グランドデザイン構想 平成30年(2018年)6月策定 練馬区 ■グランドデザイン構想の策定にあたって 練馬区では、都心に近い利便性を享受しながら、農地や樹林・公園など、多彩なみどりに包まれた暮らしを楽しむことができます。 みどりを更に増やし、教育・福祉・医療サービスを充実し、道路や公共交通など都市インフラを整備することで、『ここに練馬区あり』と胸を張れる豊かで美しいまちを、次の世代に引き継ぎたい。私の夢であります。 グランドデザイン構想は、目指す将来像を区民の皆さまと共有し、区政を更に前に進めるために策定しました 区内では、ねりマルシェなど地域に根差した区民の自発的活動が行われています。更には、コンビニを認知症高齢者の見守り拠点とする仕組み、みどりの区民会議を通じたみどりの保全・創出の新たな手法、まちかどケアカフェやはつらつシニアクラブの多様化など新たな取組みも生まれています。 こうした取組みを、あらゆる分野に拡げていくことが、練馬区を発展させていくと確信しています。 区政を「参加と協働」から「参加から協働へ」と深化させ、練馬ならではの自治の創造へ向けて、更に前へ進みたい。心から願っています。 平成30年6月 練馬区長 前川 燿男(まえかわ あきお) 1ページ 「グランドデザイン構想」について ・練馬の発展には、区民参加と協働を根幹に据えた、「暮らし」と「都市」の両面のインフラ整備が必要です。 ・おおむね10年後から30年後の将来像を「暮らし」 「都市」 「区民参加と協働」 の3つの分野で示します。 ・ここに示す将来像の実現に向けた具体的な取り組みや事業、財政フレームは「新みどりの風吹くまちビジョン」、「アクションプラン」において明らかにしていきます。 ・「暮らしのグランドデザイン」では、区民が安心して心豊かに生活する「暮らし」の目指す姿を示します。 ・「都市のグランドデザイン」では、区民の暮らしの舞台である「まち」の目指す姿を示します。 ・「区民参加と協働のグランドデザイン」では、「区民参加と協働」の目指す姿を示します。 グランドデザイン構想により、目指す将来像を区民と共有し、未来の練馬をつくっていきます。 ■冊子目次 第1章 暮らしのグランドデザインは、冊子では、右開きで、2ページから19ページに掲載しています。 第2章 都市のグランドデザインは、冊子では、左開きで、57ページから32ページに掲載しています。 第3章 区民参加と協働のグランドデザイン、冊子では、左開きで、31ページから20ページに掲載しています。 第1章 暮らしのグランドデザイン 2ページ 「暮らしのグランドデザイン」について 暮らしのグランドデザインでは、子ども、高齢者、文化芸術、みどりなど、8つのテーマを設定しました。 10年後の暮らしの姿を、8人の「区民の物語」として描いています。 希望、喜び、悩み、葛藤、さまざまな状況にありながらも、前を向いて努力している区民が主人公です。 あわせて、テーマに対する「区の基本姿勢」と「取組の方向性」をお示ししています。 未来のあるべき姿について、区民の皆さまと区が共に考え、区民参加と協働のもと、課題の解決に取り組んでいきます。 3ページ 8人の区民の物語 テーマ1:子育て 働きながら2人の娘を育てる30代女性 の物語 安心して子育てできる、子どもがいきいきと暮らせる 4ページ、5ページに掲載しています。 テーマ2:高齢者福祉 認知症の夫を介護する70代女性 の物語 いくつになっても、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる 6ページ,7ページに掲載しています。 テーマ3:障害者福祉 知的障害がある息子を育ててきた60代男性 の物語 障害の有無に関係なく自分らしく生きられる、喜びがある 8ページ、9ページに掲載しています。 テーマ4:生活福祉 ひとり親として息子を育ててきた50代女性 の物語 毎日の暮らしに支えがある、未来に希望を持てる 10ページ、11ページに掲載しています。 テーマ5:健康づくり 病気を経験し健康づくりに目覚めた50代男性 の物語 みどりの風を感じる、誰もが健やかに暮らしている 12ページ、13ページに掲載しています。 テーマ6:文化芸術 文化芸術のまち練馬を楽しむ20代女性 の物語 身近に文化芸術が楽しめる、あそび心があふれる 14ページ、15ページに掲載しています。 テーマ7:みどり みどりの区民会議で活動する40代男性 の物語 みどりの新しい風が吹き始める、憩い楽しむ場所がある 16ページ、17ページに掲載しています。 テーマ8:都市農業 休日に農業体験を楽しむ30代男性 の物語 暮らしに農がある、日常に潤いがもたらされている 18ページ、19ページに掲載しています。 4ページ、5ページ 暮らしのグランドデザイン テーマ1 子育て 安心して子育てできる、子どもがいきいきと暮らせる (1)区民の物語 ・202×年 秋 働きながら2人の娘を育てる30代女性 私は7歳と3歳の娘を育てる母親だ。夫や娘たちと忙しい日々を送っている。 ・ひとりじゃない、だから頑張れた 上の娘が生まれたとき、勤めていた会社に復職するか悩んだが、しばらく子育てに専念するため、会社は辞めることにした。 当時は夫も残業が多く、子どもと2人きりで心身ともにつらかった。そんなとき、区の産後ケアサービスを使って、助産院でゆっくり休むことができた。それに、近所に子育てのひろばがあったおかげで、育児の悩みを打ち明けることもできた。 そんな娘も今では小学生。放課後も学校で友達と楽しく過ごしている。 ・娘が楽しそう、それってしあわせ 数か月前、経理の経験を活かして再就職した。子どもの将来を考えると、お金が必要になる。久しぶりの仕事で戸惑うことも多いが毎日頑張っている。 仕事を終え、保育園に下の娘を迎えに行くと、園庭で友達とかけっこをしていた。私と目が合い、一目散で駆け寄ってくる。 『ママ!』 『いっぱい遊んだ?』 『今日ね、ママを描いたんだ!』 小さな手を取り、覚えたての童謡を一緒に歌いながら帰る。クレヨンで描かれた私は笑顔だった。また一つ、宝物が増えた。 ・「保活」なんてむかしのこと 保育園を探すことを「保活」と呼んだ時期もあったが、今はそんな言葉も聞かない。下の娘を預けるときも、大きな苦労はなかった。 子育てと仕事の両立は大変なこともあるが、いろんな子育てサービス、そして娘の笑顔に支えられている。 来週は月末で忙しいので、娘の迎えは夫と調整してみよう。 (2)区の基本姿勢 ・子育てのかたちを選択できる社会の実現 【解説】 3世代同居が珍しくなかった昔、祖父母や地域の協力を得ながら、家庭で子育てを行うことは当然であるという価値観がありました。しかし、高度成長期以降、核家族化や女性の社会進出が進むなか、子育ては社会全体で取り組む事業であるとの意識が広まっています。 子育ては誰が担うべきか、様々な考え方や価値観が存在しますが、最も尊重されるべきことは、それぞれの家庭の思いです。 家庭で子育てがしたい。子どもを預けて働きたい。様々なニーズを持つ保護者に応じた社会的サービスを提供することで、子育てのかたちを選択できる社会の実現を目指します。 (3)ねりまの未来に向けて(取組の方向性) ○ 妊娠期から子育て期まで、切れ目ないサポートを行います。 ○ 家庭で子育てをする保護者への支援を充実させます。 ○ 保育サービスを更に充実し、保育所待機児童を解消します。 ○ 子どもたちが健やかに成長できるよう、教育を充実させます。 ○ すべての小学生を対象に放課後の居場所をつくります。 ○ 児童相談体制を更に強化します。 6ページ、7ページ 暮らしのグランドデザイン テーマ2 高齢者福祉 いくつになっても、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる (1)区民の物語 ・202×年 冬 認知症の夫を介護する70代女性 私は夫と2人で暮らしている。 夫の退職後、穏やかな生活を送っていたある日、夫の病気が分かった。 ・認知症の夫と向き合う日々 最初は、物忘れが増えたと思う程度だったが、何度も同じことを聞いたり、急に怒ったりするようになってきた。 夫は病院に行くことを頑なに拒んだ。これまでの自分でなくなっていくことが、とても不安だったのだろう。 しかし、散歩から家に帰れず、警察に保護されたことをきっかけに、診察を受けることになった。 『アルツハイマー型認知症です』 予感はしていたが、お医者さんに直接言われるとショックだった。 ・初めて知った介護サービス 病院で地域包括支援センターを紹介してもらい、これからの生活について相談した。認知症でも介護サービスが使えることを初めて知った。 夫は、「要介護1」と判定された。今は、デイサービスや泊りのサービスを組み合わせて利用している。以前と比べると、夫の表情が穏やかになった。 私も少し落ち着いたので、外に出かけることが増えた。夫と2人で街かどケアカフェに行き、おしゃべりすることで、孤独感も少し薄らいだ気がする。 ・地域のつながりに支えられて お昼過ぎ、洗濯物を干している間に、夫がどこかに行ってしまった。 自宅の周辺を探していると、駅前のコンビニの店長から電話があった。 『ご主人来てるよ!』 急いで向かうと、夫がいた。 『いつもすみません』 『いいんだよ。大変だよね』 夫の介護はこれから厳しくなっていくだろう。地域の人たちに支えられながら、できるだけ頑張っていこう。 (2)区の基本姿勢 地域包括ケアシステムの確立 【解説】 2025年、団塊世代の全てが75歳以上の後期高齢者となります。介護が必要になっても、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的・継続的に提供される、地域包括ケアシステムを確立することが不可欠です。 一方で、高齢者の約8割は要介護認定を受けていない、いわゆる「元気高齢者」であり、地域の支え手として、様々な場面での活躍が期待されています。 医療と介護が連携した在宅療養ネットワークを構築するとともに、元気な人、健康に不安がある人、介護が必要な人、高齢者一人ひとりに合ったサービスを提供することで、住み慣れた地域での暮らしを支えます。 (3)ねりまの未来に向けて(取組の方向性) ○ 介護保険施設等の整備を進めます。 ○ 医療と介護の相談体制を充実し、在宅療養ネットワークを構築します。 ○ 地域包括ケアシステムの確立に向けて、病院の整備を進めます。 ○ ひとり暮らし高齢者や認知症高齢者を支援する体制をつくります。 ○ 身近な場所で介護予防に取り組める環境をつくります。 ○ 元気高齢者が地域の支え手として活躍する仕組みをつくります。 8ページ、9ページ 暮らしのグランドデザイン テーマ3 障害の有無に関係なく自分らしく生きられる、喜びがある (1)区民の物語 ・202×年 夏 知的障害がある息子を育ててきた60代男性 私と妻の間には、3人の息子がいる。長男と次男は自立しており、現在は、知的障害がある27歳の三男と一緒に暮らしている。 ・障害を持つ子の親になって 三男は、上の子たちと比べて成長が遅いと感じていた。最初に障害があると分かったときは、ショックだった。 私も妻も、なかなか障害を受け入れることができなかった。 『息子さんは、ゆっくりですが、必ず成長していきます』 医師の言葉を胸に、慈しんで育ててきた。 ・親としての喜び 三男は「ありがとう」「ごめんね」を素直に言える子に育った。私自身、彼の心の綺麗さに救われることが多い。 根気強いところもあり、特別支援学校を卒業した後、福祉作業所に就労することができた。公園清掃と封入作業を担当している。 『いただきます』 三人で夕飯を食べながら、その日にあった出来事を語り合う。今日も仕事を頑張ったようだ。 ・不安と葛藤の先に 三男の将来の生活は、私たちの若い頃からの不安だった。老境に入り、それが現実のものになってきている。障害のある子を持つ同世代の親も、私と同じ葛藤に向き合ってきた。 今はグループホームも増えた。緊急時でも、24時間相談に応じてくれる生活拠点もある。なんとか一人でも生活していけるのではないかと、希望を持ち始めた。 (2)区の基本姿勢 障害者のライフステージに応じた支援 【解説】 障害者や障害児を取り巻く環境は、近年、多くの法制度の施行や改正が行われ、大きく変化しています。障害があっても暮らし続けられる地域づくりを進めなければなりません。 障害者の高齢化・重度化、家族の高齢化が進むなか、障害者一人ひとりをどのように支えていくかが大きな課題です。その人のライフステージに応じた必要な支援が求められています。 住み慣れた地域で、障害の特性に応じた就労支援や暮らしの支援を受けられる、誰もがいきがいを持ち、自分らしい生き方ができるまちの実現を目指します。 (3)ねりまの未来に向けて(取組の方向性) ○ 障害者の生活の基盤となる住まいの場を確保します。 ○ 障害者就労と職場定着の支援を充実させます。 ○ 障害者の地域生活を支援する拠点を整備します。 ○ 重度障害児や医療的ケアが必要な障害者(児)へのサービスを充実させます。 ○ 障害の有無に関わらず、お互いを尊重し支え合う地域づくりを進めます。 ○ ユニバーサルデザインのまちづくりを進めます。 10ページ、11ページ 暮らしのグランドデザイン テーマ4 毎日の暮らしに支えがある、未来に希望を持てる (1)区民の物語 ・202×年 春 ひとり親として息子を育ててきた50代女性 『はい。母さんにプレゼント』 4月から社会人として働く息子が、初任給で時計を買ってくれた。目頭が熱くなるのを感じた。 ・先のことを考えられなかった 10年前、夫が病気で亡くなった。しばらくは、わずかな生命保険金と貯金を取り崩して生活していた。 色々なパートも経験したが、収入は十分ではなく、生活は苦しかった。 生活保護が頭をよぎっていたとき、息子が思いがけないことを言った。 『俺、高校行かないで働くよ』 とにかく区役所に行って、相談してみることにした。 ・前を向いて歩き出した私 『まず家計と仕事を考えましょう』 相談員さんは、親身になって話を聞いてくれた。将来に必要なお金を計算し、家賃が安いアパートに引っ越すことにした。また、資格取得を支援してくれる区の制度を知り、就職に有利になればと、介護福祉士の資格を取ることを決めた。 その後、資格を取った私は、区内の介護施設で働き始めた。収入も少し増えた。息子は、中3勉強会に参加し、志望の高校に合格した。 ・息子の頑張る姿が支え 高校卒業後、息子はアルバイトをしながら大学を卒業し、仕事に就くこともできた。 10年間を振り返ると、金銭的には大変なことが多かったが、息子の頑張る姿が私の支えだった。 これから大変なこともあると思うが、このまちで頑張っていきたい。 (2)区の基本姿勢 一人ひとりに寄り添って生活を支える 【解説】 子どもの貧困対策を考えるとき、取り組むべき課題は、貧困率が高いひとり親家庭への支援です。様々な事情で、ひとり親になる可能性は誰にもあります。それぞれの家庭の状況に応じて、生活・就労・子育て・教育などの支援を充実させなければなりません。 また、生活保護世帯は年々増加しており、生活困窮者を含め、総合的な自立支援が求められています。DV(家庭内暴力)や疾病など、経済的な困窮以外の悩みを持つ人に対するきめ細かな支援も重要です。 縦割りの行政組織に横串を通し、総合的な生活支援施策を推進することで、誰もが未来に希望を持って生活できるまちの実現を目指します。 (3)ねりまの未来に向けて(取組の方向性) ○ 生活・就労・子育ての3つの支援策をパッケージ化した「ひとり親家庭自立応援プロジェクト」を推進します。 ○ 経済的な支援が必要な子どもへの学習支援を充実させます。 ○ 生活保護世帯や生活困窮者への自立支援を充実させます。 12ページ、13ページ 暮らしのグランドデザイン テーマ5 みどりの風を感じる、誰もが健やかに暮らしている (1)区民の物語 ・202×年 冬 病気を経験し健康づくりに目覚めた50代男性 『数値は安定しているようですね』 定期検診の結果をかかりつけ医に言われた。私は5年前に大病を経験した。 ・かかりつけ医の大切さ 健康に自信があった私は、好きな物を食べ、お酒を沢山飲む生活を送っていた。経営する雑貨店が忙しく、年に一回の特定健診もさぼりがちだった。 そんなある日、胸やけが収まらないので、かかりつけ医に診てもらった。 『狭心症かもしれない』 すぐに救急車で区内の病院に運ばれ、心臓の血管にカテーテルを入れる手術を受けた。もう少し発見が遅かったら命が危なかったらしい。 ・歩きたくなるまち、ねりま 入院中、店のことは妻に任せっきりだった。病気になって、身体が資本だと身に染みた。 『歩くことから始めてみない?』 妻に勧められ、ウォーキングを始めることにした。毎日、健康アプリで歩数や消費カロリーを記録している。 『ほら、タロウ、散歩に行こう』 愛犬と散歩に出かけると、グラウンドや公園、川沿いの遊歩道など、色々な場所で人々が運動を楽しんでいる。区内はみどりが多く、歩いているだけでも楽しい。 ・楽しいからこそ続けられる 休日、近所のレストランに行くと、彩り鮮やかな野菜をふんだんに使ったサラダが出てきた。店員さんによれば、隣の畑で朝に採れた野菜とのこと。 一口食べれば、甘く、瑞々しい。野菜が苦手だった私だが、地元産の野菜は美味しいので沢山食べられる。 運動も食事も、楽しいからこそ続けられる。継続が健康への近道だ。 (2)区の基本姿勢 自ら健康づくりに取り組めるまち 【解説】 我が国の平均寿命は男女とも世界トップクラスであり、世界的な長寿命国です。しかし、介護の必要がなく健康的に生活できる期間を示す健康寿命は、平均寿命より10年程度短くなっています。健康寿命を延ばすためには、食事や運動を含め、個人の年齢や体力に応じた継続的な健康管理が必要です。 また、若い世代を中心に、運動習慣がない、食事に偏りがあるなどの傾向が見られます。 健康診査の受診環境の充実や食育活動の推進とともに、スポーツ施設や公園の整備など、誰もが運動しやすい環境の整備も欠かせません。あらゆる世代の人が、自ら健康づくりに取り組むことができるまちの実現を目指します。 (3)ねりまの未来に向けて(取組の方向性) ○ 健康診査の受診環境を充実させます。 ○ 練馬ならではの食育活動を推進します。 ○ 健康づくりに役立つ健康管理アプリを提供 します。 ○ 練馬区オリジナルの体操として、「健康いきいき体操」・「お口すっきり体操」・「ゆる×らく体操」を普及・促進します。 ○ 誰もが利用できるスポーツ施設を充実させます。 ○ 区民のこころの健康づくりを進めます。 14ページ、15ページ 暮らしのグランドデザイン テーマ6 身近に文化芸術が楽しめる、あそび心があふれる (1)区民の物語 ・202×年 秋 文化芸術のまち練馬を楽しむ20代女性 『練馬大根以外に何かあるの?』 両親の初デートで母が言ったそうだ。練馬育ちの父は返す言葉がなかったらしい。その話を聞いて一人娘の私も苦笑した。母は昔からきついことを言う。 でも、今は大根だけじゃない。 ・文化芸術の拠点となった美術館 今日は区立美術館に来ている。印象派の巨匠の展覧会が目当てだ。大学で専攻する油絵の勉強も兼ねている。 展示スペースは広く、全国巡回展も開催できる規模だ。みんなが文化芸術の拠点と呼ぶのも納得できる。 『これって何の花?』 男の子が風景画を指して母親に話していた。美術館に来る子どもも多い。ユニバーサルデザインで、誰もが快適に鑑賞できる。 ・音楽、さらには伝統芸能も 国内の一流オーケストラによる演奏会も定期的に開催されている。都心まで出かけなくても、本物のクラシックコンサートが身近で体感できる。 地域のお祭りに行けば、今も練馬に伝わるお囃子が奏でられている。 毎年、石神井の森を借景にして薪能も行われる。私には敷居が高いと思っていたが、初めて見たとき、かがり火に浮かぶ「幽玄」の世界に感動した。 ・練馬大根、そして文化芸術のまちへ 区内を歩けば、映画やアニメをモチーフとした街並みがあり、駅前や大学で音楽フェスティバルが行われている。夏は花火の夕べも楽しめる。区民の多彩な文化活動も盛んだ。 今、練馬と言えば文化芸術のまちだ。 今日も外は心地よい風が吹いている。みどりの風吹くまちに音楽が流れる。 (2)区の基本姿勢 練馬ならではの都市文化を花開かせる 【解説】 練馬区はみどり豊かな住宅都市だからこそ、豊かな文化芸術が花開く可能性があります。区内には、区立美術館や練馬文化センター、芸術系大学があり、著名な文化人も多く居住しています。区民による多彩な文化活動も盛んです。 文化芸術を花開かせるためには、自由な発想が必要です。民間の人材や発想を活かし、独創的で発信力のある事業を推進することが求められています。また、国籍、障害、年齢などに関わらず、誰もが文化芸術を楽しみ、参加できる環境をつくることも重要です。 日本を代表する芸術家の舞台やコンサートの開催、区民参加型のイベントの充実など、様々な企画を打ち出すことで、練馬ならではの都市文化を花開かせます。 (3)ねりまの未来に向けて(取組の方向性) ○ 区立美術館をリニューアルし、魅力あふれる文化拠点にします。 ○ 音楽や映像を楽しむ、新たなリーディングイベントを開催します。 ○ 練馬薪能など、質の高い文化イベントを展開していきます。 ○ 子どもや若者が芸術に触れる機会を充実させます。 ○ 区民の文化芸術活動を支援します。 ○ 映画やアニメなどの映像文化をテーマとしたまちづくりを進めます。 16ページ、17ページ 暮らしのグランドデザイン テーマ7 みどりの新しい風が吹き始める、憩い楽しむ場所がある (1)区民の物語 ・202×年 春 みどりの区民会議で活動する40代男性 私は練馬区で生まれ育った。みどりが多いこのまちに魅力を感じている。 ・みどりを守る闘い 10年前、近所で大規模マンションが建設される話があった。建設用地には、住民が親しんできた桜があった。 『桜並木を守って欲しい』 近所の人と一緒にお願いしたが、開発事業者は話を聞いてくれなかった。そこで、区役所に初めて嘆願書を出した。開発は止めることはできなかったが、区は粘り強く対応してくれた。 その結果、多くの桜の木を残すことができた。新たなみどりをつくる協定も結ばれた。 ・みどりが持つ二面性 みどりを守るためには、区民一人ひとりの協力が必要だ。私はみどりの区民会議に参加することにした。 『落ち葉で雨どいが詰まって大変…』 『剪定や枝の処分の費用が負担で…』 会議に参加する前は、みどりをどう守るか、という意見が殆どだと思っていた。しかし、みどりに愛着を持つ人がいる一方で、管理することの負担や悩みを抱える人が沢山いた。 みどりを守るとは、この二面性、矛盾との闘いでもあるのだと実感した。 ・このみどりを次の世代へ みどりの区民会議を通じて、行政や住民の意識は変わってきている。公園の樹木の剪定には住民の意見を取り入れるようになったし、屋敷林などのみどりを管理する住民団体も増えた。自宅の庭を開放する人もいる。 新たなみどりもある。道路の整備に合わせて街路樹が植えられ、みどりを感じる快適な空間ができてきている。 この前、息子と「こどもの森」に行った。木登りをしたり、どろんこになって遊んだりする姿はいきいきしている。 みどりを次世代に残すため、今後も活動を続けていきたい。 (2)区の基本姿勢 豊かなみどりを「守り」「育て」「楽しむ」 【解説】 練馬区の魅力は、みどりの豊かさと大都市の利便性が両立している点です。緑被率は24・1%(平成28年度)で、23区中1位です。 区ではこれまで、公園や街路樹の整備、樹林地の保全など、みどりの創出や保全に向けた取組を推進してきました。その結果、公共のみどりは増えています。しかし、緑被地の約4分の3を占める民有地のみどりは、税負担や相続などの理由により、一貫して減少傾向にあります。 みどりを守り増やすためには、区民の協力が不可欠です。そこで、練馬のみどりを将来にわたって守り育てる方策を区民参加で考え、具体的な行動につなげることを目的として、平成28年度に「みどりの区民会議」を立ち上げました。 区民協働による取組を推進し、練馬区の豊かなみどりを「守り」「育て」「楽しむ」ことを目指します。 (3)ねりまの未来に向けて(取組の方向性) ○ みどりの区民会議で、練馬のみどりを守り育てます。 〇 みどりをともに育てる区民のムーブメントを巻き起こす新たな仕組みを作ります。 ○ 宅地のみどりを守り増やすため、地域ぐるみの緑化に対する支援を充実させます。 ○ 将来を担う子どもたちが、自然や生きものと触れ合う体験型事業を推進します。 ○ 特色ある公園の整備を推進します。 ○ 都市インフラの整備に合わせ、みどりのネットワークを形成します。 18ページ、19ページ 暮らしのグランドデザイン テーマ8 暮らしに農がある、日常に潤いがもたらされている (1)区民の物語 ・202×年 秋 休日に農業体験を楽しむ30代男性 私は、区内のIT企業に勤める会社員だ。独身仲間の同僚に誘われて、休日は農園で農業体験をしている。 ・世界でも稀な練馬の都市農業 『乾杯!』 今日は通っている農園でエダマメの収穫祭だ。自分たちが育てた採れたてのエダマメを食べながら、冷えたビールを飲む。世界中を探しても、大都市の真ん中で、こんな体験ができるところはないだろう。 世界都市農業サミットが開催されてからは、日本を訪れた海外の人が観光に来ることもある。 ・足をのばせばそこにある 練馬は練馬大根やキャベツが有名だが、ブロッコリー、エダマメ、ブドウ、ブルーベリーなど特産物が豊富だ。 商店街に行けば、特産物を使った商品を売るお店があり、にぎわっている。直売所まで足をのばせば、新鮮な農産物もすぐ手に入る。 最近は、農地の中で、採れたての野菜や果物を使った料理を提供するレストランが人気だ。ジャムや漬け物などのお土産も売られている。 ・都市農業を支えるためには 『畑は昔、都会にはいらないって言われてたんだよ』 ほろ酔い加減の園主が言った。 『区役所や自分達が頑張って必要なものと認めさせたんだ。法律もできた』 今でも多くの農地は健在だ。 一方で、農業者は若い人も増えているが、中心は高齢者だ。 『畑は続けたいんだけどね』 ・園主も年とともに、作業がきつくなってきたそうだ。後継者の問題は、何が解決策になるのだろうか。 (2)区の基本姿勢 住宅と農地が共存し「農の魅力」があふれる 【解説】 練馬区には、住宅地の中にかなりの規模で農地が点在し、市民生活と融合した生きた農業が営まれています。練馬の都市農業は、農業体験農園や果樹あるファームなど、都市住民のニーズに応え発展してきたものであり、全国の都市農業をけん引してきました。 練馬区は、都市農地保全推進自治体協議会の会長区として、農地制度や税制度の改善を国に要望してきました。生産緑地法の改正による下限面積の見直しや、生産緑地内における直売所や農家レストランの設置規制の緩和などは、この活動が実ったものです。引き続き、更なる農地制度や税制度の改正を求めていきます。 農地は、防災機能やレクリエーション機能など、多様な機能があり、都市生活をより豊かにする区の財産でもあります。住宅と農地が共存し「農の魅力」があふれるまちの実現を目指します。 (3)ねりまの未来に向けて(取組の方向性) ○ 都市農地の保全に向け、国へ制度改正の働きかけを引き続き行います。 ○ 農業が融合する都市の魅力と可能性を国内外に発信するため、「世界都市農業サミット」を開催します。 ○ 市民農園・区民農園を整備するとともに、農業体験農園の開設を促進します。 ○ 都市農業の支え手の育成や活用を促進します。 ○ 練馬産農産物を生産者から直接購入できる「ねりマルシェ」を拡充します。 ○ 「まちゼミ」など商店街や個店の魅力を向上させる取組を支援します。 第2章 都市のグランドデザイン 57ページ ・都市のグランドデザインについて 練馬区は、急激な市街化により、都市計画道路等の都市インフラの整備が不十分なまま都市化が進みました。いまだ遅れている都市インフラの整備を着実に進め、良好な環境のまちを築いていくためには、区民と区がまちづくりの方向性を共有して、ともに取り組んでいくことが不可欠です。 都市のグランドデザインは、「みどりの風吹くまちビジョン」や「都市計画マスタープラン」で示しているまちづくりの方向性に沿って、練馬区が目指す概ね30年後のまちの将来像をわかりやすくとりまとめたものです。この将来像を区民と共有し、区民とともにまちづくりを進めていきます。 ・豊かな可能性を持つ練馬区 〇練馬区の特色と魅力 練馬区は、緑被率が24.1%、農地面積は209haと23区で最も多くのみどりを有しています。都心に近い利便性と多様なみどりに包まれた住環境が両立しているところが練馬区の特色です。とりわけ、農と共存した暮らしを楽しめることは、区の大きな魅力となっています。 〇都市インフラ整備の推進 練馬区は、都市計画道路の整備率が約5割であり、23区平均の約6割を下回っています。特に、西部地域の整備率は約3割と低く、著しく立ち遅れています。また、他の区にはほとんど見られない鉄道空白地域が残されているなど、特有の課題を抱えています。 都と区で共同して、外環の2など、区内の都市計画道路の多くを優先的に整備する方針であり、西武新宿線の連続立体交差化や都営地下鉄大江戸線の延伸などの事業も予定されています。さらに、練馬城址公園(としまえん)などの都市計画公園事業にも取り組むこととしています。 遅れている都市インフラの整備を進め、区民と協働して、練馬区の特色を活かしたまちづくりに取り組むことにより、潜在力を花開かせ、さらに豊かで美しく、活力のあるまちへ発展させていくことができます。 56ページ ・まちの将来像 練馬区が、目指す30年後のまちの将来像を、まちづくりを進めるうえで重要と考えられる視点を踏まえ、4つのテーマに沿ってビジュアルで描きます。 ・まちづくりの視点 ◆ まちの防災性・安全性を高める ◆ あらゆる世代が生活利便性を享受できる ◆ みどり・農の魅力を最大限に活かす ◆ 都市インフラを新たな発想で活用する ・みどりに恵まれた良好な環境の中で誰もが暮らしを楽しむ成熟都市- まちの将来像の4つのテーマ - ■ 魅力にあふれ利便性に富んだ駅前と周辺のまち P 55 ■ みどり豊かで快適な空間を演出する道路 P 49 ■ 生きた農と共存するまち P 43 ■ みどりあふれる中で多彩な活動が展開されるまち P 37 テーマの構成 テーマごとに、鳥瞰図と具体的なまちをイメージした4つの絵で表現します。 50ページから55ページ まちの将来像テーマ1:魅力にあふれ利便性に富んだ駅前と周辺のまち 54ページから55ページには鳥瞰図が描かれています。 53ページ 1 多くの人々でにぎわう駅前空間 【目指す将来の姿】 駅はまちの中心として、多くの人々でにぎわっています。 主要駅は、公共交通機関への乗り換えが円滑になり、安全で快適に利用できる環境が整っています。 駅周辺は、公共サービスや商業サービス施設が充実し、人々の働く場や多様なイベントの場として、地域の拠点となっています。 【取組の方向性】 安全・快適に人々が行きかう駅前広場を実現します ●駅前広場を整備し、バスなど公共交通の乗り入れを促進します。 ●駅や公共施設へのアクセスが容易となるエレベーター、エスカレーターの設置を促進します。 ●人々の乗り換え導線等にも配慮し、わかりやすい乗り換え・運行サインを配置するなど、ユニバーサルデザインに配慮した施設整備を進めます。 公共サービス施設を集約し、商業施設を充実するとともに、駅前広場を多様に活用できる場とします ●行政手続き窓口や福祉・子育て相談の窓口などを、駅周辺に集約して利用しやすくします。 ●駅周辺の土地の有効利用を促進し、商業施設やサテライトオフィス等を誘致し、まちの機能を高めます。 ●駅前広場を多彩なイベント等が開催できる場として活用します。 52ページ 2 魅力的な商店街 【目指す将来の姿】 商店街は、買い物や飲食を楽しむだけではなく、地域のイベント等により人々が交流する場として親しまれています。 駅周辺には、個性あふれる店舗が立地し、特色ある商店街に区内外から多くの人々が集まり、にぎわいと活気にあふれています。 【取組の方向性】 魅力的な商店街をつくります ●まちゼミ等、既存店舗の魅力向上への取組を支援するとともに、個性ある店舗等の立地を促進し、特色ある商店街づくりを進めます。 快適に安心して買い物ができる道路を実現します ●人々が楽しく快適にショッピングができるよう、歩きやすい歩行者優先の道路にします。 ●通行する人、買い物する人が安心して行きかい、地域のイベントにより人々が交流する場とします。 51ページ 3 地域の特色を活かし個性を発揮するまち 【目指す将来の姿】 三つの大学がある江古田駅周辺、映画撮影所やアニメスタジオがある大泉地域、宿場町としての名残を残す北町などで、地域の人々がまちの特色を活かした取組を進め、個性溢れるまちに、区外からも多くの人が訪れています。 【取組の方向性】 まちが持つ個性や魅力を活かしたまちづくりを進めます ●映画・アニメキャラクター等の映像資源や歴史的な資源等を活かした、個性的で魅力ある街並みづくりを進めます。 ●地元企業や大学、商店街、鉄道事業者等と連携し、地域の特色を活かしたまちづくりを進めます。 まちの個性や魅力を広く発信し、練馬区のイメージを高めます ●大学と連携した音楽イベント、映像作品とコラボレーションした商品の開発など、地域のにぎわい創出につながる活動や個性を活かした取組を支援し、区内外に広く発信していきます。 50ページ 4 良好な環境を備え住民が支えあう住宅地 【目指す将来の姿】 生活道路の拡幅整備や建物の不燃化・耐震化などが進み、災害に強い住宅地になっています。地域住民によるルールづくりにより、生け垣等が整った街並みになっています。 道路等の公共空間や空き家等の活用が進み、住民同士が気軽に交流・相談できる場所が住宅地のいたるところに生まれています。小さな拠点を中心に、地域の支え合いが広がっています。 【取組の方向性】 安全で良好な住宅環境をつくります ●狭あい道路を拡幅整備し、建物の不燃化・耐震化を進め、安全で良好な街並みを整備します。 ●区民や地域が進める分散型エネルギーシステム導入への取組を支援していきます。 ●みどりや生け垣等、まちなみ協定等のルールづくりを支援していきます。 住民が主体的に活動できる場をつくります ●建物所有者と地域住民や多様な活動を行う団体等とのマッチングに取り組み、空き家の活用を推進します。 ●街かどケアカフェ等、住民同士が気軽に交流できる場の設置を促進していきます。 ●地域の中で、区民が主体的に活動できる拠点づくりを支援します。 44ページから49ページ まちの将来像テーマ2:みどり豊かで快適な空間を演出する道路 48ページから49ページには鳥瞰図が描かれています。 47ページ 1 みどり豊かな幹線道路 【目指す将来の姿】 幹線道路の整備に合わせて新たに植樹された街路樹が大きく成長し、みどり豊かな快適な空間となっています。 道路整備により、まちの防災性が向上しています。 【取組の方向性】 道路整備に合わせて街路樹の植栽や沿道の緑化を進めます ●地区の特性に合った街路樹を植え、沿道の緑化を促進します。 ●公園や緑地等のみどりの拠点と街路樹、河川をつなぎ、みどりと水のネットワークを形成していきます。 幹線道路の整備により防災性を向上します ●幹線道路の整備を進め、緊急車両等の交通を確保して、防火・救援活動を円滑にします。 ●沿道建物の不燃化を進め、街路樹と合わせて、後背の住宅地への延焼を遮断します。 ●無電柱化を促進し、防災性や景観に配慮した道路づくりを進めます。 46ページ 2 区民が集い活動する道路 【目指す将来の姿】 道路は、ユニバーサルデザインに配慮され、誰もが安全に通行しています。 利用する人々のニーズに合わせた整備がされ、仲間同士が集う場、体を動かす場など、様々な活動に道路が利用されています。 【取組の方向性】 安全・快適に通行できる歩行空間を実現します ●ユニバーサルデザインに配慮し、誰もが安全に通行できる歩行空間を整備します。 ●熱を吸収する素材や足に負担がかからない素材等を活用する等、快適に通行できるよう整備します。 人が集い、活動する空間として道路を活かしていきます ●人が集う場、休憩する場としてベンチ等を置くなど、多様な使われ方ができるよう取り組みます。 ●ジョギングやウォーキング、サイクリングなど、活動のフィールドとしても活用できるようにしていきます。 45ページ 3 多様な交通を支える道路 【目指す将来の姿】 技術革新と超高齢社会の到来により、人の移動を支える交通手段も大きく変わっています。 自動車や定時運行が確保されたバス等の交通と、小型EV、自転車、車椅子などパーソナルな交通が共存し、円滑に通行しています。 【取組の方向性】 人々の移動を支える公共交通を充実します ●幹線道路の整備を進め、道路のネットワークを形成し、公共交通を充実します。 ●バスの専用レーン等を整備し、公共交通の定時運行を確保します。 多様な乗り物や歩行者が安全に通行できる道路にします ●自動車、自転車、小型EVなど移動手段に応じた走行レーンづくりを進めます。 ●買い物カート、車椅子、ベビーカーを利用している人などが安全で歩きやすい歩道にします。 44ページ 4 安全性を高めた生活道路 【目指す将来の姿】 幹線道路ネットワークが形成されることにより、生活道路は通過交通が減少し、安心して歩ける空間となっています。 人々が通行するだけではなく、近隣の人々が憩い、集う場となっています。 【取組の方向性】 生活道路の改善により、住宅地の安全性を向上します ●緊急車両等の円滑な通行を可能とし、防火・防災活動がしやすい環境を整えます。 ●無電柱化を促進し、防災性や景観に配慮した道路づくりを進めます。 ●雨水浸透施設の設置や透水性舗装の整備を進め、雨水を地中に浸透させます。 地域住民の交流の場として活用します ●住宅地内の道路は、時間帯などにより車の進入を抑制し、住民が楽しむ場、交流する場として活用していきます。 38ページから43ページ まちの将来像テーマ3:生きた農と共存するまち 42ページから43ページには鳥瞰図が描かれています。 41ページ 1 農のある風景 【目指す将来の姿】 一面に広がる農地と母屋、それを取り巻く屋敷林が一体となって存在する、武蔵野の面影が残されています。 区民は、四季折々の新鮮な野菜を味わい、練馬ならではの農のある景観に親しみ、豊かな都市生活を送っています。 【取組の方向性】 農のある風景を保全します ●武蔵野の面影を残す農家の家屋と屋敷林、農地が広がる風景を、区民とともに保全します。 ●練馬の農業を通して育まれた、お囃子や祭りなどの伝統文化を後世に継承します。 意欲ある農業者を支援します ●新鮮で安全な農産物が継続して生産されるよう、意欲ある農業者の取組を支援していきます。 ●農サポーター等、農の支え手を育成し、農業者への耕作支援を行っていきます。 40ページ 2 農とのふれあい(果樹あるファームなど) 【目指す将来の姿】 果樹あるファームや体験農園など、農を体験する場が増えています。 区内外から人々が集まり、農を通した新たなコミュニティが育まれています。 農を通して、障害者や高齢者の社会参加の場が広がっています。 【取組の方向性】 農を体験できる場を充実します ●果樹の摘み取りが楽しめる果樹あるファームの開設を支援します。 ●作付けから収穫までを体験できる農園を充実していきます。 新しい人のつながり、コミュニティを醸成していきます ●農作業への体験を通して、区民同士のつながりを育み、農を守り、農地を保全する活動に発展するよう取り組みます。 ●福祉施設と連携して、障害者や高齢者が農を通して社会参加できる機会を充実していきます。 39ページ 3 地場農産物のマルシェ 【目指す将来の姿】 区内で生産された農産物や加工食品等を購入できるマルシェが、駅前広場や公園等で開催され、人々の交流の場となっています。 地場農産物が日常の食卓に並び食生活を豊かにしています。 【取組の方向性】 地場農産物を扱うマルシェを公共の空間で開催します ●駅前広場や公園、今後整備される道路などの公共空間を活用し、区内の様々な場所でのマルシェ開催を支援します。 ●区外からも多くの人が訪れるよう、マルシェを練馬区の魅力として発信していきます。 農園レストランなどの設置を促進します ●農家等が経営する農園レストランや直売所等の設置を支援していきます。 38ページ 4 農と共存する住宅地 【目指す将来の姿】 住宅地と農地が共存し、区民の日常には、農に触れ、楽しむ機会が増えています。 宅地開発に際して農地が創出される新しい取り組みが進んでいます。 農を活かしたまちづくりが進み、練馬区の魅力が高まっています。 【取組の方向性】 区民と協働して農地を保全します ●新設される農地の貸借制度を活用することにより、担い手の多様化に取り組みます。農業者や住民等が協働して農業を継続する仕組みを検討します。 農を活かした特色あるまちづくりを進めます ●駅前や幹線道路沿いに、地場農産物等を扱う販売店や飲食店の立地を促進します。 ●宅地開発に際して、未利用地の農地への転換、農地付住宅を実現する仕組みを検討します。 ●農地が持つ延焼遮断機能や雨水を浸透させる機能を活かし、防災性に優れたまちづくりを進めます。 32ページから37ページ まちの将来像テーマ4:みどりあふれる中で多彩な活動が展開されるまち 36ページから37ページには鳥瞰図が描かれています。 35ページ 1 自然とふれあう憩いの森 【目指す将来の姿】 雑木林や屋敷林、湧水池など、貴重な自然が保全され、区民は豊かな環境を楽しみ、身近なみどりの中でくつろいでいます。 貴重な植物と出会える場として、区民はもとより都民のオアシスになっています。 【取組の方向性】 武蔵野の面影を残す自然を守ります ●憩いの森制度等を活用して、地域にある雑木林や屋敷林を保全していきます。 ●残された自然を適切に管理し、保全する仕組みをみどりの区民会議で検討し、進めていきます。 ●みどりをともに育てる区民のムーブメントを巻き起こす新たな仕組みをつくります。 残された自然を区民がふれあう場として活用します ●区民がみどりと触れ合う場として、雑木林や屋敷林を活用していきます。動植物の保全に配慮して取り組みます。 34ページ 2 楽しみと安全をもたらす大規模公園 【目指す将来の姿】 公園は、みどりや水に触れ、遊び、くつろぐなど、区民が思い思いに過ごす場所として利用されています。 公園や運動公園の整備が進み、防災機能を備える災害時の拠点ともなっています。 【取組の方向性】 くつろげる場、魅力ある場として機能を高めます ●川の流れや傾斜地などの地形、それぞれの植生などの自然条件、歴史・文化などを活かした特色ある公園づくりを進めます。 ●音楽祭やお祭り等、区民の多様な活動ができる施設をつくります。 ●大規模公園でのレストランやオープンカフェ、物販店等の誘致に向け検討を進めます。 みどりの拠点・防災の拠点とします ●みどりのネットワークの拠点としての活用を検討していきます。 ●災害時の物資の備蓄や救援活動に対応できるよう、防災の拠点として活用を進めます。 33ページ 3 自然の中でスポーツを楽しむまち 【目指す将来の姿】 スポーツを身近に楽しめる環境が整い、競技する人、観戦する人、体を動かし心身のリフレッシュをする人などが、それぞれにスポーツを楽しんでいます。 【取組の方向性】 誰もが楽しむことができるスポーツ施設をつくります ●スポーツ活動やスポーツ観戦の拠点となり、コンサートなども楽しめる多目的に利用できる施設を整備します。 ●障害者や高齢者など、誰もがスポーツを楽しめる設備を整えます。 気軽にスポーツを楽しめる環境をつくります ●公園や歩道などをジョギングやウォーキングが行える場として利用できるように、工夫していきます。 32ページ 4 文化芸術の香り高いまち 【目指す将来の姿】 美術館やホールなど、文化芸術活動のための舞台が整い、区民は、伝統芸能や絵画、音楽、映像など、プロフェッショナルな活動と自らが参加する活動を楽しんでいます。 【取組の方向性】 文化芸術を身近に楽しめるようにします ●薪能など、一流アーティストによる質の高い公演、演奏会などを広く開催・誘致していきます。 ●お囃子などの伝統芸能、路上ライブなど、広場や公園、道路等で開催するイベントなどの機会を充実します。 文化芸術活動のための場を整備します ●美術館をリニューアルし、展示機能を充実するなど、魅力を向上させます。 ●区民が、日頃の文化活動を行い、発表する場の機能を充実します。 第3章 区民参加と協働のグランドデザイン 30ページ、31ページ 区民参加と協働のグランドデザイン みどりの風吹く 練馬ならではの新たな自治の創造へ 暮らしのグランドデザインと都市のグランドデザインで区民の皆さまと共有した、目指す将来像を実現するには、区民参加と協働を根幹に据えて、ソフトとハード両面にわたるインフラ整備に取り組むことが不可欠です。 区は行政でなければ担えない役割を徹底して果たすとともに、地域に根差した区民の皆さまの自発的な活動が、区内の至るところ、多くの人々の間で活発に行われるよう支援します。 区民の皆さまと区が一緒になって試行錯誤しながら、「練馬ならではの新たな自治の創造」を目指します。 1.地域の現状と課題 (1) 地域の現状 「地縁に基づく互助」と「公助」が連携した「公共サービス」が地域の生活基盤を支えている ■「地縁に基づく互助」は、町会・自治会を中心に取り組まれている 〇区内最大の地縁団体である町会・自治会(区内253団体)を中心に、地縁に基づき活動する各種団体が、地域住民同士の互助に取り組んでいます。 〇「地縁に基づく互助」と、「公助」としての行政サービスが連携し、地域の生活基盤を支える「公共サービス」を担っています。 ■ 区民が行う自由な社会貢献活動としての「区民活動」も展開されている 〇主に、NPO・ボランティア団体などが担う、特定の課題や関心事に取り組む「区民活動」と呼ばれる活動も普及しています。 ■ 地域を取り巻く状況は大きく変化している 〇世帯構成の変化 ~世帯の小規模化、増える単身世帯~ 〇地域の互助意識の変化 ~互助の必要性に実感が持てない~ 〇人口動態による変化 ~地域住民の価値観や生活様式などの多様化が進む~ 「地縁に基づく互助」の現状 〇町会加入率の低下 若年層を中心に、関心が向かない、メリットや必要性を感じないという意見が増加しています。 〇担い手の不足 新たな加入者の減少により世代交代が進まず、役員の高齢化や特定の人への役割の集中が生じています。 「公助」の現状 〇行政サービスの役割の変化 児童虐待への対応や生活困窮者の支援、防災対策、まちのインフラ整備など、行政でなければ担えない役割を徹底して果たす必要性が高まっています。 「区民活動」の現状 〇地域の担い手の一つとしての期待 区民活動の中には、専門性を活かした先進的な取り組みも存在します。地域の担い手の一つとしての期待が高まっています。 〇区民ニーズ、地域の課題との乖離 区民活動でありながら、主体性に乏しく、行政への要求行動が活動の中心となってしまう場合があります。 〇活動への認知・信頼の不足 専門性を活かした先進的な活動も見られますが、活動への認知度、信頼度が高まっていません。 (2) 地域の課題 ■「地縁に基づく互助」 〇町会・自治会を中心とする「地縁に基づく互助」の活動 ■「公助」 〇区が提供する「公助」としての行政サービスの活動 ■「区民活動」 〇NPO・ボランティア団体などによる「区民活動」 いずれも、活動の維持・継続・充実に対する、「組織の課題」を抱えている 地域の課題に単独で取り組まなければならないと考えている 〇「組織の課題」を抱えている 団体に共通する課題は、団体の組織 基盤や人材、資金などに関する課題、いわば「組織の課題」です。 〇「地域の課題」に取り組むために 多くの団体は、「組織の課題」に対応しようと、日々努力しています。 反面、他の区民や団体などと連携する、あるいは力を借りるという発想があまり 見られない状況です。 その結果、本来の目的である「地域の課題」への取り組みが進まない、あるいは、活動に行き詰まるケースもあります。 互いを協働の相手として捉えていない 〇協働に対する認識 町会・自治会を中心とする「地縁に基づく互助」と、NPO・ボランティア団体などによる「区民活動」との間には接点が少ないのが実情です。 このため、互いに協働する相手とは考えにくい状況です。 〇区の支援 区も、それぞれの活動を区別して捉えてきました。このため、それぞれの組織の課題に対応する区の支援も、各々の活動に対して、個別に充実・強化を図っていく方向性となっている状況です。 28ページ、29ページ 2.新たな「自治」の創造への芽生え (1)地域の現場から生まれ始めた、協働の取り組み 町会・自治会を中心とする「地縁に基づく互助」の活動や、NPO・ボランティア団体などによる「区民活動」の中から、協働の取り組みが生まれ始めている 〇地域の現場では、町会・自治会を中心とする「地縁に基づく互助」の活動をはじめ、NPO・ボランティア団体などによる「区民活動」を行う様々な区民や団体が、互いの強みを活かして「組織の課題」に対応する。そこへ区や中間支援団体が、団体間の連携・協力への働きかけなどの支援を行い、「地域の課題」に立ち向かう、協働の取り組みが生まれ始めています。 〇これらの取り組みは、区の主導ではなく、区民や団体の創意から生まれたものであり、多くの区民が「地域の課題」をともに考え、一緒に取り組む、地域に根差した自発的な活動に発展しています。 ■様々な区民や団体が、地域のことをわが事として考え、地域活動に一歩踏み出し、協働の取り組みを始めるきっかけとなる取り組み ・町会・自治会、民生・児童委員⇔ボランティア団体と、みどりのまちづくりセンターが連携して、高齢者の健康増進や認知症予防に地域ぐるみで対応 ■区民や団体同士の信頼関係の醸成につながる取り組み ・町会・自治会やボランティア団体、区民など、多様な立場の人が集まり、練馬のみどりについて話し合う ・街かどケアカフェで、町会・自治会⇔ボランティア団体などが、それぞれの「強み」を活かして連携しながら、高齢者サロンを開催 ■区民や団体の自由な発想から生まれるアイデアを具現化するため、区もともに考え、行動する取り組み ・大学と介護サービス事業者、地域のコンビニエンスストアが協力し、認知症高齢者への見守りを強化 ■区組織の縦割りを超え、区民参加と協働を推進する取り組み ・区内で飲食店を経営するシェフのグループの練馬野菜を使った新たなレシピの開発や、知的障害者が、地域と共生できる暮らしを支える交流拠点づくりなどに、区職員も参加し、活動を支援 新たな「自治」の創造への芽生え これらの取り組みは、それぞれの「組織の課題」に対応し、町会・自治会やNPO・ボランティア団体などが協働しながら、「地域の課題」解決力を高めていく試みです。 ここには、地域の「自治」の創造への芽生えがあるのではないでしょうか。 (2)区民と区が一緒に手探りで進めていく 〇協働の取り組みは、あくまで一つの可能性 多くの区民が参加し、協働しながら取り組む地域の自治には、様々なあり方が考えられます。ただ一つの手法が、多様な区民の生活様式や、すべての地域に共通した解決方法にはなりません。 〇地域の状況は変わり続ける 社会・経済情勢の変化などを受け、地域の状況はこれからも大きく変化し続けることが確実です。正確に見通すことは、誰にとっても困難です。 〇区民と区が一緒に、手探りで進めていく 練馬ならではの新たな自治の創造に向けた、区民参加と協働の推進は、区民と区が一緒になって試行錯誤しながら、手探りで進めていくほかありません。 様々な区民や団体、そして区が一緒に取り組むことが重要 〇区内の至るところで、多くの区民が参加することが必要 だからこそ、区内の至るところ、様々な「地域の課題」に取り組む人々の間で、次々と、新たな試みに挑み続けること。そして区も一体的に取り組むことが重要です。 これには、組織や活動の形態に関わらず、多くの区民や団体そして区がともに考え、一緒に取り組まなければなりません。 ※27ページ~22ページでは、現在考えられる、取り組みの方向性、区の具体的な支援の例を紹介します。 26ページ、27ページ 3.現在考えられる、区の取り組みの方向性と具体的な支援の例 (1)取り組みの方向性 時代の変化や地域の状況などにより、区の支援のあり方も様々に変化する ■区が取り組む、4つの方向性 ①様々な区民や団体が、地域のことをわが事として考え、地域活動に一歩踏み出し、協働の取り組みを始めるためのきっかけづくり ②区民参加と協働の取り組みが、持続的に発展していくために必要な、区民や団体同士の信頼関係の醸成 ③区民参加と協働の取り組みにつながる、区民や団体の自由な発想から生まれるアイデアの具現化に向け、区もともに考え、行動する仕組みづくり ④区組織の縦割りを超え、区民参加と協働を推進する体制づくり 町会・自治会を中心とする「地縁に基づく互助」は地域のために欠かせない ■町会・自治会を中心に取り組まれる「地縁に基づく互助」の活動は、今後の地域においても不可欠 〇他の団体には無い特性がある 町会・自治会は、区内最大の住民組織であり、区内すべての地域を網羅している。地域の全世帯・住民に開かれている、他の団体には無い特性を持っています。 〇有事の際に大きな力を発揮する 地域防災や一人暮らし高齢者の見守りなどの活動分野は、地縁に基づく互助とは切っても切れない関係にあります。平時からの協働があるからこそ、有事に協働が機能します。 区は、地域の現場で、様々な区民や団体が、互いの強みを活かして組織の課題に対応し、地域の課題に協働して取り組めるよう支援します。 (2)具体的な支援の例 ここに挙げたものはすべて、「地域の現場から生まれ始めた協働の取り組み」の中で、区が実施している具体的な支援の例です。区は、区民の自由な発想に基づく、新たな自治の創造の芽生えとなるこれらの取り組みが、区内の至るところ、様々な人々の間で行われるよう支援します。 方向性① 様々な区民や団体が、地域のことをわが事として考え、地域活動に一歩踏み出し、協働の取り組みを始めるためのきっかけづくり ■地域の課題に気づいた区民が集い、子育てひろばを立ち上げ 身近な場所で、子育て世帯が気軽に交流、相談できる子育てのひろばを開設しようと、地域活動やボランティアに関する講座などを通じて知り合った区民同士で、ボランティア団体を立ち上げました。ここに地域の町会・自治会が連携し、場所の確保や広報活動を積極的に進めています。これまで地域活動に参加する機会が無かった方が、新たにボランティアを始めるきっかけにもつながっています。 区は、活動に関する相談や、活動の充実に向けた助成のほか、練馬Enカレッジなどの事業を通じて、区民が主体性、自主性を発揮しながら活動に取り組めるよう支援しています。 【区の支援】 ○ 地域活動へのきっかけづくり ・練馬Enカレッジ(地域活動やボランティアに関する講座など)の実施 ○ 地域活動開始時の支援 ・やさしいまちづくり支援事業 ・まちづくり活動助成事業 ※みどりのまちづくりセンター事業 24ページ、25ページ 方向性② 区民参加と協働の取り組みが、持続的に発展していくために必要な、区民や団体同士の信頼関係の醸成 ■多様な区民が参加する、みどりの区民会議の開催 町会やボランティア団体、事業者など、多様な立場の人が集まり、練馬のみどりについて、将来にわたり守り育てるための方策などを話し合っています。 日頃、地域で清掃活動を行っている方々から、「落ち葉掃きや雨樋掃除に困っている高齢者世帯を学生が訪問し、掃除を行う。大学と連携して単位取得の仕組みをつくる」取り組みが提案されるなど、話し合いの中から、リアルな現場感覚に基づく、新たなアイデアが生まれ始めています。 区やみどりのまちづくりセンターでは、区民や団体、区が地域の課題などを話し合う場づくりに取り組んでいます。 【区の支援】 〇数多くの団体の活動情報を知ることができる情報基盤の充実 ・地域活動に関するホームページや情報誌の発行 〇区民や団体同士が出会い、互いの「強み」などを知るきっかけとなる機会の充実 ・地域活動フェスティバルや、地域活動見本市などの開催 〇協働に対する気づきや発想の転換、意識の向上につながる機会づくり ・多様な立場の区民や団体が参加する、協働のワークショップなどの開催 ■区民と協働で、街かどケアカフェを運営 街かどケアカフェで、町会と地域の見守り活動に取り組むボランティア団体などが連携しながら、高齢者向けに、おしゃべりや簡単な体操などを行うサロンを開催しています。 町会は、回覧板やポスター掲示、声掛けなどで事業の周知をするとともに、町会員や民生・児童委員がボランティアスタッフとしてサロンの運営に参加しています。 区や社会福祉協議会のボランティア・地域福祉推進センターでは、多様な区民や団体同士が、協働で地域の課題に取り組むことができるよう、対話の場づくりや団体間のコーディネートを行っています。 【区の支援】 〇 組織の課題に対応できる「強み」を持つ団体同士の対話の場づくり ・団体同士のマッチングイベントの開催 〇 中間支援団体※による相談窓口機能・コーディネート機能の強化 ・中立性、信頼性の高い、区や区内の中間支援団体(社会福祉協議会・みどりのまちづくりセンター)による相談支援 ※区民、団体、事業者、行政などの間に立って、中立的な立場で、それぞれの活動を支援する団体 22ページ、23ページ 方向性③ 区民参加と協働の取り組みにつながる、区民や団体の自由な発想から生まれるアイデアの具現化に向け、区もともに考え、行動する仕組みづくり ■地域ぐるみで、コンビニを認知症高齢者の見守り拠点化 区は、区民の自由な発想による、未来に向けた練馬の発展につながる活動を募集し、「地域おこしプロジェクト」として支援しています。 プロジェクトの一つである「ねりまコンビニ協働プロジェクト」では、大学と介護事業者が中心となり、区内のコンビニエンスストアを地域ぐるみで認知症高齢者を見守る拠点化を目指しています。平成29年度は、認知症への理解を深める新たな研修プログラムを開発しました。今後は、コンビニエンスストア店舗など区内各所で研修を開催し、普及を目指していきます。 区は、引き続き、運営資金を補助するとともに、区職員も加わり、アイデアを具現化するためのサポートを行っていきます。 【区の支援】 〇 区民参加と協働の取り組みにつながる、活動アイデア具現化への支援 ・活動費助成や活動拠点の確保への支援 ・専門知識を有した人材の仲介など 〇 アイデアの発想→企画→実施→改善の各段階を通じた伴走型支援 ・区や、区内の中間支援団体による相談支援 ■区民の自発的な活動に、区職員も参加 「地域おこしプロジェクト」では、「都市農業の新たな魅力創造に向けた、若手シェフ達による練馬野菜を使った新しい料理の開発」、「知的障害者が自分らしく、いきいきと人生を楽しみ地域と共生できる暮らしを支える、地域の交流拠点づくり」といった、区民の多種多様なアイデアを実現しようと、区も一緒に取り組んでいます。 区は、若手職員をプロジェクト推進担当として配置し、区民とともに考え、行動しながら、現場感覚を学び、協働に対する意識改革やノウハウの蓄積を図っています。 プロジェクトの実施を契機に、区組織の縦割りを超え、区民参加と協働を推進する体制づくりを進めていきます。 【区の取り組み】 ○ 職員の意識改革 ・地域おこしプロジェクトなど、区と協働して地域の課題に取り組む区民や団体と、ともに考え、行動する経験となる機会づくり ○ 分野横断的な情報共有 ・地域で活動する区民や団体と、どの部署が、どのような内容で連携・協力しているのか、庁内での情報共有 20ページ、21ページ 地域に根差した区民の自発的な活動が、区内の至るところで活発に行われている ※取組の事例と写真が紹介されています。 【掲載されている事例】 こども食堂 地区祭 練馬の未来を語る会 コンビニ高齢者見守り拠点(地域おこしプロジェクト) 街かどケアカフェ ねりマルシェ ねりまちレポーター 子育てのひろば 音楽イベント ねりまビッグバン みどりの区民会議 まちゼミ 地域の音楽祭 みどりの風吹く練馬ならではの新たな自治の創造へ 以上