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第4章 福祉施策の新たな展開

1 高齢者-ともに支え合い生き生きと暮らせる練馬をめざします。

こう考えています

 平成12年度(2000年度)からの介護保険制度の導入により、福祉施策全体が大きく再構築されています。これまで措置により区が提供してきたサービスは、介護保険制度により民間事業者によるサービスを自ら選択し契約する仕組みに大きく転換しました。
 区は、介護保険サービスの質の向上を図るとともに、介護保険以外の分野において、(1)介護予防・健康づくり、(2)一人暮らしや高齢者のみの世帯などに対する地域での支えあいネットワークづくり、(3)元気な高齢者への支援(生きがいづくり、就業・社会参加の支援)など、より一層施策の充実を図っていきます。

推進課題No.1 身体状況に応じた介護予防策や生活支援策を充実します。

めざします

 「自立支援」の理念に基づき、要介護状態になることを予防するための施策づくりを進め、生きがい活動や健康保持活動の場など、必要な方に必要な支援を提供できる体制が整備されている状態。

現状は

 これまでの高齢者福祉は、高齢者が生活していくうえで、自らが出来なくなってきたことを支援することに重点が置かれ、自らでできる状態を維持する支援が十分ではありませんでした。また、本人のニーズにかかわらず一律にサービスが提供されていたり、必要なサービスが十分に提供されていない場合もありました。

これからの取り組み

介護予防事業に重点をおいた施策を展開します。

(1)元気、(2)虚弱、(3)要介護(要支援・要介護認定者)の3つに分け、高齢者一人ひとりの身体状況に合わせた施策を展開します。その中でも、今後は、介護予防事業に重点をおいた施策を展開していきます。

高齢者を支える仕組み
【高齢者を支える仕組み】

用語解説

元気な高齢者

 虚弱高齢者、要介護高齢者以外の高齢者。

虚弱な高齢者

 介護保険サービスの対象外だが、心身の活動力が低下し、バスや電車などを利用しての外出には困難が伴ったり、閉じこもりがちの高齢者。

要介護高齢者

 介護保険サービスの対象者(要支援、要介護認定者)。

「ご用聞き(訪問)」福祉を推進します。

 介護予防や生活支援サービスが必要な高齢者に、お住まいにお伺いする「ご用聞き(訪問)」福祉を行い、必要に応じたサービスを紹介します。これにより、いきがい対応型デイサービスなどの利用を促進し、介護予防を図ります。また、高齢者見守りネットワークづくりに役立てます。

ご用聞き訪問福祉の仕組み
【「ご用聞き(訪問)」福祉の仕組み】

ご用聞き(訪問)回数の推計

介護予防策として、生きがい対応型デイサービスを、高齢者の徒歩圏内に1か所、区内70か所で実施します。

いきがい対応型デイサービス

必要な人に必要なサービスを提供します。

 高齢である、あるいは、介護状態にあるというだけで一律にサービスを提供するのではなく、対象者のサービスの必要性を見極め、その方に適した十分なサービスを提供していきます。

推進課題No.2 ひとり暮らし高齢者などが、住み慣れた場所で安心して暮らせるようにします。

めざします

 ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯などの高齢者を、地域の協力を得て見守ることで、異変にすばやく対応できるネットワーク体制ができている状態。

現状は

 ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が年々増加しています。また、こうした世帯の中には閉じこもりなどから近隣とのつながりが希薄になっている例があります。

65歳以上の高齢者世帯数の推移のグラフ

これからの取り組み

地域支え合いネットワーク

 在宅介護支援センター、民生委員、ボランティアなどの活動を相互に結び付け、地域全体で高齢者を支える体制づくりを進めます。

高齢者見守りネットワーク

 地域支え合いネットワークづくりの手始めとして、在宅介護支援センターを中心に、地域で日常的に高齢者を見守る体制をつくります。

【高齢者見守りネットワークのイメージ】
【高齢者見守りネットワークのイメージ】

推進課題No.3 高齢者の生きがいづくりや就業・社会参加を促進します。

めざします

 就労意欲や体力などに応じた、働き方や社会参加の機会があり、地域の中で高齢者が可能な限りいつまでも、生き生きと生活が送れるための支援策がある状態。

65歳から74歳の就労意識・目的のグラフ

現状は

 高齢化が進展している中でも、健康で働く意欲のある高齢者が増えています。また、経済的理由だけではなく、健康や生きがい、知識や経験を生かしたいという気持ちにより、働きつづけることやボランティア活動を希望する高齢者も増えてきています。

働いていない65歳以上の高齢者の就労意向のグラフ

これからの取り組み

高齢者就業・社会参加支援事業(アクティブシニア支援事業)

 希望する高齢者に、就業や社会参加の機会を提供して、充実した生活が送れるよう支援します。そのため、高齢者が身近な地域で就業などの相談や情報の提供、あるいはあっせんを受けることができる場として、サンライフ練馬にアクティブシニア支援室を整備しました。高齢者が魅力と生きがいを実感できるような雇用の機会を確保するとともに、多様な働き方・社会参加の情報提供を充実するため、社会参加支援セミナーなどを展開していきます。

サンライフ練馬でのアクティブシニア支援事業の流れ
【サンライフ練馬でのアクティブシニア支援事業】

今後は、社会参加支援セミナーなどを展開していきます。

社会参加支援セミナーの開催

 起業、ワーカーズ・コレクティブ、SOHO、NPOなど働き方について紹介するセミナーを実施していきます。また、区内で実際に活動している人からの事例報告も行います。

用語解説

ワーカーズ・コレクティブ

 労働者生産協同組合。組合員が協同出資して経営者となり、労働にも従事して報酬を得る組織。

SOHO(Small Office Home Office)

 スモールオフィスホームオフィスの略。パソコンを活用して自宅などで新ビジネスを行う職業形態。

NPO(Non-Profit Organization)

 営利を目的とせずに活動する民間組織。一般には民間非営利団体という。

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