区民とともに練馬のみどりを未来へつなぐ 練馬区みどりの総合計画(令和5年度改定) 平成31年度~令和10年度 令和6年3月練馬区 巻頭言  大都市東京の都心近くに立地しながら、公園や農地など豊かなみどりに恵まれた住宅都市、それが私たちのまち練馬です。このみどりを保全し、更に豊かにして、次の世代に引き継ぐことが、区長としての私の最も重要な責務だと考え、平成31年4月に「練馬区みどりの総合計画」を策定しました。  この5年間は、区の貴重な財産であるみどりを未来につなぐために、公園の整備や幹線道路の整備等にあわせたみどりのネットワーク形成を進めるとともに、みどりを地域の財産として育むため、区民がみどりに関わりやすい仕組みづくりを進めてきました。  公園や花壇、憩いの森の区民管理や落ち葉清掃活動など、みどりの活動に関わる区民は増えています。さらに多くの区民が関わり、地域に根差した活動へと発展させ、「みどりでつながる練馬のまち」の実現に向け、区民の皆さんと力を合わせて、全力を尽くしてまいります。  改定にあたり、ご尽力頂いた練馬区緑化委員会、みどりの活動団体の皆さんに心から御礼申し上げます。 令和6年3月 練馬区長 前川あきお 目次 第1章 はじめに 1 中間見直しの趣旨 2 練馬区のみどりの魅力 3 30年後の目標と基本方針 第2章 中間見直しにあたって 1 これまでの主な取組 2 みどりの現況 3 区民意識意向 4 今後の取組の方向性 第3章 今後5年間のみどり施策 1 施策の体系 2 各施策 第4章 30年後の将来イメージ 1 生き生きとしたみどりの住宅地 2 生きた農と共存するまち 3 みどりのなかでにぎわう駅周辺のまち 第5章 計画の推進 1 推進体制 2 進行管理 参考資料 第1章 はじめに 1 中間見直しの趣旨 練馬区みどりの総合計画は、平成31年4月に、都市緑地法および練馬区みどりを愛し守りはぐくむ条例に基づき策定した、練馬区のみどり施策に関する総合的な計画です。また、練馬区環境基本計画のみどり分野の個別計画です。 計画期間 平成31年度~令和10年度 練馬区みどりを愛し守りはぐくむ条例第2条において、みどりを「樹木、草花その他植物およびそれらが生きていくために必要な土または水が一体となった環境」と定義しています。 中間見直しでは、目標および基本方針は継承し、令和6年度から令和10年度に取り組むみどり施策を明らかにします。令和3年度に実施した練馬区みどりの実態調査の結果とこれまでの5年間の取組、練馬区緑化委員会の答申で示された施策の見直しの方向性を踏まえています。あわせて、時点修正やわかりやすい表現への変更を行っています。 「グランドデザイン構想」で示す将来像「みどりに恵まれた良好な環境の中で誰もが暮らしを楽しむ成熟都市」の実現に向け、「第3次みどりの風吹くまちビジョン」と整合を図っています。 2 練馬区のみどりの魅力 練馬区の魅力は、都心近くに立地しながら、豊かなみどりに恵まれているところです。 練馬区には、武蔵野の面影を伝える屋敷林、住宅地の中に広がる農地、スポーツが楽しめる公園、四季折々の花が咲き誇る公園、道路や河川沿いの桜並木など、多様なみどりが点在しています。  また、公園では区民による管理や花壇づくりが行われ、憩いの森では自然観察会などの利活用が進み、農地では収穫体験を楽しめるなど、区民の暮らしの中にみどりが息づいています。 3 30年後の目標と基本方針 区民とともに練馬のみどりを未来へつなぐために (1)30年後(令和30年度)の目標 公園や道路のみどりを増やす。 みどりの拠点づくりを進める長期プロジェクトをはじめとした公園整備や道路整備、河川改修によりみどりのネットワークの形成を進めます。道路や河川沿いでは、安定した緑量のある景観形成に取り組みます。 武蔵野の面影を伝えるみどりを守り増やす。 武蔵野の歴史や風土を今に伝える屋敷林・社寺林や農地が広がる風景を守り、将来へ引き継ぎます。長期プロジェクトとして、稲荷山公園の整備において「武蔵野の面影」の再生に取り組みます。 宅地や事業所のみどりを増やす。 身近な暮らしの場でのみどりを増やします。特に、多くの人の目に触れる沿道の緑化に取り組み、歩行者が見て楽しめるみどり豊かな街並みづくりを進めます。 みどりを守り育てる活動をしている区民を増やす。  練馬のみどりを未来へつなぐためには、多くの区民の協力が必要不可欠です。区民団体と協働し、みどりの活動への参加の機会を増やします。区民の自主的な活動を支援し、地域に根差した活動につなげます。 緑視率が高い場所を増やす。  「みどりが多くある」と感じる人の割合が高くなる緑視率およそ25%を超える場所を増やします。 5つの取組を進めることで練馬のみどりに満足している区民80%を目指します。 (2)基本方針 本計画では、みどりの豊かさを実感できる区民を増やし、みどりに満足している区民割合を80%にすることを目指して、引き続き区全域を緑化重点地区とし、次の2つの基本方針に基づき、5つの取組について具体的な施策を推進します。 基本方針1 みどりのネットワークの形成。 拠点となる大規模で特色のある公園を整備し、軸となる幹線道路や河川とつなぎ、みどりのネットワークの形成を進めます。 基本方針2 みどりを育むムーブメントの輪を広げる。 区民と地域のみどりの関わりを深め育て、誰もが気軽に参加し、ともにみどりを守り育てる区民協働のムーブメントの輪を広げます。 第2章 中間見直しにあたって 1 これまでの主な取組(平成31年度〜令和5年度)令和5年12月現在 基本方針1 みどりのネットワークの形成 公園 長期プロジェクト 稲荷山公園基本計画策定(令和4年)武蔵野の面影を再生 練馬総合運動場公園開園(平成31年)練馬区初の公認陸上競技場 四季の香ローズガーデン拡充(令和3年)来場者が年間7万人から13万人へ 大泉学園町希望が丘公園全面開園(令和3年)屋根付き広場を備えた公園 都立練馬城址公園一部開園(令和5年)「緑と水」「広域防災拠点」「にぎわい」の機能を備えた公園を東京都が整備 上石神井こもれび公園開園(令和2年)子どもたちによる公園づくりワークショップを開催 みどりの拠点となる公園整備 3か所 4.1ha(区事業) 公園用地の取得 6か所 3.0ha 道路・河川 都市計画道路補助132号線整備(令和4年)カワヅザクラが楽しめる並木 道路・河川整備におけるみどりの創出。放射35号線(クスノキ等)石神井川(サクラ等)白子川(サクラ) サクラ並木の更新。大泉学園通り、石神井川 樹林地 にしほんむら憩いの森の取得(令和2年)区内で珍しいウラシマソウ自生地 どんぐり山憩いの森の取得(令和2年)道路沿いのシンボル的な樹林 立野町街かどの森開園(令和5年) 街かどの森整備1か所 0.04ha 重要な樹林地の取得8か所 2.1ha 農地 世界都市農業サミット開催(令和元年) 高松みらいのはたけ開園(令和5年)農の景観を区民とともに育て・守るはたけ 特定生産緑地の指定。対象の約95%を指定 都市農地の保全。農業経営に積極的な農業者へ多角的な支援。生産緑地貸借制度を活用した農地保全 貸借成立21件 基本方針2 みどりを育むムーブメントの輪を広げる つながるカレッジねりまみどり分野開講 コミュニティ・ガーデナーコース(令和2年から)  ねりまの森維持管理コース (令和4年から)56名修了。座学、実習などを交えて、活動に必要な知識と技術を学びます。 みどりの人材バンクスタート(令和4年から)登録者数 206名 憩いの森区民管理 全9か所 新たに8か所開始。清掃活動に加え、自然観察会の開催等、憩いの森を活用しながら、森を守り育てています。 花壇区民管理 全75か所 新たに35か所開始。公園や駅前広場などを季節の花で彩り、道行く人を楽しませています。 公園区民管理 全28か所 新たに6か所開始。きめ細やかな管理で公園利用者に喜ばれています。 ボランティアによる落ち葉清掃活動 令和3年度スタート。保護樹木等の所有者を応援するために区民ボランティアを募集し、落ち葉清掃を始めています。 令和3年度 3か所 13回 のべ139人参加  令和4年度 6か所 22回 のべ218人参加  令和5年度 6か所 23回 のべ279人参加  練馬みどりの葉っぴい基金のリニューアル 寄付件数約5倍。寄付メニューから寄付先を選べるようにしたことにより個人寄付件数が約5倍に 短期プロジェクト(寄付額/目標額) ローズガーデン(366万円/300万円) 中里郷土の森(123万円/100万円) (仮称)農の風景公園(97万円/100万円) 牧野記念庭園書斎再現 (528万円/500万円) 2 みどりの現況 練馬区では、5年ごとにみどりの実態調査を実施しています。令和3年度の実態調査の結果に基づく、みどりの現況は以下のとおりです。 練馬のみどりの4分の3は民有地のみどりです。民有地のみどりの半分以上は宅地等のみどりです。民有地のみどりの半分以上を占めている宅地等のみどりのうち、戸建て住宅などにある300㎡未満の樹木地や草地が、最も多くを占めています。 民有地のみどりは一貫して減少しています。公園の整備や樹林地の取得により、公共のみどりは増えていますが、民有地のみどりは一貫して減少しています。 減少している民有地のみどりは、宅地等や農地のみどりです。民有地のみどりの内訳を10年前と比較すると、社寺等のみどり以外は減少しています。宅地等のみどりは合計すると90ha、農地は53ha減少しています。 3 区民意識意向 令和3年度のみどりの実態調査では、区民3,000人を無作為抽出したアンケートを実施し、区民のみどりに関する意識意向を調査しました。(回答者数1,254人) 練馬のみどりに満足している区民の割合は7割弱で、横ばい傾向にあります。 6割以上の区民が公園や緑地の整備が必要と考えています。 みどりを守り増やすために必要な取組(3つまで選択) 1 道路や河川沿いに公園や緑地を整備する 64.3% 2 小規模でも身近な公園や緑地を整備する 61.2% 3 民有樹林地や農地の所有者を積極的に支援する 44.5% 4 開発や建替え時の緑化規制・誘導を強化する 42.7% 5 地域ごとに大規模な公園や緑地を整備する 35.5% 6 緑化の義務化や助成制度を強化する 31.8% 7 その他・無回答 4.1% 多くの区民が、何らかの緑化活動に参加してみたいと考えています。 参加してみたい緑化活動(いくつでも選択) 1 公共の花壇づくりや植替え作業 28.0% 2 公園の清掃や除草作業 23.4% 3 練馬みどりの葉っぴい基金への寄付 20.5% 4 保護樹林・保護樹木の落ち葉清掃作業 19.9% 5 憩いの森の清掃や草刈り作業 16.1% 6 参加できない・したいと思わない 34.1% 7 その他・無回答 7.1% 緑視率が高くなるほど、みどりが「多い」と感じる区民は増え、20%以上で約6割の区民がみどりを「好ましい」と感じています。 4 今後の取組の方向性 これまでの5年間の取組により、公園や道路といった公共のみどりは着実に増えました。公園・道路以外にも、樹林地の保全活動や農体験の場の拡充などにより、区民の暮らしに息づくみどりが増えています。豊かな練馬のみどりを未来へつなぐために、引き続き魅力あるみどりの保全と創出に向け、これまでの取組をさらに充実していく必要があります。 1 公共のみどりを計画的に増やします。 公共のみどりについては、引き続き、長期プロジェクトをはじめとしたみどりのネットワークの拠点となる公園整備やみどり豊かな軸となる幹線道路の整備を計画的に進めます。また、約半数の公園が開園から30年以上経過していることから、計画的な改修や公園トイレのリニューアルに取り組みます。 2 樹林地を保全し、農地の減少を抑制します。 武蔵野の歴史や風土を今に伝える樹林地や農地については、減少が進み、希少性が増しています。減少の抑制に向け、樹林地所有者の負担軽減や、農地所有者の実態に即した営農支援の強化などに取り組みます。 3 宅地の沿道緑化を進め、維持します。 宅地のみどりについては、みどり豊かな街並みの形成に向け、沿道緑化を推進します。緑化するときだけではなく、維持管理までを総合的に支援する仕組みを構築します。 4 区民活動の充実と情報発信を強化します。 公園や花壇、憩いの森の区民管理、ボランティアによる落ち葉清掃など、みどりに関わる区民の活動は着実に広がり始めています。練馬の豊かなみどりを守り増やしていくためには、区民協働が不可欠です。みどりのムーブメントの輪を広げていくため、さらに多くの区民が関わり、地域に根差した活動へとなるよう取組を進めます。また、区民のみどりへの関心を高めるために、みどりに関する情報発信を強化します。 グランドデザイン構想で示す将来像「みどりに恵まれた良好な環境の中で誰もが暮らしを楽しむ成熟都市」の実現に向け、区民とともに取り組み、暮らしに息づく魅力あるみどりを増やし、練馬のみどりに対する区民の満足度を高めます。 第3章 今後5年間のみどり施策 1 施策の体系 今後5年間は、基本方針に沿って25の施策に取り組みます。重点施策は、アクションプランに位置付け、年度別計画および事業量、事業費を明らかにします。 2 各施策 基本方針1 みどりのネットワークの形成 施策1の1 みどりの拠点となる大規模な公園づくり(重点施策) みどりの拠点となる長期プロジェクト 稲荷山公園は「武蔵野の面影」、大泉井頭公園は「水辺空間の創出」をテーマに、みどりの拠点として機能を充実させるため、都市計画公園区域の未開設部分の整備に向けた取組を進めます。 稲荷山公園は、事業区域を分けて段階的な整備の検討を進め、第一期事業認可の取得を目指します。大泉井頭公園では基本計画策定に向けた検討を進めます。 特色ある公園等の整備および拡充 スポーツが楽しめる公園や地域のみどりを活かした公園など、みどりの拠点となる大規模で特色ある公園の整備を進めます。石神井松の風文化公園、西大泉こさくっぱら緑地やこどもの森緑地の拡張などの整備を進めます。 都立練馬城址公園は令和5年5月に一部開園しました。令和11年度に向け、未整備区域は段階的な開園を予定しています。区の求める「緑と水」「広域防災拠点」「にぎわい」の機能を備えた公園の実現に向け、引き続き東京都や関係者と調整していきます。 施策1の2 暮らしに潤いをもたらす身近な公園づくり(重点施策) 公園は、子どもたちの遊び場や高齢者の散策の場、地域のお祭りの場などとして区民の生活に欠かせない施設です。(仮称)大泉学園町六丁目公園の整備や平成つつじ公園の改修など、毎日の暮らしに潤いをもたらす身近な公園づくりを進めます。 公園の整備にあたっては、地域に親しまれる公園となるよう、計画段階から多様な手法により地域住民の参加を進めます。 区内には令和5年4月現在、696箇所の公園等がありますが、まだ不足している地域もあります。不足している状況の改善に向け、まとまった面積の公園の整備を推進します。まちづくり事業においても、公園やオープンスペースの確保を進めます。 施策1の3 既存公園の改修・公園トイレのリニューアル【新規】(重点施策) 約半数の公園が開園から30年以上経過していることから、計画的な改修を行う必要があります。引き続き、地域に親しまれる身近な公園となるよう、各公園の持つ機能や特徴等を踏まえて公園等改修計画を策定し、計画的な改修を進めます。また、公園のトイレが清潔・快適であることは、公園のみならず練馬区のイメージアップにつながることから、リニューアルに取り組みます。 施策1の4 民間の発想を活かした公園の管理運営 特色ある公園では、その魅力を最大限発揮させるため、提案内容を評価・比較するプロポーザル方式による管理運営業者の選定や指定管理者制度の導入を進めます。大規模公園では、レストランやオープンカフェ、物販店等の誘致に向け、検討を進めます。 施策1の5 樹木の適切な育成と更新  街路樹や公園等の樹木は、台風等による被害を最小限とするなど、安全確保を基本とし、その上でより良い景観となるよう育成します。管理作業の実施にあたっては、引き続き、事前に作業の目的や内容を地域住民に十分周知します。  老齢化・大木化が進行している樹木は、倒木等のリスクが高くなることから、安全確保と景観形成を両立させるために、計画的な伐採や更新が必要です。老齢化しているサクラ並木などでは、計画的な伐採や更新による健全育成を進めます。 施策1の6 みどりの軸となる都市計画道路や河川の緑化(重点施策) 都市計画道路の整備や河川改修において、緑化を推進し、みどりの軸の形成を進めます。みどりの軸としてふさわしい景観形成の実現に向け、植栽に関する方針をまとめ緑化を推進します。あわせて、沿道の状況や地域住民の要望を踏まえ、路線ごとに、地域にふさわしい樹種を選び、地域の方々や歩行者が楽しめる植栽を目指します。外環の2をはじめ、東京都が事業を行う路線についても、豊かなみどりの軸としての整備について、東京都へ働きかけます。保護樹木等がある場合は、その活用について検討します。みどりの軸をさらにみどり豊かにするために、石神井川については、都市計画石神井川緑地の整備を東京都へ要請し、白子川や幹線道路沿いについても、みどりの空間の確保に努めます。 施策1の7 駅周辺のみどりの空間づくり 駅前広場の整備等にあたっては、鉄道事業者や地域住民等と連携し、地域の顔となるみどりの空間づくりを進めます。シンボルツリーの植栽や地域住民との協働による花壇づくりを推進します。 施策1の8 みどり豊かな公共施設づくり(重点施策) みどり豊かな街並みの形成に向け、多くの人の目に触れるみどりを増やすため、公共施設の緑化基準を見直します。見直しにあたっては、歴史や風土にあった植栽への誘導や、屋上への太陽光発電パネルの導入との両立を図ります。あわせて、施設改築時における既存樹木の保全・活用のあり方について検討を進めます。また学校においては、改築等の機会に、子どもたちにとって身近な植物や自然観察ができる植物の導入を図ります。公共施設の管理者向けの「公共施設の樹木保全育成ガイド」を使用した研修等を実施し、みどりの健全育成を推進します。区民ボランティアによる公共施設周辺での落ち葉清掃等の取組の検討を進めます。 施策1の9 重要な樹林地の保全(重点施策) 都市計画緑地の拡大 屋敷林等の樹林地は、練馬の原風景といえる景観であり、豊かな自然が守られた重要なみどりです。年々減少が続いていることから、みどりの軸沿いの樹林地や良好な屋敷林など希少な樹林地は、都市計画緑地の決定に向け、所有者との合意形成を進めます。また、樹林地保全に向けた税制改正や補助制度の拡充について、国や東京都へ要望します。 特別緑地保全地区の拡大 特別緑地保全地区は、残された希少で重要な樹林地を保全する上で効果的な制度です。土地所有者の意向等を踏まえた上で、指定に向けた検討を進めます。 早宮けやき特別緑地保全地区の管理 区は、平成18年に、推定樹齢300年以上のケヤキを擁する約3,000㎡の屋敷林を「早宮けやき特別緑地保全地区」に指定しました。保全方針に基づき、適切な管理を進めます。 早宮けやき特別緑地保全地区の保全方針 概要 都市計画決定 平成18年11月10日 練馬区告示第777号 位置 早宮三丁目地内   面積 0.3ha 保全方針ア ケヤキ等大径木の保全:樹齢300年を超えるケヤキの大径木は適切な管理により保全します。 イ。樹林の保全:外部から侵入してきたトウネズミモチ等の除去や、密集している小低木は整理します。道路沿いの大径木が枯死した場合に備え、林内のムクノキやエノキ等を育成管理します。 ウ。歴史的遺産の普及・啓発:江戸時代からの屋敷林が現存することの素晴らしさを周辺住民のみならず、広く区民に広報していきます。 施策1の10 憩いの森・街かどの森の拡充 区が所有者から無償で樹林地を貸借し区民へ開放する、憩いの森・街かどの森を拡充します。団体や事業者等が土地を貸借し、区民へ開放する市民緑地認定制度の活用について検討します。 施策1の11 民有樹林地や樹木の保全(重点施策) 保護樹林等に指定されていない樹林地等について、指定に向けた働きかけを行います。指定後は、定期的な樹木の健全度診断や管理に関する助言等を行います。保護樹林等の所有者の負担軽減と適切な剪定を促進するため、剪定費の補助を拡充します。あわせて、保護樹林等周辺での区民ボランティアによる落ち葉清掃活動を、引き続き実施します。 施策1の12 生き物等森の特性に応じた樹林地の管理 清水山の森や中里郷土の森等の樹林地には、貴重な野草や生き物が生息しています。こうした自然を守るため、生き物に配慮した管理を進めます。落ち葉については、憩いの森で管理団体がおこなっている腐葉土づくりなどの取組を広げます。区民団体が管理している憩いの森では、森の成り立ちや生き物等、森の特性に応じた管理が進んでいます。区民団体による管理を推進するとともに、団体の知識・技術が高まるよう、専門家派遣などの支援を実施します。 施策1の13 都市農地の保全(重点施策) 区民が農に親しむ取組の充実 農業者と区民が触れ合う「ねりマルシェ」の開催や気軽に摘み取りが楽しめる「果樹あるファーム」のPR支援等を引き続き積極的に推進します。また、野菜の収穫体験等を行える「ベジかるファーム」の拡充や区民農園の整備など、区民が農に親しめる取組を充実します。 個々の営農状況に応じた支援 JA東京あおばが計画している全戸訪問や農業委員会の農地調査を活用しながら、営農継続に必要な労働力の有無、家族状況、抱えている技術的不安などの情報をヒアリングします。個々の状況を把握したうえで、必要に応じて相談支援を行います。 農地の借り手となる担い手確保の強化 農業者個々の意向や状況に応じた働きかけを強化し、生産緑地の貸借制度活用を推進します。 東京都農業改良普及センターと連携し、営農アドバイスやセミナーを開催するなど、多様な担い手の確保に努めます。また、新規参入を希望する個人・法人等向けに、東京都事業を活用した農業機械・農地整備に要する経費の支援などを開始します。 農の風景育成地区における取組の推進 農の風景育成地区に指定されている高松地区および南大泉地区において、農業者や地域住民等の活動を引き続き支援し、農地保全に取り組みます。 農業者と区民の機運の醸成 世界都市農業サミットおよび全国都市農業フェスティバルの成果をふまえ、農業者の意欲向上や区民の理解促進に繋がるイベントの開催について検討します。また、全国都市農業フェスティバルの参加都市との意見交換を継続し、連携を深めます。 施策1の14 みどり豊かな開発の促進(重点施策) みどり豊かな街並み形成に向け、開発事業における緑化計画制度の緑化基準を見直し、多くの人の目に触れるみどりを増やし、事業計画に適した緑化を実現します。緑化を強く義務づける制度である緑化地域の指定について検討します。統一性や連続性のある沿道緑化を増やすため、開発事業者による緑地協定の活用に向けた誘導策を検討します。宅地開発事業に伴い整備される公園については、地域にふさわしい機能を備えた公園の整備を目指します。空地創出を伴う大規模開発においては、東京都と連携し、公開空地にふさわしいみどりの量と質の確保を事業者へ働きかけます。 施策1の15 地域ぐるみでの緑化の推進(重点施策) 区の土地利用の約半分は住宅地であり、住宅地のみどりが練馬のみどりを支えています。一方、敷地の小規模化やみどりの管理に対する負担から、これらのみどりは年々減少しています。みどり豊かな街並み形成に向け、多くの人の目に触れるみどりを増やすため、緑化から管理までをサポートする仕組みを検討します。特に、地域ぐるみで維持管理を支えあう取組や支援のあり方を検討します。地域の防災性をあげるため、密集事業実施地区・防災まちづくり推進地区や練馬区緊急道路障害物除却路線において重点的に危険なブロック塀等の撤去を促進し、あわせて沿道緑化を推進します。 基本方針2 みどりを育むムーブメントの輪を広げる 施策2の1 個人のみどりを地域で守る仕組みの拡充(重点施策) 区民が気軽に参加できる活動として、保護樹木等周辺における区民ボランティアによる落ち葉清掃を、引き続きみどりのまちづくりセンター注 )と連携して行います。事業の企画や当日の運営など、活動を支えるサポーターを育成し、将来的には区民の主体的な活動につなげることを目指します。保護樹木等が地域のみどりとして親しまれるよう、広く区民に周知します。 施策2の2 人材の育成とマッチングの推進(重点施策) みどりを守り育てる人材や団体を育成するため、つながるカレッジねりまのみどり分野の講座内容を充実します。修了生については、修了者同士による新たな団体の立上げや、既存団体とのマッチングを推進します。農の学校においては、引き続き農サポーターを育成し、活用を推進します。みどりの人材バンクへの登録を促進するため、情報発信を強化します。また、登録者を対象に、活動の体験会などを開催し、団体とのマッチングを進めます。落ち葉清掃活動の参加者についても、みどりの人材バンクへの登録を促し、他のみどりの活動への参加につなげます。 施策2の3 地域に根差した区民管理の推進(重点施策) 公園や憩いの森の区民管理の拡充に向け、地域の団体へ働きかけます。公園の区民管理については、設計段階での意見交換会等の機会を捉えて働きかけます。既に区民管理を行っている憩いの森については、親子で参加できるイベントを開催するなど、地域に親しまれる森となるよう、地域住民との交流を促進します。 施策2の4 区民による主体的な取組への支援と交流の推進 みどりのまちづくりセンターによる、まちづくり活動助成制度やみどりの人材バンク相談窓口などを通じ、区民の主体的な取組を支援します。団体の知識や技術の向上に向け、活動内容や自然観察会などのノウハウを共有するための交流会の開催や、専門家派遣等の支援を行います。 施策2の5 葉っぴい基金の魅力ある寄付メニューの充実 練馬のみどりを応援するきっかけとなる、魅力的な寄付メニューを用意するとともに、区民協働による取組を応援するメニューを検討します。 施策2の6 一人ひとりの取組を推進する講座等の充実 四季の香ローズガーデンや中里郷土の森等では季節に応じた様々な講座やイベントを開催しています。区民が気軽に参加でき、多様な関心に応える講座等を開催し、区民一人ひとりのみどりへの関心を高めるとともに、守り育てる行動につなげていきます。 施策2の7 事業者の参加や協力の推進【新規】 みどりに関わる事業者にイベントやボランティア活動への参加などを働きかけます。みどり施策の広報への協力やボランティア活動への技術支援といった、事業者ならではの協力が得られるような仕組みを検討します。 施策2の8 子ども向けの体験型学習の充実 次世代を担う子どもたちに、みどりや生き物と直接触れ合う場や機会を提供し、みどりを愛する心を育てます。体験型学習の拠点である中里郷土の森では、白子川流域の自然を体験するプログラムを充実します。憩いの森では、区民管理団体による子ども向けイベントを拡充します。泥遊びや木登りなど普段できない遊びができる、こどもの森を拡張し、ツリーハウスや休憩スペースの整備などを進めます。全区立小学校において、農業者と連携した体験学習を推進します。学生等と区民活動団体などとの交流や活動への参加を促進します。 施策2の9 みどりの果たしている役割の周知 都市の景観形成やヒートアイランド現象の緩和といった都市環境の保全など、みどりが都市の生活に欠かせない役割を果たしていることを、区報や区ホームページ等で広く周知します。中里郷土の森やリサイクルセンター等で、みどりの役割を学べるイベントや講座を充実します。また、みどりの役割を分かりやすく周知するため、学校での樹木プレート(樹木の名前、幹回り、CO2吸収量を掲示)や憩いの森等への看板の設置等に取り組みます。 施策2の10 みどりの魅力を伝える情報発信の強化【新規】(重点施策) 多くの区民が何らかのみどりの活動に参加したいという意向を持っています。一方、みどりに関する情報が十分に区民に届いていない状況があります。イベントの開催や情報発信の強化により、みどりを守り育てる機運を高め、みどりのムーブメントの拡大を図ります。区民活動や区の補助制度などの情報や、みどりの魅力を総合的に伝える「(仮称)ねりまみどりフェスタ」を開催します。また、憩いの森等でおこなっている子ども向けの自然観察会などを「(仮称)憩いの森こどもフェスタ」としてまとめて情報発信するなど、工夫した周知を行います。イベントやみどりに関する情報を、年間を通して発信し、みどりや区民活動に対する区民の関心を高めます。 第4章 30年後の将来イメージ 30年後(令和30年度)には、「みどりでつながる練馬のまち」の実現を目指します。具体的な姿として、「生き生きとしたみどりの住宅地」「生きた農と共存するまち」「みどりのなかでにぎわう駅周辺のまち」の3つのイメージを示します。 1 生き生きとしたみどりの住宅地 2 生きた農と共存するまち 3 みどりのなかでにぎわう駅周辺のまち 第5章 計画の推進 1 推進体制 区は、目標の達成に向け、多様な主体と連携し取組を進めてきた結果、みどりを守り育てる区民協働のムーブメントの輪は広がり始めています。今後も、協働のパートナーとして、多様な主体との連携を強化し、取組を推進していきます。 あわせて、国・東京都・関係自治体や研究機関とも連携し、先進的な取組などについての情報共有を図り、よりよい施策に向けた研究を進めます。 区民・活動団体  区民は、地域のみどりに関心を持ち、みどりを守り増やす活動主体として、参加、協働することが期待されます。活動団体は、区民との交流を推進するほか、区との意見交換などに協力することが期待されます。 事業者 事業活動を通して、施策に参加、協働すること、特にみどりと直接関わる事業者は、公園の管理運営や農地の活用等の分野で、積極的に役割を果たすことが期待されます。 中間支援組織 ノウハウや人的ネットワーク、情報等を多様な主体に提供し、活動を支援します。区は、みどりのまちづくりセンターを始めとする中間支援組織との連携を強化します。 練馬区緑化委員会 練馬区みどりを愛し守りはぐくむ条例に基づく附属機関として、みどりの保全と創出に関する重要な事項を調査審議します。 練馬区みどりの区民会議 練馬区みどりの総合計画(平成31年4月)の策定において、平成31年度からの10年間に取り組む具体的な施策を提案する役割を担いました。次期計画(令和11年度〜令和20年度)の策定において、同様の役割をにないます。 2 進行管理 (1)本計画の進行管理 本計画の重点施策については、アクションプランに位置づけ年度別計画を明らかにします。年度ごとの進捗状況を区政改革推進会議において点検・検証し、計画的に施策を推進していきます。 その他の施策については、年度ごとに進捗状況を点検・検証し、計画的に施策を推進していきます。区民協働に関する施策については、区民活動団体などから、実体験に則した意見を適宜聴取しながら進めます。 (2)次期計画の策定 令和8年度にみどりの実態調査を行います。目標に対する達成状況および区民意識を把握するための区民アンケート調査、みどりの状況を把握するための緑被面積などの調査を行います。調査にあたっては、専門的な知見を有する研究機関等の協力を得ます。緑化委員会に諮問し、実態調査の結果や進捗状況をふまえ、次期計画の方向性等について審議します。また、次期計画の検討にあたっては、みどりの区民会議で議論し提案をいただきます。 次期計画の素案については、区民意見反映制度などにより、広く区民から意見を聴取します。 参考資料 目次 練馬区の概況 練馬区のみどりの概況と区民の意識意向 中間見直しにおける区民意見などの反映について 都市計画公園・緑地の整備方針 緑確保の総合的な方針 国や東京都の動向 練馬区の概況 地形 区の地形は、海抜約30~50m前後の武蔵野台地により形成され、西側が高く東側に行くにつれて低くなっていますが、ほとんど高低差がなく、なだらかです。地質は、地質年代からみると比較的新しい時代に形成された地層で、台地は洪積層、低地は沖積層からなっています。洪積層は、上部の関東ローム層、中部の粘土砂の互層、下部の砂れき層から構成されています。 河川・湧水 区を東西に横断するように、石神井川が流れています。また、東大泉を起点として、白子川が埼玉県に向かい北上しています。いずれも荒川水系に属する一級河川です。現在も河床等から湧水を確認することができます。 昭和30年代から40年代にかけ、都市化に伴い雨水の地下浸透量が減少し、飲用水等のための地下水の揚水量も増加したため、地下水位は大きく低下しました。その後、揚水規制により一定程度まで地下水位は回復し、稲荷山憩いの森等で豊富な湧水を見ることができます。清水山の森にある湧水は、「東京の名湧水57選」に選定されています。 土地利用 周辺の自治体と比較して農用地が多いことが区の特徴であり、その多くは区の中心部から北西部にかけて分布しています。約64%を宅地が占めており、区部全体と比較して宅地の割合が高く、住宅都市の特性が表れています。 人口・世帯数 令和6年1月1日現在の区の総人口は741,540人であり、人口密度は15,423人/k㎡です。区では、令和6年1月の住民基本台帳人口を基準人口とし、人口推計を行いました。総人口は約20年後の令和23年に約75万人に達し、その後、減少に転じる見込みです。一般的に「高齢化率」と呼ばれている高齢者人口比率は、令和6年1月時点では22.0%ですが、30年後には27.7%に達し、「4人に一人が高齢者」という状況になります。 大江戸線の延伸は、鉄道空白地域を改善し、区が更に発展するために欠かせない事業です。延伸地域は、区内の他の地域と比べると建物の利用容積率などが低く、空地等も多い状況です。 こうした地域が、大江戸線の延伸によって、類似する区内の地域と同水準の土地利用が図られることにより、人口の増加が見込まれます。人口増加について試算を行った結果、延伸地域では、約2万1000人増加する可能性があることが分かりました。 大江戸線延伸を考慮した人口推計では、総人口が、約25年後の令和30年に約78万1000人に達し、その後、減少に転じる見込みです。。 周辺自治体と15歳未満世帯員のいる世帯の割合を比較すると、子育てをするファミリー層の割合が比較的高いという特徴がみられます。 練馬のみどりの概況と区民の意識意向 みどりの実態調査の詳細は、区ホームページでご覧になれます。 みどりの状況 区全体の緑被面積は約1,086ha、緑被率は22.6%となっています。 町丁目別の緑被率 町丁目別の緑被率は、光が丘や大泉学園町等の大規模な公園がある地域や、農地が多くある西部では高く、宅地や商業地域が広がる東部や駅周辺では低くなっています。 町丁目別の樹木地の状況 町丁目別の樹木地率は、大規模な公園がある地域が高くなっています。緑被率に比べ、地域的な差はほとんどありません。 生産緑地の分布状況 生産緑地の多くは、区の中心から北西部に分布しており、特に北西部には大規模な生産緑地が残っています。 緑視率の状況(1)緑視率とは 人の視野に近い、地上からの高さ1.5m、焦点距離24mm(35mmフィルム換算)の範囲を写真撮影し、その写真に占めているみどりの面積の割合を緑視率といいます。(2)撮影方法 カメラを地面に対して平行に固定し、撮影します。(3)緑視率算出のイメージ(4)緑視率の状況 令和3年度に緑視率を計測した地点において、平均緑視率が25%を超えた地点は70地点でした。 公園の状況 道路・河川の緑化の状況 みどりに関する施策の認知度 知っている施策が「ひとつもない」と回答した区民は14.6%でした。 中間見直しにおける区民意見などの反映について (1)練馬区緑化委員会 審議の内容は区ホームページでご覧になれます。 令和4年8月4日(第169回)諮問 令和4年12月12日(第170回)公共のみどり施策について審議 令和5年3月13日(第171回)民有のみどり施策、区民協働施策について審議 令和5年8月1日(第172回)施策の見直しの方向性について審議 令和5年11月6日(第173回)答申 (2)みどりの活動団体・活動参加者からの意見聴取 令和4年11月〜12月 落ち葉清掃事業参加者アンケート調査 練馬みどりの人材バンク登録者・登録団体アンケート調査 つながるカレッジみどり分野受講者アンケート調査 憩いの森管理団体ヒアリング 令和5年2月 花壇管理団体アンケート調査 令和5年6月 保護樹木所有者アンケート調査 (3)区民意見聴取 区民意見聴取の詳細は区ホームページでご覧になれます。 令和5年12月~令和6年1月 区民意見反映制度による意見募集の実施 都市計画公園・緑地の整備方針 「都市計画公園・緑地の整備方針」は、東京都と区市町が都市計画公園・緑地の整備に一体となって取り組むため、平成18年に策定し、平成23年に1回目の改定を行いました。さらに優先して整備を進める区域を増やすとともに、東京都や関係区市町が一体となって都市計画公園・緑地等の事業化などに集中的に取り組むため、「緑確保の総合的な方針」とともに、令和2年7月に改定し、令和11年度までの10年間に優先的に事業を進める「重点公園・緑地」を選定し、「優先整備区域」を示しています。 緑確保の総合的な方針 「緑確保の総合的な方針」は、「都市計画公園・緑地の整備方針」と車の両輪となって、主に民有地の既存の緑をまちづくりの観点から保全していくために、東京都と区市町村が平成22年に合同で策定し、平成28年に1回目の改定を行いました。引き続き、減少傾向にある民有地の既存の緑を計画的に確保するため、「都市計画公園・緑地の整備方針」とともに、令和2年7月に改定し、令和11年度までの10年間に確保することが望ましい緑(確保地)を公表し、あわせて、まちづくりで創出する緑や緑確保を更に推進する取組を提示しています。 確保地 水準1 緑地の買収により保全するもの又は法や条例に基づいて、強い規制をかけることにより、確実に保全していくもの 水準2 法や条例等に基づいて、許可による行為制限や税の優遇などにより保全していくもの 水準3 行為の届出や緑地の所有者との間で保全に関する協定を結ぶなど、緩い制限により、保全に取り組むもの 確保地の水準「特定生産緑地(特定生産緑地の指定により保全する農地)」として、練馬区内では、平成30年度末時点の生産緑地646か所、177.99haが位置付けられています。 国や東京都の動向 国などの動向 新たなステージに向けた緑とオープンスペース政策の展開について(平成28年5月・国土交通省) これからのみどり施策について、重視すべき視点として、面積の拡大重視ではなく、使うこと活かすことなどストック効果を高めること等、3つの視点が示されている。 これからの社会を支える都市緑地計画の展望(平成28年6月・国土技術政策総合研究所) 都市緑地計画を策定するにあたり、着目すべき視点として、環境負荷の低減とQOLの向上、地域が抱える社会問題の解決等が示されている。 関係する法改正と主な内容 都市公園法(平成29年改正) 都市公園での保育所等を含む「社会福祉施設」の設置が可能に 民間事業者による公共還元型の収益施設の設置管理制度の創設 など 都市緑地法(平成29年改正) 「緑地」の定義に「農地」が追加 市民緑地認定制度の創設 都市農業振興基本法(平成27年制定) 都市農業の安定的な継続を図り、多様な機能を発揮させることで良好な都市環境を形成することを目的とした法律 都市計画法(平成29年改正) 新たな用途地域として「田園住居地域」を創設 生産緑地法(平成29年改正) 生産緑地の面積要件を条例で300㎡まで下げることが可能に 都市農地の貸借の円滑化に関する法律(平成30年制定) 生産緑地の貸借が可能に 東京都の計画 政策企画局 「未来の東京」戦略 version up 2024 (令和6年1月) 令和3年に策定された「未来の東京」戦略を社会情勢の変化等をふまえ、バージョンアップし、3か年のアクションプランを更新している。戦略13「水と緑溢れる東京戦略」および推進プロジェクトである「東京グリーンビズ」に、都立公園等の整備の促進や都市農地等の緑の保全・活用など、緑を「守る」「育てる」「活かす」取組を位置づけている。 都市整備局 都市づくりのグランドデザイン(平成29年9月)  2040年代の目指すべき東京の都市の姿、その実現に向けた都市づくりの基本的な方針および具体的な方策が示されている。都全体が4つの地域区分に分けられ、練馬区は「新都市生活創造域」に属している。 東京が新たに進めるみどりの取組(令和元年5月) 都市づくりのグランドデザインで示す都市像の実現に向け、今ある貴重な緑を守るとともにあらゆる場所に新たな緑を創出していくため、東京が進めるみどりの 取組がまとめられている。「拠点・骨格となるみどりを形成する」、「将来にわたり農地を引き継ぐ」、「みどりの量的な底上げ・質の向上を図る」、「特色あるみどりが身近にある」の4つの方針からなる。 環境局 東京都生物多様性地域戦略(令和5年4月) 東京都が平成24年5月に策定した「緑施策の新展開~生物多様性の保全に向けた基本戦略~」の改定版。3つの基本戦略に基づき、快適で楽しい生活につながる自然の活用や生物多様性の理解促進など10の行動方針を位置付けている。