令和3年度練馬区環境作文コンクール入賞作品集 巻頭のことばと講評
ページ番号:718-177-919
更新日:2021年12月20日
はじめに
「練馬区環境作文コンクール」は、昭和49年に「公害作文コンクール」として開始してから、本年度で47回目を迎えました。
記録的な猛暑や大雨、台風の大型化など、地球温暖化の影響による異常気象や気候変動の深刻さが身近で感じられるようになり、日々そのリスクに直面しています。こうした事態を踏まえ、環境学習、環境教育を通じて、次の時代を担う子どもたちに対し、環境問題への意識や関心を今後ますます高めていくことが必要となっていきます。
本年度の環境作文コンクールでは、自分たちと身近な環境との関わりについて、考えていることや感じたこと、体験したことを文章として表現し、環境問題に対する関心や意識を高めることを目的として、作品を募集しました。その結果、小学生部門469点、中学生部門271点、計740点もの作品が寄せられました。どの作品も子どもたちが、環境問題を自分のこととして捉え、環境への強い思いや練馬への愛情にあふれた素晴らしいものでした。
本書には、区内小・中学校の先生方で組織している「環境教育実施協議会」が選出した入賞14作品や環境について独自の視点や感性で書かれた作品を選出した特別賞2作品のほか、今年度から小・中学校の各部門の12作品を「入選」として選出し、氏名を掲載いたしました。
この作品集が多くの方々の目に触れ、環境問題に対する意識が一層高まることを願っております。
※講評および作品等の数字については、表記を統一させていただきました。
講評
小学生部門
先日、ノーベル物理学賞を気候学で真鍋淑郎氏が受賞し、世界的にも環境問題が優先課題であることが認識されつつあります。また、日本としても、2050年までに脱炭素社会の実現を目指すことが課題として取り上げられています。今後の持続可能な社会の担い手として、子供たちが地球温暖化について理解を深めるためにも、このコンクールの意義は大変大きなものであると考えます。
今回の作文を読んで感じたことを「三つの気付き」の視点から述べたいと思います。
一つ目は、「具体的な内容の気付き」です。二酸化炭素を7割削減するためには、徒歩や自転車の利用で1割~2割、公共交通機関の利用で約1割減らせることや、ゴミの処分場はあと20年で満杯になるということなど具体的な数値を上げて説明しています。
二つ目は「実感としての気付き」です。テレビや本から感じた「危機感」について、例を挙げて語っています。くじらのお腹から出てきたビニールゴミやプラスチックゴミを見て、「今すぐに自分たちもなんとかしなければ」と考えています。
三つ目は、「家族の会話からの気付き」です。台風や大雨による様々な被害など、保護者の子供の頃とは大きく変わってしまった自然に対し「最近、何か違う」と姿の見えないものに対する恐れを感じています。
今回、環境問題を自身の問題として受け止め、今後の取り組みにどのように関わろうとしているかを多くの作品の中から読み取ることができました。このコンクールで見識を深めた子供たちが地球環境の守護者として活躍してくれることに大きく期待しています。
中学生部門
私たちを取り巻く環境の問題は、複雑化・多様化しており、問題の解決に当たっては、国境を越えた協力・協調が不可欠となっています。イギリスのグラスゴーで開催されているCOP26では、世界規模で地球に暮らすあらゆるもののために気候変動に対する対策、地球温暖化対策や二酸化炭素の排出規制など盛んに論議されています。
今回の作文は、身近に生息するツバメやカエルなどに着目して数の推移と自然環境に着目したもの、給食を通じてフードロスに言及したもの、個々の家庭におけるゴミ廃棄からプラスチック製品の使い方を改めて考えたもの、家の近くの畑を見て原風景への思いや地域での在り方と都市環境を考えたもの、他者の活動に感化され家族でゴミを拾った体験をつづったもの、自己のごみ拾い体験から一つ一つを積み重ねた実践的な活動への意思を表明しているもの、建築物と地形を考慮した気流の動きについて調べたものなど、練馬区の児童生徒たちが授業や給食などの学校生活、書籍や報道等を通じて考え調べたことなど多岐にわたるものでした。
今回の環境作文コンクールの作品を読んでいて、雑木林や農地と調和している練馬区の児童生徒だからこそといえる、未来の創造へ向けての行動や地域との関わりなど、考えなければならないことへの提言にあふれている素晴らしい作品ばかりであり、大人も子供も共に、一つ一つ実践しなければならないと考えさせられました。
また、より良い生活とは何か、豊かさとは何かを改めて問いかけられている思いがいたしました。
令和3年度(2021年度)練馬区環境教育実施協議会委員名簿
南が丘小学校・・・・・・・・後藤 京子
関中学校・・・・・・・・・・大澤 秀吉
小竹小学校・・・・・・・・・大木 まゆみ
石神井東中学校・・・・・・・小栗 義明
関町北小学校・・・・・・・・鈴木 智裕
大泉東小学校・・・・・・・・吉野 良太
関中学校・・・・・・・・・・関 千夏
石神井東中学校・・・・・・・大橋 健
(敬称略)
令和3年度練馬区環境作文コンクール入賞作品集
お問い合わせ
環境部 環境課 地球温暖化対策係
組織詳細へ
電話:03-5984-4705(直通)
ファクス:03-5984-1227
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