資料4−2 障害者差別解消法の施行3年後見直しに関する検討状況について 障害者差別解消法附則第7条において、法施行3年後の見直しについて規定されている。 内閣府に設置された障害者政策委員会では、平成31年2月から1年間を目途に、見直しの検討を行ってきた。 第52回障害者政策委員会(令和2年6月22日開催)において、「障害者政策委員会の意見」(案)が示された。今回の案を政策委員会の意見書として確定し、提出されることとなった。 障害者差別解消法の施行3年後 見直しに関する意見書(第 52回障害者政策委員会資料より抜粋は、つぎのとおりである。 記 1 3年後見直しに当たっての基本的な考え方 (1) 条約の理念の尊重及び整合性の確保 (2) 地域における取組等の実情を踏まえた見直し (3) 関係者間の相互理解の促進 2 個別の論点と見直しの方向性 (1) 差別の定義・概念 について @ 差別の定義・概念の明確化 弾力的な対応が困難な法律で定義等を設けるのではなく、柔軟に見直すことのできる基本方針や対応指針等において、間接、複合、関連差別や障害のある女性やこどもへの差別についての記載を充実することにより対応することが適当である。 国、地方公共団体において、国民に障害を理由とする差別の理解が深まるよう、更に具体的な事例の蓄積等を進めるべきである。 (2) 事業者による合理的配慮の提供について @ 事業者による 合理的配慮の適切な提供の確保 権利条約との整合性の確保等を図る観点から、建設的対話の促進や事例の共有、相談体制の充実を図りつつ、更に事業者を含めた関係各方面の意見や当該提供が適切に行われるための体制整備等を踏まえ、その義務化を検討すべきである。 A 建設的対話の促進、事例の共有等建設的対話を適切に行うべきであること、障害者やその家族が社会的障壁を解消するための方法等を相手に分かりやすく伝えることや、障害特性によって意思決定や意思疎通が困難である場合に障害者やその家族に配慮することも重要であることを、基本方針等で明確化すべきである。 合理的配慮の内容は、多様かつ個別性の高いものであるため、事例の収集や共有、情報提供を更に行うべきである。 (3) 相談・紛争解決の体制整備について @ 地域における相談・紛争解決体制の見直し 双方の建設的対話による相互理解を通じた解決が肝要であり、また、相談体制につながっていない事案の掘り起こしや事例収集にも資することから、紛争に至る前段階での相談体制を充実させることが重要である。 国におけるワンストップ相談窓口の設置や国・地方公共団体の役割分担等を検討すべきである。 A 相談対応等を契機とした事前的改善措置(環境の整備の促進) 特に幅広い事業者等における取組が期待される、相談対応等を契機とした事業者の内部規則見直し等の環境の整備について、その重要性の明確化を図るとともに、そうした取組を促すべきである。 (4) 障害者差別解消支援地域協議会 について @ 都道府県による市町村の地域協議会設置等の支援 都道府県が得た知見や情報を基に、他の市町村の取組に関する情報提供や複数の市町村による地域協議会の共同設置運営を支援することを促すべきである。 A 複数の地域協議会の間での情報共有等の促進 都道府県の地域協議会と市町村の地域協議会の間や、市町村の地域協議会と他の市町村の地域協議会の間において、必要に応じて情報 共有や助言その他の支援・連携を行うことについて検討すべきである。 国においても各関係機関が対応した取組や好事例が他の地域において共有されるための支援をすべきである。