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協議会の意見(練馬区次世代育成支援行動計画策定についての意見)

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  9. 協議会の意見(練馬区次世代育成支援行動計画策定についての意見)

ページ番号:256-543-623

更新日:2010年2月1日

 練馬区では、次世代育成支援行動計画に、広く区民の意見が反映されるように公募区民、保健・福祉・教育関係者、事業主、地域住民組織、識見を有する方等で構成する「練馬区次世代育成支援対策協議会」を設置しています。
 協議会では、これまで4回にわたり検討を行ってきました。11月24日に「練馬区次世代育成支援行動計画策定についての意見」が区長に提出されました。
 区では、協議会の意見などを踏まえて、素案をまとめました。

区長あて提出文書

平成16年11月24日
 練馬区長 志村 豊志郎 様

練馬区次世代育成支援対策協議会
座長 広岡 守穂

練馬区次世代育成支援行動計画策定についての意見

 練馬区次世代育成支援対策協議会は、平成16年6月12日に開催した第1回会議から9月2日に開催した第4回会議にわたって、練馬区が策定する次世代育成支援行動計画のあり方について集中的に議論を重ねてきました。
会議の開催にあたっては、事前に各委員から意見シートを提出していただくことによって、効率的な議論を進めてきました。さらに、10月14日には自主的な会議を開催して議論の調整を図りました。
 これらの結果として、練馬区が次世代育成支援行動計画を策定するにあたっての論点を別紙のとおり整理しましたので、この内容に十分留意されるようお願いいたします。
なお、各委員から提出された意見を添付いたしますので、可能な限り行動計画に反映されますよう、あわせてお願いいたします。

0-1 計画のあり方

子育ての基盤である家庭が豊かであることが豊かな子育て環境の前提であり、親世代が安心して暮らすことのできる支援策の充実が基本である。
そのうえで、次代を担うすべての子どもたちが、人間としての尊厳を持って健やかに生まれ育ち、自立することのできる練馬区を、行政だけではなく区民の力を結集して築いていくことが、次世代育成支援行動計画の目的である。

1 地域における子育ての支援

1-1 子どもの視点と大人の視点

(1)子どもの視点を大切にする
練馬区の次世代育成支援は、すべての区民が、子どもの最善の利益を優先して考えることからはじまる。施策を実施するにあたっては、子どもの思い、子どもの視点を大切にし、その施策が子どもにとって良いことなのかどうかを、十分に検討することが必要である。
(2)大人の視点も大切にする
練馬区の次世代育成支援は、親が子育てに主体的に関わることができるようにするための支援であって、親の主体性を尊重したうえでの区民どうしの協働、区民と区との協働を進めることが大切である。
また、婚姻関係にある男女が子どもを産む、産まないの自由裁量を保障され、「子どもを産みたい、育てたい」という気持ちになれるような環境づくりが大切である。そして何よりも、大人が、自分自身の人生を充実していると感じることができるようにすることが必要である。

1-2 母の孤立

(1)母親の負担感と疎外感を解消する
今の母親は、子育てを自分ひとりで背負う負担感が大きいだけではなく、社会からの疎外感を強く感じている。この疎外感が不安感につながり、子どもを生み育てる喜びが半減し、子どもを生むことに後ずさりしてしまう。母親が孤立することのないように、また、人生に対する希望を失うことがないように、母親が困ったときにいつでも手を差し伸べあい、安心して子育てができるような人づくり・まちづくりが必要である。
(2)在宅で育児する母親と働いている母親への支援を充実する
核家族化が進み、孤立感の強い在宅で育児をする母親への支援が立ち遅れている。在宅育児への支援策を拡充する必要がある。また、働いている母親も孤立している。育児に必要な息抜きができたり、母親同士の交流ができたり、子どもを連れて社会参加ができるなど、孤立しがちな母親を支え合う仕組みを築いていくことが必要である。

1-3 父親の子育て参加

(1)父親が子育てに参加することの大切さを見直す
父親が子育てに参加することが必要だということを訴えていくことによって、働き方の見直しを含めて父親自身と企業の意識を変革することが大切である。また、「親父の会」のような父親が子どもに関わっていく仕組みを広げていくことなどによって、地域の理解を深めていくことも必要である。
(2)父親が子育てに参加する場をつくる
父親が子育てに参加する場所や機会をつくることが必要である。図書館や校庭開放などを父親が仕事から帰ってから子どもと利用できたり、土日に父親と子どもが参加できる行事を行うなど、父親が子育てに参加しやすい場づくりを進める必要がある。

1-4 地域の子育て力の強化、居場所づくり

(1)地域の子育て力を強化する
「子育てを地域で支えていく」という意識を住民や事業主が持つようにしていくことが大切である。また、個々に立ち上がっている子育て支援グループのネットワークを築いて、交流と連携による拡充を図っていくことが必要である。
(2)多様な子どもの居場所を地域につくる
子どもにとって、地域の中に多様な居場所が必要である。公共施設を有効活用して多様な居場所を提供するとともに、その施設の職員が子どもを受け入れる姿勢を持つことが大切である。

2 母性並びに乳児及び幼児等の健康の確保及び増進

2-1 支援体制の質と量の確保

(1)安心して子どもを産み、育てることのできる支援体制を築く
20代の女性に子どもを産み育てたいという意識が高まっている。良いチャンスであるので、妊娠期からバックアップするなど、どの産婦も安心して産める体制、産んでよかったといわれる環境整備を急ぐ必要がある。そのための重要な役割を担っている保健師の質の向上と増員が必要である。

2-2 総合的な情報提供

(1)子育て中の親が必要な情報を入手しやすい仕組みをつくる
行動範囲が限られがちな乳幼児を子育て中の親が、必要なときに必要な情報を入手することができるように、インターネットや印刷物による情報提供や徒歩圏内への情報相談窓口の設置などが必要である。情報提供に際しては、区の施策だけでなく、民間や区外を含め、子育て中の親が必要とする情報を提供することが大切である。

3 子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境の整備

3-1 次代の親育て(体験学習等)

(1)親になることのすばらしさを学ぶ
子どもたちが、自分が育てられているときに育てることを学び、親になることのすばらしさを体得することが大切である。また、体験学習などによって「人と人との関わり」を学び、自分のことだけではなく、地域など全体を見られるような親世代を育てることが大切である。

3-2 子ども自らが未来を考えるしくみづくり

(1)主役である子どもが考える
次世代育成支援は、子どもたちの未来に関わる事柄であるにもかかわらず、当事者である子どもたちには情報が届いていない。次代を担う子どもたちが、自分たちの未来は自分たちで考えるという力を身につけることが大切である。また、そのことが子どもたちの健やかな成長につながるはずである。

3-3 生きる力をつける

(1)大人と出会う機会をつくる
地域や家庭から働く場が遊離し、子どもたちがさまざまな立場の大人と出会う機会が少なくなったことによって、子どもたちの成長期に多様な価値観に触れる機会が減少している。このため、子どもたちが他人のことを思いやる力や社会公共のことがらに関心を持つ力が弱くなっている。子どもたちが異なる世代のさまざまな立場の大人と出会う機会をつくるため、地域の力を活用して、ボランティア活動、職場体験など生きる力を養う教育を進めることが必要である。
(2)自然と触れ合う機会をつくる
都市化の進行や生活様式の変化などによって、子どもたちが野外で活動し自然に触れる機会が減少している。このため、子どもたちが自ら考える力や逞しく生きる力が弱くなっており、自然に触れ合う機会をつくることが大切である。そのためには、地域の力を活用して、子どもたちの自然体験、野外体験、宿泊体験など五感に訴える教育を進めることが必要である。

4 子育てを支援する生活環境の整備

4-1 良質・安全・バリアフリーのまちづくり

(1)子どもと子育て家庭にやさしい公共空間をつくる
子どもや子育て家庭にやさしい道路や駅などの公共施設の整備を進めることが大切である。また、車のための道路だけではなく歩道や自転車道を整備するとともに、立ち話ができる安全な路地、小さな広場など休憩スポットを確保するなど地域住民の結びつきにつながるまちづくりを進めることが必要である。
(2)子育てしやすい居住環境を確保する
子育て中の世帯が孤立しないように、親の世帯との同居、親の世帯の近くへの居住が可能となるような施策や世代交流のできる集合住宅がのぞまれる。また、緑被率の減少を抑えるなど自然環境との調和に配慮することが大切である。

5 職業生活と家庭生活との両立の推進

5-1 男女共同参画(意識の変革)

(1)働き方の見直しを進める
父親と母親が、共に十分に子育てに関われるような社会にしていくべきである。また、働いている世代が地域活動に関心を持ち、かつ、地域活動に参加できる社会であるべきである。そのために、男性を含めたすべての人が、仕事時間と生活時間のバランスの取れた生き方ができるよう国等に働きかける必要がある。また、子育て家庭の働き方の改善に社会全体で取り組む必要がある。
育児休業など制度があっても、利用できない現状を変える必要がある。制度を普及させるためには、企業への補助など国の支援や自治体の働きかけが必要である。女性にとって育児と仕事の両立ができるように、出産後子育てしながら仕事をしたいなどと願う親を対象とした職業能力開発講座や仕事の斡旋を実施する必要がある。在宅勤務や変形労働の普及も必要である。
(2)区の役割を果たす
自治体は事業主のお手本として、男女共同参画に積極的に取り組む姿勢を示す必要がある。事業主や従業員の意識を変え、事業所での取り組みを促進するために、区として情報提供や啓発活動に力を入れる必要がある。また、多種多様な働き方に対応して、子どもの視点に立ちながら保育園、幼稚園、学童クラブが多種多様な預かり方をする必要がある。

5-2 地域の子育て力と事業所との連携

働きながら子どもを育てる人たちを支援するために、地域の子育て力と事業者・職場との連携を進めていくことが必要である。

6 子ども等の安全の確保

6-1 地域の連携を強化する

(1)地域の子どもは地域で守る
昼間の住宅地に人目がどんどんなくなってきている。犯罪や事故の危険性の心配なしに安心して子育てができ、子どもを外で遊ばせることができる地域社会にすることが大切である。そのためには、住民一人ひとりが、自分たちの地域は自分たちで守る、自分たちの子どもは自分たちで守るという意識を持つことが必要である。そして、区民それぞれが、自分ができることをやる、できないところを誰かにお願いするという関係ができることがのぞまれる。また、よその子でも注意できる風潮をつくっていくことも必要がある。

6-2 子どもの力、親の力を高める

子どもが、命について、家族・友達など人との関わりについて考えることをとおして、自分を大切にする心、家族・友達を大切にする心を育んでいくことが必要である。そのうえで、交通安全、防犯などについて教育し、子どもが自分を守る力を身につけるようにすべきである。
また、子どもの親は、「わが子の命は親が守る。」という視点を持つことが必要である。

7 要保護児童への対応などきめ細かな取組の推進

7-1 児童虐待防止対策の充実

(1)地域の力を強化する
児童虐待の予防と早期発見のためには、地域でお互いに助け合い、見守りあう力を高めることが必要である。子育ての悩みを気軽に相談できる子育て経験者のグループづくりや父親の参加などによって地域のつながりを強化する取り組みも必要である。このようないわゆる地域のネットワークづくりを行政が応援することが大切である。
(2)子どもに関わる機関が適切に対応する
子どもに関わる機関の組織的な対応と連携が必要である。とりわけ児童虐待防止法の改正によって通報の窓口として位置づけられた子ども家庭支援センターが適切な対応ができるように、機能を充実することが必要である。
また、児童虐待防止において、いちばん大切なのは早期発見であり、このために区民への周知徹底に力を入れる必要がある。さらに、虐待を受けた子どもが親のもとに帰ってきたときのケアや親の自立を支援するシステムを築いていくことも必要である。

7-2 ひとり親家庭の自立支援の推進

(1)母子家庭の自立を支援する。
収入が不安定になりがちな母子家庭の経済的な自立を支援するために、就労支援策を充実させる必要がある。就労の場を充実させるために、行政が中小企業を支援することも必要である。
(2)父子家庭の自立を支援する
父子家庭では仕事と育児がのしかかり困難に陥っている例が多く、家事援助などの生活支援が必要である。また、子どもの保育、教育、生活相談に加えて働き方の見直しなど父子家庭問題に総合的に取り組むことが必要である。

7-3 障害児施策の充実

(1)障害児の自立を支援する
障害者への支援にあたっては、教育、福祉、保健・医療、労働の緊密な連携が必要である。
また、障害児の自立就労に向けて学校卒業後のシステムづくりに取り組む親たちを行政が支える必要がある。
(2)家族を支援する
親と兄弟姉妹へのサポートも必要である。
精神的に自分自身を追い込んでしまいがちな障害児を持つ親のレスパイトケア(一時的な休息のための援助)を考えていかなければならない。障害児の兄弟姉妹は自分が親に愛されていないのではないかと思ってしまうことがある。兄弟姉妹へのケアも必要である。
(3)地域の理解を深める
障害についての理解を深めていくことが、子どもの中でも一般社会でも必要である。「子どもを大事にしよう」という気持ちで一緒に話し合い、行動することによって、お互いにわかり合っていくことも必要である。
地域に障害を持つ子どもがいることをみんなが理解することが大切であり、地域の幼稚園や保育園で共に育っていくことができるようにすることが大切である。
発達障害を含め障害を持った児童の教育の充実については、社会全体で行わなければ意味をなさない。特別支援教育の実施を見据えて地域社会全体で取り組んでいくことが必要である。
さらに、成人した障害者に接する機会が少ないため、彼らに対する理解が低い。障害者が社会の一員として自立できるようにしていくことが必要である。

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