練馬区空き家等対策計画 令和8年(2026年)3月 目次 第1編 計画本編 第1章 総則 1 背景および目的 2 これまでの経過 3 計画の位置付け 4 計画期間 5 計画の対象 6 計画の推進体制 7 計画の改定 第2章 これまでの取組と成果 1 空き家対策 2 不良居住建築物等対策 第3章 統計情報 1 人口および年齢別人口の推移等 2 令和5年住宅・土地統計調査 3 令和7年度区民意識意向調査 第4章 空き家等実態調査 1 調査の流れ 2 主な調査結果 3 調査結果の集約 4 調査結果から顕在化した課題 5 調査結果の分析 第5章 対策の方針 1 基本方針 2 空き家対策 3 不良居住建築物等対策 第6章 適正管理に向けた取組(具体的な対応) 1 空き家の適正管理 2 不良居住建築物等の堆積物等による不良状態の解消 第2編 空家等活用促進指針 1 空家等活用促進区域 2 現状と課題 3 対象とする空き家等の種類 4 基本的方針 5 敷地特例の要件 6 対策の方針 第3編 資料編    用語 本計画における用語については、以下のとおり定義します。 1 空家法 「空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)」のことをいいます。 2 基本指針 空家法第6条の規定に基づく、国土交通大臣および総務大臣が定める「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針」のことをいいます。 3 ガイドライン 空家法第22条第16項の規定に基づき、国土交通大臣および総務大臣が定める「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)」のことをいいます。 4 区条例 「練馬区空家等および不良居住建築物等の適正管理に関する条例 (平成29年7月制定)」のことをいいます。 5 空き家 本計画における空き家の定義は、空家法(空家法第2条第1項)における「空家等」と同義とし、「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)」のことをいいます。また、空き家の種類は、「令和5年住宅・土地統計調査(総務省統計局)」で定義する「賃貸・売却用 及び二次的住宅を除く空き家」と同義とし、賃貸用の空き家、売却用の空き家 及び二次的住宅以外の人が住んでいない住宅で、例えば、転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅など、とします。 6 住宅 一戸建ての住宅やアパートのように完全に区画された建物の一部で、一つの世帯が独立して家庭生活を営むことができるように建築または改修されたものとします。 7 建築物 建築基準法第2条第1号に規定する「建築物」のことをいい、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとします。 8 管理不全空家等 空家法第13条第1項に規定する「管理不全空家等」のことをいい、適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態にあると認められる空き家のことをいいます。 9 特定空家等 空家法第2条第2項に規定する「特定空家等」のことをいい、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空き家のことをいいます。 10 所有者 空家法第5条に規定する「所有者等」のことをいい、空き家の所有者または管理者のことをいいます。 11 空家等活用促進区域 空家法第7条第3項に規定する「空家等活用促進区域」のことをいい、当該区域内の空家等の数及びその分布の状況、その活用の状況その他の状況からみて当該区域における経済的社会的活動の促進のために当該区域内の空家等及び空家等の跡地の活用が必要となると認められる区域のことをいいます。 12 空家等活用促進指針 空家法第7条第3項に規定する「空家等活用促進指針」のことをいい、空家等活用促進区域における空家等及び空家等の跡地の活用の促進を図るための指針のことをいいます。 13 居住建築物等 区条例第2条第5号に規定する「居住建築物等」のことをいい、区内に存する居住の用に供されている建築物その他の建築物またはこれに付属する工作物およびその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)であって、空家等に該当しないものをいいます。ただし、国または地方公共団体が所有し、または管理するものを除きます。 14 堆積物等による不良な状態 区条例第2条第6号に規定する「堆積物等による不良な状態」のことをいい、居住建築物等において、物品が堆積、散乱等した状態、雑草および立木竹が繁茂した状態等であって、これらにより周辺の生活環境に著しい影響を及ぼし、またはそのおそれのある状態をいいます。 15 特定不良居住建築物等 区条例第2条第7号に規定する「特定不良居住建築物等」のことをいい、堆積物等による不良な状態にあると認められる居住建築物等をいいます。 16 不接道 建築基準法第43条で規定する、いわゆる「接道義務」を満たしていない敷地等(建築基準法上の幅員4m以上の道路に2m以上接していない敷地等や、建築基準法上の道路に全く接していない敷地等(建築確認を必要とする新築、増改築ができない、いわゆる「再建築不可物件」のことをいいます。))と道路の関係のことをいいます。本計画では、建築基準法第43条第2項第2号の許可が必要な通路(いわゆる協定通路(前面幅員4.0m未満~2.7m以上))に接している敷地等と道路の関係も指します。 17 不接道空き家 不接道の空き家をいいます。 18 不接道宅地 不接道の宅地をいいます。 19 不接道空き家等 不接道の空き家および不接道の宅地をいいます。 第1編 計画本編 第1章 総則 1 背景および目的 区では、建物の老朽化や所有者の高齢化による管理の担い手不足等のために、今後、近隣に悪影響を及ぼす戸建て住宅の空き家や、管理不全な分譲マンションの増加が 見込まれます。 令和6年3月に策定した、「第3次みどりの風吹くまちビジョン 基本計画・アクションプラン」〔戦略計画15〕快適な住宅都市を実現するまちづくりの推進「5 住宅の適正管理と活用の促進」に基づき、空き家の老朽度等の実態調査を実施しました。空家法や民法等の改正を踏まえ、空き家等対策計画を改定することとし、管理が不全状態の空き家に対する指導を強化し、周囲に著しい悪影響を及ぼす状態とならないよう適正管理と有効活用を促すこととしています。 区では、空き家および不良居住建築物等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、国の基本指針に即して、空き家および不良居住建築物等に関する対策についての計画を策定します。 2 これまでの経過 計画策定にかかる主な動き 平成26年11月「空家等対策の推進に関する特別措置法」が成立(翌年5月全面施行) 平成27年度 実態調査の実施(区内の民間建築物全棟を対象) 平成28年3月「練馬区空き家等実態調査報告書」を作成 平成29年3月「練馬区空き家等対策計画」を策定 平成29年7月「練馬区空家等および不良居住建築物等の適正管理に関する条例」を制定(同年10月全面施行) 令和2年度 実態調査の実施(追跡) 令和3年3月「練馬区空き家等対策計画」の一部見直し 令和5年6月 改正「空家等対策の推進に関する特別措置法」が成立(同年12月全面施行) 令和6年3月「練馬区空家等および不良居住建築物等の適正管理に関する条例」の改正・施行 令和6年度 実態調査の実施(区内の民間建築物全棟を対象) 令和7年3月「練馬区空き家等実態調査報告書」を作成 3 計画の位置付け 本計画は、国・都の財源を活用するため、空家法第7条の規定に基づく、国土交通省の「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針」に則した計画とします。いわゆる、ごみ屋敷対策についても、併せて対象とします。 区の第3次みどりの風吹くまちビジョン アクションプランや関連する計画(都市計画マスタープランなど)と整合を図り策定するものです。 基本方針(二ー2 空家等対策計画に定める事項)と本計画との整合 基本方針(国)⑴ 空家等に関する対策の対象とする地区及び対象とする空家等の種類その他の空家等に関する対策に関する基本的な方針 本計画(区)第1章 総則 5 計画の対象 基本方針(国)⑵ 計画期間 本計画(区)第1章 総則 4 計画期間 基本方針(国)⑶ 空家等の調査に関する事項 本計画(区)第4章 空き家等実態調査 基本方針(国)⑷ 所有者等による空家等の適切な管理の促進に関する事項 本計画(区)第5章 2【基本方針1】 基本方針(国)⑸ 空家等及び除却した空家等に係る跡地の活用の促進に関する事項 本計画(区)第5章 2【基本方針2】 基本方針(国)⑹ 特定空家等に対する措置その他の特定空家等への対処に関する事項 本計画(区)第5章 2【基本方針3】 基本方針(国)⑺ 住民等からの空家等に関する相談への対応に関する事項 本計画(区)第5章 2【基本方針1】 基本方針(国)⑻ 空家等に関する対策の実施体制に関する事項 本計画(区)第1章 総則 6 計画の推進体制 基本方針(国)⑼ その他空家等に関する対策の実施に関し必要な事項 本計画(区)第1章 総則 7 計画の改定 他 4 計画期間  計画期間は、概ね5年間とします。   5 計画の対象 ⑴ 対象地区 対象地区は、区内全域とします。 空家法に基づく、「空家等活用促進区域」の指定および「空家等活用促進指針」については、第2編に定めます。   ⑵ 対象とする空き家の種類 本計画で対象とする空き家の種類は、空家法第2条第1項に規定する「空家等」とします。 なお、空家法では部屋ではなく「棟」を基本単位としていることから、本計画では、共同住宅の場合、全ての部屋が空いている場合に限り空き家とします。 6 計画の推進体制 ⑴ 分掌事務 空き家等対策の総合窓口は、環境部環境課空き家等対策係が所管します。 なお、具体的な対策の所掌事項については、以下のとおりです。 所掌事項 空き家(特定空家等を除く)対策に関すること 居住建築物等対策に関すること あき地の管理の適正化に関すること 担当部署 環境課空き家等対策係 03-5984-1192(直通) 所掌事項 特定空家等対策に関すること 担当部署 建築課監察係 03-5984-1909(直通) 所掌事務 空家等活用促進区域に関すること 担当部署 防災まちづくり課防災まちづくり担当係 03-5984-1303(直通) 所掌事項 空家等活用促進区域内における敷地特例の要件等に関すること 担当部署 建築審査課道路調査係 03-5984-1984(直通) ⑵ 専門家団体との連携 区では、「練馬区空き家等対策計画」に基づき、新たな空き家の発生を防止・抑制するため、専門家団体や金融機関と協定を締結しています。 協定を締結した各団体と連携して、相談窓口の設置、専門家の派遣等の協力、所有者等への意識啓発などの取組を進めていきます。また、これまでの取組や成果、現状の課題を共有するとともに、専門家団体の意見を伺いながら、より実効性のある対策を検討するため、「練馬区空き家等対策推進協議会」を設置しています。 ア 協定内容 (ア)空家等の所有者等からの相談に応じるための相談窓口の設置 (イ)空家等の有効活用または除却、建替え等に資する金融商品の開発・提供 ※金融団体のみ (ウ)区からの要請に基づく、専門家の派遣等の協力 (エ)空家等の取組について区民の方への周知 (オ)空家等の有効活用や適正管理等に関する所有者等への意識啓発 (カ)情報の共有 イ 協定締結団体等一覧 (ア)専門家団体 専門家団体名(6団体) 協定締結日 平成29年3月13日 東京司法書士会、東京都行政書士会練馬支部、(公社)東京都宅地建物取引業協会練馬区支部、(公社)全日本不動産協会東京都本部練馬支部、(一社)東京都建築士事務所協会練馬支部 協定締結日 令和元年8月20日 東京土地家屋調査士会練馬支部 (イ)金融団体 金融機関名(6信金) 協定締結日 平成29年8月23日 西京信用金庫、城北信用金庫、西武信用金庫、東京シティ信用金庫 協定締結日 平成30年3月27日 巣鴨信用金庫、東京信用金庫 ⑶ 練馬区空家等および不良居住建築物等適正管理審議会 区は、区長の附属機関として、法律、建築、医療、福祉等に関して優れた識見を有する者のうちから、区長が委嘱する委員10人以内で構成する、「練馬区空家等および不良居住建築物等適正管理審議会」を設置しています。 審議会の会議は非公開で、区長の諮問に応じて審議し、答申するほか、専門的な見地から区長に意見を述べることができます。審議会の所掌事項は、以下のとおりです。 特定空家等の認定ならびに特定空家等に係る勧告、命令および代執行等に関する事項 特定不良居住建築物等の認定、特定不良居住建築物等に係る勧告、命令および代執行ならびに特定不良居住建築物等の所有者等に対する支援に関する事項 ⑷ 東京都空き家対策連絡協議会 都は、空き家対策に取り組む区市町村に対し、他自治体の取組の情報共有や専門知識の習得を促進するとともに、課題解決に向けた技術的支援などの共同検討を行うため、「東京都空き家対策連絡協議会」を開催しています。 区は、同協議会の会議の機会を活用し、都内自治体等との情報共有、解決困難な事例の研究等を行い、空き家対策の更なる推進につなげています。 7 計画の改定 本計画は、実績を検証し、必要に応じて方針の見直しや取組内容の修正等を行います。 第2章 これまでの取組と成果 1 空き家対策 【方針1】空き家の発生予防に努めます 〔取組①〕協定締結団体等と連携して様々な相談に対応 協定締結団体等から講師・相談員の派遣協力を得て、区が主催する空き家 セミナー・相談会を開催しています。 専門家団体との協議を重ね、令和7年度後半から試行的に、区民センター等での相談会を開催しています。 多様で複雑化した相談にも対応できるよう、相談者からの同意を得て、関係する専門家団体同士で困りごとを共有できる仕組みづくりを行っています。 東京都空き家ワンストップ相談窓口と連携して、空き家セミナー・相談会を開催しました。 〔取組②〕空き家に関する情報提供の強化 より多くの相談に応えることができるように空き家セミナー・個別相談会の開催を令和5年度から年3回、令和6年度からは空き家なんでも相談会を 原則毎月に回数を増やし、開催しています。 専門家団体等が主催する空き家の啓発事業に対して、会場提供や周知・案内等を行っています。 “住まいのこれから”について、早めに備えていただけるよう、多くの高齢者などが利用する、練馬区社会福祉協議会や地域包括支援センター、街かどケアカフェなどと連携して、周知・啓発を行っています。   啓発・相談事業開催実績(令和2~6年度)計10回開催(来場者数 延356人) 【内訳】空き家セミナー・個別相談会 10回、261件 空き家なんでも相談会(区役所アトリウム相談会) 9回、105件 空き家の相談会・セミナー開催などの区報による周知・啓発 16回 【方針2】空き家の有効活用と適正管理を促進します 〔取組①〕空き家情報データベースによる適正管理の促進 空き家情報データベースは、令和6年度の実態調査結果を反映しました。随時情報を更新して、日々の問い合わせ対応や経過把握等に活用しています。 蓄積した空き家所有者の情報は、専門家団体や民間事業者等と連携して開催する賃貸・リフォーム・管理等に関する相談会等の周知・案内に利用しています。   〔取組②〕空き家地域貢献事業による活用の促進 建築士等の専門家のアドバイスを受けて、マッチングを円滑に進められるよう、支援しています。 公益的事業に係るマッチングが成立した場合は、初期整備費として、改修に係る工事費用や活動に必要不可欠な設備の設置費用を補助しています。   空き家地域貢献事業(令和2~6年度) マッチング成立件数 5件 うち、費用助成 2件、1,998,800円 【方針3】管理不全状態にある空き家に必要な措置を実施します 〔取組①〕状態に応じた適切な法令の運用 特定空家等に対しては「練馬区空家等および不良居住建築物等適正管理審議会」の意見を聴きながら、適切な助言・指導等を行っています。 近隣住民や歩行者等の区民の生命・身体・財産に危害が及ぶことを避けるための緊急の場合は、条例に基づく必要最小限の安全措置(応急措置)を実施しています。   条例に基づく措置(令和2~6年度) 特定空家等の認定件数 5件、認定解除件数 4件 (特定空家等に認定後の措置の状況) 助言・指導 5件、勧告 5件 応急措置 1件、命令 1件 住宅用地の特例解除 5件 管理不全空家等の認定件数 51件、認定解除件数 7件 (管理不全空家等に認定後の措置の状況) 助言・指導 88件、勧告 23件 住宅用地の特例解除 11件   〔取組②〕再建築困難な敷地に所在する空き家への対応 位置指定道路とする際の申請時の要件の緩和等、建築基準法の柔軟な運用によって、建替えを促進することとしています。 区が隣地に働きかけた結果、売却に至った事例もあります。他自治体の取組を参考にしつつ、専門家の意見を聞きながら、地域の実態に応じた対応方法を検討することとしています。   計画に基づく対応(令和2~6年度) 区が隣地に働きかけて売却に至った件数 3件 2 不良居住建築物等対策 【方針】堆積物等による不良な状態を解消するための支援や措置を実施します 〔取組①〕生活改善のための適切な行政サービスへの誘導と見守り・フォロー 居住者の生活改善を図りながら、堆積物等を撤去しないと、繰り返し同じ状態に戻ってしまう懸念があります。これまでも、福祉・保健関係部署等と連携・協力し、必要な行政サービスにつなげることで悪化の防止に取り組んでいます。   〔取組②〕状態に応じた適切な条例等の運用 周辺の生活環境に著しい悪影響を及ぼしており、居住者の生活改善が難しい場合は、条例等に基づき特定不良居住建築物等に認定し、助言・指導、勧告、命令、代執行等により対応することとしています。 近隣住民や歩行者等の区民の生命・身体・財産に危害が及ぶことを避けるため緊急の必要がある場合は、条例に基づき必要最小限の安全措置(応急措置)を実施することとしています。 条例に基づく措置(令和2~6年度) 特定不良居住建築物等の認定件数 1件、認定解除件数 0件 (特定不良居住建築物等に認定後の措置の状況) 助言・指導 2件、勧告 0件 支援 0件、命令 0件 応急措置 0件、代執行(略式)0件 第3章 統計情報 1 人口および年齢別人口の推移等  ⑴ 住民基本台帳による練馬区の世帯数と人口 「住民基本台帳による練馬区の世帯数と人口(令和7年10月1日現在)」は、次のとおりです。 世帯数 400,533世帯 総人口 750,282人 日本人の人口 721,251人 外国人の人口 29,031人 高齢者人口比率(65歳以上) 22.0% ⑵ 練馬区の人口動向分析 「第3次 みどりの風吹くまちビジョン 基本計画・アクションプラン〔戦略計画〕」は練馬区ホームページに掲載しています。巻末資料中、「1 練馬区の人口動向分析」に掲載していますので、詳しくは、そちらから参照してください。以下では、その抜粋を記載します。 ア 練馬区の人口動向 (ア)人口の推移 総人口は増加傾向にありましたが、令和3年はコロナ禍の影響もあり、減少に転じています。令和4年以降は再び人口増加に転じています。 総人口を年少人口比率(0~14歳)、生産年齢人口比率(15~64歳)、高齢者人口比率(65歳~)、後期高齢者人口比率(75歳~)の4つの年齢区分別の構成比で見てみると、後期高齢者人口比率が上昇している一方、年少人口比率は一貫して低下しています。少子高齢化が確実に進んでいます。 (イ)人口増減の要因 出生数は6,000人前後で推移してきましたが、平成28年頃から減少傾向にあります。一方、死亡数は年々増加しています。平成29年に初めて自然減に転じ、その後減少幅が拡大しています。 平成25年以降転入超過が続いていますが、コロナ禍の影響を受け、令和2年以降、転入者数が減少しました。令和5年は前年に比べ増加しています。 イ 練馬区の人口の特徴 区部平均と比較すると、年少人口比率が高い一方で、高齢者人口比率は若干高くなっています。 総世帯に占める「15歳未満世帯員のいる世帯」の比率でみると、14.8%と比較的高い値となっています。練馬区は子育て世帯の多い自治体と言えます。 ウ 直近の人口動向 区の人口は、例年3・4月に進学・就職に伴う転入により人口が大きく増加する傾向にあります。令和3年はコロナ禍の影響を受け、3・4月のほか6月を除き人口減となりました。令和4・5年は令和3年と比較すると、回復の傾向が見られます。 コロナ禍の影響により、区の人口増を支えてきた区外からの転入超過数と外国人人口のいずれもが減少しました。   エ 練馬区の将来人口推計 区では、令和6年1月の住民基本台帳人口を基準人口とし、人口推計を行いました。 近年の傾向を踏まえた人口推計として、総人口は、約20年後の令和23年に約75.1万人に達し、その後、減少に転じる見込みです。 人口推計を4つの年齢区分別の構成比で見てみると、年少人口比率、生産年齢人口比率が低下し、高齢者人口比率、後期高齢者人口比率が上昇していることが分かります。 日本人の人口は、令和9年をピークに約71.9万人に達し、その後、減少に転じます。外国人の人口は、30年後の令和36年に約6.2万人に達し、その後も増加していくことが予測されます。 総人口は、令和9年から減少が見込まれる日本人人口を、外国人人口が補う形で令和23年まで増加を続け、その後は緩やかに減少していくことが予測されます。ただし、外国人の移動は、国の施策、社会情勢、景気動向、自然災害等により大きく変動するため推計値が上下にぶれる可能性があります。 2 令和5年 住宅・土地統計調査 ⑴ 持ち家で暮らす65歳以上世帯(単身または夫婦)の現状 住宅・土地統計調査による区内の世帯数38.2万世帯のうち、持ち家で暮らす65歳以上の世帯員がいる世帯(単身または夫婦)数は5万世帯で、全体の13.3%を占めており、持ち家の割合が高い状況です。 ⑵ 住宅ストックの状況 区内の住宅総数と世帯数は、直近30年でいずれも概ね1.5倍に増加しており、都と同様の傾向です。 区内では、令和5年の住宅総数約42万戸に対し、世帯数は約38万2千世帯と住宅数が世帯数を上回っており、都や特別区と同様に充足しています。空き家率は都や特別区全体より低く、直近10年は横ばいですが、この住宅過剰の状況は、今後空き家の増加要因になると考えられます。 ⑶ 賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 空き家の種類別の内訳ですが、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家数は7,950戸で、空き家総戸数の20.0%を占めています。東京都全体(23.9%、214,200戸)や特別区全体(23.3%、150,900戸)と比較しても、低い割合となっています。 ⑷ 住宅・土地統計調査と区の実態調査の相違 国の住宅・土地統計調査(総務省統計局)では、空き家を戸数でとらえています。そのため、共同住宅の場合、空き家の数は空き部屋の数を示しています。 一方、空家法では、空き家は「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態的であるもの」と定められており、部屋ではなく「棟」を基本単位としています。そのため、共同住宅の場合は、全ての部屋が空いている場合に限り空き家となります。 つまり、共同住宅においては、下図に示すように国の住宅・土地統計調査と区の実態調査では、空き家の数え方が大きく異なります。 ※同一敷地(建築基準法上の敷地(建築物のある一団の土地))内に居住している家屋等がある場合は空き家としない   住宅(一戸建ての住宅やアパートのように完全に区画された建物の一部で、一つの世帯が独立して家庭生活を営むことができるように建築または改造されたものをいう。)の要件を満たしているもののうち、ふだん人が居住していない住宅を次のとおり区分しています。 「居住世帯のない住宅」(住宅・土地統計調査) 一時現住者のみの住宅 昼間だけ使用している、何人かの人が交代で寝泊まりしているなど、そこにふだん居住している者が一人もいない住宅 空き家、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 賃貸用の空き家、売却用の空き家及び二次的住宅以外の人が住んでいない住宅で、例えば、転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅など(注:空き家の種類の判断が困難な住宅を含む) 空き家、賃貸用の空き家 新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅 空き家、売却用の空き家 新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅 空き家、二次的住宅、別荘 週末や休暇時に秘書・避寒・保養などの目的で使用される住宅で、ふだんは人が住んでいない住宅 空き家、二次的住宅、その他 ふだん住んでいる住宅とは別に、残業で遅くなったときに寝泊まりするなど、たまに寝泊まりしている人がいる住宅 建築中の住宅 住宅として建築中のもので、棟上げは終わっているが、戸締まりができるまでにはなっていないもの(鉄筋コンクリートの場合は、外壁が出来上がったもの) なお、戸締まりができる程度になっている場合は、内装が完了して いなくても、「空き家」とした。 また、建築中の住宅でも、ふだん人が居住している場合には、建築中とはせずに人が居住している住宅とした。 3 令和7年度 区民意識意向調査 「令和7年度(2025年度)区民意識意向調査報告書」は、練馬区ホームページに掲載していますので、詳しくはそちらから参照してください。 第4章 空き家等実態調査 区では、「練馬区空き家等対策計画」(平成29年3月)の策定に先立ち、地域の実情に応じた、空き家対策等に重点的に取り組むため、初めて区内全域の民間建築物を対象とした、空き家等の実態調査を実施しました。「練馬区空き家等対策計画」(令和3年3月)の見直しに際しては、平成27年度に実施した実態調査の追跡調査を行っています。 この度、新たな「練馬区空き家等対策計画」の策定に際し、約9年ぶり2度目の区内全域の民間建築物を対象とした、空き家等の実態調査を実施しました。 なお、最新の「練馬区空き家等実態調査報告書」は練馬区ホームページに掲載しています。詳しくは、そちらから参照してください。以下では、その抜粋を記載します。 1 調査の流れ ⑴ 事前準備 現地調査の対象抽出は、区が管理する空き家データに加え、「水道データ」と「電力データ」を活用し、現地調査を行う対象の建築物を抽出しました。 基本的に、水道は半年以上、電力は1年使用実績がないものを対象としています。 さらに、電力データについては、抽出条件を加えています。 ⑵ 老朽危険度判定基準の策定 ア 空き家の判定基準 空き家の判定は、以下の項目を調査し、総合的に判断しました。 空き家の判定項目 建築物 出入口:施錠・扉の状況、侵入防止措置の有無、表札の有無 窓・外壁・屋根:破損、雨戸の開閉、侵入防止措置の有無、カーテンの有無 郵便受け:郵便物の放置の状況、郵便受けの塞ぎ 電気メーター:電気の開閉 ガスメーター:ガスの開閉、ガスボンベ設置の有無 その他:洗濯物干し竿の有無、アンテナ設置の有無 敷地 敷地の状況:雑草・樹木の繁茂の状況 動物:動物が棲みつきの状況 車庫・駐車場:自動車・自転車の放置、ガレージの状況 その他 看板:転居等のお知らせ、不動産業者等の看板・貼り紙 その他:特記事項    イ 老朽危険度判定基準 国が作成したガイドラインを参考に、区が対象建築物の老朽危険度を判定するための基準を定めました。建築物等の管理不全状態は以下のように分類しました。     建築物等の管理不全状態 分類Ⅰ:そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 分類Ⅱ:そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態 分類Ⅲ:適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態 分類Ⅳ:その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 ※空家法に定義される管理不全空家等及び特定空家等と同じ 建築物等の管理不全の状態分類ごとの調査項目 分類Ⅰ、保安上 調査項目:建築物の傾斜、基礎、屋根、外壁、工作物等、門・塀・屋外 階段等、擁壁、立木 分類Ⅱ、衛生上 調査項目:石綿、汚水等、害虫等、動物の糞尿等 分類Ⅲ、景観 調査項目:景観、ごみ 分類Ⅳ、生活環境 調査項目:汚水等による悪臭、不法侵入、立木による通行障害等、動物等による騒音、動物等の侵入 建築物の老朽危険度判定(分類Ⅰ)の判定項目 分類Ⅰ(5項目) ①建築物の傾斜(全体)、②基礎の状況、③屋根の状況、④外壁の状況、⑤工作物等の状況 その他・敷地等の老朽危険度判定(分類Ⅰ~Ⅳ)の判定項目 分類Ⅰ(3項目) ①門・塀の状況、②擁壁の状況、③立木の状況 分類Ⅱ(4項目) ①石綿の飛散状況、②汚水等の流出状況、③害虫等の状況、④動物の糞尿等の状況 分類Ⅲ(2項目) ①景観の状況、②ごみ等の状況 分類Ⅳ(5項目) ①汚水等による悪臭の発生、②不法侵入の発生、③立木による通行障害等の発生、④動物等による騒音の発生、⑤動物等の侵入の発生 ⑶ 老朽危険度総合判定 建築物の老朽危険度判定(5項目)、その他・敷地等の老朽危険度判定(14項目)について、最も老朽危険度が高い判定を、老朽危険度総合判定としました。 老朽危険度総合判定(Å判定~D判定)の内容説明 A判定:倒壊や建築資材の飛散等の危険が切迫しており、緊急度が極めて高い(解体が必要と思われる) 特定空家等レベル B判定:ただちに倒壊や建築資材の飛散等の危険性はないが、維持管理が行き届いておらず、損傷が激しい(老朽化が著しい) 管理不全空家等レベル C判定:維持管理が行き届いておらず、損傷もみられるが、当面の危険性はない(多少の改修工事により再利用が可能) 空き家 D判定:小規模の修繕により再利用が可能(修繕がほとんど必要なく、そのまま再利用が可能) 空き家   ⑷ その他の調査項目 現地調査では、建物用途、構造、階数に加え、前面道路幅員、接道間口、道路種別の接道要件(不接道)についても調査を実施しました。 ⑸ アンケート調査 現地調査で空き家と判定した建築物を対象として、登記簿情報から所有者等の特定を行い、現在の利用状況や維持管理、今後の活用状況などについて、アンケート調査を実施しました。 ⑹ 実態調査における空き家の判定 今回の調査では、空き家の所有者を対象として実施した、「練馬区空き家等実態調査に関するアンケート調査票」により、当該建築物の所有者からの回答結果をもって、空き家であるか否かを判定します。 また、物置や倉庫として使用している一戸建ての取扱いについては、基本指針で、「建築物」とは建築基準法第2条第1号の「建築物」と同義と規定されています。そのため、「物置や倉庫として利用している」と回答があったものについての判定は、同様に、当該建築物の所有者からの回答結果をもって、空き家であるか否かを判定します。   ⑺ 不良居住建築物等の調査 現地調査の対象抽出は、区が管理する不良居住建築物等のデータを活用し、現地調査の対象の建築物を抽出し、外観目視による調査を行いました。 居住建築物等が「堆積物等による不良な状態」にあるか否かについては、老朽危険度判定基準を参考に、別に定める基準により判定を行いました。 調査の結果、「周辺の生活環境に著しく影響を及ぼしている」と判定した不良居住建築物等は9棟(前回調査:30棟)でした。 2 主な調査結果 ⑴ 要因別の判定結果 ア 総合判定結果(今回) 総合判定の結果、空き家の総数は1,416件でした。A判定・B判定の内訳を要因別にみると、「敷地等」が591件(68.6%)、「建築物・敷地等」のいずれもが168件(19.5%)、「建築物」が103件(11.9%)でした。 なお、今回の実態調査では、「建築物の老朽度危険度判定(5項目)」「その他・敷地の老朽危険度判定(14項目)」の調査項目について、いずれか一つでも老朽危険度が高ければ、そのうち最も危険度の高い値を判定結果としています。そのため、前回とは判定方法が異なることから、結果について、単純に比較することはできません。 空き家の主たる要因別の判定結果 A判定:143件(10.1%)、主たる要因:建築物43件 (3.0%)、敷地等82件 (5.8%)、いずれも18件 (1.3%) B判定:719件(50.8%)、主たる要因:建築物60件 (4.2%)、敷地等509件(35.9%)、いずれも150件(10.6%) C判定:209件(14.8%) D判定:345件(24.4%) イ 総合判定結果(前回) 前回行った平成27年の調査結果では、空き家の総数は1,507件で、A判定は211棟(特に老朽度が高いと判定した空き家は30棟)、B判定は369棟、C判定は325棟、D判定は602棟でした。   ウ 老朽危険度の状態 空き家の老朽危険度の状態を分類別にみると、分類Ⅳが693件(53.7%)と最も多く、次いで分類Ⅰが431件(33.4%)、分類Ⅲが161件(12.5%)、分類Ⅱが6件(0.5%)でした。 空き家の状態分類別の判定結果(重複あり) 分類Ⅰ:そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 A判定81件、B判定350件、合計431件 分類Ⅱ:そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態 A判定1件、B判定5件、合計6件 分類Ⅲ:適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態 A判定18件、B判定143件、合計161件 分類Ⅳ:その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 A判定76件、B判定617件、合計693件 A判定合計176件、B判定合計1,115件、合計1,291件 ※建物・敷地が不適切管理の空き家数と合致しない。(A判定:n=143、B判定:n=719) ⑵ 地区別の空き家の状況 ア 空き家総数および空き家率 地区別の空き家総数をみると、南大泉が133件で最も多く、次いで大泉 学園町が109件、西大泉が91件、大泉町が82件、桜台が79件となっており、区の北西部に空き家の多い地区が比較的多くなっています。 また、空き家率をみると、練馬が2.54%で最も多く、次いで、豊玉南が2.39%、中村北が2.20%、錦が2.07%、中村南が1.97%となっており、区の南東部に空き家率が高い地区が比較的多くなっています。   イ 老朽危険度総合判定結果の状況 A判定の空き家(特定空家等レベル)は、大泉学園町が16件で最も多く、次いで南大泉が13件、練馬と上石神井が9件、豊玉南と大泉町が8件となっています。 また、B判定の空き家(管理不全空家等レベル)は、南大泉が71件で最も多く、次いで大泉学園町が57件、西大泉が47件、練馬と大泉町が42件となっています。 ⑶ アンケートの調査結果(クロス集計) ア 空き家になってからの経過年数(問3)と建築物の状態(問4) 経過年数とともに「使用できる状態」の割合が減少します。また、年数の経過とともに「使用できる状態」の建築物が減少する一因と考えられます。 空き家になってからの経過年数が、3年以上の建築物では「現在の状態が分からない(把握していない)」の件数が少しずつ増えています。    イ 空き家になってからの経過年数(問3)と維持管理の状況(問7) 空き家になってからの経過年数が増えるとともに維持管理を「している」割合が下がっています。    ウ 空き家になってからの経過年数(問3)と困っていること(問6) 空き家になってからの経過年数が「1年以上3年未満」の場合は、困りごととして「①賃貸入居者・購入者がいない」の割合が最も多いですが、経過年数に伴い、減少しています。 また、「⑤解体したいが、解体費用の支出が困難である」と「⑧空き家に関する相談をどこにしたらよいか分からない」の割合は、経過年数に伴い増加傾向がみられます。 一方で、「④不接道敷地で再建築ができないため、建て替えや売却が難しい」「⑥仏壇や家財等が置いたままであり、整理・処分に困っている」「⑦相続・解体・売却の方法が分からず困っている」「⑧空き家に関する相談をどこにしたらよいかわからない」と回答した方は、今後の方針を決めることができず、空き家になってからの年数を経過したものと考えられます。    エ 空き家になってからの経過年数(問3)と今後の利活用(問11) 空き家になってからの経過年数が20年未満では、「売却」や「賃貸」での利用を考えている割合が半数以上を占めており、建築物を有効に利活用したいと考えている傾向がみられます。また、「取り壊す」の割合が高くなっているのは、建築物を使用しなくなった直後の「1年以上3年未満」に、速やかに 処分しようとしているためと考えられます。 一方で、「10年以上20年未満」では経過年数による老朽化等により取り壊さざるを得なくなっていくためと考えられます。 オ 空き家の今後の利活用(問11)と必要な支援策(問17) 空き家所有者の必要とする「支援策」では、ほぼすべての項目で「利活用につながる支援策」が含まれています。 カ 不接道空き家と築年数 いわゆる“不接道宅地”の空き家(接道している道路種別が「不明」(245棟))の築年数は、40年以上経過している割合が半数以上を占めており、除却や建替えなど、利活用をすることができず、空き家の状態が長期化している傾向がみられます。 3 調査結果の集約 ⑴ 老朽危険度判定調査 前回行った平成27年の調査結果と比較すると、「A判定」または「B判定」とした管理不全状態の空き家件数は49%増加しました。 その内訳を総合判定のランク別に見ると、A判定は33%減少しましたが、 B判定は94%増加しました。 「A判定」とした空き家のうち、既に区が助言・指導等を行っているものの割合は約5割で、内訳をみると、約7割が“雑草・樹木の繁茂や越境等”に因るものでした。 不動産登記情報を活用して、空き家の所有者を特定したところ、約5割が“区内在住”でした。 ⑵ アンケート調査 (問3)「建築物を使用しなくなってどのくらい経過しているか」を聞いたところ、「5年以上10年未満」(24.8%)、「10年以上20年未満」(15.0%)、「20年以上」(3.9%)で、“5年以上”と回答したのは全体の43.7%でした。 (問9)「維持管理をどのくらいの頻度で行っているか」を聞いたところ、「半年以上に1回程度」(40.5%)、「年1回程度」(12.7%)で、“半年以上も維持管理をしていない”と回答したのは全体の53.3%でした。 (問10)「維持管理をしていない理由」を聞いたところ、最も多かった回答は「必要を感じていないため」(50.0%)でした。 (問17)「建築物を利活用等するうえで、どのような支援策があったら良いか」を聞いたところ、「空き家解体費用の支援」が65人で最も多く、次いで「空き家について不動産、建築、相談手続き、法律の専門家に相談できる 窓口」が52人でした。 (問5)「建築物が空き家になったきっかけ」を聞いたところ、「税制上の理由で解体を控えているため」が10人、また、(問15)「特定空家等や管理不全空家等の勧告を受けると、住宅用地に対する固定資産税及び都市計画税を減税する特例(住宅用地の特例措置)の適用対象から除外されること」を聞いたところ、「知らなかった」が75人(49.0%)と、国が行う税制の周知が不足していることによって、空き家状態が続いているものもありました。 4 調査結果から顕在化した課題 ⑴ クロス集計の結果 建築物の状態は、空き家になった段階での築年数、それまでの使用状況、空き家になってからの維持管理など、様々な要因に左右されますが、経年 化によって「使用できる状態」の割合が減少しています。 「現在の状態が分からない(把握していない)」建築物が経過年数とともに増加するのは、維持管理されずに放置されてきたと考えられます。 空き家になってから5年以上経過しても「不接道敷地で再建築できない」「相続・解体・売却の方法が分からず困っている」などの“今後の対応方針”が決まらない方が5割を超えています。空き家になる前段階から、「住まいの終活」について自分事として捉え、実際の行動に移してもらうよう促していく必要があります。 空き家になってからの経過年数が長期化すればするほど、建築物の劣化が 進行します。所有者やその家族なども身体的負担や費用負担が大きくなり、維持管理が一層困難となることから、空き家になった、早い段階から利活用を促していく必要があります。 空き家になってからの経過年数が長期化しても、困りごとが解消するわけではありません。「売却」「賃貸」「寄付・贈与・相続」「取り壊す」の割合が一定程度高いことから、利活用できない原因について、早い段階から問題解決に向けて支援をしていく必要があります。 「建築基準法第43条第2項第2号の許可が必要な通路(協定通路)」に面している空き家は82件(5.8%)で、「法外通路(協定通路以外幅員4.0m未満)」に面している空き家は245件(17.3%)です。これらの不接道の空き家は、全体の2割強(23.1%)を占めています。 不接道の空き家は、特定の地区に点在し、土地の形状により、単独での除却や建替えなどが困難です。同じ街区の建築物は、面的に老朽化しています。 不接道の宅地が集中する地区では、相対的に空き家の割合が高く、将来的にも空き家になる蓋然性が高い傾向にあります。 ⑵ まとめ 空き家所有者には、空き家の利活用について、決めきれていないことが推察されます。「空き家」の利活用のために「情報」や「支援」を必要としていることがわかることからも、区や協定締結団体が行う、空き家に関する 相談窓口やセミナー開催等について、より一層周知・啓発を行っていく必要があります。 空き家そのものだけでなく、樹木・雑草の繁茂や越境によっても、近隣に お住まいの方々の生活環境に悪影響を及ぼしています。“空き家等の適切な管理は第一義的にその空き家の所有者の責任において行わなければならない”ことを、所有者に理解し、実際の行動に移してもらえるよう、丁寧かつ厳重に助言・指導していく必要があります。 空き家になってからの期間が長期化するほど、維持管理は困難となります。除却や、改修して利活用する場合であってもトータルコストが増加します。所有者が健在のときから、住まいの終活に取り組んでもらえるよう、空き家になる前段階の対策を強化していく必要があります。 様々な回答から「各種相談先」に関することが上位にあがりました。相談 事業は空き家対策を進めていく上で、根幹的な課題解決の糸口となることから、より一層、周知していく必要があります。 相続登記の義務化後(令和6年4月から)間もないため、不動産登記情報では、約4割の所有者しか特定することができませんでした。管理不全状態の空き家所有者への対応を迅速に行うためにも、国の制度をより一層周知・啓発していく必要があります。 「費用の不足」に限らず、「相続等の権利関係」「定期的な維持管理」など、課題は多様で複雑化・複合化しています。空き家所有者等の支援ニーズに対応していく必要があります。 建替えが困難な不接道の空き家の多い地区では、将来を見据えた対策が不可欠です。まちづくりの視点も取り入れ、面的な対策を行っていく必要があります。 5 調査結果の分析 ⑴ 不接道と空き家の相関性 実態調査によって、区内の空き家のうち、23.1%が不接道であったことから、空き家数が多い上位10地区(町名別)を対象に、不接道の宅地と協定通路(前面幅員4.0m未満2.7m以上)、法外通路(前面幅員2.7m未満)との道別の関係を調査しました。 調査の結果、田柄地区は、法外通路に面している宅地が著しく多く、さらに、その多くが、防災まちづくり推進地区の指定を受けた「田柄地区」に集中していることが明らかになりました。 あわせて、他の防災まちづくり推進地区(下石神井地区、富士見台駅南側地区)と、密集住宅市街地整備促進事業地区(桜台東部地区、貫井・富士見台地区)についても、同様の調査を行いました。 事業地区 防災まちづくり推進地区 地区名   田柄地区(約87ha) 指定地区 田柄1・3丁目(田柄通以北)、田柄2・4丁目(豊島園通り以南)、光が丘2丁目(豊島園通り以南) 事業地区 防災まちづくり推進地区 地区名  富士見台駅南側地区(約44ha) 指定地区 富士見台1・2丁目、南田中3丁目(環八以南) 事業地区 防災まちづくり推進地区 地区名  下石神井地区(約60ha) 指定地区 下石神井2・5・6丁目 事業地区 密集事業実施地区指定区域 地区名  貫井・富士見台地区(約92ha) 指定地区 貫井1~4丁目(一部)、富士見台3・4丁目(一部) 事業地区 密集事業実施地区指定区域 地区名  桜台東部地区(約50ha) 指定地区 桜台1・2丁目、桜台3・4丁目(一部) 防災まちづくり推進地区の指定を受けている「田柄地区」では、不接道の 空き家に起因する、防災・防犯、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしています。 地域の実情に応じた対策を積極的に講じなければ、将来にわたり、空き家による外部不経済によって、当該区域の経済的社会的活動が損なわれる蓋然性が高い状況にあります。 第5章 対策の方針 1 基本方針 ⑴ 空き家対策 基本方針1】空き家の発生予防対策の充実・強化 〔取組①〕空き家所有者に対する意識の涵養 〔取組②〕空き家に関する情報提供の強化 〔取組③〕協定締結団体等と連携による相談対応 【基本方針2】空き家の適正管理と利活用の促進 〔取組①〕空き家の適正管理 〔取組②〕空き家地域貢献事業等による空き家の利活用の促進 〔取組③〕空き家の更新による利活用の促進 【基本方針3】管理不全状態の空き家所有者への対応強化 〔取組①〕状態に応じた適切な法令運用 〔取組②〕再建築困難な敷地に所在する空き家への対応 ⑵ 不良居住建築物等対策 【基本方針】堆積物等による不良な状態の解消に向けた対応 〔取組①〕生活改善のための適切な行政サービスへの誘導と見守り・フォロー 〔取組②〕状態に応じた適切な条例等の運用 2 空き家対策 【基本方針1】空き家の発生予防対策の充実・強化 〔取組①〕空き家所有者に対する意識の涵養 空き家の適正管理については、第一義的に所有者等の責任において行われるよう、区ホームページや各種リーフレット、相談会やセミナー開催など、様々な機会を通じて、空き家所有者等の意識を涵養し、理解の増進につなげます。 練馬区社会福祉協議会が終活相談窓口を設置しています。社協と連携し、区や専門家団体が実施する空き家の相談会への参加の促進、また、周知・啓発を強化できるよう、福祉・保健分野の関係部署や関係機関等との連携・協力を進めます。   〔取組②〕空き家に関する情報提供の強化 空き家に関するコンテンツを充実します。国や都、協定締結団体が発信するコンテンツを区ホームページでリンクするほか、SNS等を活用し、積極的に情報を発信します。区ホームページでは、空き家に関する情報がより調べやすくなるよう、見直します。また、空き家に関する事業者紹介のページも充実します。所有者が、空き家について自分事として捉え、実際の行動につながるよう、周知・啓発を工夫します。 “相続した空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除”“固定資産税の住宅用地特例の解除”等の税制措置や、“相続登記の義務化”等の法制度、空き家所有者等が活用できる補助金事業など、国や都が行う措置や制度等についても、区から積極的に周知・啓発します。 空き家の利活用について所有者から相談があった際には、「住まい確保支援事業」についての説明を行い、必要に応じて、関係機関につなぎます。   〔取組③〕協定締結団体等と連携による相談対応 引き続き、講師や相談員の派遣協力を得て、区役所や区民センターなどで、区と協定締結団体等で共催する空き家セミナー・相談会を開催します。事前申込制の空き家セミナー・相談会の際は、相談者の希望に応じてオンラインでも対応できるようにします。 より専門的な窓口につなげるため、相談情報連携シートを活用し、専門家団体が主催する相談会や、東京都空き家ワンストップ窓口などにつなぎます。 区と協定締結団体との間で取り交わした協定に基づき、専門家団体や金融機関が主催する、セミナー・相談会等を区が後援し、空き家の市場流通の促進につなげます。 “相続問題”や“不接道問題”等の支援ニーズに対応するため、相談内容に応じて専門家で構成する、支援チームの派遣(アウトリーチ型)による相談支援を試行します。   【基本方針2】空き家の適正管理と利活用の促進 〔取組①〕空き家の適正管理 令和6年度に実施した実態調査結果を反映した、空き家情報データベースを日々の問い合わせ対応や経過把握に活用します。 アンケート調査により把握した、所有者の困りごとに応じて、助言・指導を行う際、相談会・セミナー等を周知・案内します。   〔取組②〕空き家地域貢献事業等による空き家の利活用の促進 マッチングを円滑に進められるよう、みどりのまちづくりセンターによる伴走型の支援を行います。 公益的事業に係るマッチングが成立した場合は、初期整備費として、改修に係る工事費用や活動に必要不可欠な設備の設置費用を補助します。必要に応じて、アドバイザーとして建築士を派遣します。 空き家を活用した高齢者、障害者、子育て世帯向けの居住サポート住宅改修事業など、国や都が行う空き家の利活用の取組について、国や都の動向を注視しながら、区独自の支援を検討します。 空き家の早期解消に向けて、専門家団体と連携・協力しながら市場流通につなげます。   〔取組③〕空き家の更新による利活用の促進 ※「第2編 空家等活用促進指針」に記載 【基本方針3】管理不全状態の空き家所有者への対応強化 〔取組①〕状態に応じた適切な法令運用 特定空家等に対しては「練馬区空家等および不良居住建築物等適正管理審議会」の意見を聴きながら、必要に応じて助言・指導等を実施します。 緊急の必要がある場合は、条例に基づき必要最小限の安全措置(応急措置)を実施し、原則として所有者に費用を請求します。 法令に基づく、所有者等への助言・指導、勧告を行ってもなお、適切な管理が行われない管理不全状態の空き家については、管理不全建物管理人制度や、管理不全土地管理人制度などの民法の特例制度を活用し、地方裁判所に、管理命令の申し立てを行うことを検討します。必要に応じて、福祉・保健 関係部署等と連携・協力し、行政サービスにつなげるほか、重層的支援体制整備事業の活用を検討します。 相続人の全てが相続財産を放棄、または全てが不存在の場合など、今後も周辺の生活環境の悪影響が中長期的に続くことが見込まれるときは、特定空家等に認定のうえ、略式代執行を行うことを検討します。なお、費用回収については、相続財産清算人制度等を活用して、家庭裁判所に、相続財産の清算人の選任の申し立て、略式代執行に要した費用を求償します。   〔取組②〕再建築困難な敷地に所在する空き家への対応 位置指定道路とする際の申請時の要件の緩和等、建築基準法の柔軟な運用によって、建て替えを促進していきます。 区が隣地に働きかけた結果、売却に至った事例もあります。具体化が見込める場合は、相談内容に応じた専門家団体による支援チームを派遣します。 3 不良居住建築物等対策 【基本方針】堆積物等による不良な状態の解消に向けた対応 〔取組①〕生活改善のための適切な行政サービスへの誘導と見守り・フォロー 居住者の生活改善を図りながら、堆積物等を撤去しないと、再度同じ状態に戻ってしまう懸念があることから、引き続き、福祉・保健関係部署等と連携・協力し、必要な行政サービスにつなげることによって悪化を防ぎます。 建築物の除却等の相談に対応するため、相談内容に応じて構成する専門家団体による支援チームを派遣します。 特定不良居住建築物等に認定した場合は、重層的支援体制整備事業の活用を検討します。 〔取組②〕状態に応じた適切な条例等の運用 緊急の必要がある場合は、条例に基づき必要最小限の安全措置(応急措置)を実施し、原則として所有者に費用を請求します。 条例に基づく、所有者等への助言・指導、勧告を行ってもなお、適切な管理が行われない特定不良居住建築物等については、管理不全建物管理人制度や、管理不全土地管理人制度などの民法の特例制度を活用し、地方裁判所に管理命令の申し立てを行うことを検討します。 周辺の生活環境に著しい悪影響を及ぼしており、居住者の生活改善が難しい場合は、条例等に基づき特定不良居住建築物等に認定し、助言・指導、勧告、命令、代執行等により対応します。 第6章 適正管理に向けた取組(具体的な対応) 1 空き家の適正管理 ⑴ 管理不全状態の空き家を予防するための対応 ①空き家の実態調査 区は、空き家の適正管理に向けて、空き家の所在や、所有者等を把握するための必要な調査を行います。   ②予防のための助言・指導(区条例第8条) 区は、空き家所有者等に対し、所有者等による空き家の適切な管理を促進するため、管理不全状態になることを予防するための必要な助言・指導をします。   ⑵ 管理不全空家等への対応 ①管理不全空家等の認定等(区条例第8条の2) 区は、管理不全状態の空き家が、適切な管理が行われていないことによって、そのまま放置されれば、特定空家等に該当する可能性がある状態と判断したときは、「管理不全空家等」として認定します。 空き家が管理不全状態であるか否かは、国のガイドラインを活用し、区が定めた「老朽危険度判定基準」に基づき判定を行い、区が認定します。 管理不全空家等の所有者等から、区からの指導または勧告に応じて、必要な対策を行った旨の報告を受けた場合は、区は、現状確認を行い、管理不全状態が改善されたと判断したときは、管理不全空家等の認定を解除します。    ②管理不全空家等の所有者等に対する指導(区条例第8条の3) 区は、管理不全空家等の所有者等に対し、国の基本指針に即して、当該管理不全空家等が特定空家等に該当することを防止するために、必要な対策をとるよう指導します。    ③管理不全空家等の所有者等に対する勧告(区条例第8条の4) 区は、管理不全空家等の所有者等に指導をした場合に、なお管理不全状態が改善されず、そのまま放置されれば、特定空家等に該当する可能性が大きいと判断したときは、特定空家等に該当することを防止するために、空き家の修繕や樹木の伐採などの対策を行うよう勧告します。    ④固定資産税等の住宅用地の特例適用除外(地方税法第349条の3の2) 管理不全空家等(特定空家等を含む)の所有者等に勧告した場合、区は、都にその旨の情報提供を行います。 都は、適切な管理が行われていない空き家が放置されていることへの対応として、固定資産税等の住宅用地特例を解除します。 ⑶ 特定空家等への対応 ①特定空家等への立入調査(区条例第7条) 区は、特定空家等の所有者等に対し、必要な限度で、助言・指導、勧告、命令に関することの報告を求めたり、職員等による立入り調査を行います。 職員による立入り調査を行うときは、5日前までに当該空き家所有者等に通知します(所有者が確知することができない場合等を除く)。立入り調査を行う際は、身分証明書を携帯し、関係者から求めがあったときは、提示します。    ②特定空家等の認定等(区条例第9条) 区は、管理不全状態の空き家が、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、または著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると判断したときは、「特定空家等」として認定します。 特定空家等の所有者等から、区からの指導、勧告、命令に応じて必要な対策を行った旨の報告を受けた場合は、区は、現状確認を行い、管理不全状態が改善された判断したときは、特定空家等の認定を解除します。    ③特定空家等の所有者等に対する助言・指導(区条例第10条) 区は、特定空家等の所有者等に対し、特定空家等の除却や修繕、樹木の伐採などの必要な対策をとるよう助言・指導します。    ④特定空家等の所有者等に対する支援(区条例第14条) 特定空家等の所有者等がやむを得ない事情によって、区が行った助言・指導に係る対策を、自らで行うことができないときは、所有者等からの依頼に基づき、所有者等の費用負担で、その対策を区が代行します。    ⑤特定空家等の所有者等に対する勧告(区条例第11条) 区は、特定空家等の所有者等に助言・指導をした場合に、なお当該特定空家等の状態が改善されていないと判断したときは、相当の猶予期限を付けて、特定空家等の除却や修繕、樹木の伐採などの、周辺の生活環境の保全を図るために必要な対策を行うよう勧告します。    ⑥特定空家等の所有者等に対する命令(区条例第12条) 区は、勧告を受けた特定空家等の所有者等が、正当な理由がなく、勧告した対策を 行わなかった場合に、特に必要と判断したときは、相当の猶予期限を付けて、勧告した対策を行うよう命令します。 区は、命令をした場合、標識の設置等の方法で公示します。この場合、特定空家等の所有者等は、標識の設置を拒んだり、妨げてはなりません。    ⑦特定空家等の所有者等に対する代執行等(区条例第13条) ア 行政代執行 区が命令をした場合で、特定空家等の所有者が履行しないとき(履行しても不十分なときや、履行しても期限までに完了する見込みがないときを含む。)は、行政代執行を行うことがあります。 イ 略式代執行 特定空家等の所有者等を確知することができないときは、略式代執行を行うことがあります。この場合、期限内に対策を行わなければならないこと、期限までに対策を行わないときは、区が略式代執行を行い、費用を徴収することを、あらかじめ告示します。 ウ 緊急代執行 災害などの非常事態が発生した場合、特定空家等が保安上著しく危険な状態にあるなど、緊急に、除却や修繕、樹木の伐採などの周辺の生活環境の保全をするために必要な対策を行う必要があり、命令をする時間的猶予が無いときは、区が緊急代執行を行うことがあります。    ⑧特定空家等の所有者等に対する応急措置(区条例第15条) 区は、区民の生命、身体または財産に危害を及ぼすおそれがある場合に、緊急の必要があると判断したときは、必要な最小限度の応急措置を行うことがあります。 応急措置を行う職員等は、身分証明書を携帯し、関係者からの請求があったときは、提示します。応急措置を行ったときは、その内容を特定空家等の所有者等に通知します。ただし、所有者等を確知することができないときや、通知することが困難であるときは、告示します。 応急措置に要した費用負担は、当該所有者等に求めます。 ⑨特定空家等の所有者等に対する弁明機会の付与等(区条例第11条・第12条) 区は、特定空家等の所有者等に、勧告しようとするときは弁明の機会を設けます。命令をしようとするときは意見書や証拠の提出の機会等を設けます。 命令に関する通知書を交付された特定空家等の所有者等は、その日から5日以内に、意見書の提出に代えて公開での意見聴取を行うことを、区に請求することができます。 意見聴取の請求があった場合、区は、特定空家等の所有者等に対し出頭を求め、公開による意見聴取を行います。その際、区は、命令した内容と、意見聴取の期日・場所を、期日の3日前までに、当該特定空家等の所有者等に通知するとともに公告します。 当該特定空家等の所有者等は、意見聴取に際して、証人の出席や自己に有利な証拠を提出することができます。 ⑷ 審議会への諮問、報告 ①審議会への諮問 区は、管理不全状態の空き家を特定空家等に認定をしようとする場合、また、特定空家等の所有者等に対する勧告、命令、代執行(緊急代執行を除く)をしようとする場合は、あらかじめ審議会に諮問します。 ②審議会への報告 特定空家等の認定解除、緊急代執行、支援または応急措置をした場合は、その実施後に、審議会に報告します。 2 不良居住建築物等の堆積物等による不良状態の解消 ⑴ 不良居住建築物等を予防するための対応 ①不良居住建築物等の実態調査 区は、不良居住建築物等の解消に向けて、堆積物等による不良な状態になるおそれのある居住建築物等の所在や、所有者等を把握するために必要な調査を行います。   ②予防のための助言・指導(区条例第17条) 区は、居住建築物等の所有者等に対し、堆積物等による不良な状態になることを予防するための助言・指導をします。   ⑵ 特定不良居住建築物等への対応 ①不良居住建築物等の立入調査等(区条例第16条) 区は、不良居住建築物等の所有者等に対し、必要な限度で、助言・指導、勧告、命令、支援を行うにあたり、職員等による立入り調査を行います。 立入り調査を行う職員等は、身分証明書を携帯し、関係者からの請求があったときは、提示します。    ②特定不良居住建築物等の認定等(区条例第18条) 居住建築物等が堆積物等による不良な状態と判断したときは、「特定不良居住建築物等」として認定します。 居住建築物等が堆積物等による不良な状態であるか否かは、区が定めた「危険度判定基準」に基づき判定を行い、審議会の意見を聴いたうえで、区が認定します。 特定不良居住建築物等の所有者等から、区からの指導、勧告、命令に応じて、必要な対策を行った旨の報告を受けた場合は、区は、現状確認を行い、特定不良居住建築物等の状態が解消されたときや、代執行、支援、応急措置を行ったときに、特定不良居住建築物等の認定を解除します。    ③特定不良居住建築物等の所有者等に対する支援(区条例第23条) 特定不良居住建築物等の所有者等から支援を希望する申出があった場合、やむを得ない事情によって、自らで行うことができないとき(正当な理由がなくてその命令に従わないときを除く。)は、所有者等の費用負担で、その対策を区が代行します。    ④特定不良居住建築物等の所有者等に対する助言・指導(区条例第19条) 区は、特定不良居住建築物等の所有者等に対し、堆積物等による不良な状態を解消するよう助言・指導をします。    ⑤特定不良居住建築物等の所有者等に対する勧告(区条例第20条) 区は、助言・指導をした場合に、なお当該特定不良居住建築物等の状態が改善されないと認めるときは、相当の猶予期限を付けて、物品の撤去、樹木の伐採などの、不良な状態を解消するために必要な対策を行うよう勧告します。    ⑥特定不良居住建築物等の所有者等に対する命令(区条例第21条) 区は、勧告を受けた特定不良居住建築物等の所有者等が、正当な理由がなく勧告した対策を行わなかった場合に、特に必要と判断したときは、相当の猶予期限を付けて、勧告した対策を行うよう命令します。 ⑦特定不良居住建築物等の所有者等に対する代執行(区条例第22条) 区が命令した場合で、特定不良居住建築物等の所有者が履行せず、他の手段によっても履行することが困難で、不履行を放置することが著しく公益に反すると判断したときは、行政代執行を行うことがあります。    ⑧特定不良居住建築物等の所有者等に対する応急措置(区条例第24条) 区は、区民の生命、身体または財産に危害を及ぼすおそれがある場合、緊急の必要性があると判断したときは、必要な最小限度の応急措置を行うことがあります。 応急措置を行う職員等は、身分証明書を携帯し、関係者からの請求があったときは、提示します。応急措置を行ったときは、その内容を当該特定不良居住建築物等の所有者等に通知します。ただし、所有者等を確知することができないときや、通知することが困難であるときは、告示します。 応急措置に要した費用負担は、当該所有者等に求めます。 ⑨特定不良居住建築物等の所有者等に対する弁明機会の付与等(区条例第21条) 区は、特定不良居住建築物等の所有者等に、命令をしようとするときは意見書や証拠提出の機会等を設けます。 命令にかかる通知書の交付を受けた特定不良居住建築物等の所有者等は、その日から5日以内に、区に対し、意見書の提出に代えて公開または非公開による意見聴取を行うことを請求することができます。 意見聴取の請求があった場合、区は、特定不良居住建築物等の所有者等に対し、出頭を求めて、公開または非公開による意見聴取を行います。その際、区は、命令した内容と、意見聴取の期日・場所を、期日の3日前までに、当該特定不良居住建築物等の所有者等に通知するとともに、これを公告します。 当該特定不良居住建築物等の所有者等は、意見聴取に際して、証人の出席や自己に有利な証拠を提出することができます。   ⑶ 審議会への諮問、報告 ①審議会への諮問 区は、居住建築物等を特定不良居住建築物等に認定をしようとする場合、特定不良居住建築物等の所有者等に対する勧告、命令、代執行、支援をしようとする場合は、あらかじめ審議会に諮問します。 ②審議会への報告 特定不良居住建築物等の認定解除、支援(措置の代行)または応急措置をした場合は、その実施後に、審議会に報告します。 第2編 空家等活用促進指針 1 空家等活用促進区域 「田柄地区」(田柄1~4丁目の一部、約87.2ha)を区域とします。 なお、同地区は、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第3条第1項による「防災再開発促進地区」の指定を受けるとともに、区が独自に「防災まちづくり推進地区」に指定し、地区の不燃化や耐震化など、防災性の向上に取り組んでいます。 2 現状と課題 建築基準法上の道路に接していない、建替えが困難な「不接道宅地」が多く存在し、老朽木造住宅が密集している。 将来的な空き家の増加も強く懸念される。 防災性の向上など、良好な住環境の実現に向けての支障となっている。 3 対象とする空き家等の種類 全ての不接道空き家(その跡地を含みます。以下同じ。) 4 基本的方針 敷地特例の適用等により、不接道空き家や不接道宅地の建替えを促進することで、 良好な住環境の確保につなげます。 5 敷地特例の要件 不接道空き家等については、将来の道路空間や避難上有効な空間を確保した耐火性の高い建築物とすることで、建築を可能とします。要件については、以下のとおりとします。 敷地:幅員1.8m以上4m未満の道に2m以上接する敷地 道:敷地が接する道に関して、将来4m以上となる線まで拡幅し通行することについて、原則、近隣全員の同意がされていること 用途:一戸建ての住宅とすること 構造:耐火建築物等または準耐火建築物等とすること 規模:地階を除く階数2以下とすること。延べ面積は200㎡以下とすること 避難空間:敷地境界線から50㎝の区域には、通行の妨げとなる建築物および工作物は設置しないこと その他:避難や通行の安全等のため、別に定める基準に適合すること ※誘導用途は設定しない。 6 対策の方針 空家等活用促進区域では、「第1編 第5章 2 空き家対策」で示した対策の方針に加え、以下の取組により、空き家の活用を促進します。 〔取組③〕空き家の更新による利活用の促進 [再掲] 敷地特例により建築を可能とする不接道空き家に加え、空き家以外の不接道宅地についても、将来的な空き家化を防ぐため、敷地特例要件を準用した基準により、建築を可能とします。 不接道の空き家や宅地の所有者等に対しては、区が戸別訪問や相談会を通じて、建替えや除却の周知・啓発、勧奨をするほか、区と専門家団体が連携して、相談・支援を行っていきます。 旧耐震住宅の除却、建替えに係る費用への助成を拡充し、不接道空き家を含む老朽木造住宅の建替えに係る費用負担を軽減します。 その他、不接道空き家の解消と発生抑制、建替促進につながる取組を講じることで、良好な住環境の確保を目指します。 管理や活用が進まない空き家等の隣接地の所有者が、空き家等を利活用する場合に、除却や建替え等の費用の一部を区が助成します。 権利関係が複雑なケースや、隣地の権利者等の把握が困難なケース等の支援ニーズに対応するため、相談内容に応じて専門家で構成する、支援チームの派遣(アウトリーチ型)による相談支援を試行します。 空き家地域貢献事業を活用する場合には、初期整備費として、改修に係る工事費用や活動に必要不可欠な設備の設置費用の補助をさらに加算します。 第3編 資料編 1 各種調査結果を踏まえた分析 資料編では、「第3章 統計情報」および令和7年8月に国土交通省が公表した「令和6年空き家所有者実態調査」(以下「国の所有者実態調査」という。)の結果からみる、空き家の発生から管理不全状態に至るまでの過程と課題についてまとめています。「国の所有者実態調査報告書」は国土交通省のホームページに掲載していますので、詳しくはそちらを参照してください。 2 区内の空き家の現状 区は、「一戸建総数」が特別区の中で2番目に多く(116,960戸)なっていますが、総戸数に占める賃貸・売却用及び二次的住宅以外の「用途のない空き家数」の割合は2.8%で、特別区の中で19番目となっています。   3 空き家の発生要因 令和6年度練馬区空き家等実態調査(以下、「区の実態調査」という。)によると、空き家になったきっかけは「相続により取得したが、別の住居で生活しているため」(55人)が最も多く、次いで「高齢者福祉施設・病院等への入所・入院もしくは死亡したため」(50人)となっています。また、国の所有者実態調査においても、「相続」(57.9%)が半数を超えています。空き家の発生理由は様々ですが、高齢者世帯が居住する建築物は空き家の発生リスクが高いと考えられます。 ⑴ 空き家予備軍となる高齢者世帯の割合と将来人口推計 持ち家で暮らす65歳以上の世帯員がいる世帯(単身または夫婦)が近い将来空き家になる可能性が高い「空き家予備軍」に当たると考えられ、18ページの図「区内の世帯総数の内訳と65歳以上世帯の割合」のとおり、現状、該当する世帯は約5万世帯です。区の将来人口推計では、高齢者人口比率・後期高齢者人口比率は今後も増加傾向であることから、それに伴い、空き家予備軍世帯も増加することが考えられます。 ア 近年の傾向を踏まえた区内の将来人口推計 「第3次みどりの風吹くまちビジョン」によると、区の総人口は、令和26年に約78万人に達し、その後、減少に転じる見込みです。 人口推計を4つの年齢区分別の構成比で見てみると、高齢者人口比率、後期高齢者人口比率が上昇しています。   イ 区内の空き家予備軍世帯の推移(平成20年~令和5年) ⑵ 不接道空き家 不接道空き家は、建て替えが困難です。そのため、相対的に放置されるリスクも高くなります。不接道空き家の不動産登記簿上の築年数をみると、築40年以上経過した空き家が5割を超えています。 ⑶ 相続前の対策状況 国の所有者実態調査によると、相続前に対策を講じていない(77.0%)世帯は、7割を超えています。被相続人との話し合い、遺言の作成支援、後見制度や家族信託の活用などの相続前の対策が多くの世帯で行われていない状況にあります。 4 空き家が管理不全状態に陥る要因 建築物は、暮らし、生活することで換気などの必要な管理ができます。空き家になり、人が居住しない状態が続くと劣化が急速に進み、繁茂した樹木の敷地外へ越境、動物の棲みつき、雨どいの破損等様々な問題が生じます。空き家が放置され、適正に維持管理がなされないと管理不全状態の空き家になってしまいます。なお、空き家の維持管理状況は以下のとおりです。   ⑴ 空き家の維持管理の頻度 区の実態調査によると、維持管理の頻度は、「半年に1回程度」(40.5%)が最も多く、次いで、「月1回程度」(27.0%)となっています。また、国の所有者実態調査では、「月に1~数回」(34.0%)が最も多く、次いで「年に1~ 数回」(27.6%)という結果となっています。 ⑵ 維持管理をしていない理由 区の実態調査によると、所有者が維持管理をしていない理由は「必要を感じていないため」(11人)が最も多くなっています。国の所有者実態調査では、「住宅を利用する予定がないので管理しても無駄になる」(27.1%)が上位に挙がっています。空き家の適正な管理は第一義的にその空き家の所有者の責任において行わなければならないという理解が不足していることが伺えます。 ⑶ 維持管理に関する費用 年間の維持管理に要する費用について、「10万~20万未満」(16.7%)が 最も多くなっています。空き家を管理する上で、維持管理費用が負担となっていることも課題の一つであることが考えられます。 ⑷ 空き家に関する税制度の認知度 住宅用地は、特例措置により固定資産税・都市計画税が軽減されています。しかし、特定空家等または管理不全空家等に該当し、賦課期日までに区からの勧告に対する必要な措置が講じられない家屋の敷地については、住宅用地に対する特例措置の適用対象から除外され、本来の税額が課されます。 空き家所有者の半数はこの制度について、「知らなかった」(49.0%)と回答しており、税制に関する周知不足も空き家を放置する一因になっていると考えられます。 ⑸ 空き家に関する施策の認知度 区が実施した令和7年度区民意識意向調査の結果によると、区の空き家施策に関して「知らない」(81.4%)と答えた方が8割を超えています。空き家の発生予防の観点から、区民に対する施策の周知について、より一層重点的に取り組む必要があります。    5 管理不全状態の空き家が地域に及ぼす影響 ⑴ 空き家の陳情件数 区内の空き家に関する相談件数は年間約400件(令和6年度)です。5年前の令和2年度と比較すると、2倍に増加しました。相談者の多くは近隣住民の方々で、繁茂した樹木が敷地外へ越境するなど、空き家が周辺の生活環境に悪影響を及ぼしているケースが目立ちます。 ⑵ 腐朽・破損のある空き家の割合 一戸建て空き家のうち約4割が腐朽・破損状態にあり、これらの空き家が適切に管理されていない状態が続くことで、周辺の生活環境により一層著しく悪影響を及ぼすことが懸念されます。   練馬区空き家等対策計画 令和8年(2026年)3月 編集・発行 練馬区環境部環境課空き家等対策係 東京都練馬区豊玉北6丁目12番1号 電話 03-5984-1192(ダイヤルイン)