この資料は、区民の皆さんとともに練馬の未来に向けて、区政改革を考えるための資料です。 ぜひ、区民の皆さんのご意見をお寄せください。 練馬区の「これから」を考える 区政の改革に向けた資料 平成27年(2015年)12月 練馬区 はじめに 区は、新しい区政運営の方向性を示す「みどりの風吹くまちビジョン」(以下、「ビジョン」とします。)を本年3月に策定しました。ビジョンでは、今後の区政にとって特に重要な課題を取り上げ、総合的・体系的に政策を示しています。 これから取り組む区政改革は、ビジョンに掲げた政策を実現するための具体的な仕組みや態勢を、「区民の視点」から改めて検討し、見直そうとするものです。 この資料は、区民の皆さんとともに、将来を見据え区政をどう改革したらよいかを考えるために作成しました。今後の区政にとって特に重要と考えられる課題について、データに基づいて現状と将来見通しを明らかにし、改革に向けた現時点での区の考えをお示ししています。 10年先、20年先、区民の皆さんが生活する社会や地域の状況は、大きく変わります。区はどんな役割を担えばよいでしょうか。区民の皆さんと区とのかかわりはどうあるべきでしょうか。 この資料をもとに、皆さんとご一緒に考え、区政改革の取組を具体化していきたいと思っています。 ご意見・アイデアの送付先 この資料でお示しした課題について、区の考えに対するご意見や課題解決に向けたアイデアなどをお寄せください。 ご意見・アイデアは、郵送、持参、ファクス、電子メールで、平成28年2月8日(月)までに、区政改革担当課までお寄せください。 〒176-8501 練馬区豊玉北6−12−1 練馬区役所(本庁舎6階)区政改革担当課 ※郵送の場合、区長への手紙(区立施設や区内各駅の区報スタンドにある料金受取人払いの専用封筒です。宛先などは記載済みです)もご利用いただけます。表面に「区政改革」と明記してください。 ファクス番号: 3993−1195 電子メールアドレス: kuseikaikaku@city.nerima.tokyo.jp 2次元バーコードが読み取り可能なスマートフォン、タブレット端末をご利用の方は、右の「2次元バーコード」を読み取ることにより、入力フォ―ムに簡単にアクセスすることができます。 目次 はじめに T「これから」を考えるために…1 1区政改革のめざすもの…2 2将来どうなる? 人口・経済状況…4 3改革の視点…6 U直面する区政の重要課題…9 1子ども・子育て支援…10 2超高齢社会への対応…23 3都市基盤の整備と維持…32 4区立の建物施設の維持・更新…40 V改革を支える基盤づくり…53 1財政基盤の強化…54 2職員の育成…63 3情報通信技術(ICT)の活用…69 4外郭団体の見直し…75 W 区政改革の検討の進め方…82 T「これから」を考えるために 第T章では、「区政改革のめざすもの」「将来どうなる? 人口・経済状況」「改革の視点」として、区政改革について、現時点における区の問題意識をお示ししています。 1 区政改革のめざすもの (1)新しい成熟社会に向けた自治の創造 平成27年3月、今後の区政運営の方向性を明らかにする「みどりの風吹くまちビジョン」(以下、「ビジョン」とします。)を策定しました。ビジョンでは、今後の区政にとって特に重要な課題を取り上げ、総合的・体系的に政策を示しました。これから取り組む区政改革は、ビジョンに掲げた政策を実現するための具体的な仕組みや態勢を、「区民の視点」から見直そうとするものです。 なぜ見直しが必要なのでしょうか? ビジョンでは、人口減少や「超」超高齢社会の到来など、これからの社会を「新しい成熟社会」と位置づけています。新しい成熟社会は、従来の、成長の延長線上にある豊かさとは異なる局面をもちます。区政は、モデルなき未知の時代に直面し、これまで経験したことのない状況への対応を迫られます。社会の変容が進み、地域社会のあり様や区民の意識も変わりつつあります。 国や都の制度に倣うだけでは、リアルな区民ニーズに応えることができなくなっています。区民に最も身近な基礎的自治体としての役割を果たすには、これまで前提としてきたサービスのあり方を根本から見直し、時代の状況と地域の実態に即した質の高い区民サービスを継続して提供できる、持続可能な仕組みに変革していく必要があります。 このことは区だけでできることではありません。自治の主役は区民の皆さんです。皆さんの生活実感に基づき、ともに考え、参加と協働による練馬区ならではの新しい自治を創造することによって、はじめて区政改革が実現できると、区は考えています。 豊かな可能性をもつ練馬区 (2)かつて近郊農村地帯だった練馬区は、昭和22年に23番目の特別区として誕生しました。当時の人口は約11万人でしたが、その後ほぼ一貫して人口が増加し、平成27年11月1日の総人口は71万8,929人で、全国有数の大都市です。23区の中でもこれだけ順調に人口が伸び続けている区はありません。地域で活躍する多彩な人材にも恵まれた練馬区は、大きな可能性を秘めています。 また練馬区は、23区の中で緑被率が25.4%と最も高く、農地も約220haと最も多くの面積を有しています。都心に近い利便性と多様なみどりに包まれた住環境が両立しているところが練馬区の特長で、とりわけ、農のある暮らしを楽しめることは区の大きな魅力となっています。 平成26年度の区民意識意向調査では、9割を超す区民が「住みよい」と感じています。 しかし一方で、今後見込まれる高齢者人口の激増と介護・医療ニーズの膨張、人口あたりの一般・療養病床数が23区で最少、区北西部の鉄道空白地域の存在、区西部地域を中心とする都市計画道路の整備の遅れなど、練馬区特有の課題を抱えています。 こうした練馬区の課題を解決し、特性を活かす知恵と工夫を凝らしながら、改革を進めることで、練馬区の潜在力を開花させ、さらに豊かで美しく、活力ある練馬区へと発展させていくことができます。 (3)将来へ向けて区民の皆さんとともに改革に取り組みます 将来に向けて、何をどのように改革していくべきなのかを区民の皆さんとともに考えるために、この資料を作成しました。 人口構造の変化や区特有の課題を踏まえると、今後の練馬区にとって、福祉・医療とまちづくりは、特に重要な政策課題です。そこでこの資料では、次の4つの課題を取り上げました。データに基づいて現状と将来見通しを明らかにし、現時点での区の考えをお示ししています。 1子ども・子育て支援 2超高齢社会への対応 3都市基盤の整備と維持 4区立の建物施設の維持・更新 また、改革を支える基盤となる財政や職員の育成などについての区の問題意識も明らかにしています。 区民の皆さんとともに考え、力を合わせて改革を進めたいと考えています。ぜひ、ご意見をお寄せください。 2将来どうなる? 人口・経済状況 (1)人口構成が大きく変化します 日本は平成22年から人口減少社会に突入しましたが、練馬区では現在も人口が増え続けています。しかし、今後はどうなるでしょうか。 過去3年の推移に基づいて、将来の人口推計を行ったところ、平成37年ごろをピークに減少していく結果になっています。区全体の人口は、全国と比較すると減少傾向は緩やかで、15年後の平成42年には約72万人、30年後の57年には約71万人と見込まれます。 一方で、人口の構成は大きく変化します。 変化@:高齢者の人口が激増します 高齢者人口(65歳以上の人口)は現在の約15万人から、30年後には約20万人と、現在と比べて5万人増加します。高齢化率は21.3%から28.1%に達します。 変化A:働く世代の人口が減少します生産年齢人口(15〜64歳の人口)は減少し、約47万人から、30年後には約43万人と、現在と比べて4万人減少します。 変化B:子どもの数が減少します 年少人口(0〜14歳の人口)は約8万8,000人から、30年後には約7万7,000人と、現在と比べて1万1,000人減少します。 (2)「右肩上がりの税収増」は望めず「厳しい局面」への対応を迫られます 区をめぐる経済状況はどうなるでしょうか。 住宅都市である練馬区の税収は、日本経済全体の動きと連動しています。現在、景気は緩やかな回復基調にありますが、かつての高度成長期のような経済成長は望めず、税収も大幅な増加は見込めません。むしろ、今後の人口減少、特に、15歳から64歳までの生産年齢人口の 減少に伴い、税収減が懸念されます。今後、経済成長に依存した財政運営はできなくなります。 国においては、「地域間の税源の偏在を是正し、地方の財政力格差を縮小するため」、税収が多いとして東京都や特別区の税源の一部を国税に吸い上げ、地方の自治体に配分しようとする動きがあります(詳細は58頁を参照してください)。すでに一部が実施され、練馬区の収入が減らされています。近い将来、高齢者人口の増、少子化への対応が確実に財政負担の増をもたらすのに対し、必要な財源が十分には見込めないという厳しい状況に直面することになります。 そのときになって考えているのでは間に合いません。だからこそ、今から知恵を絞り、未来へ向けて改革に取り組んでいく必要があります。 3改革の視点 (1)基礎的自治体としての区の責務 新しい成熟社会に向けて、区民の皆さんに最も身近な基礎的自治体として、練馬区が果たすべき責務を、区は次のように考えています。 ○区の役割 公共サービスには、行政でなければ責任を持って実行できない課題があります。たとえば、児童虐待の対応、生活困窮者や重度障害者への支援、防災対策、まちのインフラ整備といった課題は、行政としてその責任を徹底して果たしていきます。 一方、民間の知恵と経験を活用したほうが効果的な分野は、民間と力を合わせることを原則とします。区は、区民全体の利益を実現するために、サービスの向上と持続可能性の確保が両立する、公共サービスの仕組みづくりとコーディネート、チェック機能を担います。 ○区民の視点に立ってサービスを向上 社会状況の変化に伴って、区民生活のあり方も変わっています。変化に応じて、リアルな区民ニーズに応えるサービスを提供します。サービスの量的な拡大だけでなく、区民の視点に立った質の確保・向上を重視します。 ○持続可能性を確保 区民の皆さんが必要とするサービスを安定的に受けられるようにするためには、将来にわたって持続可能性を確保していくことが重要です。将来の社会変化を見通した施策の優先度、コストと効果のバランス、受益と負担、効率性などの観点からサービスのあり方を見直し、区民の皆さんが納得できる仕組みにしていきます。 (2)区民参加と協働を基軸に公共サービスを展開 公共サービスの範囲や内容が拡大するに従って、その担い手も多様化しています。区民サービスの向上と持続可能性の確保を両立させるには、区民の参加と協働が欠かせません。区民や事業者など多様な主体が力を発揮し、豊かな公共サービスを実現できるようにします。 ○主体的な活動を側面から支援 意欲ある区民の自立した活動を側面から支援するのが、行政の役割です。主体性を尊重しつつ、情報提供や相談など、活躍しやすい環境を整えます。 ○区民が積極的に参加できるきっかけづくり これから地域のために活動したいという区民の意欲やパワー、地域社会を良くするための区民の気づきが活かせるよう、一歩踏み出すきっかけづくりをします。 (3)区民と区をつなぐ回路の充実 皆さんにとって、「練馬区役所」や「練馬区政」は、身近な存在でしょうか、遠い存在でしょうか。“遠い存在”に感じられるとしたら、それは何故でしょうか。区のお伝えする力が不足しているのかも知れません。区民の皆さんの声をお聴きする力をもっと付けなければいけな いのかも知れません。参加と協働による新しい自治の創造に向け、区民の皆さんと区の間で双方向の受発信を活性化します。 ○必要な情報が届く手法の工夫 「多くの情報の中から、自分にとって必要な情報が見つけられない」という声が寄せられています。公共サービスを必要とする方に的確な情報が届くにはどうしたらよいか、知恵を絞らなければなりません。区報やホームページなど通常の媒体による情報発信に加え、地域 での見守りなど、きちんと届いてフォローできる手法を工夫します。窓口などで、区民感覚に即して分かりやすく説明するとともに、区民の意向を十分聴き取り、必要なサービスにつなげられるようにしていきます。 ○区政を身近に感じられる情報発信 ふだん区政にかかわりを持ちにくい区民の方々も、区政を身近に感じ、わがまちに関心をもてるよう、区民参加による練馬の魅力発信などをさらに充実します。 ○区民参加と協働を支える職員の育成 現場に出向き、皆さんの声をお聴きしながら地域の実情を把握し、区民とともに考え、行動できる職員を育成します。 改革に取り組むことにより、区における仕事の仕方、区民と区とのつながり、職員のあり方を変えていき、区民の皆さんとともに新しい自治を創造していきたいと願っています。 U直面する区政の重要課題 この第U章では、差し迫った4つの課題を取り上げ、現時点での区の考えをお示ししています。人口構造が大きく変化することから、「子ども・子育て支援」、「超高齢社会への対応」について考えたいと思います。また、将来にわたり良好な住環境を確保するための「都市基盤の整備と維持」や、今後、多くの区立施設が改修・改築時期を迎えることから「区立の建物施設の維持・更新」について、一緒にお考えいただきたいと思います。 1 子ども・子育て支援 【直面する課題】 ○少子化の進行、核家族化や地域のつながりの希薄化などにより、子育ての不安感や負担感を抱える保護者は少なくありません。こうした中で、安心して子どもを産み育てられ、次代を担う子どもたちが健やかに成長できるように、子ども・子育て支援のさらなる充実が求められています。 ○そのためには、サービスを質・量ともに充実し、個々のご家庭がそれぞれの状況に合ったサービスを選択できる環境づくりが必要です。 ○練馬区では、子どもの数はほぼ横ばいで推移していますが、今後逓減していくことが見込まれています。一方、共働き家庭の増加に伴う保育園入園希望者の急増など、子どもや子育て家庭を支えるためのニーズは多様化し、増大しています。このため、子育て支援に関わる経費は年々増加しています。 ○今後、サービス提供の主体、サービスにかかる負担のあり方を見直すことが必要です。区は、特に次の5点を課題と考えています。 @区立保育園のさらなる民間活力の導入:サービスをさらに充実させるためには、民間のほうが力を発揮できるサービスは民間に担ってもらうようにする必要があります。引き続き、区立保育園の民間委託を拡大し、私立保育園への移管にも取り組む必要があると考えています。 A保育園保育料額の設定:現状では、保育や教育サービスにかかる保護者の経済的負担のバランスが取れていません。選択しやすい環境を整えるために、保育園保育料額の設定を見直すことが必要と考えています。 B学童クラブの委託:引き続き、保育時間の延長などサービスの向上を図るために学童クラブの委託を進める必要があります。また、すべての小学生を対象とした新たな放課後児童対策事業「ねりっこクラブ」を推進し、より安全かつ充実した放課後を過ごすことができる環境を整える必要があります。 C子どもの医療費助成制度:子どもの医療費助成には現状で年間約30億円の経費を要していますが、「対象を高校生(18歳年度末)まで拡大してほしい」、「無料ではなく一部でも負担を取り入れるべき」といった様々なご意見があります。今後はどのようなあり方が望ましいか考える必要があります。 D支援を必要とする子どもや家庭:支援を必要とする子どもや家庭は増加傾向にあり、その抱える課題は複雑化・深刻化しています。障害児や虐待を受けている子どもに対する支援に加え、生活に困窮している家庭の子ども、ひとり親家庭などへの支援を充実していく必要があります。 練馬区でも少子化が進んでいるのですか? ⇒現在はおおむね横ばいですが、今後は減少が進みます。 練馬区の年少人口(0〜14歳の人口)は、昭和50年の約13万人をピークに減少しています。近年はおおむね横ばいで推移しており、現状では、必ずしも全国的に言われているような少子化が進展している状況にはありません。 しかし、今後は、まず、就学前児童人口の減少が進み、遅れて小中学生の人口も減少していくことが見込まれています。 現状と比べて、10年後には約7,000人、20年後には約17,000人減少します。 小学校入学前の保育・教育サービスの利用者数はどうなっていますか? ⇒年少人口は横ばいですが、保育サービスの利用児童数は5年前と比較すると約3,300人増加しています。 小学校入学前の子どもが利用する保育・教育サービスの状況を見てみると、共働き家庭や女性の社会進出の増加などから、保育園等の利用は5年前に比べて約3,300人増加し、全体の35.6%となっています。これに対し家庭での子育て等は約2,200人減少し36.0%、幼稚園の利用は約650人の減少ですが、ほぼ横ばいで推移して28.4%という状況です。 平成25年度に実施した子育て支援にかかわるニーズ調査によると、保育・教育サービスの利用希望では、3歳以降は「預かり保育のある幼稚園」の希望が高くなっています。保育サービスの利用児童数は大幅に増加し、在宅等の児童数が減少しています。 練馬区でも保育園などに入れない子どもがいるようですが? ⇒定員を拡大し、待機児童は減少しています。引き続き解消をめざして取り組ん でいます。 保育園の入園希望は平成20年9月のリーマンショック以降急速に増加し、22年度以降、待機児童も500人を超える状況にありました。そこで認可保育園などの整備を進め、26年度には1,300人分以上の定員拡大を行い、27年4月には3歳から5歳の待機児童はほぼいなくなりました。現在も、来年開所予定の認可保育園等の整備を進め、2年以内の待機児童解消をめざしています。 また、子どもの教育や保育について保護者の選択の幅が広がるよう、新しい幼保一元化施設「練馬こども園」を27年度に創設しました。長時間(11時間)保育を実施する私立幼稚園13園(27年9月現在)を認定しています。主に2歳児までを対象とする認証保育所や小規模保育事業などを利用している保護者の方々は、3歳からの預け先として、認可保育園に加え「練馬こども園」も選択できるようになりました。 4年間で約3,300人分の保育定員を拡大し、待機児童数は減少しています。 子ども・子育て支援に、区はどのくらいのお金をつかっているのですか? ⇒毎年増加し、平成26年度は約500億円にのぼりました。 子ども・子育てに関するニーズに積極的に対応してきたことにより、練馬区の財政負担は増加傾向にあります。主な子ども・子育て支援に関連する経費は、平成21年度は352億円でしたが、年々増加を続け、5年後の26年度は502億円となり、150億円(1.43倍)増加しています。 区は、区立保育園や学童クラブの委託を進め、保育時間の拡大などサービスの充実とともに、効率的な事業実施に努めてきました。将来にわたって持続可能なサービス提供ができるように見直すなど、さらに事業のあり方や適正なコスト負担について検討する必要があります。 保育サービスに関する経費が大きく伸びています(制度改正があった手当等を除く)。 区立保育園を民間に委託すると、どのような効果があるのですか? ⇒保育時間の延長などサービスを向上することができ、経費も節減できます。 平成17年度から区立保育園で民間事業者への運営業務委託を開始し、順次委託を拡大してきました。平成28年度には60園ある区立保育園のうち20園を委託により運営します。委託した保育園では、保育時間の延長などサービスの向上を図り、多くの保護者から高い評価を得るとともに、1園あたり年間約5,000万円〜6,000万円の財政効果をあげています。 民間活力を活かす手法としては、運営業務委託のほかに私立保育園への移管があります。民間ならではの発想による保育サービスの充実が期待でき、23区では練馬区を除く8区が私立保育園への移管を実施済みで、3区が検討しています。 【区の考え】 保育の質を確保しつつ、サービス向上と効率的な運営に向けて、区立保育園の民間委託を拡大していきます。さらに、事業者の創意工夫による保育サービスの充実が期待できる私立保育園への移管を進めたいと考えています。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 民間事業者による区立保育園の運営について約9割の保護者が満足しています。 学童クラブの利用も増えているようですが、今後どのように対応していくのですか? ⇒「ねりっこクラブ」を開始し、すべての小学生がより安全かつ充実した放課後を過ごすことができる居場所づくりを進めます。 小学校入学前の子どもの保育需要の高まりと同様、保育を必要とする小学生も増加し、学童クラブの在籍児童数・待機児童数も増加しています。区はこれまで、小学校内への区立学童クラブの新設や、民間学童クラブの整備を進めてきました。あわせて、学童クラブ運営の民間委託を進め、区立学童クラブ92か所のうち、現在28か所の運営を委託しています。 また、平成16年度から地域住民を主体とした学校応援団を小学校ごとに組織し、放課後の居場所づくり(学校応援団ひろば)を行っています。平成28年度から3つの小学校で新たな放課後児童対策事業「ねりっこクラブ」を開始します。これは、「学童クラブ」「学校応援団ひろば」それぞれの機能や特色を維持しながら一体的に事業運営を行うものです。この取組を推進し、学童クラブ需要の増加に対応しつつ、すべての小学生を対象とした、より安全かつ充実した放課後の居場所づくりを進めていく計画です。 【区の考え】 委託した学童クラブでは、保育時間の延長などサービスを向上するとともに、補助金の活用により区の財政負担を軽減しています。また、「ねりっこクラブ」では、民間や地域の力を活かし、事業内容の充実などを図ろうと考えています。このため、引き続き、学童クラブの民間委託を進め、すべての小学生が安全かつ充実した放課後を過ごすことができる居場所づくりを効果的、効率的に進める必要があると考えています。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 学童クラブの在籍児童数、待機児童数は増加しています。 保育園や幼稚園などの保護者負担はどのような状況ですか? ⇒ 利用する施設によって保護者の負担に差があり、認可保育園の保育料収入は運営経費全体の9.5%にとどまっています。 小学校入学前の子どものための施設には、保育園や認証保育所、幼稚園など様々な施設があります。利用する施設はそれぞれ特色があり、利用時間や保護者の負担額にも差があります。練馬区の保育園保育料は、平成10年度に改定して以来、変更していません。保育料収入額は、保育園の運営経費全体の9.5%にとどまっており、23区で最も低い水準です。 例えば、0歳児一人あたりの保育に要する経費は月額約51万円(年間約615万円)です。これに対し、保育料は世帯の所得に応じて26階層に区分し定めていますが、最高の所得区分(推定世帯年収1,454万円以上)でも月額5万7,500円(年間69万円)です。 また、3歳児は推定世帯年収898万円以上の場合月額2万2,600円、4・5歳児は推定世帯年収726万円以上の場合月額1万8,000円と、一定額以上の所得の世帯の保育料は同じ額で、所得に応じた設定となっていません。 (推定世帯年収は、父・母・子1人の3人世帯をモデルとしています。) 【区の考え】 より選択しやすい環境づくりに向けて、今後、様々な保育・教育サービスにかかる保護者負担額について、保育内容に応じてバランスを取る必要があります。特に、保育園の保育料について、低所得の世帯に配慮をしながら、負担能力に応じてコストも踏まえた適正な額を負担していただくよう見直し、利用する人も、しない人も、納得できる仕組みにしていきたいと考えています。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 区立保育園で0歳児一人あたりの保育に要する経費は月額約51万円、年間約615万円 一定額以上の所得の世帯の保育料は同じ額で、所得に応じた設定となっていません。 利用する施設によって、保護者の負担額には差があります。 他区に比べて、練馬区の保育園の保育料は低くなっています。 子どもの医療費助成制度はどのような仕組みですか? ⇒中学3年生まで、通院・入院や投薬の費用を所得制限なしで助成しています。 子ども医療費助成は、子どもが病気やけがで、通院・入院や投薬を受けた際の医療保険自己負担分を助成する制度です。練馬区では、平成5年度に3歳未満児を対象とした医療費助成制度を開始しました。以降、順次制度を拡充し、平成19年4月には、中学3年生までを対象に、通院・入院や投薬の費用を所得制限なしで全額区が助成する現行の制度を実施するようになりました。 全国の自治体では、練馬区と同様に所得制限や自己負担なしで医療費助成を行う市区町村が増加傾向にあります。練馬区の子ども医療費助成額はここ数年、毎年度約30億円で推移しています。 【区の考え】 こうした状況の中、一部(初診料など)を自己負担とすべきではないか、所得制限を設けるべきではないか、また、助成の対象を高校生(18歳年度末)まで拡大してはどうか、といったご意見などがあります。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 子ども医療費助成制度は、平成5年に3歳未満児を対象としてスタートしました。 助成額はここ数年、約30億円で推移しています。 子ども医療費助成を高校生(18歳年度末)まで拡大(通院・入院・投薬)すると、毎年度、現状の30億円に加えて、さらに約5億円を確保し続けなければなりません。 支援が必要な子どもや家庭の実態はどうなっていますか? ⇒支援を必要とする子どもや家庭は増加傾向にあり、その抱える課題は複雑化・深刻化しています。 貧困な家庭の子どもが成人になっても貧困状態から抜け出せない「貧困の連鎖」が社会問題となっています。とりわけ、ひとり親家庭では、「子育て」と「家計の維持」のすべてをひとりの親が担うため、負担が大きく、住居、収入、子どもの養育など、生活の様々な面で問題が生じやすくなります。 また、障害のある子どもや虐待を受けている子どもなど、支援を必要とする子どもや家庭の抱える課題は、複雑化・深刻化しています。 区では、貧困の連鎖の防止、虐待の防止等、すべての子どもの健やかな育成を支えるため、生活困窮家庭の子どもへの学習支援、虐待等の相談支援体制の充実、ひとり親家庭の就労や生活支援などに取り組んでいます。 【区の考え】 現在進めている取組に加え、家庭環境などにより、様々な問題を抱える子どもたちに対し、福祉や保健などの関係機関が相互に協力して、一人ひとりに合った生活支援や学習支援を行います。また、障害のある子どもや虐待など対応が必要な子どもと家庭に対しても、保育・教育・福祉・保健などの関係機関が相互に協力して支援に取り組むとともに、地域の方々や 民間の力を活かした見守りのネットワークなどを広げていきます。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? ひとり親家庭では、家計・仕事のほかに、子どもの教育や進路、世話などに困っています。 2超高齢社会への対応 【直面する課題】 ○区内の65歳以上の高齢者人口は増加を続けており、平成27年1月1日現在で約152,000人、高齢化率は21.3%となっています。現状では、前期高齢者(65歳以上74歳以下)と後期高齢者(75歳以上)とがほぼ同数となっていますが、今後は後期高齢者の人口もその割合も増加していきます。その結果、区では、「高齢者人口の増加」と「要介護認定率の上昇」が同時に進行するため、「介護ニーズの急激な増加」への早急な対応が必要となります。 ○高齢者の方が、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように、医療、介護、予防、住まい、生活支援がその人に合わせて一体的に提供される地域包括ケアシステムの確立が求められています。 ○そのためには、サービスの提供の仕方やあり方を見直すとともに、医療と介護の連携を進めることが必要です。区は特に、次の4点を課題と考えています。 @介護予防の取組を強化:多くの高齢者の方が元気に自立生活を送っていけるよう、介護予防や要介護状態の改善に向けた機運を高め、区民の皆さんや事業者と一体となった取組を強化していくことが必要と考えています。 A区の高齢者向け福祉サービスの見直し:介護保険給付費以外の高齢者向け福祉サービスも実施していますが、高齢者の増加に伴って、その費用も増大する見込みです。今後、「いきいき健康券」を始めとする給付事業や高齢者向けサービスのあり方を見直すことが必要と考えています。 B病床の確保:「地域包括ケアシステム」の確立に向けて、在宅療養ネットワークを構築するとともに、身近な地域に病床を確保する必要があります。 Cひとり暮らし高齢者の支援:「ひとり暮らし高齢者」は生活支援の必要性が高く、要介護認定率も非常に高くなっており、見守り体制の強化など支援策を検討する必要があります。 (1)高齢化が進むとのことですが、練馬区は今後どのぐらい高齢者が増えますか? ⇒後期高齢者が急速に増加し、高齢者全体の6割近くになります。 練馬区の高齢者人口は増加し続け、超高齢社会がさらに進展します。団塊世代が全員75歳以上となる平成37年には、練馬区の高齢者人口は約16万人に及びます。 今後、要介護認定率が高い「後期高齢者」が増加し、平成37年には高齢者全体の6割近くを占めます。その結果、要介護認定率は、平成37年に約24%となり、高齢者の4人に1人が要介護認定を受けている状況になると予測しています。 今後10年間で、後期高齢者が約17,000人増加し、要介護認定者は約8,000人増加する見込みです。 (2)区が介護保険サービスに使うお金は増えるのですか? ⇒平成12年度の制度開始から15年間で3.8倍となっており、今後も増加する見込みです。 介護保険は、介護が必要な状態となっても、できる限り自宅で自立した日常生活を営めるように、必要な介護サービスを総合的に提供する社会保険制度です。実施主体(保険者)は、練馬区です。 区が介護保険サービスで負担するお金は、平成27年度は459億円となっており、制度が始まった平成12年度の121億円と比べて、15年間で約3.8倍になっています。今後の高齢者人口の動向から、平成37年度には、現在より173億円増加して632億円となる見込みです。これに伴い、区民の皆さんの負担も増加していきます。 介護保険給付費は約459億円(平成27年度)で、10年後には1.4倍の約632億円に増加する見込みです。 介護予防事業とは、どんな取組ですか? ⇒要介護状態とならないための取組は様々ありますが、介護予防事業もその一つです。事業に参加した方の8割は身体状態が改善または維持しており、介護予防に取り組むことが効果的といえます。 要介護認定を受けていない区民を対象に区が実施している介護予防事業に参加した方のうち、約29%が状態が改善し、約55%が状態維持となっています。状態が悪化したという方はわずか4%です。事業の対象は18,645人で、参加者は1,056人と参加率が低くなっています。健康寿命の延伸に効果の高い介護予防の取組をさらに広めていくことが必要です。 一方、要介護認定者のうち、要介護認定の更新時に介護度が軽くなった方は17%となっており、38%の方が重くなっています。高齢者の充実した生活を支援するためにも、要介護となっても介護度の改善に向けた取組強化が重要な課題となっています。 【区の考え】 区は、お互いを助け合う介護保険制度を持続可能なものとするためにも、介護予防や要介護状態の改善に向けた魅力ある事業とするなど、区民の皆さんやNPO法人、事業者と一体となった取組を強化していきたいと考えています。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 介護予防事業の参加者のうち80%が、状態が改善または維持となっています。 認定の更新では38%の方が重度化しています。 区が独自に実施している高齢者向けサービスに使うお金は増えるのですか? ⇒このままサービスを続けると10年間で1.45倍になります。 区は、高齢期の方々の社会参加を支援するために「いきいき健康券」を交付するなど、介護保険給付費以外の高齢者向け福祉サービスを実施しています。こうした現在のサービスをそのまま続けた場合、その費用は、今後10年間で約1億5,000万円(約45%)増加することが見込まれます。 【区の考え】 区は、「いきいき健康券」を始めとした高齢者向けの一律的な給付事業やサービスを、介護予防への効果や受益者負担の観点から点検し、見直しをしていきたいと考えています。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 高齢者向け給付的事業の経費は、今後10年で約1億5,000万円増加する見込みです。 区の病床数は他の特別区と比べて少ないと聞きましたが…? ⇒人口10万人あたりで23区平均の3分の1程度と最も少なくなっています。 高齢者の地域での生活を支えるためには、病院や診療所、介護施設などが連携し、各種サービスをいつでも身近なところで利用できるように環境を整え、地域包括ケアシステムを確立することが求められています。 そのためにも、区内に一定の病床を確保することが必要です。しかし、病床数は、二次保健医療圏というブロック単位で管理する仕組みとなっています。練馬区は、区西北部二次保健医療圏(豊島区、北区、板橋区、練馬区の4区で構成)に属しており、練馬区の判断で病床を増やすことはできません。現在、区の一般・療養の病床数は、人口10万人あたりで23区平均の3分の1にとどまっています。区民の安心のためにも病床の確保は喫緊の課題です。 【区の考え】 区は、地域包括ケアシステムの確立に向けて、医師会等とともに在宅療養ネットワークを構築します。また、そのための環境整備として、新規に病床を整備する医療法人等に対する支援制度などを活用しながら、同一医療圏内からの病床移転を含めて病院整備を促進します。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 人口10万人あたりの病床数は、23区中最も少なく、23区平均の3分の1となっています。 住み慣れた地域において人生の最期まで暮らし続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムを確立します! 高齢者の「ひとり暮らし」が増えているといわれていますが…? ⇒「ひとり暮らし高齢者」はこの20年間で4倍となっており、今後も増加する見込みです。 「ひとり暮らし高齢者」は、20年間で12,000人から46,000人に増加しています。核家族化の進行や、未婚率の上昇等を背景に、今後も増加が見込まれています。将来的には高齢者の半数近くがひとり暮らしとなる可能性があります。ひとり暮らし高齢者は、会話や外出の機会の減少などの要因により、複数世帯に比べて要介護認定率が大変高くなっています。 【区の考え】 「ひとり暮らし高齢者」は、将来的に、だれもがなりうる可能性があります。区は、ひとり暮らしとなっても、高齢者が孤立せず、地域で安心して自立した生活を送り続けられるよう、地域全体での見守りや支え合いができる体制をつくりたいと考えています。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? ひとり暮らし高齢者は20年前に比べて約4倍に増加し、今後も増える見込みです。複数世帯と比べて、ひとり暮らし高齢者の「要介護認定率」および「生活保護率」が高くなっています。 3都市基盤の整備と維持 【直面する課題】 ○練馬区の特徴は、みどりが豊かなことです。緑被率は約25%と、23区で最も高くなっています。農地は、東京23区内の約4割を有しています。しかし、練馬区のみどりのうち、8割弱が農地や宅地などの民有地のみどりであり、相続などで減少しています。 ○区北西部には、鉄道駅から1km以上離れた鉄道空白地域が存在しています。 ○区内の都市計画道路の整備率は約50%で、23区平均の約64%を大きく下回り、特に西部地域の整備率は約30%と低い状況です。 ○現在、練馬区には道路(区道延長約1千km)・橋梁(125橋)・公園や緑地(433か所・面積約90ha)等の多くのインフラ施設があります。これらの施設は、適切な維持管理や更新が必要です。 ○区民が将来にわたって、都市の利便性と良好な環境が両立した生活を送れるようにするため、区は次のような取組が必要と考えています。 @みどりのネットワークの形成:公園や緑地を整備し、それらを結ぶ河川、道路などでもみどりを増やすことで、みどりのネットワークを形成します。また、区民の皆さんと協働して、生け垣や花壇づくりなど、みどりが実感できるまちづくりを進めます。 A都市農地の保全:都市農地の保全に向け、法制度の見直しなど国への働きかけや、都市計画制度を利用した農地や屋敷林の保全・活用を図ります。 B大江戸線の延伸:都営地下鉄大江戸線の延伸に向けて事業予定者である東京都との協議などを積極的に進め、早期延伸の実現をめざします。 C道路の整備:都市計画道路の整備をさらに進めます。道路が都市生活を支える良質な空間となるように整備していきます。あわせて、鉄道の立体化の促進に取り組みます。 Dインフラ施設の予防保全:インフラ施設を予防保全的な管理へ転換し、施設の長寿命化を図るとともに、点検・維持管理方法の工夫をしていきます。 練馬区はみどりが豊かですが、今後もみどりを守れるのでしょうか? ⇒8割が農地や宅地など民有地のみどりであり、減少が見込まれます。 区の緑被率は、25.4%と、23区で最も高く、みどりの豊かさと大都市の利便性を合わせて享受できることが区の特質となっています。とりわけ、農地は、東京23区内の約4割を有しており、農作物の供給を始めとして、防災、環境保全、景観形成、レクリエーション・コミュニティ、教育、福祉・保健といった多面的な機能を有効に保全・活用することが期待されています。 しかし、練馬区のみどりのうち、8割弱を農地や宅地などの民有地のみどりが占めており、今後も減少が見込まれます。 【区の考え】 みどりの拠点となる公園や緑地、拠点間を結ぶ河川、道路などの公共施設を、みどりを楽しむ空間ととらえ、公園・緑地整備、河川改修、道路整備を進めます。 今後、みどりの確保・創出に向けて、生け垣や花壇づくりなど区民の皆さんとの協働をさらに進めることにより、みどりを実感できるまちづくりを進めます。 また、都市計画制度を利用して農地や屋敷林を保全しつつ、都市農地の多面的機能の活用を図っていきたいと考えています。相続税など税制の見直しを国に働きかけるなど、都市農地の保全に向けた取組を推進します。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 練馬区の緑被率、農地面積とも、23区で一番です。 区のみどりの割合は、平成13年からの10年間で公共のみどりが5ポイント増えました。 練馬区の農地面積は減少が続いており、今後さらに減少すると推計されます。 区内の鉄道交通の利便性はどのような状況ですか? ⇒都心部へのアクセスが向上しましたが、区北西部に鉄道空白地域があります。 区内には、西武池袋線や西武新宿線、東武東上線、東京メトロ有楽町線・副都心線、都営地下鉄大江戸線などが運行しており、相互乗り入れが進み、都心部へのアクセスが向上しました。 しかし、区北西部には、鉄道駅から1q以上離れていて、鉄道利便性が十分でない地域が存在しています。こうした鉄道空白地域は、23区内にはごくわずかしかありません。 区内すべての地域で、鉄道利便性の確保が必要です。そのためには、都営地下鉄大江戸線を大泉学園町まで延伸することが不可欠です。区は、区画整理事業や用地取得など沿線のまちづくりを進めています。 【区の考え】 都営地下鉄大江戸線の早期延伸をめざし、事業予定者である東京都との協議を進めます。また、延伸実現のためには、区も積極的に役割を果たすことが必要です。引き続き沿線のまちづくりを進めるとともに、大江戸線延伸推進基金を活用し、応分の負担をしていきたいと考えています。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 区北西部に鉄道駅から1km以上離れた鉄道空白地域が存在しています。このような空白地域は23区内ではごくわずかです。 区内の都市計画道路の整備は、どのような状況ですか? ⇒区内の道路整備率は低く、特に西部地域の都市計画道路の整備率は3割にとどまっています。 道路は、交通・環境・防災・景観といった様々な機能をもち、電柱や水道管などライフラインの設置空間となるなど都市生活に不可欠な役割を担う、まちづくりの基盤です。 区内の都市計画道路の整備率は50.3%(平成27年3月31日現在)であり、23区平均の64.2%(平成26年3月31日現在)を大きく下回っています。特に西部地域の整備率は30.1%(平成27年3月31日現在)と低く、主に南北方向の道路整備の遅れが目立っています。本来、都市計画道路を通行すべき車両が住宅地の狭い道路へ流入しているため、交通事故の懸念があるほか、円滑な消防活動に支障をきたしているなどの問題があります。 道路と交差している鉄道については、踏切部における渋滞や市街地の分断などの問題があります。西武池袋線の一部は、鉄道の立体化が進んでいますが、他ではいまだ未着手です。 【区の考え】 事業中路線の整備を着実に進め、5年後には、整備率を23区平均であるおおむね6割に、また、都と区市町で検討している平成28年度から37年度までの事業化計画では、完成後において、完成後の整備率がおおむね8割になることをめざします。 整備に際しては、単に自動車交通としての道路整備ではなく、街路樹等による緑化や無電柱化、自転車レーンの整備など快適な都市環境を創出していきます。 また、外環の2などの都市計画道路と交差する西武新宿線については、沿線まちづくりを進めるとともに、事業化を都に働きかけ、早期の鉄道立体化をめざします。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 未完成区間の道路整備が進むと、消防活動が困難な区域が少なくなります。 全体の事故件数は減っていますが、狭い道路での事故件数は横ばいです。 都市計画道路の整備には、どのくらい費用がかかるのですか? ⇒都市計画道路の整備には、1mあたり、おおむね900万円の費用がかかると試算されます。整備費用には国や都の補助金などを活用します。 都市計画道路の整備には、用地買収費や工事費など、さまざまな費用がかかります。各年度の整備費用は、事業の進捗や買収する事業用地の地価によって大きく異なり、平成22年度〜26年度の5年間では約5億円から約22億円程度でした。整備費用には、国の社会資本整備総合交付金や都の都市計画交付金が交付され、残りの区が支出する経費についても特別区財政調整交付金(58頁参照)の対象となり、財源が確保される仕組みとなっています。 平成28年度からを計画期間とする都市計画道路の新たな整備方針では、区が整備する都市計画道路として、約5.6kmの区間を位置付けています。その全ての整備には、測量などの準備期間も含め、おおむね20年の期間と約500億円の事業費がかかると試算しています(事業費は区が整備した補助132号線、補助235号線の用地買収費、工事費等を参考に算出)。1年あたりでは約25億円、1mあたりに換算するとおおむね900万円となります。 【区の考え】 都市計画道路の整備の遅れは、防災上や交通安全上の支障があることに加え、東京全体の交通ネットワークから区が取り残されることとなります。活力に満ちた、安全・快適で住みよいまちを未来の世代へ引き継いでいくためにも、財源を確保しながら、都市計画道路の整備を着実に進める必要があります。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 事業費は、事業の進捗や用地の地価等に大きく左右されます。 都市計画道路の整備は、全額、国や都からの補助金等を活用しています。 区道や区立の公園などを維持管理していく経費は、どのくらいですか? ⇒年間の維持管理費は約40.5億円です。一方、道路占用料や駐車場の利用料などにより年間約31.8億円の収入があります。 現在、区が管理する道路(特別区道延長約1,047km)(平成26年4月1日現在)・橋梁(125橋)(平成26年4月1日現在)・公園や緑地(433か所 面積約90ha)(平成26年4月1日現在)などの維持管理には、年間約40.5億円を要しています。 一方、電柱・電線や水道管、ガス管などの道路占用料や、自動車駐車場・自転車駐車場の利用料として、年間約31.8億円の収入があります。 道路や公園は、今後も着実に整備していく必要がありますが、整備が進めば維持管理費用が増大します。また、安全に利用していただくためには、適切な維持補修が必要です。道路や公園の管理面積の増加を考慮して今後30年間の維持管理費を試算すると、約1,373億円となります。 さらに、橋梁をはじめ、高度経済成長期に整備された施設が多く、これらの更新時期が集中し、一時的に多額の費用が必要となることも想定されます。 【区の考え】 今後、計画的かつ予防保全的な管理を進め、施設の長寿命化を図るとともに、維持管理費を圧縮していきます。 また、公園等の地域管理など、区民の皆さんとの協働による点検・維持管理の工夫をしていきたいと考えています。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? インフラ施設の年間管理費は約40.5億円です。 今後30年間に維持管理等に要する費用(試算)は約1,373億円にのぼります。 今後30年で架設から50年以上経過する橋梁が大きく増加します。 4区立の建物施設の維持・更新 このテーマは、《その1 区の建物施設のあり方》と《その2 区立施設の使用料のあり方》の2つに分けて、考えたいと思います。 《その1 区の建物施設のあり方》 【直面する課題】 ○練馬区には約680の建物施設があります。これらの施設は老朽化が進み、改修や改築が必要になりつつあります。 ○今後30年間に必要な改修・改築費用を試算したところ、総額約6,450億円、年平均で約215億円となりました。現状のまま、区立施設を維持していくことは極めて困難な状況です。 ○そこで、区立の建物施設のあり方を見直し、施設の統合・再編、複合化・多機能化、民営化など具体的に考えられる対策を取っていく必要があります。区は、特に次のような課題を検討する必要があると考えています。 @区立の建物施設のあり方:区立施設には、様々な施設がありますが、建設当時とは、人口構成や社会状況が大きく変わり、区民の意識や利用の仕方も変化しています。施設そのものや施設で提供するサービスが区民ニーズに合わなくなっている場合は見直し、役割を転換していくことが必要です。また、民間が担える施設サービスは、民間活用を進めます。 A施設にかかるコスト:維持運営コスト、改修・改築コストを低減させる工夫をする必要があります。 《その2 区立施設の使用料のあり方》 【直面する課題】 ○区立施設の維持運営費には多額の経費が必要です。それに対し、施設を利用する区民が負担する使用料の割合は極めて低く、大半は税金等で賄われています。 ○施設の老朽化が大きな課題となるなど社会状況が変化している中で、施設を利用する方に、より適切にコストを負担していただくよう使用料のあり方を見直す必要があります。 ○見直しにあたって、区は次のようなことを課題と考えています。 @使用料の算出方法:使用料を算出する原価に建物建設費や大規模修繕費、高額備品購入費等を入れるべきか検討する必要があります。 A施設の性質別分類:多くの人が必要とする施設か、個人の希望によって選んで利用するかなど、施設の性格によって、使用料と公費(税金)の負担する割合を定めていますが、この分類を見直す必要があります。 B減額・免除制度:高齢者等の減額・免除制度のあり方を見直す必要があります。 《その1 区の建物施設のあり方》 区の建物施設はどのくらいの数がありますか?建築後どのくらい経っているのでしょうか? ⇒区には約680の建物施設があり、築30年以上経っているものが約66%に達しています。 区では人口の急増に対応するため、高度経済成長期に多くの小中学校や区立施設を建設してきました。その後も区民サービスを充実するために各種の施設を整備し、現在では約680の建物施設を管理しています。 これらの施設の総延床面積は約119万uにのぼりますが、そのうち約5割は小中学校が占めています。 この中で、築30年以上の施設の割合は約66%に達しています。築年数が長いものほど学校施設の割合が高く、今後、老朽化の進行が大きな課題になります。 約680の区立施設があり、その総延床面積のうち約5割は小中学校です。 築年数の長いものほど学校の割合が高くなっています。 区の建物施設の維持運営・更新にはどのくらい費用が必要なのですか? @年間のランニングコストはいくらぐらいですか? 年間で、約489億円かかっています。 施設の運営には、光熱水費・清掃等の維持管理費、講座開催や相談事業等にかかる事務事業費、施設の維持運営に携わる職員の人件費などの経常的経費(ランニングコスト)が必要となります。 現在の施設を1年間運営するために、区全体で約489億円のランニングコストがかかっています(平成26年度決算主要施設経費一覧より算出)。 区立施設の維持管理費は年間約489億円でした。 A改修・改築にかかる費用はいくらぐらいですか? ⇒過去10年間では、1年あたり約46億円でしたが、今後、30年間の推計では、1年あたり約215億円になります。 施設の機能を良好な状態に保つためには、計画的な維持保全や改修・改築が必要です。多額の経費が必要となるため、区財政にとって大きな負担となっています。 平成16年度から25年度の10年間に実施した改修・改築の工事費は総額で約458億円で、1年あたりの平均では約46億円の支出でした。 現在の施設の機能・規模をそのまま維持するものとして試算すると、今後30年間に必要となる改修・改築費用は約6,450億円となります。これを年度あたり平均費用に換算すると約215億円であり、過去10年間の改修・改築実績平均の約46億円を大きく上回る結果となっています。 過去10年に実施した改修・改築の経費は総額で約458億円でした。 今後30年に必要となる経費(試算)は約6,450億円にのぼります。 施設を現状のまま維持していくことはできるのですか? ⇒年間で約704億円が必要であり、極めて困難です。 ランニングコストと改修・改築費用の試算から、区立施設を現状のまま維持していくためには、年間約704億円の費用が必要になると考えられます。これは、仮に区税収入のすべてを施設維持に費やしたとしても賄いきれない額であり、現状のまますべての施設を維持していくことは極めて困難です。 年間約704億円必要ですが、区税収入を上回る額です。現状維持は困難です! 子どもの数は減少していますが、学校の統廃合は行われているのですか? ⇒小学校は光が丘地域の統合・再編を行い、69校から65校に減少しています。中学校は統合・再編を行っていません。 小学校児童数は昭和54年、中学校生徒数は57年をそれぞれピークに、その後は減少に転じています。現在の児童・生徒数はピーク時の約6割程度となっています。 一方で学校数は、平成22年度に光が丘地域の小学校8校を4校に統合・再編(46頁参照)したことに伴い、小学校は69校から65校に減少しましたが、中学校は34校を維持しています。児童・生徒数の減少によって「過小規模」に分類される小学校が6校、中学校が12校となっており、教育環境の観点からも、統合・再編が望ましい状況にあります。 児童生徒数はピーク時の約6割に減少しています。小中学校数は103校から99校に。 【区の考え】 区立施設のあり方を見直し、施設の統合・再編、複合化・多機能化、民営化など具体的に考えられる対策を取っていく必要があります。 区は、特に次のような課題を検討する必要があると考えています。 @区立施設には、子どものための施設、高齢者を対象とした施設、集会施設、生涯学習・スポーツ施設など、様々な施設がありますが、建設当時とは、人口構成や社会状況が大きく変わり、区民の意識や利用の仕方も変化しています。施設そのものや施設で提供するサービスが区民ニーズに合わなくなっている場合は、新たな機能への転換や統合・再編を検討し、名称も見直す必要があります。 Aサービスの向上や効率化のために、民間の施設を活用したり、民間が担える施設サービスは民営化することも考える必要があります。 B維持運営や改修・改築のコストを低減できる手法を工夫する必要があります。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 《その2 区立施設の使用料のあり方》 施設の維持管理費は利用者の使用料でどの程度賄っているのですか? ⇒施設の維持管理費に対する使用料の割合は、ごくわずかです。 区は、区税を区民サービスの基礎的な財源としていますが、すべてのサービスを区税だけで賄うことは困難です。そこで、施設の維持管理にかかる費用(コスト)については、利用者が負担する使用料により、その一部を賄っています。これは、利用する人が応分の負担をすることによって、利用しない人との「負担の公平性」が確保されるという「受益者負担」(以下、「利用者負担」とします。)の考え方に基づいています。 平成26年度の区立施設の維持管理費に対する使用料の割合は、5〜15%程度にとどまり、そのほかは税金等で賄われています。 区立施設の維持管理費のうち、使用料の割合は5〜15%程度にとどまっています。 現在、使用料はどのように算定しているのですか? ⇒基本的な算定方法を定めています。 施設の使用料は、利用者負担の考え方を踏まえて、「使用料算定の基本的方式」を定めて算定しています。 【使用料算定の基本的方式】 使用料=原価 (@参照)×性質別負担割合(P49-A参照)×減額率(P50-B参照) @原価の設定 施設の整備・運営に要する経費を、「利用者が直接負担するもの」と、「税金などの公費で負担するもの」に区分して、原価を設定しています。 使用料の算定には、施設のランニングコストの一部を算入していますが、建設や改修の費用、高額備品購入費等は含めていません。 A性質別負担割合の設定 区立施設で提供するサービスには、「多くの人が必要とするものか、希望する人が選んで利用するものか」、「行政しか提供しないか、民間でも提供しているか」といった違いがあります。 そこで、各施設サービスを性質別に4つに分類し、利用者負担と公費負担の割合を設定しています。 施設によって性質が異なることから、使用料における利用者負担と公費負担の割合の設定も異なっています。 B減額率の設定(減額・免除制度) 高齢者・障害者の利用や、一定の要件にあてはまる団体活動については、「減額・免除制度」により、使用料を減額または免除しています。 収納されるべき約4.3億円のうち、半分を超える約2.3億円が減額・免除となっています。地域集会施設(地区区民館・地域集会所)は、利用件数のうち約9割が減額・免除となっています。 【区の考え】 現在の施設使用料の考え方は平成14年に定めたものですが、施設の老朽化が大きな課題となる中で、受益と負担のあり方を改めて見直す必要があります。 区は、特に次のような課題を検討する必要があると考えています。 @区は、これまで使用料算定の原価に含めていなかった建物建設費・大規模修繕費・高額備品購入費等(減価償却費)を含めて使用料を算定するかどうか検討したいと考えています。 A区民・市民農園のように、従前は民間ではほとんど設置例がなかったため「非市場的」と分類してきた施設であっても、現在は民間に同種の施設がある場合もあります。施設の性質による分類を時代に即した分類に見直したいと考えています。 B減額・免除制度の適用により、使用料収入は、減額・免除する前の5割以下となっています。例えば、地域集会施設では、全利用件数のうち、使用料を全額支払う通常利用の割合は9%にとどまり、9割以上は減額・免除制度の適用団体でした。「超」超高齢社会の到来など社会状況の変化を踏まえて、減額・免除のあり方を見直したいと考えています。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? V改革を支える基盤づくり 第U章でご説明した重要課題に取り組むために、第V章では、『改革を支える基盤づくり』として4つの項目を取り上げています。 サービスを継続して、かつ適切に提供できるように、区の「財政基盤の強化」や「職員の育成」にどのように取り組むか、また、区民サービスを向上させるために、どのように「情報通信技術(ICT)の活用」を図っていくべきか、さらに「外郭団体の見直し」として、区とともに“公”のサービスを提供している外郭団体をどのように活用していくべきかなどについて、一緒にお考えいただきたいと思います。 1財政基盤の強化 【直面する課題】 ○区の財政はどのような状況なのか、今後の区政経営はどうあるべきか、区民の皆さんとともに考えるために、収入と支出、基金や起債、今後の見通しなどの素材を用意しました。 ○練馬区予算は年々増加しています。中でも児童、高齢者、障害者、生活困窮者などを支援するための経費(扶助費)が増えています。 ○区立施設が老朽化し、更新が集中する時期が迫っています。 ○税制改正により区の収入(特別区財政調整交付金)が大きく減少する見込みです。また、基金(貯金)の取り崩しが続き、残高が少しずつ減っています。 ○このままでは基金(貯金)が底をついてしまうことが危惧されます。 ○将来にわたって持続可能な財政運営を行い、次世代にツケを回さないためにも財政健全化に向けた取組が必要です。 ○そのために、区は特に、次の2点を課題と考えています。 @収入と支出のバランス:支出が収入を上回る状態を解消するために、収入を増やす工夫と支出額を収入に見合ったものにする見直しが必要です。 A基金の積立:今後の財政負担や急激な景気の悪化にも対応できる強固な財政基盤を築くために、基金積立の目標額を定め、残高の確保に努めていく必要があります。 練馬区の予算規模はどのくらいですか?どんなことに予算が多く使われているのですか? ⇒平成27年度の予算規模は約2,500億円で、児童、高齢者、障害者、生活困窮者などを支援するための経費の割合が増えています。 平成27年度における予算額は約2,500億円で前年度より約55億円増加しています。予算規模は年々拡大しており、過去6年間で約300億円も増加しています。 予算の使い道は、容易に削減できない義務的経費(人件費・扶助費・公債費)が全体の5割強を占めています。中でも児童、高齢者、障害者、生活困窮者などを支援するための経費(扶助費)の伸びが著しい状況です。 義務的経費が大きく増加しており、平成27年度は54.7%を占めています。 歳出予算のうち、目的別の内訳では、保健福祉費と、こども家庭費が大きな割合を占めており、平成27年度は約52.6%を占めています。 歳入予算の内訳では、特別区財政調整交付金と特別区税が大きな割合を占めており、平成27年度は約58.3%を占めています。 今後増えていく経費にはどのようなものが考えられますか? ⇒児童、高齢者、障害者、生活困窮者などへの支援である扶助費や社会保障費、さらに区立施設の改修・改築経費が増加の見込みです。 扶助費や社会保障費のほか、今後は、学校や区立施設の改修・改築に多くの経費が必要となります。これは、昭和30〜40年代の人口急増に対応するため建設した多くの区立施設が老朽化し、更新が集中する時期が迫っているためです。試算では今後30年間における改修・改築経費は約6,450億円にものぼり、年平均215億円と推計されました。過去10年間の実績平均約46億円を大きく上回っています。 現在の区立施設をすべてそのまま改築することは財政的に困難です。 区の収入は安定しているのでしょうか? ⇒リーマンショックの際は2か年で財政調整交付金が108億円も減少したため、基金(貯金)を大幅に取り崩して乗り越えました。 区の収入の約6割は、特別区税(区民税等)と特別区財政調整交付金(図表66参照)で占められています。最も割合が高い特別区財政調整交付金は、景気の動向や税制改正の影響を受けやすいのが特徴です。平成20年のリーマンショックの際は、平成19年度に821億円であった交付金が21年度には713億円と、108億円減少しました。その際は、財源不足を補うため基金(貯金)を大幅に取り崩して危機を乗り越えました。 景気の回復に伴い交付金も少しずつ増加してきましたが、税制改正により交付金の原資である法人住民税の一部が国税化されるため、再び交付金が大きく減少する見込みです。 特別区財政調整交付金は、今後、税制改正の影響を受けて大きく減少する見込みです。 区の基金(貯金)は減っているのですか? 近年は基金(貯金)を取り崩しながら財政運営を行っているため、減少しています。 基金(貯金)は、年度間の財政調整や、区立施設の改修・改築など特定の目的のために、あらかじめお金を積み立てておき、必要になったときに取り崩して使うものです。扶助費や社会保障費を中心とした支出の増加に充てるため、基金(貯金)を取り崩しながら財政運営を行ってきたことから、平成20年頃から基金(貯金)の残高は減少しています。 起債(借金)は、道路や公園、学校など施設整備のために借り入れを行うもので、施設を利用する将来世代の皆さんにも負担していただくことで世代間の公平性を図っています。起債(借金)残高は、返済を予定より繰り上げたりしてきたことにより減少しています。 区の基金(貯金)は少しずつ減少しており、平成27年度は約540億円となっています。 起債(借金)は年々減少しており、平成27年度は約520億円となっています。 区の財政状況は大丈夫ですか? ⇒扶助費をはじめとする経常的な経費の割合が、23区平均と比べても高い状況が続いており、新たな需要に振り向ける財源が乏しい状態です。 区の限られた財源の大半を、扶助費をはじめとする経常的な経費に使わざるを得ないため、区の財政状況は硬直化が進み、新たな需要に振り向ける財源が乏しい状態といえます。財政の硬直度を示す経常収支比率は平成21年度から適正水準を超えているばかりか23区の平均よりも高い数値となっています。 このため、区の果たすべき役割やサービスのあり方を見直しながら、限られた財源(税金)を効果的、効率的に優先度の高い事業に配分するなど、メリハリをつけて予算を使う工夫がより一層必要です。 区の経常収支比率は、23区平均より高くなっています。 財政の今後の見通しはどうですか? ⇒基金(貯金)が減り、起債(借金)が増える見込みです。 今後想定される人口減少・「超」超高齢社会の到来の影響、施設の改修・改築経費の増加、景気動向や税制改正による歳入への影響を勘案して、今後10年間の財政フレームの粗い見通しを立ててみました。見通しでは、支出と収入の差額が広がり、基金(貯金)の取り崩しと新たな起債(借金)により補てんしなければならない金額が、現在の約100億円から10年後には約200億円にまで膨れ上がるものと思われます。 その結果、現在約500億円ある基金残高は、平成38年度に底をつきることが危惧されます。(62頁参照) 家庭でも同じですが、支出が収入を上回る状態が恒常的に続くと、いずれ生活(区政運営)が立ち行かなくなってしまいます。 現在の事務事業をそのまま継続すると、平成38年度には、基金(貯金)の取り崩しと新たな起債(借金)により補てんしなければならない金額が約200億円になります。 財政危機に陥らないために行わなければならないことはなんですか? 将来、財政危機に陥らないためには、今から歳入歳出構造の改革と今後の財政負担を見据えた基金残高の確保に取り組むことが必要です。 支出が収入を上回る状態のなか、このまま何の対策も施さないでいると財源不足が拡大し、区政運営が行き詰まる可能性があります。財政危機に陥らないためには、歳入歳出構造を改革し、支出が収入を上回る状態を解消することが必要です。 また、今後増大が見込まれる財政負担に対応するだけでなく、急激に景気が悪化した時にも耐えうる財政基盤を維持していくためには、財政調整基金などの残高を十分に確保しておく必要があります。 急増する施設の改修・改築にあたっては、改修・改築後の施設が将来世代にわたって長く使われるものであることから、将来の負担に配慮しながら起債を活用し、世代間の負担の公平性も保つことも重要です。 【区の考え】 区では、支出が収入を上回る状態を解消し、将来にわたって持続可能な財政運営を行っていくために、収入を増やす工夫と支出額を収入に見合ったものにする見直しを進めていきます。 また、今後の財政負担や急激な景気の悪化にも対応できる強固な財政基盤を築くために、基金積立の目標額を定め、残高の確保に努めていきます。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? このまま何の対策も施さないでいると、平成38年度には基金(貯金)が底をつきることが危惧されます。 2職員の育成 【直面する課題】 ○区はこれまで、時代の変化に応じて、職員数等の適正化や職員の育成に取り組んできました。 ○新しい成熟社会に向けて、区が果たすべき役割は、行政が責任を持つべき分野は徹底してその責任を果たしつつ、サービスの向上と持続可能性が両立する公共サービスの仕組みづくりを進めることです。それには、区民の参加と協働が欠かせません。区職員には、全体の奉仕者として、区が果たすべき役割を担いながら、区民参加と協働を支えることが求められています。 ○そのために、職員の意識改革や人材の育成、組織の見直しなどを進めます。特に、次の3点を課題と考えています。 @職員の意識改革:問題意識をもち、自ら課題解決に向けて行動できる職員が求められています。 A職員の育成:若手職員を育成し、ベテラン職員が培ってきたノウハウや専門性を組織として継承していくことが必要です。あわせて、職員の意欲や努力が報われる人事評価制度や昇任制度を構築していくことが必要です。 B組織の見直し:複雑化・多様化する区民ニーズに対応するために、より効率的な組織や職員定数としていくことが必要です。 区はどのようにして職員数などの適正化に取り組んできたのですか? ⇒業務の委託・民営化を進めるなどの取組により、平成15年度に比べ約1,200人を削減しました。 区では、業務の委託・民営化(保育園の委託等)や事務事業の見直し等により、スリムで効率的な組織体制の確立と職員数等の適正化に取り組み、職員数は平成15年度から27年度までに約1,200人を削減しました。 職場別の職員の構成比を他区(人口60万人以上)と比較すると、事務系職員の占める比率は低い水準となっており、福祉系・技能系職員については構成比および職員数ともに高い水準となっています。 職員数は、平成15年度から約21%削減し、現在は約4,400人となっています。 他区(人口60万人以上)と比較すると、福祉系・技能系職員は構成比および職員数ともに高い水準となっています。 職員の年齢構成はどうなっていますか? ⇒40歳代以上の中高齢期の職員の占める比率が大きくなっています。 職員の年齢構成については、平成15年度と比べて40歳代以上の中高齢期の職員の割合が12.5ポイント上昇し、27年度においては、全体の約70%を占める状況となっています。 今後は、職員の大量退職(定年退職)が引き続き見込まれています。区では、公的年金の支給開始年齢の引き上げに伴う雇用と年金の接続の観点からも、再任用制度等による一層のベテラン職員の活用が必要となります。また、大量退職に伴い、有為な人材(新規採用職員)の確保策やその育成方法について検討するとともに、ベテラン職員が培ってきたノウハウや専門性を若手職員に継承していくことが必要です。 40歳代以上の中高齢期の職員の割合が全体の約70%となっています。 定年退職者数は、平成19年度以降、増加しており、引き続き大量退職が見込まれます。 職員の育成や意識改革に向けてどのように取り組んでいくのですか? 職員が地域の現場などで学ぶ機会の充実や人事評価制度の見直しなどに取り組みます。 今後の行政需要に的確に応えていくには、問題意識を持ち、自ら課題を発見し、区民とともに考え行動できる職員を育成していかなければなりません。 @地域の現場で学ぶ新しい事業などの実施 区内の各地域で「まちを元気にするアイデア」をテーマにした新しい対話集会「ねりまビッグバン」を開始しました。この事業に若手職員が「ねりまビッグバン・サポーター」として参加し、区民の皆さんがアイデアを具体化していくお手伝いをしています。今後とも、職員が地域の現場や民間企業などで学ぶ機会を充実します。 A職員の自主性や能力を高める研修の工夫  若手職員を対象に、自ら考え、行動する能力の強化を図るため、自分で受講計画を作成する選択型の研修など、研修方法を工夫しています。今後、ベテラン職員から若手職員への知識や技術の継承を行っていけるよう職場内研修の活性化等に取り組みます。 B人事評価制度などの見直し 頑張った職員が適正に評価され、実力本位で信賞必罰が行われる組織運営を実現することが必要です。そのために、職員の職務への取組を適正に評価し、昇任や育成等につなげていくための人事評価制度の構築を進めます。 また、若手職員を育成するための「育成者・トレーナー制度」の導入や昇任制度の見直し、専門的な知識や経験が豊富な現場職員を育成するための職員配置(人事ローテーション)、ベテラン職員の経験や専門性の積極的な活用などにも取り組んでいきます。 有為な人材を確保できるよう、区独自の採用説明会の実施やインターンシップ受入れの充実等についても検討します。 C人事制度の課題への取組 意欲と能力のある職員を積極的に任用(採用・昇任)していくために、特別区(23区)共通事項となっている昇任の基準等の人事制度の見直しについても課題を取りまとめ、特別区(23区)全体へ問題提起をしていきます。 【区の考え】 @組織は人により大きく変わります。問題意識を持ち、自ら課題を発見し、行動する、歯車にとどまらない生きた人間として職務に取り組む職員を育成したいと考えています。 A業績に基づく評価を徹底し、公務能率の向上や職員の意識改革につながる人事評価制度、昇任制度を構築します。 B新しい成熟社会に向けた区の役割を踏まえて、組織と職員定数の見直しをしていきます。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? 3情報通信技術(ICT)の活用 【直面する課題】 ○区では、様々な行政分野で、計画的に情報化に取り組んできました。情報通信技術(ICT)の進歩は目覚ましく、いま、情報システムのあり方が大きく変わりつつあります。区においても最新の動向を捉えながら、情報システムの効率化・高度化を進めています。 ○区の各業務を処理し、区民サービスの基礎を支えるインフラとして、205の情報システムを運用(平成27年4月現在)しています。平成26年度のランニングコストは、約31億円です。 ○区民サービスの観点から情報の発信・提供についてみると、区報などの紙媒体に加え、これまでもホームページやSNSなどICTを活用し、区内外への情報発信・情報提供を充実させています。しかし一方で、区民からは「サービスの存在を知らなかった」「必要な情報を見つけにくい」といった意見も寄せられています。 ○区のサービスについては、「部署間のたらい回しをなくしてほしい」「時間的な制約をなくしてほしい」「区役所等に行かなくても済むようにしてほしい」といった意見が寄せられています。 ○区は、目覚ましく進歩するICTをさらに活用して、次の点に留意しながら区民サービスを一層向上させていきたいと考えています。 @ICTを活用した区民生活の利便性の向上、区民サービスの質の向上:区民ニーズに応え、ICTを活用した情報発信・情報提供の充実、区民の声を区政に活かす仕組みづくりや、窓口サービスの利便性の向上などを進める必要があります。また、ICT機器を利用しない区民への配慮も求められます。 A個人情報の保護:ICTの活用にあたっては個人情報の保護を万全にする必要があります。 B区の情報システムの効率化・高度化:ICTの最新の動向を踏まえて、区の情報システムの効率化・高度化を進める必要があります。 区の情報化の現況はどうなっていますか? ⇒運用しているシステムは205、ランニングコストは年間約31億円です。 区では、これまで、様々な行政分野で情報化に取り組んできました。内部の事務処理だけでなく、図書館のオンライン化や公共施設の予約システムなど直接区民サービスに関わる情報化も進めてきました。 情報通信技術(ICT)の進歩は目覚ましく、いま、情報システムのあり方が大きく変わりつつあります。区においても最新の動向を捉えながら、クラウドコンピューティング※1など、情報システムの効率化・高度化を進めているところです。 ※1 クラウドコンピューティング:通信回線を通じて外部の事業者が提供するソフトウェアやハードウェアを利用する形態。区ではこれとは別に区専用のクラウドとして、複数の業務システムが同一の装置や基本機能を共有する「共通基盤」を、外部データセンター内に構築し、運用している。 システム数は、内部事務処理、データ送受信、区民等へのサービス提供に関するものが多くなっています。 ICTを活用した区の情報発信・情報提供はどうなっていますか? ホームページや電子メール、SNSなどを活用して、情報発信・情報提供を充実しています。 区の情報発信・情報提供については、区民からどのような意見が寄せられているのですか? ⇒「サービスがあることを知らなかった」、「情報が見つけにくい」などの意見が寄せられています。 インターネットの普及により、パソコンやスマートフォン等からいつでも手軽に情報に触れることができるようになりました。区では区報などの紙媒体に加え、ホームページやSNSなどを活用し、区内外への情報発信・情報提供を充実させています。一方で、「サービスの存在を知らなかったので周知してほしい」「大量の情報の中から必要な情報を見つけにくい」といった意見も寄せられています。 区報やホームページに情報を掲載するだけでなく、情報を必要とする区民に的確な方法・タイミングで情報を発信・提供していくことが求められています。 「PRの拡充」「情報提供の仕方の工夫」などの要望が寄せられています。 区のサービスについて区民からはどのような要望があるのですか? ⇒「たらい回しをなくしてほしい」「区役所に行かなくても済む仕組みに」といった要望が寄せられています。 区民意識意向調査によると「区の窓口サービスの向上」の施策(窓口の受付日や時間の拡充、窓口の効率化、対応の質の向上など)に対して、「満足・どちらかといえば満足」と考えている人は約6割、「不満・どちらかといえば不満」は約3割で、ほぼ横ばいで推移しています。窓口サービスについての不満や要望として、「部署間のたらい回しをなくしてほしい」「区役所等に行かなくても済む仕組みを検討してほしい」といった要望が寄せられています。 区では、平成26年7月から練馬区民事務所を毎週土曜日に開庁するなど利便性の向上や研修による接遇の向上に取り組んでいます。今後はさらに区民一人ひとりの要望や生活スタイルに応じたきめ細かいサービスの提供が求められています。 「窓口対応の不備」や「平日の窓口に来庁しなければならない」ことなどについて改善が求められています。 【区の考え】 ○急速に進歩を続けるICTは、情報システムという形で区政を支える基盤をなすと同時に、区民生活を一層便利にする大きな可能性を有しています。今後の情報化について、現時点では次の3つのテーマを柱として取組を進めたいと考えています。 @マイナンバー制度やICTを活用したきめ細かな区民サービスの実現のため、継続的に検討を進め、幅広い展開を目指します。当面は次の課題から取り組みます。 ア 必要な情報が区民に届きやすくするとともに、区民の声を区政に活かす方法を充実します。 【例】・情報発信・情報提供の強化に向けたSNSの活用拡大 ・アプリを活用した区民と区との双方向のやりとりのできる仕組みづくり イ 高齢者や障害者、外国人など、誰にでも分かりやすく、便利な窓口にするとともに、情報バリアフリーを進めます。 【例】・来庁者に対してタブレット端末を活用し、的確に総合的な案内を行うためのシステムの導入を検討 ・地図情報と連携したバリアフリー情報の発信 等 ウ 仕事や子育てなどで区役所に来庁しづらい方のために、自宅や身近なところで手続きができるようにします。 【例】・証明書等のコンビニ交付やコールセンターの導入 ・クレジットカード納付など新たな納付方法の導入 ※ICTの活用にあたっては、ICT機器を利用しない区民が不利益をこうむることのないように配慮しながら進めます。また、新たなシステムの導入には相応のコストが必要となります。直接的な費用対効果に加え、今後の社会基盤の標準装備として必要かどうかといった視点からも検討します。 A情報セキュリティ対策の強化が国をあげての課題になっています。区でも適切に対応し、ICTの活用にあたっては個人情報の保護に万全を期して臨みます。 B進歩の速度が著しいICTの最新の動向を把握し、引き続き、区の情報システムの効率化・高度化に取り組みます。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? また、「ICTを活用したこのようなサービスが欲しい」、「このようにICTを活用するべきだ」という区民の皆さんの視点からの具体的な提案をぜひお寄せください。 4 外郭団体の見直し 【直面する課題】 ○公共・民間両方の性格を併せ持つ外郭団体は、福祉、まちづくり、文化、産業振興などの分野で、区の業務を補完しまたは区に代わって公共サービスを提供する役割を果たしています。 ○今後の行政需要の変化に対応するため、区は、外郭団体を適切に活用していく考えです。 ○今後の外郭団体の活用にあたり、区は特に、次の3点を課題と考えています。 @団体の位置付け:時代の変化に即した団体の位置づけが不明瞭です。 A事業の重複:内容が関連または重複する事業を実施している団体があります。 B職員の不足:団体のマネジメント等に携わる職員が不足しています。 外郭団体とは何ですか? 必要なのですか? ⇒外郭団体は、行政を補完・代替することを目的に設立された団体です。 外郭団体は重要な役割を担っており、今後も活用していく必要があります。 外郭団体は、行政を補完・代替することを目的に設立された団体であり、区からの出資または運営補助を受けて設立・運営をしています。 公共・民間両方の性格を併せ持つ外郭団体には、1)区の政策との連動性や公共性・公益性を確保しつつ、民間の人材やノウハウ等を活用した効率的・弾力的な事業執行や、専門性を活かしたサービスを実施できる、2)区民のニーズまたは社会経済情勢に迅速に対応ができるという特徴があります。 今後の社会状況の変化に伴い、行政需要は今後さらに複雑化・専門化することが予想されます。多様な行政課題にスピード感をもって対応していくためには、区の力だけでは限界があります。 公共分野においては、民間事業者やNPO法人、地域で活動する団体などの参加・参画が進んでおり、担い手が多様化しています。しかしながら、公共性や採算性、区の政策推進との関連などの観点から、民間事業者等に委ねることが困難な事業が多くあります。 そのため、行政を補完・代替する役割を担う外郭団体を、今後とも活用していく必要があります。 練馬区には、どのような外郭団体がありますか? ⇒ 区には現在、以下の11の外郭団体があり、設立目的を踏まえて様々な活動を 行っています。 外郭団体の定義は一般的に定まったものはなく、自治体によって異なっています。 練馬区では、次のいずれかに該当する団体を外郭団体と定めています。 @ 区の出資割合が2分の1以上の法人 A 区から運営補助を受け、その事業内容が区の代行補完関係にあり、区と極めて 密接な関係を有する団体 区には現在、11の外郭団体があり、福祉、まちづくり、文化、産業振興などの分野で、区の事業を補完し、または区に代わって公共サービスを提供する役割を果たしています。 区は外郭団体にどのように関与しているのですか? ⇒公共的事業への補助、区職員の派遣などを行っています。 区は、外郭団体が実施する公共的な事業への補助金の支出や、区職員の外郭団体への派遣など、財政的・人的な関与を行っています。 区から外郭団体への支出金合計は38.1億円で、そのうち補助金は8.4億円 です。 外郭団体職員1,609人のうち、固有職員は1,520人、区からの派遣・兼職職員は89人です。 外郭団体の課題は、どのようなものがありますか? 時代の変化に即した団体の位置づけが不明瞭です。 ○外郭団体の役割を明確化する必要があります。 〈外郭団体が担う事業の考え方〉 @公平性・平等性を確保しつつ、区が実施するよりも効率的で柔軟性、 専門性の高いサービスが実施できる事業 【例】・生活困窮者の生活サポートセンターの運営 A採算性等の観点から、民間事業者等による実施が困難またはなじまない事業  【例】・障害者の就労支援および職場定着支援 ・高齢者への臨時的・短期的な就業機会の提供 B区民や地域団体、民間事業者等のコーディネーターとなる事業 【例】・観光ガイド事業 ・まちづくりセンター事業 ・住民団体との連携による憩いの森の管理運営 C区民や地域団体、民間事業者等への助言・指導等に携わる事業 【例】・練馬ビジネスサポートセンターの運営 D先駆的・先導的な取組となる事業 【例】・練馬介護人材育成・研修センターの運営 E区の政策の推進に向け、総合的・横断的な取組が必要な事業 【例】・文化芸術施設の一体的な管理・運営によるイベント等の魅力の向上 ○外郭団体の役割の明確化に伴い、区における定義を見直す必要があります。 ○外郭団体の役割を踏まえ、区からの関与や支援、指導・監督を見直す必要があります。 内容が関連または重複する事業を実施している団体があります。 ○観光と産業振興 ・観光事業は観光協会で実施していますが、産業振興公社も観光による産業振興 を事業目的に掲げており、役割分担および事業整理を行う必要があります。 ○みどりとまちづくり ・みどり分野での区民との協働に関する事業はみどりの機構で実施しています。 一方、環境まちづくり公社が支援している区民団体がみどり分野でも活動している等の状況があり、まちづくり事業と一体となって進めていく必要があります。 ○障害者の就労支援と生活支援 ・障害者福祉分野を担っている外郭団体には、社会福祉協議会と障害者就労促進協会があります。相互に連携しながら事業を実施していますが、さらなる連携強化ないし事業運営の一元化を行い、サービスの充実と効率的な運営を進める必要があります。 団体のマネジメント等に携わる職員が不足しています ○固有職員の育成が進んでいない状況です。 ○区からの派遣職員等に頼らざるを得ない状態にあります。 【区の考え】 区は、民間事業者等に委ねることが困難な事業を実施し、行政を補完・代替する外郭団体を、今後とも活用していく考えです。活用にあたっては、外郭団体の役割の明確化、区における外郭団体の定義の見直し、区の関与や支援、指導・監督の見直しが必要です。 また、外郭団体の事業の整理・統合や、事業見直しを踏まえた団体の再編を進め、サービスの充実と効率的な運営を進めます。さらに、外郭団体職員の人事・給与制度の整備・見直しを支援することや、区と外郭団体および団体相互の人事交流制度をつくることを考えています。 区民の皆さんはどのようにお考えになりますか? W区政改革の検討の進め方 1この資料をもとにした区民意見の聴取 ○平成28年1月17日〜1月31日に、区長とともに練馬の未来を語る会を区内6会場で開催し、資料について区民の皆さんにご説明し、直接ご意見を伺います(下表参照)。 ○区民意見反映制度による意見の募集を行います。 ※平成27年12月21日〜28年2月8日(詳しくは、表紙裏面をご覧ください。) ○これらの結果を、計画の素案づくりに反映していきます。 〈区長とともに練馬の未来を語る会 開催日時・会場〉 平成28年1月17日(日) 10:00〜12:00 光が丘区民センター3階(光が丘区民ホール) 1月21日(木) 18:30〜20:30 ココネリ3階(ココネリホール) 1月24日(日) 10:00〜12:00 勤労福祉会館(集会室) 1月26日(火) 18:30〜20:30 石神井公園ピアレスA棟2階 (石神井公園区民交流センター展示室兼集会室) 1月28日(木) 18:30〜20:30 北町第二地区区民館 1月31日(日) 10:00〜12:00 関区民センター2階(関区民ホール) 2議会の意見、区政改革推進会議の提言を経て、計画素案を作成 ○上記1の取組とともに議会の意見を聴き、区長の諮問機関である区政改革推進会議からの提言を受けて、計画素案を作成します(平成28年4月を目途とします)。 3計画素案について区民意見反映制度を実施し、計画案を作成 ○計画素案について平成28年度上半期に区民意見反映制度を行って、区民のご意見を伺ったうえで計画案としてまとめ、改めて議会に報告します。 ○議会の意見を踏まえて、計画を策定します(平成28年10月を目途とします)。 練馬区の「これから」を考える 〜区政の改革に向けた資料〜 平成27年(2015年)12月 発行 練馬区 区政改革担当部 区政改革担当課 住所 〒176-8501 練馬区豊玉北6-12-1 練馬区役所 本庁舎6階 電話 (03)3993-1111(代表) FAX (03)3993-1195 練馬区ホームページ http://www.city.nerima.tokyo.jp