練馬区における観光の意義

　練馬区にはいわゆる観光地のような特別に有名な観光資源はありませんが、都市住民にとって楽しさや安らぎをもたらす魅力的な資源は豊富にあります。区民、事業者、区は、これらの練馬区内にあるさまざまな資源に磨きをかけるとともに新たな資源を創り出し、区内外に"ねりま"の魅力をPRします。こうした活動により区の魅力を高め、区民の区内で過ごす時間を増やし、区外の人々を迎え入れて、地域経済の活性化をはかります。

　区民、事業者、区が一体となった観光振興への取り組みを契機として、区民相互の交流や区外から訪れる人々とのふれあいを活発化させていきます。また、区民や訪れる人が快適に過ごすことのできるまちづくりの視点を加えて、生活環境と地域文化の向上に取り組んでいきます。こうした活動をとおして、愛着と誇りの持てる「ふるさとねりま」づくりを推進します。

　一般に観光は、日常生活圏を離れて、楽しさや安らぎを求めるものであり、優れた自然景観、温泉、由緒ある文化財、テーマパークなどを宿泊を伴いながら巡るものとされています。練馬区が取り組む観光は、このようなものとは異なり、身近な個性あふれるまちを個人やグループで訪ね、都市の景観や生活文化を楽しみ、豊かな時を過ごしてもらう「まち歩き観光」を目指すものです。これは、観光地としては認識されていない住宅都市における観光の新しい姿を示すものです。

　近年、下町や近郊の歴史あるまちなどを訪ねる「まち歩き観光」が定着してきています。練馬区には緑豊かな公園や農にふれあう場、商店街のイベントや地域の祭り、様々な文化財など、都市住民にとって楽しさや安らぎをもたらす資源がバラエティ豊かに存在しています。
　こうした資源に磨きをかけ、効果的にPRすることによって、67万区民をはじめとする多くの都市住民を対象として練馬型「まち歩き観光」が成り立つ可能性があります。