東京都保健医療計画改定に向けた意見書
ページ番号:828-567-786
更新日:2018年2月28日
区の人口は72万8千人を超え、一部の県を上回る人口規模でありながら、200床を超える病院は3施設のみである。人口10万人当たりの一般・療養病床数は平成29年6月1日現在290床であり、23区平均である779床の約3分の1にとどまっている。医療機能の面でも、急性期から回復期、慢性期まで、すべての機能が不足しており、入院を必要とする区民の約7割は区外の病院に入院している。更に、区内には生命の危機を伴う重篤患者に対する三次救急医療機関がないため、緊急性が高いにもかかわらず対応に時間を要している。
今後、高齢化の進展に伴い、高齢者人口が増加し続け、30年後には20万人を超えることが見込まれており、入院や在宅医療、救急等の医療需要が増大することは必至である。こうした中、区民が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的・継続的に提供される地域包括ケアシステムを確立することが急務となっている。
これまで入院医療は、基本的に二次保健医療圏において確保することとされてきたが、地域包括ケアシステムの確立には、住民の視点に立ち、身近な地域にバランスのとれた切れ目のない医療提供体制が整備される必要がある。
団塊の世代がすべて後期高齢者となる37年を目前に控えた今こそ、将来を見据えた医療政策の展開が求められている。
よって、本区議会は、東京都保健医療計画の改定と基準病床数の見直しにあたり、区民が地域で安心して暮らし続けられる地域包括ケアシステムを構築するため、次の事項について強く要望する。
1 基準病床数は、東京都地域医療構想に示された平成37年における需要予測を踏まえて見直されたい。また、計画期間の中途においても必要に応じて基準病床数の見直しを行われたい。
2 二次保健医療圏内の基礎的自治体ごとの医療機能の配置状況、人口規模や面積を総合的に勘案し、不足する病床機能の充実と病床偏在の是正に配慮されたい。特に、在宅療養を支える回復期・慢性期の病床は、基礎的自治体ごとに必要な数を整備できるように配分することを保健医療計画に盛り込まれたい。
3 災害時対応も踏まえ、三次救急医療機関のない地域への配置について配慮されたい。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成30年2月28日
練馬区議会議長 小林 みつぐ
東京都知事 あて
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