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子育て支援の拡充を求める意見書

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  7. 子育て支援の拡充を求める意見書

ページ番号:710-938-586

更新日:2022年6月21日

 厚生労働省が発表した令和3年の出生数は81万1,604人で、6年連続で過去最少を更新した。また総務省の発表によると、我が国の人口は前年と比べ64万4,000人減少し、11年連続の減少となったことに加え、統計を取り始めた1950年以来、過去最大の減少率となっている。少子高齢化による人口減少が我が国最大の国難であるとして、その解決を図るべく、令和元年10月から幼児教育・保育の無償化が開始されたが、出生数の減少に歯止めがかかっていない。そうした中、国や自治体が実施する子育て支援策には所得制限が設けられているものが多く、支援の対象から外れてしまう子どもが多くいる現状が注目を集めている。

 令和3年度に実施された子育て世帯等臨時特別支援事業は児童手当の所得制限に準拠し実施され、本区においては全体の約25%、26,000人余りの児童には支給がされなかった。加えて児童手当に関しては、令和4年10月支給分より、所得制限限度額を超える世帯の特例給付が廃止されることが決定している。また、0歳~2歳の幼保無償化をはじめ、いわゆる高校無償化や大学無償化と呼ばれる各種支援制度のいずれにおいても所得制限が設けられ、そうしたしわ寄せが子どもの進路や将来の可能性を狭めることにつながりかねない。こうした所得制限の設定により、手当や助成等も含めた総収入額が逆転してしまう不公平な現象が生じており、頑張って働けば働くほど子どもへの給付が無くなってしまうという事態は、働き盛りとされる子育て世帯の就労意欲をそぎ、最終的には、少子化をより一層促進させるおそれもある。

 先日開催された政府の税制調査会の総会において、有識者から「子育て支援に所得制限を設けると社会に分断が生じる」という問題提起がなされただけでなく、日本税理士会連合が令和3年8月5日に国に提出した「令和4年度税制改正に関する建議書」の中には、現行の児童手当に関して、「所得制限があるため、一定額以上の所得のある者については最低生活費部分に課税が及ぶことになり、憲法の要請からも適切でないと考えられる。したがって、児童手当の所得制限の廃止又は年少扶養控除の復活を検討すべきである。」との記載がある。

 我が国の将来を担う子どもたちにしっかりと予算を割いていくことは、未来に対する投資であり、親の所得にかかわらず、全ての子どもが平等に扱われるべきである。またそうすることが誰もが子どもを産み育てやすい社会の形成につながり、我が国の長年の課題である出生数の改善にも寄与するものと考える。

 よって、本区議会は国会及び政府、並びに東京都に対し、児童手当をはじめとした各種子育て支援策に対する所得制限の撤廃や多子世帯に対する支援の充実など、子育て支援を拡充することを強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和4年6月21日

                                           練馬区議会議長 藤 井  たかし
 
 宛先・・・衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣(少子化対策)、東京都知事

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