のあり方
(2年生)
夏休みの晴れたある日、部活に行こうと家を出ると、セミの声が体中に響きわたった。練馬区中のたくさんの木でセミや他の虫などが生活しているのだろうと思いながら学校へ向かった。練馬区には自然がたくさんある。そしてそこでは多くの虫や動物が暮らしていることだろう。しかし、私は虫が苦手だ。だから、虫の居場所の自然も嫌いになっていた。
そこで、私は虫が絶滅したら、どんな世界になるのかを調べた。セミの鳴き声に迷惑したり、ハチに刺されて辛い思いをしたりしなくて済む、過ごしやすい世界になると私は予想していた。しかし、虫が絶滅すれば、食物連鎖でつながった動物、花、木々が絶滅し、人間も絶滅するということが調べて分かった。虫が絶滅すれば、木々が絶滅するということは、木々が絶滅すれば虫も絶滅してしまうということだ。私は、生命を維持するにあたって自然は大切にしなければならないものだと思う。
そこで私は思い出した。以前、私が近所の公園で友達と遊んだとき、木々が風にゆれる音、木々がつくる新しい空気がとても心地よく感じたことを。きっとこのような体験をした人は少なくないのではないか。人間にとって自然は心の安らぎを与えてくれたり、命をつなげてくれたりするものである。それなのに、人間は何の躊躇もなく、木々を切り倒して住宅地を大量につくったり、紙を無駄使いしたりしている。確かに、住宅や紙は生活する上で必要不可欠なものである。しかし、それらを使用する時に、人間は自然に生かされているということを忘れてしまっているのではないかと思う。私もその一人だった。現在、世界では年平均気温が上昇する、地球温暖化が問題になっている。地球温暖化の原因として、車の排気ガスや、ペットボトルやビニール袋をゴミ処理するときにでる二酸化炭素がある。そして、人間の木々の伐採によって光合成で交換される酸素の量が少なくなっていることが地球温暖化に拍車をかけているということを私は新聞で読んだ。この時、私は人間が自然を大切にしなかったことが、地球温暖化という形でかえってきた、自然の逆襲なのではないかと思った。
では、どうすれば、自然を大切にできるのか。私は、人間が自然に生かされているということを自覚するべきだと思う。大昔から自然はあり、人間が食物連鎖に加わってからも、自然の中に人間が包みこまれ、自然に生かされていた。しかし、現在は人間が自然を浸食し、人間が自然を生かしているような状態になっている。この状態のままでは、米や果物もとれなくなり、人間は生きることが難しくなってしまうと思う。だから、昔のように、人間は自然に生かされているという感覚をとり戻すべきである。そうすれば、自分が生きのびれるよう、自然を大切にし、紙を無駄使いすることも減るだろう。
<佳作>地球温暖化について
(1年生)
みなさんは、地球温暖化という言葉を聞いて何を思い浮かべますか。
私は山登りが好きなので、よく父と行くのですが、山でも地球温暖化は深刻な問題です。山に登っていて地球温暖化を感じたことがいくつかあります。一つ目は、毎年雪が残っている場所が少なくなっていることです。雪がよく降る山では冬にたくさん雪が降って、一年中雪がそのまま残るのは当たり前でしたが、地球温暖化が進むにつれて、雪が残る場所が少なくなってきているのです。そして、この間山に行った時には雪が完全になくなっていました。雪が残っていると、登りやすい山も、今後登りにくくなってしまうのではないか、と心配になります。二つ目はライチョウが減っているということです。ライチョウは季節ごとに体の羽の色が変わります。夏は茶色で土と同じ色になり、冬は雪と同じ白色になります。こうすることによって、天敵に見つかりにくくなるのです。しかし地球温暖化の影響で、山に雪があまり降らなくなり、まだ雪が降っていないのに羽の色が白くなるので、逆に目立ってしまいます。その結果、天敵に見つかり食べられることが多くなってしまいました。こうしてライチョウの数が減っているのです。私は、ライチョウの人なつっこいところがとても好きなので、今すぐにでも地球温暖化を、止めたいです。
そのために今、私が取り組んでいることは大きく分けて四つあります。一つ目は節電です。私の家では、使ってない部屋の電気やエアコンは消して、使わない電化製品は電源を切り、コンセントからプラグを抜いています。またエアコンの設定温度は、夏は28度、冬は20度にしています。二つ目はスーパーやコンビニへ買い物に行くときはエコバッグを持って行き、できるだけレジ袋をもらわないようにしています。三つ目は近くの場所にでかけるときは車は使わず、自転車を使っています。また自転車だと遠くて大変なときはバスもしくは電車を使っています。四つ目はリサイクルです。当たり前のことですが、ポイ捨てはしないで牛乳パックやビン、カン、ペットボトル、古紙などリサイクルできるものは全てリサイクルボックスに入れています。
しかし、私達ができることをするだけでは、限界があると思います。地球温暖化を止めるためには、国が国民を導いていくべきだと思います。具体的には、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを、さらに普及させるべきだと考えます。
一人一人が意識することに加えて国の政策を変えなくてはいけません。しかし、日本は個人の意識と国の政策がつながっていないと思います。これは、私たち若者が政治に興味がないからです。環境問題は私たちの未来に関わる大切なことです。環境を良くするための政策はどのようなものか、真剣に考え自分の意識を政策に反映させるために、選挙に行くなど自分も国の方向を決めるという意識をもたなければいけないと思います。
(注)ライチョウとは、北アルプスや南アルプスなどの高い山にしか生息できない絶滅が心配されている鳥です。
<佳作>「地産地消イコール環境にやさしい」
(1年生)
ぼくは、一学期の家庭科の授業で「地産地消」について学んだ。「地産地消」というのは、地域で生産された様々な資源や生産物をその地域で消費することである。
練馬区には、たくさんの畑があり、多くの種類の野菜が生産されている。畑の近くには無人販売所があり、そこでは採れたての野菜が売られている。ぼくは、今年の春、初めてトマトを買って食べてみた。その味に衝撃だった。いつも食べているトマトの味とは違い、みずみずしさや甘味が多くあり、栄養が詰まっている感じがして、とてもおいしかったからだ。それ以来、毎週末、そこの無人販売所でトマトを買って食べるのが楽しみになった。
無人販売所というのは、店員さんとレジがないお店のことで、自分でお金を払い、好きな野菜を買うシステムである。練馬区には100店舗以上あり、東京都23区では一番多いといわれている。無人販売所にはメリットがたくさんある。まず一番は、新鮮であることだ。無人販売所で売られている野菜は、その日の朝早くに採れた野菜だからである。きっとこの新鮮さのおかげで、ぼくが感じたように味がとても良いのである。次に誰が作ったのかが分かり、安心感があることだ。調べてみると、他にもメリットがあった。今、コロナ禍で人との接触を減らしながら過ごしている。だから無人販売は、今の状況に合っていて、多くの人が利用しているだろう。そして、ぼくが一番の最大のメリットだと思ったのが、スーパーで売られている野菜よりも安いことだ。スーパーでは、トラックなどで運ぶ輸送費などがかかる。しかし、無人販売所では、生産者が直接そこで販売しているので、輸送費用がかからず、値段が安くなる。輸送手段がないということは、エネルギーや二酸化炭素の削減になり環境にやさしいということになる。つまり、「地産地消」は、環境にもやさしいのである。ぼくは、「地産地消」をそういう視点から見ていなかったので、初めて知った時はとても驚いた。
ニュースで今年開催された東京オリンピックで、注文ミスによって、たくさんのお弁当が廃棄された問題が取りあげられていた。ぼくは、食の問題や環境の問題が取りあげられていても、自分の生活に結びつかないので、なかなか身近に感じられなかった。しかし、地産地消について知ったことで、練馬区の自然を活かして、自分ができる事があると分かった。練馬区の野菜はとてもおいしい。みんなにもそのおいしさを知ってもらいたい。そして、練馬区の野菜を食べることで、それが環境を守ることにもつながっているということも知ってもらいたい。ぼくも練馬区の野菜をすすんで食べたい。そして、食べた時は、「地産地消イコール環境にやさしい」ということをしっかりと思い出し、環境について身近に感じられるようにしたい。
<佳作>「コロナ禍で考える」
(1年生)
コロナ禍の生活になって僕の家で大きく変化したことがあります。それは、祖母の家で食べていた夕飯を感染防止のため自分の家で食べるようになったことです。そのため、スカスカだった冷蔵庫は毎日食材で詰め込まれ、生ゴミやプラスチックゴミも大量にあふれています。特にプラスチックゴミは、母が夕飯を作るようになってから以前の倍以上になりました。たぶん、これが一般家庭では当たり前だと思いますが、母の仕事が遅いときは弁当になったり、男兄弟だからと肉を多く買ったりしているので余計です。今となっては、プラスチックゴミから発生する二酸化炭素が温暖化の原因の一つになっていることは当たり前のことですが、僕の家ではなかなか減らすことができそうにありません。
最近はレジ袋の削減、マイバッグの導入が定着してきましたが、ゴミを捨てるためのビニール袋も必要で、なんだか矛盾しているようにも思えます。またスーパーで生肉や生魚をそのまま持ち帰るわけにもいかないので、トレー容器も必要不可欠だと思います。こう考えると、いくら温暖化防止だからといって何でも削減すれば解決するわけではないと思います。必要なところにはなくてはならないものもあります。つまり完全に削減できるわけではないことを前提に環境問題を考えなければならないと思います。
では僕たちができることは何だろう?どうしても汚染物質が発生してしまうけれど、せめてそれを少なくしなければいけない。スーパーのレジ袋によく見る「バイオマス」はまさに二酸化炭素の発生を削減するもので、再生可能な植物を利用したバイオマスプラスチックを使用しているものです。世界中でこのような取り組みを進めていても、すぐに解決できるレベルではないけれど、温暖化は人が求める便利さや進化から生まれた人災なので、この問題は人から人へ受けつがれなければならないと思います。
今僕にできることは、マイバッグ、マイボトルの徹底や、冷蔵庫の開け閉めの回数を減らしたり、エアコンの温度を上げたり、日々の生活の中で些細なことしかできないけれど、これらのことを常に意識することが大切だと思います。これはコロナ禍の生活でも同じで、一人でどんなに手洗いやマスク着用を頑張っても感染者を減らすことはできません。皆が同じ気持ちで行動しなければ結果につながりません。世の中には色々な人がたくさんいます。すごく難しいことだと思いますが、一人でも多くの人が環境について真剣に考え、できることを実行していかなければいけないと思います。
<佳作>練馬の野菜がおいしいワケは
(1年生)
私は給食の練馬スパゲティが好きだ。もちろん味が美味しいのが一番の理由だが、練馬大根を使った、練馬区の学校でしか食べられないという特別感もとても良い。学校給食の献立を見ると、学校の給食には練馬の野菜を使った献立が色々あることに気が付いた。キャベツや大根が特に多いが、他にもキュウリや玉ねぎ、ブロッコリーやじゃがいもなど、身近な野菜が練馬で作られているらしい。確かに、区内を自転車で走ると、至る所にキャベツなどを栽培している農地が広がっていて、その多さにびっくりする。都内唯一の牧場もあるし、野菜の無人販売所やコインロッカーも至るところに見られる。また、練馬と言えば、フルーツ狩りも盛んだ。私も、夏休みは毎年のように家族で練馬区内のファームにブルーベリー狩りに出かける。我が家では恒例の行事だが、近所でフルーツ狩りが出来ることを他の区に住む友人に話すと、すごく羨ましがられる。二十三区で他に、練馬区のように、ブルーベリーを始め、イチゴやブドウ、柿や栗など、様々な果物狩りを出来るところは他にあるのだろうか。そもそも練馬はなぜこんなに農業が盛んなのだろうか。そして、練馬区として、どのような農業推進に対する取り組みをしているのだろうか。
練馬区の農地面積は東京都23区の中で最も多く、23区の農地面積の4割を占めているという。その中でも、作付面積トップを占めるキャベツは「ねり丸キャベツ」としてブランド化され、都内ナンバーワンの生産量を誇り、唯一市場に出荷されているという。
では他の作物は、というと、市場に流通されるものは少なく、主に、自分の家の庭先や自宅前の直売所で販売したり、農協の直売所や農業者主催の様々なマルシェで販売したりしているそうだ。練馬区は、そのような農家さんの取り組みを支援するために、農産物直売所マップを作成したり、区民農園の整備や運営に携わったりして、農業に関わる情報を区民に発言しながら「地産地消」を推進しているという。
地域の人々の交流を促す「地産地消」の活動はまた、CO2排出抑制に貢献する、という意味において、地球の環境保全に配慮した素晴らしい取り組みだとも言える。なお、環境保全の観点で言えば、農業推進は、他にも、ヒートアイランド現象の緩和・二酸化炭素の排出抑制・大気浄化・地下水のかん養・たい肥を農地に戻すことによる環境循環、など様々なプラスの効果があると言われ、練馬区は都内の中でも環境保全に積極的に貢献している区である。と言えるだろう。
また、練馬区は、果樹作りに転換する農家を支援する「練馬果樹あるファーム」や農業体験農園を推進したり、練馬大根引っこ抜き競技大会などのイベントを開催し、幅広い地域や年代の人々に、農業に親しんでもらう取り組みを行っている。ただ農業活動を支援するだけでなく、農家の方々と消費者の交流を促進し、地域と農業を繋いでいくそのような活動は、地域そのものを活性化し、更に色々な分野とのつながりを促進していくと思うので、とても素晴らしい取り組みだと思う。
学校給食という切り口から、練馬の農業について色々調べてみたが、給食の材料一つとっても、生産者の農家さんをはじめ、その活動を支援する多くの方々の協力があってこそなんだと知り、日々感謝の気持ちを忘れてはいけないな、と思った。また、農家を活かしたまちづくりを推進するため、色々な人たちが協力し合い、より良い社会を作る努力をしているのだと分かり、私も今後は、練馬産の野菜の良さをもっと広められるように、練馬区民の一員として、地域の農業活性化に何らかの形で貢献していきたいと強く思う。
<みどりのねりま特別賞>地球温暖化防止に向けて
(2年生)
人生100年時代。最近、そんな言葉をよく耳にします。ここ何十年かの間に、医療水準の向上等によって、人間の寿命は大きく伸びてきたのです。この言葉を聞くたび、現在中学二年生の私は、これから続く長い人生を想像し、夢をふくらませるのでした。
そんなある日、私はインターネットで衝撃的な記事を見つけました。「世界中で地球温暖化が進んでいる。このままだと、2070年には、人類は地球に住むことができなくなってしまうかもしれない」と、その記事には書かれていました。地球温暖化が及ぼす被害のスケールに驚く気持ち、どうにかしなければ、とあせる気持ち、100年の人生というのが、一瞬でものすごく遠くにいってしまった気がして悲しい気持ちとがぶつかりあいました。私が夢見た「人生100年時代」は、あきらめるしかないのでしょうか。そんなはずはない、と私は思います。そこで、私が考えた地球温暖化が進むのを防ぐための取り組みについて紹介していきます。
まずは、節電を心がけることです。発電所で電気をつくるとき、地球温暖化を進めてしまう二酸化炭素という気体が発生します。そのため、人のいない部屋の電気を消したり、冷暖房の設定温度や使用時間を気をつけたりと、一人一人の小さな節電が、地球温暖化防止の立派な取り組みの一つになると考えました。
次に、ゴミの処理についての取り組みです。ゴミは、燃やすときに二酸化炭素を排出するだけでなく、燃やした後に埋め立てる場所を確保するため、森林の伐採や海に新たな土を盛ったりと、環境破壊に大いなる影響を与えます。少しでもゴミを減らしていくために、食べる分だけ買って食品ロスを防いだり、生ゴミの80パーセント以上が水分だそうなので、生ゴミは水気を切ってから捨てたり、つめかえができる商品はつめかえて使ったりと、私たちにもできる取り組みをしていきましょう。
最後は、節水、水を大切にしよう、という取り組みについてです。私たちが、普段、飲む、身体を洗う、手洗い・うがいをする、等何気なく使っている「水」。この水は、浄水場(水をきれいにするための施設)から家庭に運ばれるまでに、大量のエネルギーが使用されています。節水も、地球温暖化の防止につながります。シャワーの水を出しっぱなしにしない、お風呂の水を洗たくに使ってみる、米のとぎ汁で植物に水をやる、など節水の工夫は様々です。できることからやっていきましょう。
今回私は、節電について、ゴミについて、そして節水についての三つを紹介しました。「どうすれば・何をすれば良いのか」だけではなく、「なぜそれをすれば良いのか」という理由を一緒に考えることで、地球温暖化の防止の取り組みが身近に感じられた気がします。今回の三つ以外にも、私たちにもできる取り組みは、まだまだたくさんあります。一人一人が協力して頑張れば、いつまでも住み続けられる素晴らしい地球も、夢ではないかもしれません。そして、「人生100年時代」100年生きられる人生だって、すぐそばに。
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