こどもの森整備基本計画(令和6年度改定)(素案) 令和6年(2024)12月 練馬区 目次 1.整備基本計画改定にあたって (1)改定の目的 (2)上位・関連計画との関係 (3)条例上の位置付け 2.整備の考え方と方針 (1)整備コンセプト (2)整備テーマ (3)整備方針 (4)整備主体 (5)整備箇所 3.はざわ緑地の整備基本計画 (1)土地の取得状況 (2)次期拡張整備について (3)全体ゾーニング案 (4)次期拡張整備区域ゾーニング案 (5)スケジュール 4.管理運営の考え方 (1)管理・運営主体 (2)管理・運営方針 1.整備基本計画改定にあたって (1)改定の目的 区内には、公園(都立、区立)、緑地、児童遊園、憩いの森、街かどの森などさまざまな施設があるが、子どもたちが自然の中で自由に遊べる空間はほとんど無い。一方で、区内には農地・屋敷りん・雑木ばやしなど「練馬の原風景」(注1)といえる場所が多く残っている。 練馬のみどりを継承し、将来にわたり保全していくためには、次代を担うこどもたちが地域のみどりに直接触れ、親しみ、自由な遊びを通じた「げん体験」(注2)によって、その豊かさや価値を実感することが重要である。 こうした現状認識と事業検討の背景を踏まえ、子どもたちが練馬のみどりの中で交流しながら楽しむ自然体験や自由遊びを通して、地域や環境への愛着を深めることにより、ねりまのみどりの保全と創出に向けた意識を高めていくことを目的として、平成25年6月に「(仮称)こどもの森整備基本計画」(以下「基本計画」という。)を策定した。平成27年4月には、練馬区りつこどもの森緑地を 東京都市計画緑地第78号はざわ緑地の一部に開園した。 こんぱん、開園区域に隣接した用地の取得等の目途が立ったことから、「整備の考え方と方針」、「管理運営の考え方」は継承しつつ、羽沢緑地における次期拡張整備に向けて、基本計画を改定する。あわせて、時点修正やわかりやすい表現への修正を行う。 (注1)練馬で昔から多く見られた農地、屋敷りん、雑木ばやしの風景を「練馬のげん風景」と定義する。 (注2)人間の形成にとって必要とする体験学習の一つで、人間の五感(しかく・ちょうかく・きゅうかく・みかく・しょっかく)を使った初歩的な体験を示す。その他の学習体験としては、自然的体験、社会的体験、経済的体験、文化的体験がある。 (出典:環境教育指導辞典、佐島ともみ) (2)上位・関連計画との関係 グランドデザイン構想(平成30年6月) 都市のグランドデザイン 「みどりに恵まれた良好な環境の中で誰もが暮らしを楽しむ成熟都市」 生きた農と共存するまち みどりあふれる中で多彩な活動が展開されるまち 暮らしのグランドデザイン(episode7) 「みどりの新しい風が吹き始める、憩い楽しむ場所がある」 将来を担う子どもたちが、自然や生きものと触れ合う体験型事業を推進 特色ある公園の整備を推進 都市インフラの整備に合わせ、みどりのネットワークを形成 第3次みどりの風吹くまちビジョン(令和6年3月) アクションプラン〔年度別取組計画〕 戦略計画16-3特色ある公園等の整備 練馬区みどりの総合計画(令和5年度改定)(令和6年3月) みどりのネットワーク「みどりの拠点(城北中央公園群)」 施策1-1みどりの拠点となる大規模な公園づくり 施策2-8子ども向けの体験型学習の充実 (仮称)こどもの森基本構想(平成24年10月) (仮称)こどもの森整備基本計画(平成25年6月) こどもの森整備基本計画(令和6年度改定) (3)条例上の位置付け 練馬区りつこどもの森緑地は、都市公園法に基づいて設置する都市公園、かつ練馬区りつ都市公園条例上の都市公園である。ただし、一般的な公園とは異なることがあるため、維持および管理については練馬区りつこどもの森緑地条例により定めている。 2.整備の考え方と方針 (1)整備コンセプト こどもたちがみどりの中で自然体験や遊びを通してみどりの豊かさを実感する場 こどもの森は、練馬の原風景を活用して、自然体験や冒険遊びを通してみどりの豊かさを実感できる場を目指します。 こどもの森は、幼少期のこどもたちのげん体験空間と位置づけ、環境保全の意識を高める場を目指します。 (2)整備テーマ こどもの森は、練馬のげん風景を活かし、子どもたちが自然と触れ合いながら遊びを発見し、遊びを通してみどりの大切さを学べるような整備を進める。 ・都市公園ではなかなかできない冒険的な遊びの体験ができる場・機会の創出 ・つち、水、木、生きものなどの自然環境のなかで、五感を使った体験の場・機会の創出 ・こどもたちと地域の大人たちの世代間交流の場・機会の創出 (3)整備方針 ・こどもの森は、雑木林などのみどりの中に設置し、こどもが自由に遊べる空間とする。 ・こどもの森では、こどもの自由な遊びの欲求に対応できる場として、自然を活用した遊びをこども自身が見いだせるような工夫をする。 ・こどもの森で提供する遊具は遊びのきっかけをつくる最小限のものとし、こどもと一緒に地域の有志・団体や見守り人も遊びの創造をする場である。 ・こどもが、自然を活用した自由な遊びへ無理なく誘われるよう、ツリーハウスなどのシンボル的な施設を設置する。 ・こどもと一緒に来園した保護者や地域の人が、子どもを見守りつついこえるいばしょを設置する。 ・駐車場については、施設管理用のほか来場者用として、一定台数分を設置する。 (4)整備主体 こどもの森の整備については、「(仮称)こどもの森基本構想」に定める、整備に関する基本的な考え方を踏まえ、区が行う。 (5)整備箇所 平成25年6月、「(仮称)こどもの森」の整備地は、地域の協力を得られることや樹林やキウイばたけを活用した特色ある遊び場とすることができることから、「はざわ緑地 予定地」としたところである。 都市計画緑地区域全体の整備計画は、「3.はざわ緑地の整備基本計画」(p.6~p.11) による。 なお、こどもの森の今後の整備については、はざわ緑地における整備の進捗状況、および区内の都市公園の設置状況を踏まえ、検討する。 3.はざわ緑地の整備基本計画 (1)土地の取得状況 現在の土地の取得状況は以下のとおりで、①~④を次期拡張整備区域とする。都市計画区域内の未開園区域については、用地の取得状況に応じて順次整備を検討する。 開園区域3,663㎡ ①~③先行取得地・取得予定地4,124㎡ ④生産緑地借用予定地666㎡ 未開園区域 都市計画羽沢緑地約1.3ha 次期拡張整備区域4,790㎡ (2)次期拡張整備について 整備コンセプト「こどもたちがみどりの中で自然体験や遊びを通してみどりの豊かさを実感する場」(p.3)の充実を図る。 冒険遊び場としての機能充実 Point ツリーハウスの整備 ・多彩な遊びにチャレンジできる冒険性 ・子どもが自らの力で秘密基地などの創意工夫できる創造性 ・多様な年代に愛され、地域の顔となるシンボル性 自然体験機会の創出 Point 自然体験ゾーンの整備 ・羽根木憩いの森の豊かな樹林の保全 ・生き物観察や自然体験プログラムなどの実施 Point こどもり農園の移転・拡張 ・きぞん農地を活用したこどもり農園の移転・拡張 ・農体験のさらなる充実 地域の人が集い交流する場の創出 Point しゅ管理とうの整備 ・地域の人がつどえる屋根付交流広場を整備 ・収穫物の調理や木工作などの体験の充実 (3)全体ゾーニング 案 ツリーハウスの早期実現や現在の利用状況を鑑み、全体ゾーニングを変更する。 ●全体ゾーニング案(平成25年6月基本計画策定時) キウイ広場ゾーン 自由遊び など 未来の森ゾーン 植樹活動 など 自然体験ゾーン 樹林地の活用 など 冒険ゾーン  しゅ管理とう ツリーハウス など ●新たな全体ゾーニング案 泥んこゾーン 自由遊びのエリア 農園ゾーン キウイ棚、こどもり農園 冒険ゾーン ツリーハウス、しゅ管理とうなど 自然体験ゾーン 樹林地の活用 など 未来の森ゾーン 植樹活動など 【ゾーニングの変更内容】 ○「冒険ゾーン」と「未来の森ゾーン」の区域を変更 次期拡張整備区域内にツリーハウスに適した樹木があることを考慮し、その区域を「冒険ゾーン」とし、「未来の森ゾーン」は、「冒険ゾーン」を予定していた  区域に変更する。 ○「農園ゾーン」を新設 きぞん農地を活用し、農体験のさらなる充実を図るため、「未来の森ゾーン」の一部とキウイ棚を「農園ゾーン」として新たに位置づける。 ○「キウイ広場ゾーン」の一部を「泥んこゾーン」に変更 「キウイ広場ゾーン」のうち、キウイだなを除いた部分を自由遊びのエリアとして「泥んこゾーン」に変更する。 (4)次期拡張整備区域ゾーニング案 次期拡張整備区域は、下図のように計画する。 冒険ゾーン ●主な整備  ・ツリーハウス  ・しゅ管理とう (屋根付交流広場、調理設備、 工房、 赤ちゃんスポット、トイレなど) ●ここでできること  ・自由な発想での創作体験  ・子どもを見守りながらの交流  ・収穫物の調理や木工作 農園ゾーン ●主な整備 ・キウイ棚(既設) ・こどもり農園(野菜・果樹など) ●ここでできること ・農作物の耕作や収穫 自然体験ゾーン ●主な整備 ・豊かな樹林を残した整備 ●ここでできること ・生き物観察など (5)スケジュール 令和6年度   ツリーハウス体験会の実施、整備基本計画改定 令和7年度   用地取得、設計 令和8年度   設計 令和9年度以降 設計、整備、オープン 4.管理運営の考え方 (1)管理・運営主体 管理・運営に関しては、区から委託された、総合的な力量を有する適切な管理・運営 団体を中心に、町会・自治会、PTA、NPO、区民ボランティアなどと協力しながら実施する。 (2)管理・運営方針 こどもの森は、整備後は開放するだけの都市公園と異なり、開園後も大人の見守りの目があって初めて成り立つものであり、管理・運営のあり方が重要である。 ○管理・運営に関しては、区から委託された、総合的な力量を有する適切な管理団体を中心に、町会・自治会、PTA、NPO、活動団体、区民ボランティアなどが、必要に応じて運営のために団体を組織し、一定の責任をもって実施する。 ○管理・運営の内容としては、整備施設や緑地(農地含む)の維持管理、見守りにんの人材確保、イベントやプログラムの企画・運営、関係団体間の調整、利用者の安全管理などがある。 ○町会・自治会、PTA、NPO、活動団体などの複数の団体のノウハウや知識を活用する。