更新日:2024年11月8日
感染性胃腸炎とは、主にウイルスなどの病原体を原因とする胃腸炎の総称です。原因となるウイルスには「ノロウイルス」「ロタウイルス(※)」などがあり、主な症状は腹痛、下痢、おう吐、発熱です。
年間を通じて発生していますが、例年11月(第44週頃)から増加し、12月(第48週頃)をピークとして2月(第5週頃)まで多発する傾向があります。
感染性胃腸炎の原因として最も多いものがノロウイルスといわれています。感染力が強く、患者のおう吐物や便には大量のウイルスが含まれるため、患者が発生すると家庭内や集団生活では感染が広がることがあります。
※ ロタウイルスは、令和2年10月1日から予防接種が定期予防接種として受けられるようになりました。
感染性胃腸炎の定点当たりの患者報告数推移
東京都保健医療局ホームページ「感染性胃腸炎 ノロウイルス等集団感染に注意」
■感染性胃腸炎(ノロウイルス等)とは
症状は、悪心、おう吐、下痢、腹痛、発熱等があります。 特に、高齢者は、誤えん(嘔吐物が気管に入る)による肺炎を起こすことがあるため、体調の変化に注意しましょう。
潜伏期間は1〜2日程度で、次のような感染経路があります。
・感染した人のおう吐物やふん便から、人の手や器具(ドアノブなど)を介してウイルスが口に入った場合
・感染した人が十分に手を洗わずに調理した食品を食べた場合
・感染した人のおう吐物やふん便が乾燥して細かな塵ともに舞い上がり、その塵と一緒にウイルスを取り込んだ(吸い込んだ)場合
・ノロウイルスを内臓に取り込んだカキやシジミなどの二枚貝を、生または不十分な加熱処理で食べた場合
特別な治療方法はなく、つらい症状を軽減するための処置(対症療法)が行われます。おう吐の症状がおさまったら、少しずつ水分を補給し、回復期には消化しやすい食事をとるように心がけましょう。また、乳幼児、高齢者では下痢や嘔吐による脱水症状を生じることがありますので、早めに医療機関を受診することが大切です。
■感染症予防のポイント
1.一人ひとりが手洗いをきちんと行うことが大切です。特に排便後、調理や食事の前には、その都度、石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
2.おう吐物やふん便は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系の漂白剤)を使用し、適切に処理しましょう。
3.おう吐物やふん便を処理する際は、使い捨ての手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は、石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
4.カキなどの二枚貝を調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう(中心温度85から90℃で90秒間以上の加熱が必要です。)。
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