原爆症認定と被爆者の救済に関する意見書
ページ番号:374-131-091
更新日:2010年2月1日
広島・長崎両市への、人類がかつて経験したことのない原子爆弾の投下により未曾有の被害がもたらされ、多くの尊い生命が奪われた。62年余が経過した今日においてなお、多くの被爆者が後遺症に苦しみ、精神的苦痛を抱え不安な日々を送っている。
本区議会においては、このような惨禍が二度と繰り返されることのないよう、昭和58年に非核都市練馬区宣言を全会一致で可決し、核兵器の廃絶と世界恒久平和を訴えてきたところである。
国による総合的な被爆者への援護対策は講じられてはいるものの、原爆症の認定をめぐっては、認定却下処分の取消しを求めて各地で集団訴訟が提起されている。
厚生労働省は本年4月より、従来の「原因確率」による審査を改める、新たな基準による認定を開始し、以前に却下した申請についても、あらためて原爆症と認定するなど、改善の動きも認められる。
しかしながら、新基準の下でも一部の被爆者が認定対象から外れるなど、被爆者救済を最優先する視点に立っているとは言い難い。新基準運用後の司法判断となった、仙台・大阪の両高等裁判所においても、認定対象から外れた原告が原爆症と認定されるなど、国の基準を上回る判決が出され、依然として広範な被爆者救済を国に求める結果となっている。
被爆者の高齢化が進むなか、救済には一刻の猶予も許されない。
よって、本区議会は国会および政府に対し、原爆症認定制度を「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」の立法の趣旨である救済の精神に則り、認定基準の見直しをはじめ原爆被害の実態に即した制度に改善し、被爆者の救済について適切な対応を図るよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成20年6月20日
練馬区議会議長 しばざき 幹男
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣 あて
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