東京都保健医療計画改定に向けた意見書
ページ番号:542-723-531
更新日:2024年2月16日
区の人口は74万人を超え、一部の県を上回る人口規模でありながら、200床を超える病院は4施設のみである。人口10万人当たりの一般・療養病床数は令和5年6月1日現在328床であり、23区平均760床の半数に満たない状況である。医療機能の面でも、急性期から回復期、慢性期まで、すべての機能が不足している。
今後、高齢化の進展に伴い、高齢者人口は増加を続け、30年後には20万人を超え、支援が必要な高齢者の増加が見込まれる。こうした中、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的・継続的に提供される地域包括ケアシステムの深化・推進が求められる。
入院医療は、基本的に二次保健医療圏において確保することとされているが、地域包括ケアシステムを深化・推進するには、住民の視点に立ち、身近な地域でバランスのとれた切れ目のない医療提供体制が整備される必要がある。
また、新型コロナウイルスの感染拡大時には、罹患した多くの区民が、遠方の病院へ搬送されるなど、新たな課題も顕在化した。近年の大規模化・激甚化する様々な自然災害の発生への対応も含め、これらの課題を解決するには、区内に拠点となる医療体制の整備が必要である。
よって、本区議会は、東京都保健医療計画の改定と基準病床数の見直しに当たり、次の事項について強く要望する。
1 基準病床数は、東京都地域医療構想を踏まえ、現在の人口だけでなく将来の需要予測も含めて見直されたい。また、計画期間の中途においても必要に応じて基準病床数の見直しを行われたい。
2 二次保健医療圏内の基礎的自治体ごとの医療機能の配置状況、人口規模や面積を総合的に勘案し、不足する病床機能の充実と病床偏在の是正に配慮されたい。特に、在宅療養を支える回復期・慢性期の病床並びに災害時及び感染拡大時への対応に資する病床は、基礎的自治体ごとに必要な数を整備できるように配分することを保健医療計画に盛り込まれたい。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
令和6年2月16日
練馬区議会議長 田 中 よしゆき
宛先・・・東京都知事
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