体罰などによる子どもの身体と心への影響
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ページ番号:800-388-051
更新日:2025年1月8日
このような子どもへの体罰が繰り返されると、子どもの心身の成長や脳の発達に深刻な影響が生じる可能性があります。
体罰のほかにも、子どもをどなりつける・暴言で傷つける、けなしたり笑いものにしたりするような言動や、子どもが見ている前で家族や配偶者に暴力をふるう・夫婦げんかをすることも、子どもの心を傷つける心理的な虐待になります。
体罰や虐待による脳への影響
脳が最も育つ幼少期に体罰や虐待を受けると、脳の発達に深刻な影響を及ぼすという研究結果が報告されています。
脳のMRI画像の研究によると、厳しい体罰などを受けた場合は、前頭前野(感情や思考をコントロールし、犯罪抑制力にかかわっているところ)の容積が、19.1%減少していました。
また、言葉の暴力を受けたり、親のけんかや暴力を目撃していた場合は、視覚野(目から入る情報をキャッチし記憶するところ)や、聴覚野(声や音を知覚するところ)の萎縮や変形がみられました。
脳の画像 提供:福井大学 友田明美 教授
- 例えば、どなられたり暴言で傷つけられたりすると、それを聞かなくて良いように脳が適応しようとします。また、家族や大切な人がひどい目にあっているのを見ると、その場面を見ないで良いように脳が適応しようとします。その結果、脳の容量が減少、萎縮・変形することになります。
一般社団法人 日本家族計画協会「防ごう!まるとり マルトリートメント」(外部サイト)
マルトリートメント(不適切な養育)が子どもの脳に与える影響などの情報が掲載されています。福井大学の友田明美教授が監修しているサイトです。
体罰や虐待による子どもへの影響
体罰や虐待により、特に身体や心が大きく変化する幼少期の発達段階に脳が傷を受けると、以下のような症状が起こることがあります。
身体に起こること
- 発育や発達が遅れる。
- 心の原因により、難聴になる。
- 知能が低下する。
- 学習能力が低下する。
心に起こること
- 情緒が不安定になる。
- 感情を不自然に抑えるようになる。
- 強い攻撃性を持つようになる
- 健全な人間関係を結べない。
- 問題行動を起こすようになる。
- 自己肯定感が低くなる。
また、身体と心が大きく変化する思春期(小学校高学年から18歳頃まで)以降においては、
- うつ状態になる。
- 自分を傷つけたいと思うようになる
- 保護者に相談できず、非行・犯罪に巻き込まれる。
- アルコールや、薬物に依存するようになる。
- 保護者になった時に、自分の子どもを虐待するようになる。
など、子どもの将来や大人になってからの人生にも、さまざまな影響が及ぶことがあります。
子どもの健やかな成長・発達のために
子育てをしていくうちに、どうしたらいいのか分からなくなることがあります。体罰や虐待はよくないと分かっていても、いろいろな状況や理由によっては、体罰や虐待をしてしまいそうになることもあります。
思わず子どもに体罰や虐待をしてしまいそうになる、そんな時は、ひとりで抱え込まずに、信頼できる人や子ども家庭支援センターにご相談ください。
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