練馬区の地域医療の充実に向けた対策を求める意見書(厚生労働大臣あて)
ページ番号:636-407-413
更新日:2018年6月19日
練馬区は、23区において世田谷区に次ぐ多くの人口を擁しており、その人口規模は平成20年には70万人を超え、今なお増加を続けている。しかしながら、平成23年6月現在、練馬区内の一般および療養病床数は延べ1,909床で、人口10万人当たりでは275床と、23区平均825床の3分の1に過ぎず、23区の中で最も少ない状況となっている。
その結果、入院を必要とする練馬区民の7割は区外の病院に入院をしており、6割の妊産婦は区外医療機関等で出産をしている。また、一刻も早い治療が必要となる救急医療においても6割の区民が区外搬送を余儀なくされている。
災害時医療においても、区内の極端な病床不足は切実な問題であり、災害時に区民の生命と健康を守る第一義的立場にある基礎的自治体にとって、災害時後方医療施設の確保は喫緊の課題である。また、ひとたび首都直下地震が起きた場合には、都心部、低地部を中心にライフラインや建物の被害が発生し、災害医療体制に混乱が生じることが予想されることから、被害想定の少ない内陸部に位置する練馬区に病床を確保することは、広域的な災害対応能力の向上にも資するものである。
さらに、急速に進む高齢社会の中で、療養病床の必要性が高まっているが、療養病床は地域ケア体制における重要な社会資源であることや、入院する高齢期の患者本人および患者を支える家族の負担を軽減するためにも、身近な地域への整備が不可欠である。
このようなことから、不足する病床を確保し、練馬区民のだれもが、いつでも、安心して医療サービスを受けられるようにすることは、練馬区の最重要課題である。
しかしながら、新たな病床の確保は、東京都保健医療計画に定める二次保健医療圏ごとの基準病床数の範囲内において許可される制度となっており、練馬区の属する区西北部二次保健医療圏においては、基準病床数が増加しない限り、一定規模の新たな病床を確保することは難しいのが現状である。
また、練馬区が病床確保策を計画的に進めていくためには、二次保健医療圏内の病床配置状況を踏まえた配慮や病院誘致等にかかる財政負担についての支援も必要である。
よって、本区議会は、区民の生命と健康を守るため、医療提供体制の確保を図るための基本的な方針を定める政府に対し、練馬区が新たな病床を確保し、地域医療の充実が図れるよう、次の事項について強く要望する。
1 地域の医療提供体制整備に向け、基準病床数の算定方式を見直されたい。
2 二次保健医療圏内の病床の配置状況も踏まえた病床配分の必要性について検討されたい。
3 練馬区のように病院誘致を行うなど、区市町村が住民に身近な地域医療の充実に主体的に取り組む際には、その趣旨を鑑み、その政策が計画的に推進できるような仕組みの創設や、財政的な支援について検討されたい。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成24年6月22日
練馬区議会議長 小川 けいこ
厚生労働大臣 あて
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