第2章 みどりの保全と創出 第1項 みどり豊かなまちづくりのために 練馬区の魅力は、都心近くに立地しながら、豊かなみどりに恵まれているところです。 区では、区民とともに練馬のみどりを未来へつなぐために、みどりのネットワークの形成とみどりを育むムーブメントの輪を広げる取組を進めています。 1 みどり豊かなまちづくりを推進するために ⑴ 練馬区みどりを愛し守りはぐくむ条例 区は、民有地の樹林を保全するため、全国の自治体に先駆けて憩いの森(市民緑地)制度を創設しました。これを契機として昭和52年には、「みどりを保護し回復する条例」を制定し、みどりのまちづくりを進めてきました。 その後、練馬のみどりを取り巻く環境が著しく変化したため、平成19年に新しい緑化制度等を盛り込んだ「練馬区みどりを愛し守りはぐくむ条例」を新たに制定しました。 ⑵ 練馬区みどりの総合計画の策定 区は、平成10年に都市緑地法に基づく「練馬区みどりの基本計画」を策定し、総合的に緑化施策を進めてきました。平成21年には、みどりの実態や社会動向、関連する法制度の状況を踏まえ、基本計画を改定しました。平成31年には、区民が実感できるみどり豊かなまちづくりの実現に向け、より積極的、効果的な施策を展開するため、新たに「練馬区みどりの総合計画」(計画期間は平成31年度から令和10年度まで)を策定しました。 令和5年度には計画の中間見直しを行い、令和6年度から令和10年度に取り組むみどり施策を定めました。 この計画では、「30年後に練馬のみどりに満足している区民80%」を目標に掲げ、目標達成に向け、「みどりのネットワークの形成」と「みどりを育むムーブメントの輪を広げる」を2つの基本方針として定めています。 ⑶ 練馬区緑化委員会 みどりの保全および創出に関する重要な事項を調査審議するため、昭和52年4月に区長の附属機関として設置しました。 区長の諮問に応じて、みどりの基本計画の策定および変更に関すること、みどりの保全および創出に関する重要な事項等について調査審議します。委員の任期は2年で、区民等、区議会議員、学識経験者の委員20人以内で構成しています。 令和7年度は2回開催しました。 2 みどりのネットワークの形成 ⑴ みどりのネットワーク形成の推進 区の緑被率(草地、樹林地や農地などのみどりに覆われた面積の割合)は22.6%です。公共のみどりは増加していますが、民有地のみどりは一貫して減少しています。 練馬区みどりの総合計画(令和5年度改定)に基づき、みどりの拠点としての公園の整備や樹林地の保全に取り組むとともに、それらをつなぐみどりの軸となる道路や河川沿いの緑化を進め、みどりあふれるまちづくりを推進しています。 【グラフ 公民別緑被率の推移】 【グラフ 公民別緑被状況の内訳(令和3年)】 ⑵ 民有樹林地の保全 区内のみどりの約4分の3は民有地のみどりです。民有地のみどりを保全する事業を実施しています。 ア 都市計画緑地の拡大 屋敷林などの樹林のうち特に重要なものは、「緑確保の総合的な方針(令和2年7月改定)」に基づき、公有地化による保全に向けて地権者と交渉を進めています。 イ 市民緑地 区は、300㎡以上の樹林について、都市計画税・固定資産税が非課税となる市民緑地制度を活用して保全に努めています。区と所有者は土地の貸借契約(無償)を結び、園路整備や清掃・せん定などの日常管理を区が行うことで、樹林を広く区民に開放しています。敷地面積が1,000㎡以上を「憩いの森」、その他を「街かどの森」と呼んでいます。 【表 市民緑地の推移】 ウ 保護樹木・保護樹林 区は、一定の条件を満たす樹木・樹林の所有者からの申請に基づき、保護樹木・保護樹林を指定し、剪定費用の補助を行っています。 【表 保護樹木・保護樹林の推移】 令和6年度から、所有者の負担軽減や適切な剪定を促進するため、剪定費の1本あたりの補助金額を最大150,000円から300,000円に引き上げるとともに、頻度を3年に1回から2年に1回としました。 ⑶ 地域ぐるみでの沿道緑化の推進 個人や団体が行う、まとまりや連続性のあるみどりの街並みづくりを支援する取組を進めています。 ア 緑化助成制度 住宅等の道路沿いや建物を新たに緑化する場合に、費用の一部を助成しています。令和7年度の助成実績は、生け垣化1件(6.8m)、低木等緑化6件(31.4㎡)、フェンス緑化3件(23.3m)、中高木緑化4件(6本)、プランター緑化8件(18個)、壁面緑化1件(108.2㎡)でした。 住宅敷地の小規模化により、庭などの緑化スペースが減少している現状を踏まえ、玄関先などの限られたスペースでも緑化に取り組めるよう、令和8年4月に助成対象の拡充や申請手続きの見直しを行いました。 イ みどりの協定 地域の緑化に取り組む町会や自治会などと協定を結び、苗木を提供するなど、協定地区の緑化活動を支援しています。 令和7年度は、協定地区が16地区、苗木の提供は計1,423本でした。 ⑷ 緑化計画の事前協議 区内で開発行為や建築行為を行うときは、その規模に応じて緑化に関する事前協議をしなければなりません。 令和7年度は問合せが1,473件、事前協議申請が881件ありました。 ⑸ 樹木等伐採の届出 基準以上の樹木・樹林を伐採しようとするときは区長に届け出なければなりません。伐採したときは代替の植栽に努めるものとしています。 令和7年度は29件の届出がありました。 3 みどりを育むムーブメントの輪を広げる ⑴ みどりの活動を支える人材の育成 ア 落ち葉清掃活動 民有地のみどりを地域で守る取組として、区民ボランティアによる落ち葉清掃を実施しています。 令和7年度の活動は6か所の保護樹木・保護樹林地周辺で19回行い、参加者数は延べ217人でした。また、事業の企画や当日の運営などの活動を支えるサポーターを18人育成し、3か所で延べ33人が運営に参加しました。 イ つながるカレッジねりま(みどり分野) みどりを守り育てる人材や団体の育成を推進するため、「つながるカレッジねりま」で、草花の基礎知識、植栽デザイン、グループ活動のコツなどを学べる「コミュニティ・ガーデナーコース」を実施しています。また、令和7年度は、卒業生等を対象にしたフォローアップ講座を初めて実施しました。このほか、憩いの森の管理活動に必要な知識と技術を学べる「ねりまの森維持管理コース」を実施しています。 ⑵ 地域に根差した活動の拡充・支援 ア 公園や憩いの森の区民管理の拡充・支援 町会や自治会などの地域団体による公園の自主管理(清掃・除草等)や、区民団体による憩いの森等の自主管理を進め、その活動を支援しています。 令和7年度は公園で27か所18団体、憩いの森等で13か所13団体(区立緑地3か所3団体含む)が活動を行いました。 イ 区民協働花壇事業 区は、区民団体による公園や区立施設などの花壇管理活動を支援しています。 令和7年度は84か所70団体の活動を支援しました。 ⑶ みどりの魅力を伝える情報発信の強化 ア ねりまみどりフェスタ 憩いの森等の区民管理団体や練馬環境造園協会など18団体の協力のもと、子どもも大人も一緒に楽しみながら、みどりや生きものと直接ふれあい、様々な遊びや体験などを通じて練馬の魅力を感じられるイベント「ねりまみどりフェスタ」を令和8年3月に初開催しました。参加者数は約8,000人でした。 イ ねりまの森こどもフェスタ 憩いの森等の区民管理団体が行う子ども向けイベントを「ねりまの森こどもフェスタ」として一体的に開催しています。令和7年度は、7か所でイベントを計9回実施し、参加者数は延べ約500人でした。 ⑷ みどりの普及啓発施設 ア 四季の香ローズガーデン 平成28年5月に、花とみどりの相談所温室植物園跡を整備して開園しました。香りの異なる6種類のバラを分けて配置した「香りのローズガーデン」の他、「色彩のローズガーデン」、「香りのハーブガーデン」など四季折々に五感で楽しめる庭園です。管理運営は指定管理者が行い、園芸相談も行っています。 令和7年度の来園者数は約183,000人でした。 イ 牧野記念庭園 昭和33年12月に、日本の植物分類学の父とされる牧野富太郎博士の偉業を後世に伝えるため、邸宅跡を整備し開園した庭園です。令和2年3月に都指定文化財(名勝及び史跡)に指定されました。 令和7年度の来園者数は約55,000人でした。 ウ 土支田農業公園 平成5年5月に、野菜づくりを通して自然と触れ合い、農文化に親しめる公園として開園しました。農園スタッフの指導のもと、畑作りから収穫までを体験できる農業教室を開催しています。 令和7年度は66世帯が参加しました。 エ こどもの森緑地 平成27年4月に、子どもたちが木登りや泥遊びなど、みどりを活用した自然体験ができる施設として開園した緑地です。プレーリーダーが常駐し、子どもたちが自由な発想で遊べるようサポートしています。 令和7年度の来園者数は約32,000人でした。 オ 中里郷土の森緑地 平成29年3月に、みどりや生き物と触れ合う体験ができる施設として開園した緑地です。周辺の町会や商店会の協力により、毎年、ホタルの観察会を開催しています。 令和7年度は、13日間で1,906人の参加がありました。また、年間の来園者数は約16,000人でした。 ⑸ 練馬みどりの葉っぴい基金 平成16年10月に「練馬区みどりを育む基金(練馬みどりの葉っぴい基金)」を設置しました。令和元年12月からは、練馬のみどりを守り育てる活動の中から使いみちを選んで寄付できる仕組みを導入しています。 令和7年度は、「牧野記念庭園プロジェクト」、「ねりまの森サポーターズ応援プロジェクト」等の寄付募集を行いました。令和7年度末の現在高は2,385,176,000円となりました。