練馬区立美術館再整備基本構想 目次 1ページから2ページ  前川区長と秋元館長が語る「美術館再整備」 3ページから12ページ  リニューアルコンセプト 13ページから15ページ  リニューアルの背景 16ページから18ページ  まちづくり 19ページから20ページ  活動 21ページ        運営 22ページから28ページ  施設計画 29ページから30ページ  検討経過 1ページ、2ページ 前川区長と秋元館長が語る「美術館再整備」 前川区長と練馬区立美術館、秋元館長が美術館再整備をテーマに対談した内容を掲載しています。 区長 私は練馬に37年間住んでいますが、それは単純に練馬が大好きだからです。都心に近くてみどりが多くて農地があって、大空がある。    ただ区民として不満だったのは、行政がうち向きで洗練されていないところでした。その理由のひとつは、鉄道や道路などの都市インフラの整備が遅れていたこと。74万の区民が住む大都市にふさわしい都市インフラがあってこそ、初めて文化の花が咲くと思います。  もう一つは文化そのもののインフラが物足りないこと。東京の練馬ならではの都市文化を花開かせたい。それが私の念願です。その大きな一歩が美術館の再整備です。そのために是非実績があり、力があるかたに館長になってもらいたいと、秋元さんを探し当てた(笑) 館長 お声がけいただいて、やりがいがある、光栄なことだと思ってお受けしました。この美術館も36年経って、これまで地域型の美術館のお手本としてやってきたところもあると思います。その美術館を今の時代に合わせてリニューアルしていくというのは、なかなかやりがいのあることだなと思っています。 区長 洗練された都市文化というのは、ヨーロッパなどを見ると、街の中心には必ず教会と美術館がある。やはり「まちと一体となった美術館」というのがひとつポイントになると思います。美術館の再整備をきっかけに、是非実現したい。 館長 ありがたいことに中村ばしの駅からすぐのところにありますので、商店街もありますし、まちを歩いていたら自然と美術館の中に来てしまうような、そんなまちとつながりのある美術館にしていけたらいいと思います。 区長 都心そのものではないが、本格的な郊外でもない。その中間にある都市として色々メリットがあると思います。都市農業が残っていて、それを逆に利点として、みどりと農のなかの美術館、なんていうのもいい。 館長 そうですね。都心に行かなくても住んでいるところでアートや音楽が体験できるというのは非常に楽しいと思います。例えば仕事帰りにちょっと美術館でも寄ってゆっくりくつろいで。作品見て、食事して、お酒でも飲んでから帰るとか。そんな使い方をしていただけるといいなと思っています。 区長 いいですね。居酒屋のような使い方とは違うのだろうけど(笑)。敷居が低いというのは大事。そして敷居は低いのだけれど、しっかりといいものが見られるところでないと。 館長 エントランス辺りとかはリラックスしながら居てもらえる空間があって、でも本格的な作品が置いてあったりとか、ガラス越しに展示作品が見えたりして、実際入っていくといいものがあるというのがいいですね。 区長 23区でも図書館と一体となっている美術館というのはないですから、これも非常に面白いですね。 館長 文化的な体験は、視覚的な芸術を通しても、文字を通してもあるので、教養を深めていく場として個性的な美術館・図書館になると思います。 区長 区民の方々も様々な文化的な活動をされていて、美術館がその活動の舞台となって欲しい。東京のなかでも北部の拠点にできるといいですね。 館長 活動を発表するだけでなく、他のかたたちの活動も見られる、文化的なコミュニケーションの場になっていけるといいかなと思います。 区長 是非こういった本当の意味で区民に開かれた美術館を作りたい。 館長 そうですね。生活圏のなかで文化活動を展開する住宅都市ならではの美術館にしていきたいと思います。 (秋元館長の経歴)  秋元雄史 地中美術館(香川県直島町)や金沢21世紀美術館、東京藝術大学 大学美術館の館長を歴任。平成30年度より練馬区立美術館長に就任。 3ページから12ページは、リニューアルコンセプトについて掲載しています。 3ページ、4ページ 新生美術館 リニューアルコンセプト 「本物」のアートと出会い、そこで出会った者同士が新たな活動へと発展する。 こうしたアートを軸とした新たなコミュニティが創られる、「練馬ならでは」の美術館を目指します。  ここでは、3つのリニューアルコンセプトを、美術館がリニューアルされた想定で、エピソード仕立てで紹介しています。 【コンセプト1 まちと一体となった美術館】  エピソード   職場からの帰り道、中村ばしの駅に電車が近づくと、目に飛び込んできたのは色とりどりのアート。思わず途中下車すると、駅の周りにもアートがあふれ、ワクワクする気持ちを抑えきれない。商店街にアートが点在するこの街には、くらしの中に「非日常」が混ざり合っている。  ユニークな建築の前に広がるみどり鮮やかな広場。開放的なエントランス空間では、あちらこちらにある作品が見渡せる。ふと気が付くと、いつの間にか美術館の中。 【コンセプト2 本物のアートに出会える美術館】  エピソード   今日は、ロンドンから留学中の友人と、重要文化財を鑑賞しに訪れた。日本の伝統文化に触れて、満足そう。  大規模な全国巡回展が開催できるほど、展示スペースが広くなった。日本の近現代のアートをテーマとする企画展は、区外から訪れる人も多く、収蔵コレクションを活用した常設展示も人気を集めている。映像作品や現代アートなど多様な作品展示のほか、アート講座などの多彩なプログラムも提供してくれる。次の企画展が楽しみだ。 【コンセプト3 併設の図書館と融合する美術館】  エピソード  定年後、図書館に通う私の目当ては、美術館と連携したライブラリー。アート関連の書籍が充実し、芸術系大学の学生もよく利用している。図書を館内のどこでも読めるので、カフェでコーヒーと一緒に楽しむのが日課だ。 対面朗読を利用する障害者も多く、絵本やアートに触れて楽しめるキッズスペースは子ども達に人気だ。展覧会と連携したイベントやコンサートにも気軽に参加でき、誰もが心地よく豊かな時を過ごしている。 5ページから12ページまでは3つのリニューアルコンセプトの内容を具体的に掲載しています。 5ページ、6ページ コンセプト1 まちと一体となった美術館  美術の森緑地と商店街・駅へ続く動線を一体的な景観として演出し、駅を降りたら『美術館のある街 中村ばし』を創出します。町会・自治会、商店会など区民による地域に根ざした活動や、学校、企業等との連携・協働により、中村ばし駅周辺のエリア全体が文化芸術の拠点となるよう整備します。 1 駅や商店街等と相互連携した取組を行い、地域のまちづくりにつなげる  駅や商店街等と連携して、駅前広場、道路、商店街など、駅からの動線にアートを感じられるような街並みの整備や取組を実施します。  (具体的な取組例)   ・駅構内での美術館案内やアート作品の展示   ・駅から美術館へ続く道路や壁面などの動線整備   ・公共空間にアート作品を設置   ・企画展と連携した商店街イベントの実施   ・商店会等と協働し「ウインドウアート」活動などを展開    ウインドウアート…商店の窓などを活用してアート作品を装飾すること     2 美術館と美術の森緑地を一体化し、誰もがアートに親しみながら、憩い、集い、つながるパブリックスペースを創る  美術の森緑地は、「まち」と美術館が一体空間となるパブリックスペースとします。  (具体的な取組例)   ・誰もが自由に利用できる開放的なエントランス空間の整備   ・屋外イベントが実施できるパブリックスペースの整備   3 アーティスト・イン・レジデンスを展開する  区内のアトリエの活用や商店街との連携により、アーティスト・イン・レジデンスを展開し、若手アーティストや練馬ゆかりのアーティストに、創作活動や発表の場を提供します。  (具体的な取組例)   ・区内アトリエなどを活用し、アーティスト・イン・レジデンスを実施    アーティスト・イン・レジデンス…アーティストが一定期間ある土地に滞在し、作品制作やリサーチ活動を行い、それを支援する事業。   ・完成した作品を美術館や商店街、公共空間などで披露 ・サンツ中村ばし商店街振興組合 理事長 江村 健二さんのコメント  都内でも珍しい「美術館のある街の商店街」なので、話題になるような素晴らしい美術館をつくって欲しいですね。店頭に美術作品を置いたりして、美術館と一緒にまち全体を盛り上げていきたいです。 ・練馬区ぬくい町会長 関口 とみおさんのコメント  地域の美術館として、誰でも気軽に行ける交流の場になって欲しいですね。美術館と一体となった街並みが話題になって、「練馬区といえば中村ばし」と言われるくらい、様々な人が来てくれると嬉しいです。 7ページから10ページ コンセプト2 本物のアートに出会える美術館  著名な作品や重要文化財をはじめ、独創的な企画により、「本物」のアートに出会える機会を提供します。7,000 点を超える収蔵コレクションをはじめ、著名な作品などを常時鑑賞できるようにし、新たに映像文化や現代アートなどの多彩な企画を展開します。 1 展示室を拡張し、より質の高い企画展を開催する  海外の美術館との交流による大規模な企画展や、これまでの活動を活かし、日本の近現代のアートを中心とした独創的な展覧会を開催します  (具体的な取組例)   ・展示室の拡張と機能を強化し、大規模な企画展を展開   ・日本の近現代のアートを中心とした独創的な展覧会を開催   ・外部研究者などを招へいした共同研究による成果を展示 2 近現代のアートを中心とした収蔵コレクションによる、新たな魅力を発信する  練馬ゆかりの作品や近現代のアートを中心とした収蔵コレクションを活用し、著名な作品などを常時鑑賞できるようにします  (具体的な取組例)   ・収蔵コレクションを活用した常設企画展の展開   ・練馬ゆかりの作品や近現代のアートを中心とする作品を体系的に収集し、収蔵コレクションを充実   ・文化芸術振興基金やクラウドファンディングを活用し、著名な作品を収集・展示 ・加藤 陽介 練馬区立美術館 主席学芸員のコメント  近年は展覧会が多彩になったこともあり、フランス近代版画や浮世絵などコレクションの幅も広がってきています。令和3年11月開催の小林清親展には、100年近く世に出ていない作品も展示されました。こうした貴重な作品があることも発信していきたいですね。 3 重要文化財などが展示できるようにし、展覧会の魅力を高める  国宝や重要文化財の展示に適した環境を整備し、貴重な作品を鑑賞できるようにします。  (具体的な取組例)   ・国宝や重要文化財などを展示できるようにするため、文化庁の公開承認施設を目指す 4 映像作品や現代アートなど、多様な作品を展示する  区内にある貴重な映画・アニメなどの映像資源や現代アートなど、多様な作品の展示をできるようにします。  (具体的な取組例)   ・映像文化に関わる企画展の開催   ・日本の近現代の美術をはじめ、現代アート、アール・ブリュットなど、多様な作品に対応できる展示室の整備   ・映像文化に関わる企画にも対応できるICT機器のための配線設備等の整備 5 誰もが気軽に鑑賞できる環境をつくる  乳幼児から高齢者、障害者など誰もが鑑賞しやすい環境をつくります。  (具体的な取組例)   ・美術館専用エレベータの新設、誰でもトイレ、授乳室の拡充、段差の解消、音声案内、サイン表示の工夫など   ・専門的な内容を分かりやすく解説   ・子どもを預けて鑑賞できるスペースの整備 ・野見山 ぎょうじ さん(画家・練馬区名誉区民)のコメント  タイトル 新美術館と未来の芸術家に期待  私は、昭和46年に練馬区内に自宅兼アトリエを構え、創作活動に取り組んでいます。  練馬区立美術館では、平成8年に「野見山ぎょうじ展」という回顧展、平成28年には、練馬区の名誉区民としていただいた時に、練馬区立美術館が収蔵している私の作品を中心に、展覧会を開いていただきました。  リニューアル後の美術館には大きな展覧会に加えて、小規模な展覧会にも期待しています。また、講演会や未来の芸術家たちへの実習的なことができると面白いですね。将来的には私の自宅兼アトリエも有効に活用していただきたいと思っています。 (野見山さんの経歴)  大正9年生まれ。日本の現代洋画界を代表する画家。昭和27年に渡仏。「日本国際美術展」に出品するなど意欲的に活動し、昭和39年に帰国。昭和47年に東京藝術大学教授となる。平成15年に東京国立近代美術館で展覧会が開催されるなど、現在も日本美術界において大きな存在感を示している。平成12年に文化功労者に選ばれ、26年には文化勲章を受章。 ・奥田 さゆめ さん(人形作家・公益社団法人 日展 理事長)のコメント  タイトル 子どもも大人も楽しめ、本物のアートにふれられる美術館に  23区でも美術館があるところは少ないですが、練馬区立美術館は、いつも質の高い展覧会をしていて、知名度も高いです。しかも駅から近く、交通の便もいいので、すぐ行くことができる。建築も含めて美術館が新しくなるだけでもワクワクしますし、美術館と一体となった街になっていくのも楽しみです。 現在も子どもが楽しめるような工夫などをされていますが、これからも子どもも大人も皆が楽しみながら本当に良いもの、「本物のアート」を鑑賞できる場所になるといいですね。新しく、素敵な美術館が再整備されて、美術館を中心に文化・芸術で輝くエリアが練馬区にあふれることを心待ちにしています。 (奥田さんの経歴)  昭和11年生まれ。日本を代表する人形作家。平成20年に文化功労者に選ばれ、令和2年に人形作家としては初の文化勲章を受章。夫で日本画家の奥田げんそう氏とともに日本で初めて夫婦揃っての受賞となった。平成26年7月に日展理事長に就任。他にも現代工芸美術家協会理事長などの要職にある。練馬区在住。 ・映像・文化のまち ねりま  練馬区には、昔から映画の撮影所、アニメ会社や映像に関連した会社が多くあり、名作と呼ばれる作品が数多く生み出されてきました。  創立百周年を迎えた日本大学芸術学部は、映画、映像制作に寄与した数多くの人材を輩出しています。  作家、監督、脚本家、俳優、漫画家といった映像関係者も多数、在住しています。  多彩な映像資源を活かし、みどり豊かな住宅都市の暮らしを文化で更に豊かにすることを目指して、区は『映像・文化のまち構想』を策定しました。  映像には、映画、アニメ、テレビ映像をはじめ、様々なメディアや形態があります。  それらにかかわる文学や美術、音楽、写真、デザイン、ポスター、作家・監督・漫画家などの作りて、作品を楽しむ観客なども含め、映像を文化の視点から幅広くとらえています。  映像・文化のまち構想では、再整備後の美術館も新たな映像文化の発信拠点としています。  ワーナーブラザースによる「スタジオツアー東京‐メイキング・オブ ハリー・ポッター」が、令和5年(2023年)前半に遊園地「としまえん」跡地にオープンします。  スタジオツアー東京は、ロンドンに次ぐ世界で2番目(アジアで初)の施設であり、同じく「としまえん」跡地に東京都が整備する練馬城址公園と合わせ、練馬の魅力を高める新たなにぎわいの拠点になります。  美術館と練馬城址公園がつながる都市計画道路の整備も予定されており、各拠点を結ぶ取組も検討していきます。  区では映像・文化を発信する取組として、区ゆかりの俳優が語る「ねりま 映画サロン」の配信などを行っています。  今後も映像・文化のまち構想に基づき、情報発信やイベントを実施していきます。 11ページ、12ページ コンセプト3 併設の図書館と融合する美術館  “知” の拠点である併設したぬくい図書館と “感性” を磨く場である美術館が機能的・空間的に融合することで、互いの強みを活かした相乗効果を生み出します。 1 図書館と機能的融合を図り、さらに広がりを持った情報を発信する  互いの情報を機能的に共有することで、さらに広がりや奥行きを持った情報の発信やサービスの提供など、相乗効果を生み出します。  (具体的な取組例)   ・美術館とぬくい図書館のライブラリーを一体化し、アート分野の蔵書を充実   ・美術分野に関するレファレンスの充実   ・美術図書、作品の画像データ、収蔵資料目録、研究紀要、収蔵コレクションなどアーカイブの拡充   ・美術館や図書館活動のドキュメンテーション(記録)の蓄積・共有・発信 2 図書館と空間的融合を図り、相互に楽しめる機会を創出する  エントランスから美術館・図書館の切れ目ない空間的融合を図り、図書館を訪れた人がアートに触れ、美術館を訪れた人がゆっくりと美術図書等を楽しめる空間を整備します。  (具体的な取組例)   ・カフェ、ミュージアムショップ、かいか図書のスペースなどが一体となったエントランス空間の整備   ・エントランスなどの共用スペースで鑑賞できるアート作品を常設   ・館内共用スペースならどこでも自由に本が読める環境の整備   ・子どもの頃からアートや本に自然に親しめるブック・アート・キッズスペースの整備  (ブック・アート・キッズスペースのイメージ)   子どもたちが絵本などを読む従来の児童図書スペースに、自由にお絵かきや工作ができるなど、アートの要素を追加。わくわくする体験が待っています。  (エントランスホールのイメージ)   かいか図書のある開放的なエントランス空間に美術作品の常設、カフェを併設し、にぎわいのある融合空間を実現。 ・練馬区立美術館運営協議会 公募委員 須どう 麻世さんのコメント  普段は美術館に行く前に図書館に寄ったりしています。小さな子どもがいるので、絵本を読んだり工作したりできるスペースはいいですね。その間に子どもを預けて美術館で鑑賞できれば親子で楽しめます。 13ページから15ページ リニューアルの背景 ・練馬区立美術館の『これまで』  練馬区立美術館は昭和60年10月、博物館法に基づく美術館として開館し、区にゆかりのある作品や日本の近現代美術を中心とした作品の展示、収集、保存、調査研究活動を通じて、区民の芸術活動の推進に大きな役割を果たしてきました。  開館時から収集してきた収蔵コレクションは、名誉区民である野見山ぎょうじなどの作品をはじめ、7000点を超えています。  平成27年3月には、隣接する美術の森緑地を一新し、“幻想美術動物園”として屋外アートを配置した魅力的な空間が誕生しました。小さなお子様連れで来館するかたが増えています。  作品に新しい価値を見いだしながら、斬新な視点・切り口で様々な展覧会を開催し、近年は10万人を超える来館者数で好評を博しています。 ・練馬区立美術館の特徴・強み @ 立地:駅に近く、交通アクセスがよい。 A 活動実績:これまで培った人脈・信頼。独創性の高い企画展。 B 収蔵コレクション:野見山ぎょうじなどの作品をはじめ、区ゆかりの作家、日本の近現代美術を中心に寄託品含め7,000点超。 C 併設図書館:併設のぬくい図書館は区立図書館12館で最多規模の来館者数。 D 隣接する美術の森緑地:美術館の前庭として、みどりと動物彫刻が調和した親子連れ等で賑わう憩いの空間。 ・現施設の課題  開館から36年が経過し、施設や設備の老朽化が進んでいます。展示・収蔵環境の維持やバリアフリー、ICT機器の導入など、対応が必要な多くの課題を抱えています。  また、展示室の規模が小さいため、収蔵コレクションの常設展示や展覧会の大型化・多様化に対応できず、学びや交流の場としての機能やスペースも不十分です。 ・リニューアルの必要性  貴重な美術作品を後世に継承する美術館として適切な展示・収蔵環境を維持するため、老朽化した施設や設備を改善する必要があります。  誰もが快適に、気軽に鑑賞できるよう、ユニバーサルデザインを導入する必要があります。  収蔵コレクションを積極的に活用するとともに、大型展覧会などにも対応できるよう展示室を広げ、それに伴うICT機器などの設備や機能を備える必要があります。  区民参加と協働を促進し、社会の変化に応じた新たな美術館の役割を果たすための設備や機能を備える必要があります。  大規模改修の時期を迎えた今を“絶好のチャンス”と捉え、現在抱えている課題への対応だけでなく、『魅力あふれる文化芸術拠点』として美術館を生まれ変わらせます。 ・基本構想の位置づけ  区は、10年後から30年後の将来像を、「暮らし」「都市」「区民参加と協働」の3つの分野で示す「グランドデザイン構想」を平成30年6月に策定しました。その実現に向けた区の新たな総合計画(地方版総合戦略)として「第2次みどりの風吹くまちビジョン」を策定し、具体的な実行計画であるアクションプランを令和4年3月に改定しました。  本構想は、グランドデザイン、ビジョンの方向性を踏まえ、美術館のリニューアルについて、さらに具体的な整備内容や取組の方向性などを明らかにしたものです。また、「映像・文化のまち構想」と策定に着手している「(仮称)これからの図書館構想」とも関連し、それぞれの方向性について連携しています。  3つのコンセプトの実現を目指し、本構想に基づき、今後、美術館のリニューアルを進めていきます。 16ページから18ページ まちづくり ・文化・芸術のまちづくりにおける中村ばし駅周辺地区  区内には、美術館をはじめ様々な文化・芸術に関連する施設があり、『真夏の音楽会』や『みどりの風 練馬薪能』など様々な文化イベントを開催しています。  練馬区の特徴でもある公園などのみどりの拠点と、都市計画道路などを結んだ『みどりのネットワーク』に、区立美術館、練馬文化センター、東映東京撮影所、区内芸術系大学などの文化芸術拠点が華を添えています。住宅都市だからこそ、豊かな文化芸術が花開く可能性に満ちています。  なかでも中村ばし駅周辺は、「美術館がある街」として、美術館のリニューアルを契機に、美術の森緑地と商店街・駅へと続く動線と一体化して、美術館を核とした街並みを創出します。また、整備が予定されている都市計画道路によって、としまえん跡地に東京都が整備予定の練馬城址公園と美術館とのアクセス向上が今後見込まれます。  としまえん跡地には、「ワーナーブラザース スタジオツアー東京‐メイキング・オブ ハリー・ポッター」のオープンも予定されています。 ・美術館のリニューアルによる中村ばし駅周辺のまちづくり  美術館のリニューアルを契機に、美術の森緑地と商店街・駅へ続く動線を一体的な景観として演出し、美術館のある街並みを創出します。周辺エリア全体でアートを感じられる場となるよう再整備し、アートを軸とした人々の交流やにぎわいを生み出します。  さらに、周辺では都市計画道路の整備が進められており、地域へのアクセスの向上が今後見込まれます。まちの状況の変化に応じて、駅周辺の公共施設等と連携しながら、まちの回遊性をさらに高め、まち全体の活性化を図ります。  このページでは、このほか、航空写真を使用して、駅周辺のまちづくりのイメージを示しています。  (イメージで記載されている4つのテーマ)  ・生まれ変わる美術館と美術の森緑地  ・アートのある商店街でにぎわいを創出  ・駅前広場は”アートのひろば”に  ・周辺の動線をアートで一体的に演出 19ページ、20ページ 活動 ・どこにいてもアートを楽しめる仕組みづくり  新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、多くの美術館が休館を余儀なくされ、中断した展示や中止したイベントに代わるコンテンツを生み出す取組が幅広く行われました。こうしたなか、Webサイト上でデジタルコンテンツとして展開することにより、これまで以上に広いエリアの人々にも楽しんでもらえる取組が始まっています。  美術館へ来館できない状況を補うだけでなく、バーチャルな取組により、リアルな美術館への好奇心をさらに高めるなど相乗効果を生む取組が必要です。  リアルとバーチャルにより、アートが常に身近な存在となり、暮らしのなかにアートを感じる時間が増えていきます。  収蔵コレクションや教育普及プログラムなど、美術館の有する資源をデジタルコンテンツとして活かし、いつでも、どこにいても、誰でもアートを楽しめる仕組みをつくります。SNSなども活用しながら発信方法を工夫して、美術館活動を支えるコミュニティをつくり、実物を観て、感動し、楽しむ来館へとつなげていきます。  (具体的な取組例)   ・WEBサイト上での収蔵コレクションの鑑賞機会の提供。   ・自宅でアートに触れられるコンテンツの開発・公開(作品鑑賞ワークシート、工作体験プログラム等)。   ・講演会やギャラリートーク、教育普及プログラム等の映像の公開。   ・デジタルコンテンツを活用した、SNSによる美術館活動への参画促進。   (例:ツイッターやインスタグラムなどのSNSによる、美術館活動を支えるコミュニティづくり)。 ・区民のアート活動への支援を充実  新型コロナウイルスの感染拡大防止の視点から遠隔地への移動が制限されるなか、身近な地域への再認識が進んでいます。  区民等が気軽に訪れアートに触れる体験ができるよう、多彩なプログラムを提供します。また、幅広いジャンルの制作に対応できる創作室の機能充実や、区民ギャラリーの利便性を向上するなど、区民の文化芸術活動への支援を充実します。  (具体的な取組例)   ・貸出施設の利便性を向上し、区民の創作活動を充実。   ・創作室の機能を充実し、幅広いジャンルの制作に対応。   ・アートに関する知識や技術を学ぶアート講座やスクールプログラムなど、多彩な教育普及プログラムの提供。   ・地元商店街や区内の芸術系大学との連携によるイベントやワークショップなどの開催。   ・サポーター養成プログラムなど、美術館の活動に参加しやすい仕組みづくり。   ・SNSを活用した美術館活動への参画促進(再掲)。 21ページ 運営 ・運営形態  現在の美術館と同様、効果的・効率的な管理運営と長期的な展望に立った運営を行うため、練馬区文化振興協会が担う指定管理者制度による運営を想定していますが、コンセプトの実現や、併設の図書館、新たに設置が想定されるカフェなどのサービス施設も含めて勘案し、最適な運営形態を整備と並行して検討します。 ・運営体制  施設の拡張や、コンセプトの実現に向けて、スタッフを充実します。  また、併設図書館との連携を図るための体制を構築します。 ・開館時間  カフェなどのサービス施設の設置を想定しているため、サービス施設の営業時間を踏まえた美術館の開館時間の延長なども検討します。 ・ファン層の拡大  収蔵コレクションのデジタルアーカイブなどを活用した美術館の魅力の発信や、サポーター養成による美術館活動への参加、美術館友の会の設立など、様々な取組によりファン層を拡大します。 ・収入の確保  観覧料収入や図録等の販売収入の増収、国や関係機関・団体等からの補助や助成の活用、クラウドファンディングなども活用した企業や団体、個人からの寄付や協賛、広告収入など、収入の確保に努めます。 22ページから28ページまでは施設計画を掲載しています。 22ページ 施設計画見だし 23ページ、24ページ 整備方針 ・中村ばし駅周辺施設の統合・再編  中村ばし駅周辺には、美術館、ぬくい図書館のほか、サンライフ練馬と中村ばし区民センターがあり、それぞれ老朽化や施設としての機能見直しなどの課題を抱えています。  区では、公共施設等総合管理計画〔実施計画〕において、『美術館の再整備にあわせた中村ばし駅周辺施設の統合・再編』をリーディングプロジェクトに位置付け、以下の方向性で整理することとしました。  美術館:再整備基本構想で掲げる3つのコンセプトの実現に向け、サンライフ練馬の敷地とあわせて全面改築します。  ぬくい図書館:美術館の改築にあわせて一体的に整備します。  サンライフ練馬(東京中高年齢労働者福祉センター):社会状況の変化に伴う区民ニーズや施設の利用状況等を考慮し、令和7年度を目途に廃止します。トレーニング室や会議室、相談事業等、引き続き必要な機能については、美術館の再整備、中村橋区民センターの大規模改修、他の施設での実施等により、代替を設けます。廃止後の敷地は、美術館の改築で活用します。  中村ばし区民センター:トレーニング室の移設や会議室の増設など、サンライフ練馬の代替が確保できるよう、大規模改修の設計を行います。大規模改修時に休止できない事業について、光が丘第七小学校跡施設やサンライフ練馬の部屋の一部を活用します。 ・敷地・整備手法・建物規模  敷地:サンライフ練馬の敷地とあわせて美術館・ぬくい図書館の敷地とします。  整備手法:既存の建物は撤去し、改築します。  建物規模:敷地面積や必要機能を勘案し、延べ床面積8,000u規模とします。  美術館・ぬくい図書館の敷地面積・延べ床面積(既存と再整備後(想定)の比較表)   既存:敷地面積、2246.2u、延べ床面積、4358.5u   再整備後(想定):敷地面積、4090.3u、延べ床面積、8000u  主な建築条件等   @用途地域:第一種住居地域   A敷地面積の最低限度:75u   B建ぺい率:60%(ただし角地緩和で+10%)   C容積率:200%   D高度地区:20m、第2種高度地区   E防火指定:準防火地域   Fにちえい規制:5〜10m、4時間、 10m〜、2.5時間 25ページから28ページ 整備プラン ・設計者の選定  設計者の選定方式は、競争入札方式、設計競技方式(コンペティション方式)、企画提案方式(プロポーザル方式)などがあり、それぞれの特徴を踏まえて決める必要があります。  (選定方式の比較表)  競争入札方式:[特徴] 設計料(金額)を入札で競わせて設計者を選定する方式。設計を誰が行っても結果の同一性が保証される場合に有効。  設計競技方式(コンペティション方式):[特徴] 設計案を選ぶ方式。具体的な案を見てから選ぶことができる一方、選定後の大きな設計変更が困難。  企画提案方式(プロポーザル方式):[特徴] 設計者(事業者)を選ぶ方式。設計者の提案内容等を評価。設計段階で多様な意見を柔軟に反映することが可能。  美術館のリニューアルは、規模が大きく、公共性の高い事業であると同時に、高度な技術力が求められます。加えて、文化芸術拠点として相応しいデザインとするため、優れた創造性をもって質の高い設計を行わなければなりません。  さらに、設計段階においても様々な意見の反映や調整が必要であることを考慮し、公募型の企画提案方式(プロポーザル方式)を採用します。  美術館再整備とそれに係る美術の森緑地改修の設計を提案内容とする予定です。 ・整備スケジュール  現時点で想定している整備スケジュールは以下のとおりです。今後、設計内容やそれぞれの進捗状況などにより前後する可能性があります。  基本構想策定:令和3年度  設計者選定:令和4年度  基本設計:令和4年度から令和5年度  実施設計:令和5年度から令和7年度  建築工事:令和7年度から令和9年度  開館:令和9年度末 ・リニューアル後の諸室機能・規模  誰もが気軽に施設を訪れることができるよう、美術の森緑地も含めて、施設全体でユニバーサルデザインを導入します。諸室の機能や規模は、今後の設計の中で詳細に検討していきます。 (諸室の規模目安、必要な機能・設備等の表) 【共用部】 @エントランスホール  規模目安:880u ・かいか図書(一部)、オープンギャラリー(美術作品)、映像モニター・情報検索機器などが設置された大規模な吹き抜け空間に、カフェレストラン、ミュージアムショップ、ミーティングスペース、授乳室などが併設。 ・ホール全面のかいか図書とオープンギャラリーにより図書館との空間的融合を実現。カフェレストランなどでもかいか図書の閲覧が可能。 ・カフェレストランは美術館、図書館が閉館時も利用が可能。 ・ミーティングスペースは、打合せや託児室などにも利用できる汎用性の高い部屋。 ・映像モニターや情報検索ライブラリーなどにより、館内のイベント・展覧会などから、デジタルアーカイブを活用したコレクションや美術図書など様々な情報を発信。 A多目的室  規模目安:300u ・コンサートや講演会、ワークショップや講座など、多様な活動に柔軟に対応するための機能・設備、倉庫などを設置。 ・可動壁などにより、部屋の区分利用が可能。 Bその他共用(廊下、エレベーター、トイレ等)  規模目安:1864u ・ユニバーサルデザインや施設運営・動線を考慮したエレベーター等の設置・増設、トイレ・救護室の拡充。 共用部面積合計:3044u 【美術館】 1 収集・保存部門 @収蔵庫  規模目安:450u ・現状の外部保管の解消と今後の収蔵品増へ対応。空調等、資料に適した収蔵環境。 A収蔵庫前室  規模目安:50u ・収蔵庫への搬出入作業。 B一時保管庫  規模目安:100u ・大規模企画展など借用資料の保管に必要な空調等の設備。 C搬入口、トラックヤード、荷解室  規模目安:150u ・美術品専用。4トントラックを収容し、シャッター等による閉鎖空間で搬出入作業を行える規模、換気設備。 収集・保存部門、面積小計:750u 2 調査研究部門 @美術館書庫  規模目安:106u ・美術館で管理が必要な美術図書等を保管。 A倉庫  規模目安:100u ・展示や調査・研究に必要な資材を保管。 調査研究部門、面積小計:206u 3 展示・公開部門 @常設展示室  規模目安:500u ・多彩なコレクションが活用できる機能・設備。可動壁などにより区分利用やゾーニングが可能。 A企画展示室  規模目安:1200u ・現代アートなど多様な作品に対応できる自由度の高い機能・設備。可動壁などにより区分利用やゾーニングが可能。 B情報コーナー  規模目安:66u ・展覧会の情報提供や展示室の補完など汎用性の高い部屋。 C展示準備室  規模目安:100u ・展示準備作業や展示備品の保管。 D展示室前ホワイエ  規模目安:200u ・展示室まえホワイエ、券売等の空間。 展示・公開部門、面積小計:2066u 4 交流部門 @区民ギャラリー  規模目安:160u ・専用搬入口、控室、備品倉庫を設置。 A創作室  規模目安:150u ・制作機能の拡充(防音、電源の増設等)、備品倉庫を設置。 Bサポーター活動スペース  規模目安:70u ・ボランティア活動を行う作業スペース、ロッカー等を設置。 交流部門、面積小計:380u 5 管理・運営部門 @事務・学芸員室  規模目安:280u ・スタッフの増員に伴う事務室等の拡張。 A会議室、打合せスペース  規模目安:50u ・スタッフ専用の打合せスペース。 B館長室、応接室  規模目安:30u ・応接室を兼ねた館長室。 C管理諸室  規模目安:100u ・管理運営体制に合わせたロッカー室や休憩室等の設置。 管理・運営部門、面積小計:460u 美術館面積(共用部ふくまず)合計:3862u ぬくい図書館面積(共用部ふくまず)合計:1094u (美術館併設としての特徴的な機能) ・ブック・アート・キッズスペースの設置、美術図書コーナーの充実など。  (ブック・アート・キッズスペースの説明)   子どもたちが絵本などを読む従来の児童図書スペースに、自由にお絵かきや工作ができるなど、アートの要素を取り入れたスペース。 共用部・美術館・ぬくい図書館 合計面積8000u ・リニューアル後の施設の機能構成図(想定)  (27ページ、28ページでリニューアル後の施設の諸室、動線を想定した機能構成図をお示ししています。以下本文)  リニューアル後の施設の諸室、動線を想定した機能構成図です。今後、設計の中で詳細に検討していきます。 29ページ、30ページ 検討経過  平成30年度から令和元年 度にかけて、秋元雄史美術館長を委員長に、学識経験者や地元関係者の方々から構成された再整備基本構想策定検討委員会で美術館再整備について検討し、その結果として、令和元年11月に「練馬区立美術館再整備基本構想策定検討委員会 提言」が提出されました。  本構想は、この提言をもとに専門家の協力を得ながら検討を進め、策定しています。 1 練馬区立美術館再整備基本構想策定検討委員会 委員名簿  ※肩書など令和元年11月1日現在のものです。 【区立美術館長】 ・秋元 雄史:東京藝術大学教授・大学美術館長 【学識経験者】 ・青柳 まさのり:山梨県立美術館館長、多摩美術大学理事長、元文化庁長官 ・大谷 康子:ヴァイオリニスト、練馬区文化振興協会理事長 ・高橋 幸次(たかは、はしごだか):国際ファッション専門職大学教授、元日本大学芸術学部美術学科教授 ・福井 直昭:武蔵野音楽大学副学長、武蔵野音楽大学図書館・楽器ミュージアム館長 【地元団体関係者】 ・江村 健二:サンツ中村ばし商店街振興組合理事長 ・島田 こういちろう:練馬区美術家協会会長 ・関口 とみお:練馬区ぬくい町会長 【学校教育関係者】 ・江川 さとし:東京都中学校美術教育研究会会長、練馬区立とよたま中学校長 【区民(美術館利用者)】 ・こんた 裕子:区せい改革推進会議委員(公募区民) ・すどう 麻世:美術館運営協議会委員、文化財保護推進員(公募区民) ・前田 ひさこ:美術館サポーター(ボランティア) 【区関係職員】 ・小金井 靖:地域文化部長 ・矢尾いた 克之:施設管理担当部 施設整備課長 ・近野 建一:産業経済部 経済課長 ・小沼 ひろゆき:地域文化部 文化・生涯学習課長 ・竹永 修一:都市整備部 東部地域まちづくり課長 ・原田 昭二:土木部 道路公園課長 ・清水 優子:教育振興部 ひかりが丘図書館長 事務局:練馬区 地域文化部 文化・生涯学習課 2 美術館再整備基本構想策定検討委員会等の開催状況 ア 検討委員会 ・第1回 平成30年5月29日:美術館再整備について、美術館の目指すべき将来像について ・第2回 平成30年8月29日:美術館における再整備のコンセプト(たたき台)について ・第3回 平成30年12月26日:美術館における再整備のコンセプト(たたき台)について ・第4回 平成31年3月20日:美術館における再整備のコンセプト(たたき台)の確認、再整備のコンセプトに基づく施設機能について ・第5回 令和元年 5月29日:再整備のコンセプトに基づく施設機能について ・第6回 令和元年 8月28日:美術館再整備ワークショップの実施報告について、これまでの検討委員会における議論のまとめについて ・第7回 令和元年11月20日:提言(案)について イ 美術館再整備ワークショップ 「びじゅつかんのカタチ モビール(動く彫刻)を作ろう」実施概要 【目的】子育て世代の方々に美術館を身近に感じてもらう機会を提供し、子育て世代のニーズを把握し、美術館再整備の検討に必要な情報を収集する。 【日時】 令和元年7月28日、1回目、午前10時30分から、2回目、午後2時から、各回120分 【会場・参加人数】練馬区立美術館創作室、計28名(子ども14名、保護者14名) 【内容】@親子でのワークショップ(美術館内を巡りながら様々な形を見つけ、ボール紙等でその形をモチーフにしたモビール(動く彫刻)を作る。)A保護者によるディスカッション(美術館に取り組んでほしい事や充実してほしい設備や機能について自由に意見を述べてもらう。) 【まとめ】 ・参加者の多くは美術館の利用に対してハードルが高いと感じている。 ・子育て世代の利用を促進するため、キッズスペースやおむつ替えスペースの充実、入りやすいエントランスづくり等の施設整備が必要である。 ・子ども向けプログラムなど、ソフト事業の充実が望ましい。 ・子育て世代の利用を歓迎する姿勢を示すため、美術館側からの情報発信が必要である。 以上